「1個80円」饅頭屋の驚き

 ポンコツ車であちらこちら飛び回っていると、時に思わぬ発見がある。それがほとんど無名の店だとうれしさが倍増する。

今日テーブルに乗せるのは、そんな店である。しかも餅菓子屋とくれば、言うことはない。和菓子屋は中央だけではない。

ある会合に出席するため上武街道をプカプカ走り、群馬・前橋市郊外に入った。あまりにローカルな景色が続く。江木町にある「赤城病院」も近い。一瞬、「だんごとまんじゅう」の看板が見えた。通り過ぎてから、気になって、引き返した。
          菓子処きたづめ② 
          かような場所に
          菓子処きたづめ③ 
          発見の喜び

それが「菓子処 きたづめ」だった。一軒家の餅菓子屋。「酒まんじゅう」の木の看板と藤色の暖簾が何かを感じさせた。これは入るっきゃない。

入ると、だんごと饅頭が数種類ケースに並んでいた。最近ハマっている酒まんじゅうに目が行った。手づくりの本格的な匂いがした。1個80円(税込み)というあまりの安さ。だんごに至って1本60円ナリ。東京だと信じられない価格設定。
          菓子処きたづめ 
          驚きの世界
          菓子処きたづめ① 
          謎のまんじゅう

店は若女将が一人。奥が板場になっているようで、そこに店主がいる気配。まずは酒まんじゅうを3個。もう一種類何にしようか、迷っていると、若女将が「黒桧まんじゅうはいかがですか? うちの看板でもあるんですよ」。黒桧(くろび)って何? 見た目は黒糖入り饅頭のようだが、もっちり感とテカリが違って見えた。こちらも3個(1個80円)ゲットすることにした。

「皮に黒糖と本葛(ほんくず)を入れてるんです。それでこしあんを包んでいます」
「本葛とはすごいね。黒桧って赤城山の最高峰の山のこと?」
「そうです。ウチのオリジナルなんですよ」
          菓子処きたづめ④ 
          二つの世界

そんなやりとりの後、その夜の賞味となった。酒まんじゅうはふっくらと蒸されていて、酒種の香りがほのかに漂う。かなりの大きさ。中のつぶしあんはほどよい甘さで塩気が効いていた。東京・荻窪の「高橋の酒まんじゅう」ほどの感動はないが、かなりのレベル。
          菓子処きたづめ⑥ 
          酒まんじゅう
          菓子処きたづめ⑦ 
          レベルの高さ
          菓子処きたづめ⑧ 
          酒種のいい香り
          菓子処きたづめ⑨ 
          すべて手づくり

さらに「黒桧まんじゅう」の美味さに驚いた。口に入れた瞬間、しっとり感ともっちり感が合わせ技で来た。独特の食感。こしあんのきれいな風味とほどよい甘み。黒糖の香りがかぶさってきた。こしあんも自家製で、この価格で丁寧に作っているのは並みではないと思う。
          菓子処きたづめ10 
          黒桧まんじゅう
          菓子処きたづめ11 
          皮の凄味
          菓子処きたづめ15 
          もっちり感
          菓子処きたづめ13 
          絶妙な合わせ技

店は15年ほどの歴史だそうだが、その前は和菓子の卸しをしていたとか。前橋市内の「あん庵」にも同じものを卸しているそうで、安さと質の高さがぽっと出の店とは違うことがわかった。たまたま出会った餅菓子屋で、かようなまんじゅうを食べられた喜びが、お腹の底からじんわりとこみ上げてきた。まんじゅうこわい、という落語がピカピカと頭をよぎるのだった。まんじゅうやーい。

本日の大金言。

ローカルの和菓子屋にもっと目線を向けよう。しっかりといい和菓子を作り続けている和菓子職人がどこかにいる。それを探す楽しみもまた。



                 菓子処きたづめ16
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デパ地下の「鶏めしおにぎり」

 たまにデパ地下めぐりをしないと、頭がクラクラしてくる。ほとんどビョーキ。東京・日本橋高島屋が特に好みだが、上野松坂屋も縄張り(と勝手に言ってます)である。よたよた犬の縄張りめぐり。
          吉野鶏めし④ 
        デパ地下は宝の山?

