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京都つながりの「きつねうどん」

 京都にお隠れになっているグルメ仙人から時々いい情報が入る。

今回は京都とバルセロナにアトリエを構える気鋭の画家・加藤力之輔さんの個展(3月30日まで開催中)の案内。何でも加藤画伯とはランチのお友達でもあるとか。会場の銀座風月堂ビル3F「ギャラリー Olive eye」へ急ぐ。
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        加藤力之輔展(東京・銀座)

兜町ペンでの缶詰作業の合間を縫っての覗き見程度だったが、墨を使った大作と小品の数々に圧倒されてしまった。どこかルネッサンス期の壁画を思わせる生命のエネルギーに満ち満ちていて、その独自の画風はグルメ仙人によると、師匠である抽象画の大家・山口長男の影響も受けているそう。会場は狭かったが、大作は一見の価値あり、と思う。

で、ここからがこのブログの本題。今回テーブルに載せるのは、その直後に駆け足で飛び込んだ「京うどん きつね庵」で食べた「京のきつねうどん セット」(税込み1000円)。ひじきの煮つけ、サラダ、ちりめん山椒ごはん付き。
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         京うどんだって?

京都つながりの点と線というわけである。これが本場・京都そのものの味わいで、出汁がジワリと効いた甘めのつゆとお揚げの美味さが秀逸だった。九条ネギの鮮度もいい。
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          入るっきゃない

松屋銀座から昭和通りに向かって3本目の裏通りにあるビルの2階。階段をトントンと昇っていくと、菜の花色の長暖簾が下がった小料理屋のような風情の店にぶつかる。「京うどん きつね庵」である。
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          おいで

カウンター6席と2人掛けのテーブルのみ。よく見ると、京人形がさり気なく飾られていたり、ちょっとした置き物も趣味がいい。
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          京都つながり

カウンターの向かいが板場になっていて、そこに店主が一人。それにややご高齢の女将さんらしきお方。関係はわからないが、店主は京都出身だとか。BGMがなぜかラテンなのがちょっと違和感。京都は進取の気性に富んだ街なので、ま、それもありか?
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          メニューの一部

待ち時間は7~8分ほど。湯気といい匂い。大きめの深どんぶり。中央には見るからに柔らかそうなお揚げがふわふわ浮いている。その数は申し分ないボリュームで、その周囲を鮮やかな深緑色の九条ネギが囲んでいる。
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          ディスイズ京都
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        お揚げ、只者じゃない
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         絶妙なつゆ
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         京うどんって?

木のお玉で透明感のあるつゆをまず一口。昆布出汁の旨味と京都独特の甘みが薄口醤油の中で「あんたはんにこの味わい、わかりますやろか」とひそひそ話をしているような印象。一歩間違えると、いけずの世界。あーやだやだ・・・じゃなかった、あーいいよいいよの世界だよ。麺は絹の光沢の柔らかな中太麺で、つるりとしていて、意外にコシもある。
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         お揚げの実力
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         七味をぱらり

お揚げがあまりに美味いので店主に聞いてみると、「豆腐もお揚げも北野天満宮前の『とようけ屋山本』のものを使ってます。東京のデパートでは売ってませんよ」。なるほど美味いはずだよ。偶然だと思うが、「とようけ屋山本」はグルメ仙人御用達の豆腐屋でもある。
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        ちりめん山椒ごはん
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     サラダとひじきのおばんざい

サラダはイマイチだが、甘めのひじきの煮つけとちりめん山椒ごはんは洗練されていて美味。どちらも自家製。全体としてはかなりの満足感。意外だが、銀座で京うどんの専門店というのは少ない。オープンしたのは約4年前だとか。

京うどんの特徴って何ですかねえ?」
店主に聞いてみた。
「まあ出汁でしょうね。コクと旨味。京都のうどん自体はもっとコシがないですよ。ここは東京なので、少しコシを強くしてるんですよ」
うむ。
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         ごはんも進む

つゆを一滴残らず飲み干すと、どんぶりの底の底から独特の嗄れ声が聞こえてきた。まさか?

