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究極バターロールの隠れ家

改めて世の中は広い、と思った。意外な場所でバターロールの逸品に出会ったからである。こういう店が隠れているのだから、うまいもの探しは止められない。

新ポンコツ車をぷかぷか走らせながら、埼玉でも美味いベーカリーと評判の羽生市「みやび亭」へ。京都の人気ベーカリー「たま木亭」で修業した店主が開いた店で、実際に食べたらそれなりにうまかった。フランスの匂いのする、やや高価なパン屋さんだった。
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          ん?パン屋さん?

ここからが本題。その帰りのこと。すぐ近い場所に店名なのか「バターロール」と大きく書かれた店が目に入った。不思議な雰囲気の店で、好奇心に駆られて入ってみると、シンプルなパン屋さんだった。店主らしい品のいいおばさんが一人。看板のバターロールが売り切れ。総菜パンも売っていて、それがすべて100円均一。午後2時を過ぎたばかりなのに、総菜パンがほんの少し残っているだけで、棚はきれいになっていた。
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          パン職人の気配

おばさんは店主で、店は1991年(平成3年)創業だそう。元々は館林でパン教室を開いていて、羽生に移転し、こだわりの手作りパンを作り続けているという。しばし雑談となった。営業は火、金、土の週3日だけ。バターロールは特に人気で、5個入り300円(税込み)は作る量も限られていて、午前中で売り切れることももあるとか。
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       バターロールとご対面
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       総菜パンは100円なり

予約してから、日を改めて、新ポンコツ車を走らせた。次第に地元では知られたパン屋さんだとわかってきた。幻のバターといわれるカルピスバターを使用、水も小麦粉(埼玉産小麦粉中心)もこだわりの作り方をしていることもわかった。この安さではありえない世界だと思う。

何度か通う。相方のパン好き村民2号も安さと美味さにちょっと驚いている。ジャムづくりに凝っている相方がリンゴジャムを用意、あんこ作りに凝っている村長はつぶしあんを用意。有機栽培のコーヒーを入れて、試食会となった。
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          自家製リンゴジャム
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       おぬし、ただ者じゃない?
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          一目ぼれ

バターロールはあの浅草「ペリカン」に匹敵する美味さだと思う。コスパは比べようもない。まず、きれいな焼き色と香ばしい小麦の香りに引き込まれる。卵白のテカリとパン生地のもっちり感と柔らかな密度が素晴らしい。カルピスバターがさわやかな風味を与えているのではないか。1個当たり60円が信じられない。
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          リンゴジャムと相性
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          あんことマーガリン

マーガリン、自家製リンゴジャム、自家製あんこ。コーヒーを飲みながら、それらを組み合わせる。好みの問題だが、最も気に入ったのはリンゴジャム。村民2号の自信のジャムで、ピュアな果実味と甘さがバターロールのピュアな風味と絶妙に合う。あんこも悪くはないが、小豆の風味が勝り、バターロールの長所を少し消してしまう気がする。1日置くと、少し風味が落ちる気がするが、焼きたての美味さは格別。究極のバターロールに近いと思う。
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          コスパ、すご

本音で言うと、この店はあまり教えたくない隠れ家のようなパン屋さん。地元以外にはさほど知られていないのも気に入っている。
かようなパン屋さんが週に3日だけこの地上に存在していること。それをひそかに喜んでいる。

本日の大金言。

高いパン屋さんは多いが、安くて美味いパン屋さんは多くはない。ほとんど宣伝もせず、ローカルでバターロールを看板にして30年近く安くて美味いパンを作り続けていること。それはそう簡単なことではない、改めてそう思う。

 
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赤羽で唐津直送「アジフライ&丼」

 居酒屋の町、東京・赤羽は村長の好きな街の一つ。先月もここで飲み会を開いたばかりなのに、兜町での野良仕事が夕方近く終わったので、ついつい寄り道してしまった。赤羽は中毒になる。