絵画展を観た後に、ちょいと寄ってみた。九州フェアの真っ最中。すると、いい匂いが鼻腔をくすぐった。「吉野鶏めし」の実演販売が行われていた。大分・吉野地方に伝わる郷土料理で、「吉野鶏めし保存会」によるもの。全国のデパートなどで人気を呼んでいる。東京駅や日本橋「えび寿」などでも見かけたことがある。
          吉野鶏めし② 
          おおおの誘惑

さっそく「おにぎり3個入り」(税込み463円)を買い求めた。ウマズイめんくい村に持ち帰って、夕飯の一品にすることにした。

白ワインと枝豆などを用意し、村民2号とゴッドマザーが笑顔で待ち構えていた。イヤな予感・・・。
           吉野鶏めし⑤ 
          ささやかな夕飯
          吉野鶏めし⑥ 
          吉野鶏めし

「あら、大分のおにぎりだって? 美味そうだねえ。生きててよかったよ」
「なんで3個しか買ってこないのよ。一人3個として9個必要でしょ」
「鶏めしだからトリっこになるよ、こりゃ。ぐっひっひ」
「グルメ漫画の『美味しんぼ』でも紹介されたほどの逸品だよ」

くちばしのつつきあい。だが、ひと口食べた瞬間、全員が「うんめえ」となった。うんめえ共同体。
          吉野鶏めし⑧ 
          どないでっか?

ゴボウと地鶏を醤油と砂糖などで甘辛煮して、それを米と一緒に二度炊きしたもの。地鶏の出汁が効いていて、旨味が何とも言えない。米のもっちり感とゴボウと地鶏が融合している。絶妙な旨さだと思う。
          吉野鶏めし12 
          ガブリと行け
          吉野鶏めし11 
          鶏肉とゴボウ

「鶏の甘い脂がいい具合ににじみ出ていて、米が飴色につややか。さすが村長、いい買い物をしたわね」
「やっぱり一個じゃ足んないよ。今度はいつ行くんだい? 今度はちゃんと9個買ってくるんだよ」
「お金は?」
「アタシの年金はアテにしないでおくれ。デーサービスでいっぱいいっぱいだよ」
          吉野鶏めし14 
          桃色ため息

ゴッドマザーの食欲が何故かこのところ増加している。村に来る前はほとんど何も食べない日々が続いていたのに。10メートルも歩けないのに、口と食欲はよく動くようになってきた。その分、村長は沈黙するのみ。

本日の大金言。

「吉野鶏めし保存会」は地元のおばさんたちが1988年(昭和64年)に立ち上げ、会社化した。当時の平松守彦知事が提唱した「一村一品運動」に連動したもの。地域振興のアイデアとしては素晴らしいものだった。当時、オバタリアン現象も話題になったが、こっちのおばさんたちは地域を活性化した。




                  吉野鶏めし15 



意外な場所の「カニチャーハン」

 ゴッドマザーがウマズイめんくい村に移住して、はや4週間ほどになる。小さな老犬「なぐ」(メス15才)も一緒。
          なぐ① 
          なぐ、でごわす

どうしたわけか、移住してきたら、老犬の方はどんどん元気になって、庭や公園などを走り回ってはウンチをしている。まるで自分がまだ生きていることを確認しているように。4週間前まではヨボヨボしていたのに。別人、いや別犬になってしまった。こんなことがあっていいのか?

と、近況を書いたところで、そのなぐ婆のフィラリア予防注射のため、久しぶりに上州の「実家」までポンコツ車を飛ばした。行きつけの動物病院へ。1時間ほどの待ち時間で目的を終えた。
          シノワ6 
          かような場所に

ここからが本題。桐生かみどり市でランチを取ることにした。どこに行こうか迷った。ふと村民2号が「シノワはどう?」。「うーん、いいね。久しぶりだな」と村長。

「中華厨房 シノワ」は桐生市の隣り、みどり市大間々町にある中華料理店で、数年前に何度か食べに行ったことがある。かような場所に、と驚くほどの本格的な広東料理の店。しかもシャレている。空っ風の上州らしからぬ(失礼)の垢ぬけした店構え。
          シノワ① 
          かような店
          シノワ② 
          いい雰囲気

