神保町の追想「上海炒麺」

本日テーブルに載せるのは東京・神保町界わいで一番古い中華料理店の「上海炒麺(上海式柔らか焼きそば)」である。あの池波正太郎も愛した店「揚子江菜館」の一品。本当に美味いのか気になる。
          揚子江菜館 
          揚子江菜館

ここは冷やし中華元祖の店としても有名で、創業は明治39年(1906年)。すずらん通りの一角にタテに細長いビルが見える。入り口には京劇の異形のお面。朱色の門。どこかエキゾチックでさえある。
          揚子江菜館1 
          タテに伸びる店

ペンクラブの総会に出席する前に、ここで遅いランチを取ることにした。随分前に出版社の友人とここで冷やし中華を食べたことがある。期待したほどの感動はなかった記憶がある。池波正太郎の「柔らかな上海炒麺」はどうか。むろん期待半分、冷やかし半分である。
          揚子江菜館3 
          東京の中華料理店
          揚子江菜館② 
          目玉のメニュー

チャイナドレスのおばさんスタッフの対応が庶民的で好感。円卓とテーブル席が7つほど。ゆったりとした空間に「天下第一味」の扁額。円卓の一つに腰を下ろして、メニューの中からこの店のもう一つの名物「上海炒麺」(税込み 1300円)を頼んだ。

チャイナドレス姐が「硬い方、柔らかい方どちらにしますか?」と聞いてきた。むろん、池波正太郎が愛した「柔らかい方」と答える。さらに「平日のランチタイムはシュウマイか杏仁豆腐がサービスで付きます。どちらにしますか?」と畳みかけて来た。むろん「シュウマイでお願いします」。
          揚子江菜館④ 
       サービスのシュウマイ

麒麟ビールも頼みたいところだが、総会があるのでここは我慢。総会の後、虎ノ門で極上仲間との飲み会もある。我慢汁の先に美味がある。これは、かつて担当した作家・宇能鴻一郎さんの金言・・・つい脱線してしまった。

5分ほどの待ち時間でシュウマイ(2個)がすいと置かれた。ジャスミン茶を飲みながら、タテ長の肉シュウマイを食べる。フツーに美味い。
          揚子江菜館⑨ 
          主役は急がない
          揚子江菜館⑥ 
     池波正太郎が隠れてる?

その約5分後、「上海炒麺」がやって来た。モヤシと玉葱、それに細切りの豚肉がいい匂いを放ちながら、大量に覆いかぶさっていた。キクラゲの姿もある。シンプルだが、かなりのボリューム。おおおの存在感。
          揚子江菜館⑧ 
          素朴な圧倒

その下には極細麺。一見、長崎の皿うどんのようだが、そのぼそぼそとした独特の食感はどこか懐かしい。一度油で揚げてから、それを冷まして寝かし、柔らかくしてから炒める。いい焼き目も付いていて、工程に手が込んでいる。具財と一緒に炒めずに、皿に麺を置いてから具財をドドドとかけているようだ。
          揚子江菜館15 
          独特の極細麺

あんかけではなく、炒めたもやしと玉葱は醤油ベースの味で、意外に薄味。それが不思議に穏やかでいい味わいになっている。値段を考えると豚肉がもっとあった方がいいと思うが、これがこの店のやり方なので、それを楽しむことにした。
          揚子江菜館13 
          細切り豚肉

途中で酢をかけると、味が締まった。これを美味いと思うか、ま、こんなもんかと思うか。好みの問題だが、村長は胃袋の奥からじわじわと広がるような温かい、どこか懐かしい感動が好きだ。ただ、小スープくらいは付けて欲しいところ。
          揚子江菜館14  
          ゆっくりと急げ

池波正太郎が通った頃は建て替える前で、古い、大衆的な街の中華屋だったようで、その時代にタイムマシンで行ってみたくなる。神田神保町界わいは特別な場所で、いい店も隠れている。ここから甘味屋「竹むら」までぶらぶら歩いて、仕上げにお汁粉を食べるのが「天国コース」になる。ま、今日はちょっと無理だが。

本日の大金言。

すずらん通りには「キッチン南海」や「天麩羅 はちまき」、和菓子処「文銭堂」などいい店が多い。古本屋をハシゴしながら、このあたりをぶら歩きすると、人生が楽しくなる。