昼飯を食べていなかったので、かなり遅いランチ。東口で降りて、アーケード商店街へ。目的は「鯵家(あじや)」。唐津直送の天然の真アジを使ったアジ料理が旨いことで少しづつ知られつつある店。去年行ったときは時期が夏だったこともあったのか、期待したほどの旨さではなかった。
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          唐津? いいえ赤羽

たった一度でその店を評価するのは危険だ。独特の、そこだけ漁港の町ふうの開放的な店構えだったので、もう一度確認する必要がある。午後4時過ぎ到着。時間が時間なので客はいない。

殺風景と紙一重の店内にJポップが流れていた。L字のカウンター席が中心で、テーブル席が三つほど。そこに男性スタッフが2人。店長とバイト? メニューから「鯵家得丼(とくどん)」(税込み770円)を頼むことにした。文字通りお得などんぶりで、アジ丼とアジフライ丼、2種類が楽しめる。
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          鯵家得丼だって?

唐津は先々月行ったばかりで、玄界灘の魚が身が引き締まっていてとても旨い。その天然アジを使っているなら、マズイはずはない。
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          漁港のどんぶり!
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          今回は当たりか

待ち時間は約10分ほど。黒い角盆に乗って、得丼がやって来た。アジ丼とアジフライ丼がいい感じで、漁港の雰囲気を醸し出していた。細かいことは脇に置いて、中身の鮮度で勝負というスタイル。卵スープをまずはズズとすする。特筆するほどではないが、フツーにうめえ。
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          アジフライ丼
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          天然真アジ

まずはアジフライ丼。きれいに揚がったアジフライが2枚、たくわんの千切りがちょこんと乗っている。ソースをかけて、がぶりと行く。アジの味わいが予想よりいい。前回は旨いと感じなかったが、今回は違った。安い店の臭みのあるアジフライではなく、きれいな、いい脂が白い身からにじみ出てくる。玄界灘の潮の香りもする。小田原で食べた根付きのアジフライとそん色のない旨さだと思う。
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          コスパがいい

特性の醤油ベースのたれもかけてみる。魚醬のような旨味。これはイケる。店長(?)に「このたれ、正体は何?」聞いてみると、「あのう企業秘密です」とかわされてしまった。ほのかな酸味がいい。
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          こちらはアジ丼

アジ丼へ。鮮度の良さを示す透明感のある真アジの薄切りが10枚ほど。万能ねぎと下ろし生姜、それに海苔が効いている。こちらは初めから特製だれをかける。アジの旨さ。唐津の天然真アジというのは嘘ではないようだ。きれいな、甘みのある脂が締まった身から舌先へと伝わってくる。
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          きれいな身

ご飯はやや固め。コシヒカリかと思ったら、「千葉のふさこがねです。コシヒカリはアジには合わないんですよ」とか。この店長、なかなかの目利きかもしれない。
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          唐津が呼んでる?

あっという間に食べ終える。予想以上の満足度。前回のハズレ感がきれいに払しょくしていた。高くないのもいい。期待しすぎるのもよくないが、コスパ的には満足度が高いと思う。ただJポップはいけない。せめて演歌にしてほしい気がする。

本日の大金言。

赤羽は居酒屋の町だが、人気が出すぎて、強気の店が多い。そこから少し離れたところにもいい店がある。この店はその一つだと思う。



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下北伝説中華屋の「ラーチャン」

あっという間に平成最後の師走・・・。小田急沿線の友人S氏宅でひと足早い「昼から忘年会」となった。S氏の料理の腕はプロ級で、3年前よりも腕を上げていた。まさか料理屋でも開く心づもり? 和食のフルコースに近い、おもてなし。「菊水 濁り酒」を飲みながら、仲間内でディープな話が弾んだ。

S氏が寝込んでしまったために、夕方近くに解散。村長もくつろぎすぎて、ぎっくり腰がガクガク腰になりかかっていた。菊水ではなく「コシノカンパイ」かもしれない(ちと苦しい)。

喫茶店で酔いを醒まし、よろよろと小田急線に飛び乗り、帰宅の途に。ここでB級グルメの虫がむっくと動き出した。腹が一杯のはずが、下北沢で途中下車してしまった。昔、2年ほど住んでいた懐かしい場所。日が沈みかけている。