「蟹肉炒飯(カニ肉チャーハン)」(税別850円)を頼むことにした。ここでチャーハンを食べるのは初めて。村民2号は「あんかけ五目焼きそば」(同800円)。
          シノワ③ 
          メニューの一部

取り皿が二つずつ置かれ、さらにフォークとスプーンと箸まで丁寧に置かれた。うむ。

そのすぐ後に「蟹肉炒飯」がやって来た。待ち時間は6~7分ほど。あまりの速さに、「久しぶりに来たけど、これはハズレか?」という思いが一瞬よぎった。すぐに続いて「あんかけ五目焼きそば」も。
          シノワ⑤ 
          カニチャーハン
          シノワ⑧  
          五目あんかけ焼きそば

これが間違いだった。鮮やかなレタスと卵、それに上海蟹肉がつややかな炒飯の合間に散りばめられていた。一見、ライスにはパラパラ感が少ないように見えたが、最初の一口で、やられてしまった。
          シノワ⑥ 
          当たりか?

塩味が濃くもなく薄くもなく、絶妙という言葉が思わず出てしまった。牡蠣油なのか、別の何かなのか、隠し味がわからない。まさに旨みという言葉が一粒一粒に滲み込んでいる炒飯で、横浜中華街の炒飯の名店「同發(どうはつ)」とよく似た味わい。ボリュームも不足はない。パラパラ感も絶妙だった。それ以外に言葉が見つからない。
          シノワ⑨ 
          驚きの旨み
          シノワ⑦ 
          レタスとカニ
          シノワ10  
          名チャーハン!

プロの料理人がここにいる。こんな場所にいる(失礼)。

「あんかけ五目焼きそば」も気持ち味が濃い目だが、美味。調べてみたら、店は20年ほどの歴史で、店主は横浜中華街の名店で修業したようだ。食後にコーヒーが付いてきた。満足感に包まれる。BGMがなぜかハワイアンなのが、不可解だが。
          シノワ2 
          言葉はいらない

「確かデザートの杏仁豆腐も美味かったわ。食べたいけど、予算がない。今回はあきらめるわ。ゴッドマザーも連れてきたいけど、クルマに乗るのは嫌だって言うかもしれないわ。なぐは元気だけど、ゴッドマザーはすぐに眩暈(めまい)がするって言うから」

「じゃあ、我々だけで来るしかない。実家とお墓の掃除もたまにしに来なきゃならないしな」

「目的はそれだけ?」

「バレたか。上州食いまくりも悪くはない」

「付ける薬がないわ・・・」


本日の大金言。

意外な場所に星がある。ミシュランの星ではないが、中華料理の星。まさかの横浜中華街の飛び地、とも言える。






                   シノワ5 



本場の「鰹塩タタキ」と「鰹めし」

 四国上陸のもう一つの目的が「鰹(かつお)のタタキ」、である。本場・高知市内を歩くと、あちこちに「鰹タタキ」のメニュー板が見える。クジラやウツボのタタキなどもあるが、土佐の本命はやはり鰹、だと思う。比較的安いというのも心強い。

秋の戻りガツオが脂が乗って一番おいしいと言われるが、春のこの時期の上りガツオも幾分さっぱりしているが、本場物はひと味、いやふた味ほど違うはず。数時間前から頭の中は鰹とビールがぐるぐる泳いでいる。
          はりまや橋 
          はりまや橋の夜

はりまや橋近くの安ホテルに荷物を置いて、外に出る。すでに夕闇。どこか黒潮の匂いがする。坂本龍馬の影も伸びている・・・気がする。アーケード商店街周辺をウロウロ、帯屋町を行ったり来たり。店構えなどから、鰹料理の店数軒を値踏みする。

その中で、地元客が次々と入っていく居酒屋に目星を付けた。たまにハズレることもあるが、長年培ったセンサーがピコピコ。それが「土佐の居酒屋 一本釣り」だった。たまたま出てきたオヤジに聞いてみると、「ここがこのあたりじゃ一番だよ。あんた、いい勘してるよ」。
          一本釣り 
          センサーがピコピコ