                  揚子江菜館16
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「フレンチトースト」の最高峰か

「夢のフレンチトースト」を求めて、東京・新宿で途中下車することにした。新宿ゴールデン街ハシゴ酒時代の知人ライターが教えてくれた店。村長がフレンチトースト好きだと知って、「3丁目に美味い店があるよ」と下手な地図まで書いてくれた。

それが「カフェ アリヤ」だった。近くには「らんぶる」や「ローレル」など老舗喫茶もある。午後3時近い。おやつにはちょうどいい時間。イタリアか南仏風のタテに長い白壁門の店構え。「CAFE」のネオン文字とオレンジ色の紋章。フレンチトーストのメニュー写真が目立つように貼られている。これは野暮ったい。
          アーリヤ① 
    フレンチトーストの名店?

微妙な入り口だが、そこから地下へと階段が続いていた。狭いが足を踏み入れると両側と天井の白壁、右手には木の手すり。これは秘密クラブめいて悪くない。甘い蜜の予感。
          カフェアリア② 
          地下へ潜れ

中はモダンな、どこかNYのカフェのようで、右側と左側にテーブル席が分かれていた。どっちにするか一瞬迷ったが、ほとんど自動的に左へ。2人席が6卓、4人掛けが2卓ほど。ウッド床に機能的なテーブルとイス。天井がスタジオ風と来る。イケメンウエイター君が3~4人。女性スタッフも1人。癒し系のフージョンが流れ、客のほとんどは女性客で、カップルが一組ほど。
          アーリヤ③  
          夢の色って?

ここがフレンチトーストの名店とは思えない。どちらかというと苦手な世界。だが、メニューを見たら、フレンチトーストが7~8種類ほどもある。半信半疑のまま、最もシンプルで定番でもある「フレンチトーストセット」(コーヒー付き 税込み830円)を頼むことにした。思ったより手頃な設定で、案外いい店かも、と思い直す。
          カフェアリア④ 
          本格的な世界
          カフェアリア13 
          重なりたい

約10分ほどの待ち時間で、レトロな錫(すず)のプレートに乗ったフレンチトーストがやって来た。ポエム。コーヒーのいい香りとフォーク&スプーンがいい世界を作っていた。生クリームとシナモンが添えられ、何よりフレンチトーストの存在感にため息が出かかった。メイプルシロップの姿はない。
          カフェアリア⑦ 
          黄金の夢?

ナイフで切って、最初のひと口であまりの柔らかさとミルキーな風味に軽く驚いた。食パンなのにパンの存在感がない。卵と牛乳が食パンに完全に同化し、まるでミルフィーユか京都のいいだし巻き卵を味わっているような錯覚に陥るほど。表面のほどよい焦げ具合がフライパンの面影を伝えている。バターの香ばしい匂いと塩分が絶妙に絡んでくる。
          カフェアリア11  
          かぶりつきたい

3年ほど前に京都・柳馬場三条下ルのフレンチレストランで食べた特製フレンチトーストに負けない美味さだと思った。あちらはバゲットだったが、こちらは角食パン。

シナモンを軽く振ってさらに食べ進む。メイプルシロップがなくても、十二分に美味。生クリームも付けてみた。これは好みの問題だが、個人的にはなくてもいい。それほどフレンチトースト自体の美味さが勝っている。
          カフェアリア⑨ 
          シナモンさまァ~
          カフェアリア6 
          ぷるぷる

「レベル高いね。卵液にどのくらい漬けてるの?
白と黒の似合う女性スタッフに聞いてみた。

「一晩以上漬け込んで、それを一度冷凍してるんですよ。卵液は卵と牛乳と生クリームです。あら、全部教えちゃった」
よほど自信があるんだろうな。明るい応対がBGMより心に届く。フレンチカンカン。
          カフェアリア14 
          空を飛べ

店の歴史は意外に古く「30年以上になります」とか。創業年は不明。コーヒーも本格的なドリップ式で、ここが老舗喫茶店に引けを取らないカフェだとわかった。東京で美味いフレンチトーストを食べたかったら、地下へ潜れ。これを合言葉にすることにしよう。

