ドイツの理不尽なロールキャベツと格闘

「村長、どうしたんですか? その恰好」
美熟女の村民2号の目が点になっている。
いつもはよれよれの作業着姿の赤羽彦作村長が、なぜかこぎれいなグレーの綿スーツ姿。

「うむ、今日はちょっとな、久しぶりに江戸まで足をのばそうと思ってな

「腰痛は大丈夫なんですか?」
「それより小遣いちょーだい」
「だめっ。また北千住に遊びに行くんでしょ?」

「今日は特別な日なんじゃよ。渓流斎先生のお祝いなんじゃよ」

江戸のはずれのそのまたはずれにある「ウマズイめんくい村」でそんな会話が・・・。


昨夜は村長が敬愛する円月殺法の使い手・渓流斎先生の米寿のお祝い、じゃなかった「祝ブログ100万アクセス大パーティー」に行ってきた。

今やブログ界では知らない人はモグリといわれるまでになった「渓流斎日乗」。スタートしたのが7年前。雨ニモマケズ風ニモマケズ、東に大震災が起きてもブログを書き続け、西に調布先生がひっくり返ってもキーボードを打ち続け、一日たりとも休まず、ついに100万アクセス突破という偉業を成し遂げたのだった。

渓流斎先生の仮の姿は某大手メディアのサラリーマンでもある。クラーク・ケントとスーパーマンをイメージしてみてほしい。「だいじょうぶ、マイフレンド」に近いかもしれないが。

西新橋にある「はらぺこ」という居酒屋で行われたお祝いの会は、実に気持ちのいい会だった。

「次は200万アクセスですね。そのときは向島で料亭を借り切ってパーッとやりましょう」「仮面舞踏会にしてもいいね」「京都から調布先生にも来てもらいましょう」アルコールがすすむにつれて、話がどんどん大きくなっていった。このいい加減さもこの一夜の花火に彩りを添えるのだった。

最後に美女二人が渓流斎先生に花束を渡すというサプライズも。村長はクールを装う渓流斎先生の目にきらりと光るものが出かかるのを見逃さなかった。


            ロールキャベツ(ハイデルベルク) 

さて本題、B級グルメの話。ドイツの古都・ハイデルベルクで食べたロールキャベツについて、書かなければならない。

日本にいると、食べるという行為が「闘い」であることをついつい忘れてしまう。それはまさに「格闘」だった。
「ハイデルベルクのロールキャベツはうまいですよ。かのヘーゲルやヤスパースも食べたはずです」
ハイデルベルク在住30年という女性ガイドのひと言で、「HUTZEWALD」というレストランで賞味することになった。

大哲学者ヘーゲル、ヤスパース、さらにはマックス・ウエーバーといった思想家が、この街にあるドイツ最古の大学ハイデルベルク大学で教鞭をとっている。

日本でイメージするロールキャベツとは外見は似ているもののまるで違っていたナイフを突き立てても切れない。

硬いなんてものではない。ゴムまりにナイフを突き立てている感触とでもいおうか、額から汗がにじみだし、悪戦苦闘の末、ようやくかぶりつくとまるでゴムタイヤでも口に入れたような硬さ。

味はちょっと甘めだが、確かにロールキャベツの味。しかし、中の具にたどり着くまでが大変。村長はへとへとになりながら、ヘーゲルもヤスパースもこのあまりといえばあまりな現実と格闘することによって、思索を広げていったのだろうか? そんなことを考えていた。

これはオーバーな話ではない。

ガイドの女性によると、「今日のは特別に硬い。去年のキャベツを使っているからでしょう。そのキャベツも日本のとは全然違います。外見は似ていますが、ズシッと重くて、ボウリングのボールを持ったみたいですよ。でも、ドイツの底力を感じたでしょ?

白ワインはうまかったが。村長はロールキャベツの理不尽に生きることの理不尽を重ね合わせるのだった。

本日の大金言。

食べることは格闘技である。ロールキャベツをなめてはいけない。

          ハイデルベルク城 

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パリのトイレで日本のトイレを考える

 EUは経済危機で大揺れだが、パリを歩きながら、赤羽彦作村長の関心事は別のところにあった。日本のトイレ危機、である。

よく考えてみてほしい。人間も他の生き物と同様に、食べたものを排泄する。

それなのに、食べものの結果については、ほとんど無関心である。うれしい入口問題と悲しい出口問題。

テレビを見ても、雑誌を見ても、食べることへのあくなき欲求は常軌を逸している.。何かが変だ。何かがおかしい。何かが過剰だ。


        パリのビストロ エスカルゴ 



本題に入ることにしよう。いつのまにか、気が付いたら、日本人は「温水便座」が当たり前の生活になってしまった。温かい便座、気持ちのいい温湯。中には小鳥や清流の音の出るトイレまである。

自分で出したものなのに、それをすぐにでも視界から消したい。そのことだけのために当然のごとく、水もじゃんじゃん使う。トイレットペーパーも無尽蔵に使う。

          