「どないですか? 加藤画伯と京うどん。翔んで埼玉県人のあーたには毒だったかも? ひっひっひっひ」

ありゃりゃ。グルメ仙人の声? 何という登場の仕方。あわてて、支払いを済ませて、大急ぎで兜町へと走るのだった。

本日の大金言。

京都はお揚げ文化だと思う。東京なら油揚げのサイズはほぼ1種類だが、3から5種類はある。故にきつねもあちこちに住んでいる。



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「ごぼう入り」肉汁武蔵野うどん

 ぎっくり腰がひどくなっている。朝起きるとイテテテ、トイレで立ち上がる時もイテテテ。タチツテイテテテテテの日々。トまでなかなか行かない。ナ行は遠い。ラ行など地平線の向こう。

なので埼玉・久喜市の鷲宮神社へ。ここは折に触れて行く場所。ウマズイ村にとってはパワースポットでもある。キオとつんくんの結婚式が無事終わったこともあり、その報告もかねて、腰痛ベルトをしっかりセットしてから、新ポンコツ車をぷかぷか飛ばした。相方の村民2号は友人と会食。神社に一人で参拝するのも悪くはない。ぎっくり腰にも奇跡が起きるかもしれない。
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         ごぼう麺だって?

本日テーブルに載せるのはその帰り道、下清久で見つけた「武蔵野うどん のうぼ」。「自家製ごぼう練り込み麺」と「肉なす汁」ののぼりが3月の風にはためいていた。
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         埼玉はうどん県

シンプルモダンな横長の建物が今どきだが、「ごぼう練り込み麺」の珍しさに好奇心が動いた。午後12時30分過ぎ。蔵造りの重い引手をギギギと開けると、店内は広く、まだオープンして間がないようで、コンクリートの床と木のカウンター席、テーブル席が初々しい。左手が板場になっていて、女性スタッフが忙しく動いていた。お客は3組ほど。男性スタッフも一人。
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          モダンな外観
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          シンプルな店内
         
メニューから「肉なす汁」(税別 並み740円)選んだ。今どきの男性スタッフと会話。
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         メニューの一部

「ごぼう練り込みって、あのごぼうを練り込んだうどん?」
「そうです。少し癖があるので苦手な方には普通のうどんもあります」
「武蔵野うどんでごぼうを練り込んだ店って珍しいね。ひょっとしてここだけ? いつオープンしたの?」
「詳しいことはわかりません。オープンして1年以上経ちます」
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         板場が見える

男性スタッフはバイトかもしれない。店名の「のうぼ」は「農穂」、つまり「武蔵野の大地からの豊かな恵みから付けたんです」とか。「のぼうの城」とは関係がないようだ。

待ち時間はやく14~5分ほど。武蔵野うどんは基本的にぶっといので、茹でるのに時間がかかる。この伝統はしっかり受け継いでいる店のようだ。
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        武蔵野うどんの進化系?
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     ごぼうが練り込まれている

平ざるに盛られた冷たいごぼううどんは、太くウエーブがかかっていて、しかも色が茶グレー。ところどころにごぼうの生地がシミのように点々としている。意外に美味そうな、いいビジュアル。並みなのでボリュームはそう多くはない。
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        コシとなめらかさ

武蔵野うどんの元祖「田舎っぺ」と比べると、太さも硬さも食べやすいようにアレンジしてある。ここは好感。
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          肉なす汁
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          香豚のバラ肉

肉なす汁は熱々で、なすがゴロゴロ、豚バラ肉も7~8枚ほど。それにエノキダケ。まずまずの構成。まずはごぼううどんのみを味わう。つるっとした舌触りで、しかも噛めば噛むほどしっかりとしたコシを感じる。さぬきに近い食感。国産小麦粉とごぼうの素朴な風が悪くない。
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          いいレベル

肉なす汁に付けると、なかなかイケる。宗田節で取った出汁と濃い目のカエシのバランスも悪くない。酢も入っているのか、濃い目の甘辛の奥に潜んでいる酸味がいいアクセントにもなっている。だが、どこかに化学調味料の匂いがかすかに残る。
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          七味をパラリ