「珉亭(みんてい)」を素通りはないだろ? B級グルメの虫が胃袋の中で凄み始めた。ムシするわけにもいかない。
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    懐かしい「珉亭(みんてい)」へ

約10年ぶりの「珉亭」。下北沢でも有名な中華屋で、あの甲本ヒロトや「孤独のグルメ」で主人公を演じている松重豊が下積み時代にバイトしていた伝説の店でもある。
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          変わらない凄さ

昭和39年(1964年)、東京オリンピックの年に創業。敷居の低さがたまらない。ここの名物が「ラーチャンセット」(半ラーメン+半チャーハン 税込み850円)。もはやB級の虫に逆らうことはできない。
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          ラーチャン!

昔からいるおっさんスタッフが水の入ったコップを置くと同時に、ラーチャンセットを頼んでいた。長いカウンターの対面が広い厨房になっていて、麺担当と中華鍋担当、二人の料理人が鮮やかな手つきでほぼ満員のお客に対応している。いい匂いといい光景。
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        小さな主役、登場

約5分ほどの待ち時間で、小皿に盛られた「辛白菜(ラーパーツァイ)」がさっと置かれた。この店の隠れた主役。ニンニクがじわりと効いたピリ辛の漬け物。小さな絶品。「ラーメンとチャーハンと一緒に食べても旨いよ」とおっさんスタッフ。このおっさんもいい味を醸し出している。
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          半分とは思えない

そのまた5分後くらいに半チャーハン、半ラーメンの順でやってきた。半チャーハンはピンク色で、チャーシューの紅がピンク色の秘密でもある。具は紅色のチャーシューと卵のみ。ネギの姿はない。フツーの半チャーハンよりもかなりボリュームがある。
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          名物ピンクのチャーハン
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          紅色のチャーシュー
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          コックの腕

これが昔のままの旨さで、ライス一粒一粒にきちんと火が通っていて、パラパラ感が十分にある。紅色の小さなチャーシューは脂身で、そのラードの旨さが味わいに奥行きを与えている。
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       半ラーメン、イケてる
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          絶妙なスープ
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          幸福な時間

半ラーメンも透明な黄金色のスープと細麺が絶妙。ほうれん草と海苔とチャーシューがしっかり浮いていて、老舗中華屋の実力が変わっていないことについウルウル。懐かしさもこみあげてくる。じんわりと心にまでしみ込んでくるような、穏やかな旨味。

店主は二代目だが、味わいはB級のA級だと思う。街の中華屋でもここまで手抜きがないのは簡単なことではない。人気に溺れない、というのがさすがだと思う。
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          辛白菜と一緒に

辛白菜を加えてみる。すると味わいが1+1=3になっていることに気づく。ほおっ、が出かかる。あっという間に食べ終えると、腹の中のB級の虫が満足そうにゲップをした。まいう~。バカと腹の虫に付ける薬はない。

本日の大金言。

神保町の三幸園といい下北沢の珉亭といい、日式中華料理屋(死語かな?)の老舗の実力には凄いものがある。共通しているのは敷居が低いこと、上から目線ではないこと、内税にしていることなど。「安くてうまい」がフツーにできている。これは案外できそうでできないことでもある。


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「常陸秋そば」新そばを食べに行く

 そば好きで和菓子好き、その両方を同時に解決する場所がある・・・はずだった。そば好きの間でも評価が高い「常陸秋そば(ひたちあきそば)」のメッカ、茨城・常陸太田市である。百年以上続く餅菓子の老舗を訪ねるついでに、茨城でナンバーワンの蕎麦屋との声も聞かれる「慈久庵(じきゅうあん)」を覗いてみよう思った。新ポンコツ車を走らせる。あまりに遠いが、グルメ道は厳しいのである。
          常陸太田鯨ケ丘通り  
          情緒のある街並み