一体、いつから日本人はこんなに「恐るべき無自覚大浪費体質」になってしまったんだろう? 少なくとも、80年代半ばくらいまでは、ウォシュレットはこれほどまでには普及していなかった。「もったいない」という言葉も死語にはなっていなかったと思う。

バブルはトイレまで変えてしまった。そして、構造的な不況に突入して、福島の原発事故。にもかかわらず、トイレへの意識はバブルのまま。生き物としての現実感覚がどこかへ消えたしまったようだ。

これらを保証しているのが電気と水であることに思い致せば、今起きている原発事故の問題を、便座から考えてみることも必要ではないか。温水のスイッチを切って、ロダンの考える人、になる。
一日に一回はうーんと唸ってみる。

パリをウロウロ歩き回りながら、感心させられたことが、そのトイレに対する徹底した考え方である。ホテルのトイレやレストラン、デパートのトイレ、どこに入っても、温水など出ないし、便座も冷たい。
この冷たい現実が人間の思い上がりや傲慢を引き留める鍵となるのだ、と思う。

トイレットペーパーなども日本よりもはるかに質素に使っている。「わかってるな。大事に使えよ」と無言の声が聞こえてくるのだ。

         ミュンヘン ホテルのトイレ② 

日本に来た外人が、テレビなどのインタビューに答えて、「日本のトイレはすばらしい。きれいだし、何より温水が出るなんて。ヨーロッパでもアメリカでもありえないよ。クールだ、スーパーだ!」などと感嘆するように話している光景を目にすることも多い。これを額面通りに喜ぶ視聴者も多いかもしれない。

パリは19世紀まで上下水道が整備していない世界でも有数の「クサい街」だった。一般庶民までがオマルに貯めた糞尿を窓から平気で投げていたそう。「ガルディ、ルー!(水に気をつけろ)」と叫んでぶちまける。下を歩いていた人は、一目散に逃げるのが日々の光景だったという。

ハイヒールがパリで生まれたのは、
はこのウンコ回避のための苦肉の策だったという説もあるほど。

こういう歴史があるために、パリは犬の糞に対しても寛容なのだともいえる。そして、トイレに対する考え方も実にシンプルで、余計なものはいらない。電気も水もトイレットペーパーも節約して大事に使う。グルメの都パリは、最も人間臭い出口問題に対しても、感動的なほどシンプルだった。

本日の大金言。

グルメの結果について、冷たい便座から未来を考えること。



                DSCN0527.jpg 

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パリの水道水はミョーな味だった

 ヨーロッパはユーロ危機と失業、移民の増加という綱渡り的な状況が続いている。花の都パリもこの流れの真っただ中にいる。彦作村長がパリをほっつき歩いて体感したことは、やはり移民が多いな、ということ。アフリカ系、中東系、アジア系のパリっ子が何気なく生活している。


          DSCN0571.jpg 


ホテルの従業員に聞いたら、
「最近は中国人が多くなっている。中国人は団体でいるからすぐにわかるよ」
そんなことを話していた。
そのことを裏付けるように、そのホテルのロビーには中国語のフィガロが置いてあった
悲しいかな日本語版はなかった。

それでもパリはパリ。ちょっと横道に入ると、犬の糞があったり、たばこの吸い殻が吹き溜まっていたり、落書きが書かれていたりと、実に人間の匂いがする。人間の匂いのする文化、しない文化。19世紀から20世紀にかけてパリが多くの画家や作家、芸術家を生んだのは、こうした人間の匂い、猥雑さと無縁ではないのではないか。


                   パリ・犬の糞 


きれいで清潔な街は確かに気持ちがいいが、そこに人間がいる、という裏付けがないと、ある種の恐ろしさを感じてしまう。「きれいな全体主義」とも「抗生物質至上主義」とでもいおうか、「異色」を認めない社会・・・。

さて、パリの日本食レストラン事情。オペラ座近くのサンタンヌ通りは「日本人レストラン街」として有名だが、ここでも、ちょっとした規制の動きがある。
日本食レストランが増えすぎて、景観や文化をを守ろうとするパリの老舗などが「このままいくと、パリがパリでなくなるし、自分たちの商売があがったりになる」として、出店規制をかけようとしているのだ。

それもこれも世界的な寿司ブームに乗って、80年代には約50店ほどしかなかったパリの日本食レストランが、90年代後半からどんどん増え、今では何と1000店前後にまで膨れ上がっているという事情がある。

その中にはとても日本食とは思えない、まがいものも多く、寿司と言いながら、妙なドンブリが出たり、アジア風のヤキトリとセットになっていたり、ひどいのになると、「スシ」ガ「スジ」と表記されていたりするという。経営者が中国人だったり、料理人や店員も「顔が日本人と区別がつかない」というだけで、修業もせずに、店に出ているケースも多い。

さてさて。ビンボーな彦作村長は腰痛といえども、ポイントでは鼻が利く。ルーブル美術館近くの札幌ラーメン「ひぐま」に入った。ここは経営者が日本人。隣も日本食レストラン「江戸っ子」。
店員は中国人だったが、愛想がいい。