豚バラ肉(加須産香豚)となす、それに刻み葱も鮮度がよく、全体的には80%の程よい美味さだと思う。トヨタ主義のモダンなうどん屋さん。

武蔵野うどんの新しい可能性も感じるが、舌代も含めて、今どきのビジネスライクな匂いもする。天ぷらなどもトッピングできる。シイタケの天ぷらが美味そう。店はまだここ一軒のようだが、ひょっとしてチェーン店化も視野に入れているかもしれない。

BGMがアメリカンポップスから森山直太朗の「さくら」に変わっていた。卒業式のシーズンでもある。80%の満足感で店を出る。ぎっくり腰の卒業式は来そうにない。

本日の大金言。

武蔵野うどんは武蔵野台地エリアのうどんを指すようだが、さぬきのようなしっかりとした定義はまだない。ごぼう練り込みうどんも箱根や津軽、山口にもあるようだが、武蔵野うどんと来ると、極めて珍しいと思う。「翔んで埼玉」にも入れてほしかった?




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「能登牡蠣」のカキフライ

 午後1時までに兜町ペンに行かなければならない。あと一駅。時計を見ると正午15分過ぎ。時間がない。ちょうどランチタイムなので、いい店は混んでいる。すぐに座れて、料理も美味い。そんな店はないか?

頭に浮かんだのが居酒屋「北陸 集らく」だった。ちょうど一年前ほど、同じようなシチュエーションで飛び込んだら、「天然ぶり刺し定食」がいい意味で期待外れの美味さだった。あまり混んでない店で、入った瞬間、「これはハズレかな」と思ったが、その予想がハズレだった。ぶり刺しはもちろん、ご飯もあら汁もそれなりに美味かった。
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          茅場町の穴場
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         能登牡蠣だって?



茅場町で降りて、永代通りを兜町方面へ。一本裏通り。思った通り、行列はない。店内は結構空席も見えた。入り口で「本日のランチ」の一番上に「カキフライ」(あら汁、中鉢、サラダ、漬物付き 900円=税込み)のメニューが見えた。しかも「能登牡蠣(のとがき)」と表記してあった。まだ旬が続いているはず。決まり!
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        これっきゃない

今回はカウンター席ではなく、仕切りのあるテーブル席に案内された。すぐに「カキフライ」を頼んだ。広島産でもなく、宮城産でもない。能登産の牡蠣に期待が膨らむ。能登の海はプランクトンが多いので、牡蠣も栄養たっぷりで美味いはず。
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        能登のラインアップ

待ち時間は約10分ほど。大きさは中ぶり。広島産や宮城産よりも少し小ぶりか。それが5個。鮮度のよさそうなキャベツとトマト、タルタルソースとソースの入った小皿が付いている。それにあら汁、ひじきの煮つけ、漬物が控えていた。炊き立てのご飯は石川産コシヒカリ。つややか。悪い構成ではない。
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         あら汁の味わい
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        レモンを搾る

あら汁を一口すすってから、揚げたてのカキフライにレモンを絞る。たっぷりと入ったあら汁はぶりで、やや薄味。まずまず。
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         ご立派どすなあ
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        タルタルソース

最初にタルタルソースを付けて、がぶりと行く。サクッと揚がっていて、いいレベル。中の能登牡蠣はきれいな味で、広島産や宮城産ほどの濃厚感はない。どこか品のある日本海のミルクだと思う。
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         お次はソース

次にソースに付けてみる。これはこれで旨い。だが、個人的には醤油が旨いと思う。醤油は2種類置いてあり、濃い口と富士菊醤油。富士菊醤油は多分だし醤油で、やや甘め。これがよく合う。石川産コシヒカリは柔らかめに炊かれていて、もう少し固めの方が好きだが、悪くはない。
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         特製しょうゆへ
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         合わせ技の美味
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         たまらん

個人的な奥の手が、タルタルソース+富士菊醤油。これがたまらなく旨い。ご飯の上に乗っけて味わうようにかっ込むと、能登にいる気分になってきた。
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        たまらん×2

天国、天国・・・ふと時計を見る。1時6分前。ありゃりゃ大変。ひじきの煮つけと漬物でクールダウンしてからお茶をがぶりと飲み、大急ぎで支払いを済ませ、ペン3階会議室へ。1分ほど遅刻・・・ま、範囲かな。村長よりも遅刻した人が3人ほどいた(遅刻はいけません)。