本日の大金言。

一説には18世紀、ニューヨークで誕生したと言われるフレンチトースト。フランス語で「パンペルジュ」(失われたパン)。硬くてダメになったパンを生き返らせる、という意味があるそう。柔らかくてダメになった男にとってはあやかりたい、夢のフレンチトーストではある(意味不明)





                   カフェアリア15 



人形町、驚異のチャ-ハン

 犬も歩けば美味に当たる。外れることも多いが、今回テーブルに載せるのは思わず「ほおーっ」が出てしまった東京下町のチャーハンである。それも肉入りチャーハン。

兜町ペンクラブの編集会議に出席するために人形町で途中下車した。開始時間まで時間があったのと、まだ昼飯を食べていなかったからだ。もう少しで午後2時。

人形町は好きな街で、エンタメ新聞社時代から昼夜問わずしばしば通った。なので、B級のいい店はほとんど知っているつもりだった。それが大間違いだったことを思い知らされた。
          来々軒① 
          名店の予感

水天宮に近い蠣殻町1丁目周辺をぶらぶら。すると、昭和の匂いのする小さな古いビルの一角に白いノレンのかかった中華料理屋が視界に入った。シンプルな佇まい。このところ外れっぱなしのセンサーがピピピと反応した。本物の予感。

ノレンのすき間からのぞくと、カウンタ席とテーブル席のみ。時間が時間なので客の姿は見当たらない。そこはかとなくいい匂いが鼻腔に届いている。うむ。
          

          来々軒15 
          昭和のシンプル

それが「中華料理 来々軒(らいらいけん)」だった。「来々軒」という店名は明治末に浅草で誕生した殿堂入りの中華料理店と同じ。日本で最も多い中華屋の店名でもある。和菓子屋の「伊勢屋」と同じようなもの。まさかそこと関係がある?
          来々軒② 
          メニューの一部

カウンター席の対面が厨房になっていて、そこに2人のご高齢の料理人。只者ではない雰囲気。メニューの中から「肉入チャーハン」(税込み 780円)を頼むことにした。女性スタッフの姿は見当たらない。ある意味珍しい街の中華料理屋さん。

注文と同時に中華フライパンを操る気配がして、先にスープが置かれた。濃いラーメンスープ。これが濃い味かと思ったら、まろやかな旨味がじわりと舌に滲み込んできた。
          来々軒2 
          シンプルの奥行き
          来々軒④ 
       ほおっーの世界

続いて主役の「肉入チャーハン」が登場。レンゲではなくステンレススプーンというのがいい。チャーハン好きの心が波打った。シンプルな見た目といい匂い。煮豚チャーシューがごろごろしている。ネギの姿も見当たらない。それに卵だけのシンプルな世界。何よりもチャーハンの炒め方にプロフェッショナルという言葉が浮かんだ。何かが違う。
          来々軒⑥ 
          絶妙チャーシュー
          来々軒⑨ 
          あーん
          来々軒11 
       おこげの隠し味

ステンレススプーンでまずはひと口。驚きの旨み。思わず「ほおーっ」が出かかる。オーバーではない。

塩と何か隠し味が一粒一粒に魔法をかけているような旨み。ただパラパラ感があるだけではない。これは何だ? おこげ状も混じっている。チャーシューの柔らかな旨味。ボリュームも申し分ない。柳生博似の店主らしいお方に、野暮を承知で聞いてみた。
          来々軒⑧ 
         半分の考え方

「この旨みはオイスターソースですか?」
「いや、そんなものは使ってないよ」
「この旨み、何だろう?」
「・・・・・・」
苦笑いを浮かべるだけで、当然のことながら教えてはくれなかった。ひょっとしてネギ油? 
          来々軒12 
       食べるのが惜しい

店は昭和43年(1968年)創業とか。どうやら伝説の浅草「来々軒」とは関係がないようだ。だが、これだけの店、「テレビなど取材も多いでしょ?」そう聞くと「全部断ってるよ」と素っ気ない。ほんの少しだけの雑談となったが、「チャーハンの隠れ名店」を見つけた思い。他の中華メニューもレベルが高いに違いない。
          来々軒14 
          現役です