階段を上って二階へ。広い座敷とテーブル席。ほぼ満員だった。隣の団体は高歌放吟状態。よく言えば土佐いごっそうの活気。こう来なくっちゃ。
          一本釣り② 
          みんな食べたい
          一本釣り① 
          メニューの一部

すぐにビールを頼み、「本日のおすすめ」の「鰹塩タタキ」(税込み980円)をまずは頼んだ。元気のいいお姉ちゃんスタッフがバタバタと走る。「ちょっとうるさいわね。でも、これが土佐なのね」と村民2号がうなずく。
          一本釣り10 
          黒潮の活気

この「鰹塩タタキ」が予想通り絶品だった。醤油ダレよりも塩、がおすすめ・・・メニューにそう書いてあった。

「塩タタキは土佐の漁港から直送の鰹でないとダメなんですよ。鮮度が違います。それをワラで炙って、冷水で〆る。それを分厚く切って、ニンニクで食べるんです。これが本場の食べ方です。まあ食べてごらんなさい」(高知出身の編集者)
          一本釣り2  
          塩タタキに限る

その言葉を思い出した。上りガツオは5切れだが、一切れの厚さが2センチ近くある。表面の焼き加減と中の赤身の鮮やかさ。薄っすらと脂が乗っていて、ひと目でスグレモノだとわかった。見た目からして、いつもスーパーなどで買うものとは明らかに違う。
          一本釣り⑤ 
          わさびとニンニク
          一本釣り1 
          厚みと藻塩

薄切りのニンニクが豪快に置かれ、藻塩とワサビが小さな山を作っていた。それを付けて口中へ。つい目を閉じて黒潮を想う、絶妙な美味さ。この脂の乗りで上りガツオとは・・・と思ってしまった。鮮度のいい旨みと甘み、柔らかな肉質。ニンニクと塩とワサビが一体となって、怒涛の寄り。これでこの美味さなら、戻りガツオは? こちらも戻り客になりたいぜよ。
          一本釣り⑧ 
          柔らかな美味
          一本釣り⑦ 
          たまりませぬ

隣りの客のクシャミが気になったが、酒がすすんでくると、気にならなくなった。地酒を頼み、肴をつついていると、あっという間に時計の針が9時を回っていた。

村民2号が「おむすび」(2個380円)、村長が「鰹めし」(500円)で〆ることにした。

「おむすびは想像よりずいぶんデカいわ。土佐サイズってとこかな。鮭と梅干しだけど、結構うまい。土佐が好きになって来たわ」
          一本釣り12 
          鰹めしで〆
          一本釣り14 
          煮汁のめし
          一本釣り15 
          鰹がドカドカ

鰹めしは漁師の賄い飯(まかないめし)だと思うけど、カツオの甘辛煮が生姜が効いていて悪くない。ご飯もその煮汁で炊いたもの。もう少し甘さを押さえた方が好みだが。でもおこげがいいね。海苔と万能ねぎもいい。だけど、腹がきついぜよ。ギブアップ。龍馬といい弥太郎といい、あのバイタリティーはこのあたりから来てるのかな。でも、だんだん腹が立ってきた。板垣退助も土佐藩だった」

「わあ~もう打ち止め。会津の足軽の末裔の血が騒いできたのよ。戊辰戦争の恨みなんて言わないでよ。白旗上げたんだから。早く会計しましょ。ホテルに戻りガツオしましょ」

何が薩長土肥だ、官軍だ。テロリストの詐欺集団じゃないか~」

そう大声でわめくつもりが、なぜか声にならなかった。勝てば官軍、負ければ賊軍。ぐやじい。トホホ・・・。

本日の大金言。

鰹は止まった瞬間がそのまま死である。鰹のように生き、カツオのように死ぬ。鰹のタタキが美味いのは、その死生観が舌の上で交錯するからかもしれない。冷凍したら味が一枚落ちるのも、きっとそのせいだ。鰹は黒潮のナマに限る。