本日の大金言。

カキフライが美味い季節だからといって食べ過ぎてはいけない。最近は韓国産なども出回っている。個人的には牡蠣は国産に限る。ツケで食べるのもよくない。かきげんきん(さぶ~)。





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神保町の四川「黒チャーハン」

何ということだ。パソコントラブルで約34時間も棒に振ってしまった。このブログを書き始めたところで完全フリーズ。あんれまあ、画面が真っ黒に! その原因がわからず右往左往、危ないウイルスにでも感染したのかと青ざめてしまった。プロに来てもらって2時間ほど前にようやく復旧した。何のことはない。ウイルスではなく、考えられる原因は静電気のイタズラとか。プロ曰く「パソコンは女性と同じで意外にデリケートなんですよ。たまには放電してくださいね(笑)」。修理代4000円で済んだが、パソコンおそるべし。

なので、途中で止まったままのブログを再スタートすることにしよう。
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        「The 備前」(工芸館で)

東京都近代美術館工芸館で「The 備前」を堪能した後、所用で神保町へ。桃山時代の備前焼の素晴らしさが頭に残ったまま、不要になった観世流謡曲本「車僧」など5冊を売る。昼めし一回分にしかならないが、心が少し軽くなる。
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         隠れた名店か?

そのお金で遅いランチとなった。以前から目を付けていたすずらん通り裏手にある「四川料理 秋(あき)」。神保町周辺は美味の宝庫で、いい店が隠れている。本日はここで食べた驚異のチャーハンをテーブルに載せたい。
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        階段の奥の世界へ

店は地下にあり、階段を下りていくと、高級感に包まれた室内へと続いていく。BGMは癒し系で、黒いチャイナ服の女性スタッフはキビキビしている。厨房は見えないが、中国語も飛び交っている。香港か上海にでもいるような錯覚に陥る。
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         ここは上海?
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         チャーハンさま

メニューの中から黒チャーハンともいえる「豚角煮青菜チャーハン」(税込み 780円)を選んだ。待ち時間は12~3分ほど。エレガントな白い丸皿に黒っぽいチャーハンがボリュームたっぷりに盛られていた。湯気といい匂い。ラードのテカリ、黒を背景に青菜、人参、えんどう豆がいい彩りでアクセントを付けている。よく見ると、豚角煮の姿がゴロゴロ見え隠れしている。
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          おおおの登場
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         よだれを我慢

期待以上の光景に少したじろぐ。とろみのある豆腐のスープ、キャベツのサラダ、ザーサイ、杏仁豆腐まで付いている。手抜きが見えない。これで780円とはにわかには信じがたい。味はどうか?
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        レベルの高さ
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         豆腐のスープ

チャーハンは火がよく通っていて、パラパラ感も十分にある。コクと旨味が深い。黒の正体は何だろう? 醤油ともオイスターソースとも違う。四川なのに辛みはほとんどない。麻油みたいなもの?
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       豚角煮が隠れている
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         あーん

豚角煮と青菜、それに青えんどう豆が効いている。人参は愛嬌。四川のチャーハン、恐るべし。

キャベツのサラダはフツー、甘すぎない杏仁豆腐は冷えていて美味。全体として、食べ終えると大いなる満足感に襲われた。かなり得した気分。
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         自家製杏仁豆腐

支払いの時、女性スタッフに「あの黒は何ですか?」と聞いてみた。中国語のアクセントで「あれは四川のショウユです。日本のとちょっとちがうね」とのお答え。本場中国出身のシェフが作っているそう。それで妙に納得してしまった。


本日の大金言。

今回は調子が狂ってしまった。パソコンが故障すると、生活まで故障する。いつのまにか生活がPCに支配されていることもわかった気がする。同病の皆さん、PCを捨て、街に出よう。なんちゃって(泣き)。



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餃子王国・静岡の規格外ギョーザ

 本日テーブルに載せるのは静岡・沼津で食べたジャンボ餃子である。

静岡・浜松は栃木・宇都宮と並んで餃子が有名だが、沼津も餃子が隠れ名物だということを初めて知った。たまたま駅前の安宿に泊まり、そこのフロントで得た情報。沼津は魚だけではない。
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     わびしさがたまらない