「今度は酢豚とか麺類を食べに来ますよ」
支払いを終えた後、そう言ってみた。
「もう店がなくなってるかもしれないよ」
モダンが残る下町・人形町の老店主が笑いながら洒脱に答えた。完敗に乾杯。

本日の大金言。

人形町・水天宮付近にはいい店がフツーに隠れている。江戸・大正・昭和と続くシャイで洒脱な伝統が平成の時代にもしっかり残っていると思う。温故知新を改めて思う。


                 来々軒13 



「谷中美人」の百円今川焼き

 こう暑くなってくると、今川焼きの売れ行きが気になる。たい焼きもいいが、今川焼きのセピア色の情緒にはかなわない、と思う。

たまたま「極上」仲間と銭湯⇒居酒屋めぐりで、千代田線千駄木駅で落ち合った。そのとき、村長の目が一点に釘付けになった。2坪もないほどの小さな店構え。それが「今川焼 千駄木(せんだぎ)」だった。団子坂の入り口。
           千駄木 
          目が釘付け

「つぶあん、カスタード、しろあん 各100円(税込み)」のシンプルなメニューと「開店以来100円です」の文字。同時に、去年テレ朝の路線バスの旅番組でたまたま見たワンシーンがよみがえった。メーンの徳光和夫がこの店に立ち寄り、店主の女将さんと楽しそうに会話していたことを思い出した。
          千駄木12 
      メニューは3種類のみ

即断即決。極上仲間に先に銭湯に行ってもらうことにし、つぶあんとしろあんを一個ずつ買い求めた。美人女将さんとやや高齢の男性が2人で切り盛りしていた。店を開けるのは週に3日、金・土・日だけ。

徳光が「艶っぽいねえ」と鼻の舌を伸ばしていた美人女将さんは、村長の無駄口に「あと5年で80よ」と笑いながら、焼き立ての2個を紙袋にポンと入れて、村長に手渡した。何故か尾崎放哉の「わかれを云いて幌おろす白い指さき」の句が浮かんだ。そのくらいきれいな手の面影・・・(何という表現や)。

「もう15年になるわ。もともと料理屋をやってて、60のときに一度やってみたかった今川焼き屋をここで始めたのよ。そんなに儲かんないけど楽しいわよ」
          千駄木① 
          正統派今川焼き

どこか粋筋のいい香りがするのはそのせいだと思う。彼女の人生にどんなことがあったのか、知る由もないが、一個100円の今川焼き屋を15年もやっているのはポエム。深沢七郎の「夢屋」と同じくらいの素晴らしき衝撃度。

問題は食べる場所。店の前の小さな縁台は若いカップルが占有している。今川焼きは焼き立てに限る。困った。そのとき稲妻のごと閃いたのが、千駄木駅の階段で賞味するのも悪くないな、だった。
          千駄木③ 
          ええのう

で、ご覧のごとく、となった。限りなくホーム〇〇に近い世界だが、そうそう経験できる世界でもない。路上観察学会の気分も味わえる。考えようによっては五つ星の天然レストラン(笑)。
          千駄木⑦ 
          つぶあん
          千駄木⑨ 
          V字バランス?
          千駄木5  
        愛のある今川焼き

さて、味わい。北海道十勝産えりも小豆を100%使ったつぶあんは濃厚でかなり甘め。量もまずまず。砂糖は多分上白糖。黄色みの強い皮は厚めで、焼き立てなので表面はパリパリしている。きちんと作った愛のある今川焼き。あんこの量がもっとあれば最高なのだが、値段を考えると、それを求めるのは間違っている。
          千駄木4 
       こちらはしろあん
          千駄木④ 
          素晴らしき世界

個人的にはむしろ、しろあんの方が気に入った。こちらも北海道十勝産白インゲンを100%使用している。柔らかく炊かれていて、甘さと塩気がほどよい。きめの細やかさ、風味ともにいいレベル。たまたまなのか、あんこの量もつぶあんより多い。

階段を上り下りする老若男女がけげんな様子でチラ味する中、極上の孤独を満喫する。ええんでねえの?
          千駄木⑤ 
       天国まで3マイル

江戸時代から続く新宿の老舗和菓子屋「花園万頭」が破産してしまったが、「渓流斎ブログ」でかの西大寺先生もお嘆きになっているようだ(6月3日付渓流斎日乗keiryusai.com/archives/8211)。だが、まだ美人女将の百円今川焼きがある。そう思えば、少しは救われる・・・はずである。