だが、「慈久庵」は休みだった。ちょうどランチタイム。昔ながらの店が残る鯨ケ丘通りに戻って、地元のおばさん三人組から情報収集した。「佐竹がいいわよ」「赤土もいいわよ」収集がつかない。
「そうそう、ここから一番近くて、いい店があるわよ。『慈久庵』で修業したそば打ち職人がやってる店よ。そこも人気店で『慈久庵』と同じそばよ。テレビが取材に来たらしいわ」
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          慈久庵鯨荘 塩町館

それが「慈久庵鯨荘 塩町館(しおまちかん)」だった。「テレビが取材」が気になったが、あきらめかけていた「慈久庵」と同じそば、そのひと言で決まり。建物がすごかった。昔銀行だった明治時代建築の蔵造りの一軒家を改装して、13年ほど前にオープンしたそう。鯨ケ丘通りは絵になる通りで、その昔鯨でも見えた場所なのかと思ったら、丘全体が鯨のように見えたところからこう名付けられたという。聞いてみなけりゃわからない。
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          絵になる

白い長のれんをくぐると、そこは和モダンな空間がゆったりと広がっていた。アンティークな木のテーブルと椅子。時間がちょうど正午になる少し前だったせいかすぐに入れた。テーブルは大小合わせて8卓ほど。天井が高く、天井扇が回っている。観光客が喜びそうな世界。
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          期待が高まる
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          高めの設定

メニューから「塩町館セット」(鴨せいろそばと小鉢1品 税込み1600円)を頼むことにした。新そば祭りの期間だけの限定メニュー(11月30日まで)だそう。ぎりぎりラッキー。女性スタッフの応対は悪くない。それにしてもこの店、せいろそばが1000円と安くはない。その分期待が高まる。
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          来たァ
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          いい構成

待ち時間が長く、20分以上はかかった。イライラしている客もいる。急いては事を仕損じる。打ち場の奥が板場になっていて、そこで店主の姿が見えた。一人で切り盛りしているようで、待ち時間が長いのは仕方がない。

黒っぽい角盆に乗ってやってきた新そばは驚くほどの粗挽きの細打ちで、ややグレーがかった、透明感のあるものだった。そば殻の黒い星が点々としていて食欲をそそった。極細のみずみずしい新そば。平たく盛ってあり、よく見るとボリュームは見かけほどはない。
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          見事な新そば

鴨汁がいい匂いを放っていた。それに小鉢は「そば豆腐」。わさびがちょこんと添えられていた。構成としては悪くない。

まず何もつけずに新そばをひと口。思ったほどの香りは来ないが、口中にほのかな品のいい香り。コシは期待したほどではない。新そばなので仕方がないかもしれない。短めなので十割そばかと思ったら、「九一くらいです」。
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          レベルは高いが
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          絶妙な鴨汁

鴨汁は合鴨と長ネギで、甘辛のつゆは奥行きがあり、穏やかな本枯節の旨味が底にある。いい鴨汁だと思う。鴨肉も多い。だが、全体としてはボリュームも少なめで、悪くはないが期待したほどの感動が来ない。期待しすぎてはいけない、と反省する。

「そば豆腐」が絶品だった。すべて自家製粉そば粉で作られていて、柔らかなムースのような舌ざわり。新そばのみずみずしい風味もこちらのほうがより感じた。カエシとわさびが主役を押し立てている。
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          当たりイ~
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          美味

1600円はコスパ的にはどうかと思うが、支払いの時に新そばについて店主に少しだけ聞いてみた。「今年はそば全体が長雨や台風のせいで出来はあまりよくないんですよ。北海道もそうです」とか。そういうこともある。

「慈久庵」は独特の焼き畑農法でそばを栽培し、それを石臼挽きしている。その凝りようはすごいが、舌がもともとB級の村長にはあまりに繊細な味わいはどちらかというと苦手。「岩魚のうるか」など珍しい一品料理や地酒も揃っている。財布と時間にゆとりがないと来れない店だと思う。それ以上に車なので後ろ髪を引かれる思いで退散することにした。

本日の大金言。

常陸秋そばは評価の高いそばだが、個人的な感想では、信州や日光の名店ほどの感動はない。食べログなどの評価もやたらに高い。むろん、これから驚くような感動があるかもしれないが、評判先行ということもある。高くてうまいは当たり前、安くてうまいを探す。それは極めてまれかもしれないが。