それが餃子専門店「高千穂」だった。浜松餃子とも違う。沼津の人気一番店「中央亭」の餃子は焼いてから茹でるという珍しい餃子で、むしろ茹で餃子に近い。焦げ目の付いた茹で餃子なんてアリか? フロントにその特徴を聞いて、少し引いてしまった。夜だったので行列という言葉にも足が遠のいた。

で、もう一軒の人気店を教えてもらった。安宿のすぐ近く、というのもこの寒さを考えると、ありがたい。しかもデカくて、焼き餃子だという。「結構イケますよ」とフロントの女性。
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       店名より「ぎょうざ」

3~4人の並びは覚悟しながら100メートルほど行くと、「餃子」の文字が寒風に浮かび上がっていた。どこかわびしい、古い店構えが気に入った。店名の「高千穂」よりも「ぎょうざ」の文字がデカい。赤いのぼりもはためいている。昭和なB級の匂いがする。

入るとすぐ左がカウンターになっていて、店主と奥さん(?)が忙しげに働いていた。午後6時半。餃子を焼く匂いが漂っている。テーブル席が4つほど、小上がりもある。ほぼ満員。
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        メニューはこれだけ
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          4種の神器

メニューには餃子しかない。これは凄いこと。旨そうに食べているオッサンの手元を見ると、一個の大きさがかなりデカい。しかもグラマーで肉感的にさえ見えた。

4個(税込み 320円)から10個(同 800円)まである。少し迷ったが、胃袋の状況を考えて、6個(同 480円)を頼んだ。1個あたり80円なり。むろんビール(中ビン 500円)も頼む。餃子にビールは欠かせない。
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         かぶりつけ 
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        肉感的なギョーザ

待ち時間は短い。5~6分でさっと来た。店主は休みなく焼いている。いい焼き色で、改めて見ると、本当にデカい。東京・上野「昇龍」といい勝負だと思う。焼き面はパリパリしていて店主の腕は確か。茹でもやしが添えてあり、そこは浜松餃子と似ているが、円型焼きでもなく、それ以上に一個の大きさがまるで違う。
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          デカいぞ
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          どないどす?
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          むっちりもっちり

ビールを一口飲んでからラー油を垂らした酢醤油に付けてゆっくりと口に運ぶ。この瞬間がたまらない。

皮のもちもち感と中の具のよく練られたキャベツが合っている。ニンニクの風味がじんわりと来る。肉の姿は見えない。宇都宮餃子は白菜中心だが、静岡の餃子はなぜかキャベツ。ひょっとしてタマネギと青ネギも混じっているかもしれない。ぎっしり感。そのほのかな甘みがラー油酢醤油によく合う。上野「昇龍」よりも好みに近い。
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          詰まってる
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          ほとんどキャベツ

茹でもやしがシャキシャキしていていいわき役となっている。個人的には豚肉が入っていた方が好みだが、高いレベルのジャンボ餃子だと思う。
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         もやしもあるでよ

地元客が通うアットホームな雰囲気が好ましい。店主が忙しそうで、あまり話しできない。それでも店の歴史は「35年になります」とか。「沼津餃子? うちはちょっと違います」くらいは聞けた。この場合の沼津餃子はどうやら「中央亭」の焼き茹で餃子のことを言っているようだ。
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      あたいをどないしますのん?

浜松餃子でもなく沼津餃子でもない。つまりは静岡の規格外餃子ということ? そんなレッテル分けは意味がない。デカくてグラマラス、いいとこ取りの手作り餃子と言えなくもない。いやいや、旨ければ文句はない。食べ飲み終えると、結構お腹がきつくなった。隣の若いサラリーマンはビールを飲みながら、4個を2回お代わりしていた。

本日の大金言。

手作り餃子は心まで温める。チェーン店ではなく餃子専門店というのはそう多くはない。沼津はかつては東海道五十三次の沼津宿として栄えた。今は過日ほどの賑わいはないが、和菓子屋も含めていい店が残っている。それを探す楽しみ。





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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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