「ナニシマスカ?水タダね。水道水だから。ノミマスカ?」

パリもそうだが、水は有料のミネラルウオーターで、2~3ユーロ取られたりする。それがいきなり「タダ」と言われて村長は仰天。美熟女の村民2号も「大丈夫かしらね」と不安そうな顔。
それを見越したように、店員はニヤリとして「ダイジョウブ。心配しなくても。ボクも飲んでるから」。

ボクも飲んでる?反対に心配になったが、死ぬことはあるまい、そう思って、ハイネッケンビールと一緒に頼んだ。ギョーザとネギチャーシュー、カレーライスも一緒に注文。


           パリ・日本食レストラン(中華) 

ネギチャーシューが圧巻だった。
日本だとせいぜい7~8枚くらいで500~600円くらいはする。それが量はその2倍くらいで、値段は5ユーロほどと安い。しかも1枚が分厚い。味も日本のとそう変わらない。

ギョーザは小ぶりで、香辛料が強め。新宿あたりの台湾料理屋にいるような気分だった。カレーライスもご飯がちょっと違うくらいで、日本のものとほとんど変わりなかった。全体としては満足。パリの「ウマズイ味」だった。

「ひぐま」はパリの日本食の老舗で、パリっ子の評判も良く、日本にはラーメンもあるぞ、と評判を呼んだ店でもある。
最後に、コップの水道水を恐るおそる飲んでみた。ちゃんと飲める。うーむ。

本日の大金言。

お金がないときは、エビアンよりも水道水。

彦作村長、花の都パリへ行く

ビンボーな「 ウマズイめんくい村」赤羽彦作村長の子どものころからの夢の一つが、ヨーロッパ食べ歩きである。
で、行ってきた。その間の苦節骨折は長くなるのでここでは省くことにする。

とりあえず、花の都パリ! 

まだ裕福な頃の村長はある日突然ワインにはまってしまい、分不相応にもワインセラーなど買ってしまい恐ろしいことに、シュバルブラン90とかラターシュ93、マルゴー98などを買い込んで、悦に入っていたりした。
ほとんどビョーキだった。夜中にこっそり起き上がって、グースカ寝ている女房に内緒で、ワインリスト一覧を見ながら、ムフフフ「次はルパンにしようかな」などとこっそり妄想を楽しんでいた。そんな時代もあったのだ。

そんなわけでパリに行ったら、ワイン! フィサンだってジャンジャン飲んでやるぞ、パリで倒れても本望だ! そう思っていたのだが、ツアーの代金だけで村の予算の3分の2ほど使ってしまった。そのため、同行している村民2号に財布を握られ「テーブルワインだけよ」と自宅軟禁並みの規制がかかっていたのだった。

安いビストロでグラスワインの日々。それも悪くはない。パリ到着3日目。洋食にそろそろ飽きてきたころ、オペラ座近くをほっつき歩いていると、サンタンヌ通りに迷い込んだ。ここは日本人ばかりでなく、地元のフランス人にも人気の日本食レストラン街。午後7時過ぎだというのにまだ明るい。

「久しぶりにラーメンでも食うか」と村長。
「私は焼きそばがいいな」と村民2号。

         パリ・日本食レストラン街 かどや 

「KADOYA(かどや)」という外見的にはこじゃれた日本食レストランに入った。お客のほとんどはパリっ子みたい。パリっ子はなんとなく雰囲気でわかる。「わたしはわたし」「オレはオレ」個人主義がプンプン匂っているし、ファッションが地味系のおしゃれ。

おとといパリ在住32年という日本人オヤジガイドに聞いた話が頭をよぎる。

「パリも移民が3割を占め、治安も悪くなっている。パリっ子って、ホントに底意地が悪い。ボクは日本に帰りたい。日本人のような思いやりが欠けているのがパリです。日本人がイメージしているパリは真実ではないんですよ。ちょっと裏道に入ると、たばこの吸い殻が無造作に落ちているし、犬のフンなども平気です。ま、人間的と言えばあまりに人間的ですがね」


「かどや」は予想よりいい味で、結構食えた。「焼きそば」「鶏のから揚げ」、それにグラスで白ワインと赤ワイン。


焼きそばはかなりのボリューム。日本の1.3倍くらいの量。ソースと醤油とオイスターソースがいい具合に絡み合っているようだった。

鶏のから揚げも日本で食べるのとそん色なく、まるで新宿の安い居酒屋のような味。値段もそれぞれ8~4ユーロほどで安め。
ワインも1杯4~5ユーロで、しかも本場の安ワイン。酸化防止剤が入っていないのか、果実味がそのまま沈殿しているようでうまかった。面白いのはビール。ハイネッケンが一本3.5ユーロなのに、日本のビール(アサヒ)は6ユーロ。よく考えると当たり前なのだが、妙に感動してしまった。

         パリ日本食レストラン街  

だけど、この店、トイレはダメ。ひぐまの方がきれいだったわよ」(村民2号)

「ひぐま」というのはパリの老舗の札幌ラーメン屋のこと。パリの日本食レストラン事情については次回をお楽しみに。

あっと驚くトイレ事情についてもいずれ詳しくレポートしよう。パリの出口問題は哲学的だ。


プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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