                  一本釣り16

道後温泉の「わっぱ弁当」

 道後温泉に浸かって旅の疲れやあれこれを落とそうと、愛媛・松山へ。今回テーブルに乗せるのは、道後商店街の名物「坊ちゃん団子」・・・ではない。元祖の店「つぼや菓子舗」にも行ったが、食指が動かなかった。観光用に見えたことも一因かもなあ。
          道後温泉本館4 
          ああ道後温泉本館

道後温泉周辺はいい町並みで、中心に位置する道後温泉本館には、赴任中の夏目漱石も毎日のように通っていたようだ。ノイローゼ気質の漱石を源泉が癒したのかもしれない・・・いけねえ、脱線しそうになっちまった。
           
その本館の温泉に浸かる前に食べたランチを書くつもりだった。遅いランチ。商店街の一角の足元に木の案内板がさり気なく置かれていた。「IRORI」と書かれ、ふと見ると、何やらモダンな和風の世界。細い石畳のアプローチが続いていた。それが「サムライダイニング 炉(いろり)」だった。降り続いていた小雨はすでに治まっていた。
          イロリ① 
          おおおの看板

今どきの和のモダンの延長線上にある店だろうな。そう思いながら、メニューを見ると、「わっぱ弁当」(880円=税込み)とあり、もう一つの鯛めしの文字が。まさか、あの鯛めしが? 手ごろな舌代に少し心が動いた。

黒い板塀と敷石が続く細いアプローチを先客の女性が行く後ろ姿もよかった。ついヨロヨロ・・・現金なものである。
          イロリ1 
          細いアプローチの先

この鯛めし入りのわっぱ弁当が当たりだった。店の造りが凝っていて、躙り口(にじりぐち)をくぐると、囲炉裏のテーブルがいくつかあり、グラビアに出てきそうなモダンな和の世界が広がっていた。照明を効果的に落としていて、外国人観光客が喜びそうな凝った造り。BGMはなぜか「スタンド・バイ・ミー」。
          イロリ③ 
          グラビアの世界?
          イロリ2 
          メニューの一部

「今どきモダン」も捨てたものではない。注文してから10分ほどで、「わっぱ弁当」がやってきた。昆布出汁のよく効いたお吸い物付き。それをまずはひと口。うま味。「これは案外イケるわ」と辛口の村民2号もうなずく。
          イロリ④ 
          凝ってまんなあ
          イロリ⑤ 
          おおおの中身

わっぱ飯は鯛の刺身を使った宇和島の鯛めしではなく、薄味の炊き込みご飯。鯛の身は多くはないが、昆布出汁が効いていて、まずまずの味わい。
          イロリ⑥ 
          めっけもん?
          イロリ3 
          鯛の炊き込み
          イロリ⑧ 
          地鶏のから揚げ
          イロリ10 
          キッシュさ~ん
          イロリ⑨ 
          練り物の赤シャツ?

具がバラエティーに富んでいて、こだわりが見て取れた。地鶏の半熟ゆで卵、地鶏のから揚げ、キッシュ、豆のサラダ、それに練り物、さつまいもまで。うむ。

「この値段を考えると、これは予想以上ね。ボリュームもちょうどいい。女性を意識した造りだわ」
「調べてみたら、松山を中心にした飲食グループ、サムライダイニングの新しい店のようだ。今どきの外側だけの店かと思ったけど、中身もかなりレベルが高い。デザートまで付いていて、その白玉のきな粉和えも美味。これで880円なら、満足だな」
          イロリ12 
          当たり、でおました

「坊ちゃん団子を食べなくてよかった?」
「いや、やっぱり温泉に浸かってから、坊ちゃん団子を買いに行く。外面だけで判断してはいけない。そう思い直したよ」

「結局、安上がりじゃなくなるわね」
「ノイローゼになるよりマシじゃないかな」

「はいはい、またその手ね。理屈は後からついてくる」
「その手は食わぬ、ではなく、その手は食えってこともある」
「バッカみたい・・・」

本日の大金言。

愛媛の鯛めしは二通りあり、宇和島は刺身を使い、タレも醤油ベース。もう一つは鯛の炊き込みご飯。どちらも舌代は安くはない。同時に二つを楽しもうとすれば、夏目漱石(旧千円札)が何枚も必要になる。ちと苦しいかな。




                  イロリ11 



プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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