                  塩町館1 










直江津の名物駅弁「鱈めし」

 どうしたわけか、今頃「土曜は寅さん」(BSテレ東)にハマっている。昔はほとんど見向きもしなかったこの渥美清・山田洋次監督の傑作喜劇シリーズが心にしみこむ(特に初期作品)。多分、年齢のせいだろう。だが、冷たい目で見ても、配役や細部にまでこだわった演出が素晴らしいと思う。小津安二郎の影も見える。昔好きだった女性が大の寅さんファンで、それだけで頭を抱えたことも思い出した。結構毛だらけ猫灰だらけお尻の周りはオムツだらけ(座布団3枚取りッ!)
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          直江津駅

で、本題。寅さん気取りでふらりと電車に飛び乗った。完全おバカさん。なぜか日本海側へ。直江津駅で見つけたのが駅弁「鱈(たら)めし」(税込み 1200円)だった。東京駅「駅弁屋 祭」でも見かける名物駅弁。発泡酒も買い込み、日本海を眺めながら、食べることにした。極上の孤独というより、ゴフジョウの孤独が近いかもしれない(笑)。
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          懐かしい世界
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          鱈めし、めっけ

「鱈めし」の駅弁は珍しい。発売元はホテルハイマートだが、かつては「山崎屋」が屋号だった。明治34年(1901年)創業の老舗駅弁屋で、北陸新幹線開業後は停車駅の妙高高原駅でも販売している。「鱈めし」は平成4年(1992年)にデビュー、6年前にはJR東日本エリアの駅弁コンテストでグランプリも取っている。苦節20年の栄光というのも泣かせる。
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          ええのう

発泡酒をぐいと飲み、包みを解く。駅弁の楽しみの一つはこの瞬間にある。お重のような器も悪くない。見事な煮色の棒鱈(ぼうだら)が三つ。デカい。山崎屋は地物を使うのが基本なので、この鱈は日本海で獲れたものだと思う。
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          おおおの世界
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          絶景かな

主役を囲むように、焼きたらこが4切れ、鱈の親子漬け、奈良漬け、野沢菜のワサビ漬け、はちみつ漬けの梅干しなどが配置されていた。手作り感がにじみ出ている。1200円というのは安くはないが、この内容なら納得と言いたくなる構成だと思う。
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          棒鱈煮、うむ

棒鱈煮からいただく。やや濃いめの甘辛煮で、思ったよりも柔らかい。骨まで柔らかい。売り子のおっさんが「この棒鱈煮は手間をかけてるんですよ。干し鱈を水につけて戻すのに2日、煮込みに2日。4日もかけて作ってるんですよ」と話していたが、どうやら本当だと思う。
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          後ろも、うむ
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          4日間の手間ひま
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          炊き込みご飯

棒鱈のくせのある風味が雪国を感じさせる。焼きたらこは塩がかなり効いていて、それが炊き込みご飯とよく合う。炊き込みご飯には昆布の佃煮が混じっていて、錦糸卵も散らばっている。手が込んでいる。
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      鱈の親子漬け、甘酸っぱい
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          脇役の存在
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          醍醐味

鱈の親子漬け、奈良漬け、わさび漬け、甘い梅干しもしっかり作られている。全体として、明治34年創業の老舗駅弁屋の実力を改めて感じさせられる旨さ。窓の外には薄曇りの日本海。寅さんにはとてもなれないが、寅さんの後ろ姿を見ることはできる。逃げ水の寅さん。さくらも逃げ水ではないかな、それが山田洋次監督の意図だったりして。晩秋の日本海も遠い。おなかには鱈めし・・・。

本日の大金言。

寅さんの定番セリフに「労働者諸君」がある。いつしかこの言葉が消えてしまったが、今の格差時代を考えると、この言葉は深いかもしれない。笑い=相対化。ちょっと考えさせられるなあ。



                  直江津「鱈めし」 


プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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