本日の大金言。

暖簾を広げるばかりが「いい世界」ではない。その対極にはビジネスとは無縁な世界がある。お金を超えるいぶし銀の世界。こっちだって凄いぞ。


                千駄木2 

両国の「昭和なカレースパ」

 東京・両国にある「すみだ北斎美術館」を堪能した後、横綱横丁の「カフェテリア ニューストン」で遅い昼めしを取ることにした。このあたりは挿絵画家・堂昌一さんのご自宅兼仕事場があったところで、折に触れて通った場所でもある。場所柄お相撲さんの姿も見える。
          北斎美術館② 
          すみだ北斎美術館
          両国① 
          両国どすこい

両国の魅力については語りつくせない。いい料理屋も多く、とくに有名なのは創業が享保3年(1718年)「ももんじや」で、山くじら(猪肉)料理の専門店だが、味噌仕立てのすき焼きが旨い。懐がいささか寒いので、指をくわえながら素通りすることにした。
          ニューストン① 
        ユーも立ち止まる
          ニューストン④ 
         このバラエティー

で、「カフェテリア ニューストン」。洋食屋のようでもあり、喫茶店のようでもあり、レストランのようでもある。店名もそうだが、アメリカンな昭和レトロがぽっかり空いた穴の奥で微笑んでいる感じ。入り口にはポークしょうが焼きやジャンボハンバーク、ハヤシライスなどうまそうなメニューが派手に表示されている。
          ニューストン⑤ 
          メニューの一部 

あざとさと紙一重のバタ臭い昭和だが、何か惹きつけられるものがある。店内に一歩足を踏み入れると、昔の正統派純喫茶のような世界が広がっていて、迷った末「意外とおいしい」と説明書きがしてある「カレースパゲッティー」(税込み 620円)を頼むことにした。アイスティー(セットだと+190円)も頼んだ。見渡すと常連客が多いようだ。「ブルーマウンテン」を頼む人もいる。
          ニューストン⑥ 
          純喫茶?

待つこと12~3分ほど。カレースパゲッティーがいい匂いとともにやって来た。テキパキとした動きの女性スタッフ。下町娘の面影。灰皿がフツーに置いてあるのも悪くない。
          ニューストン⑦ 
        こっちもどすこい

さほど期待していなかったせいもあるが、このカレースパゲッティーが本当に「意外に」美味かった。パスタではなくスパゲッティー。アルダンテに茹で上げられていて、歯ごたえがいい。その上にたっぷりとかかったカレーが美味。粉チーズととろりチーズが陰影を付けている。この店の名物の一つ「じっくりと煮込んだカレー」をそのまま使っているようだ。十分なコクとスパイスの効いた本格的なもの。上に乗った香草も気が利いている。
          ニューストン⑧ 
          絶景かな
          ニューストン⑨ 
       カレーがよく絡む

よく見ると、小さくサイコロ状の牛肉とじゃがいもの姿も見える。タマネギはすっかり溶け込んでいる。
          ニューストン10 
       よき洋食屋のよう

最初、ボリュームはさほどないな、と思ったが、食べ始めると、それが間違いだとわかった。さすが「横綱横丁」の一軒、すっかり食べ終える頃にはお腹がきつくなった。アイスティーも手抜きがない。腹九分の満足感。そのときになって初めてBGMにせせらぎの音とかすかにジャズが流れていることに気づいた。
          ニューストン12 
          コスパの余韻

女性スタッフに創業年を聞いたら、1~2秒ほど考えてから「40年近い」とおきゃんな物腰で返ってきた。「このカレスパ、ホント意外においしいね」とつい突っ込んでみたら、「そうでしょ。意外に美味いのよ」と白い歯を見せた。また来よう。

本日の大金言。

両国は葛飾北斎が生涯離れなかった場所。90年の人生で93回も引越しを重ねたという逸話も持つ。風狂の天才画家の足跡をたどりながら、食べ歩きも一興である。凡人は平和な時間を噛みしめる。





                  ニューストン11 



プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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