「ソースかつカレー」に驚く

村のルーティンワークとなった実家の掃除で群馬・桐生へポンコツ車を飛ばす。桐生は 日本三大ソースかつ丼のメッカとして、長野・駒ヶ根、福島・会津とともに知る人ぞ知る存在。

約1時間半ほどの掃除を終え、ひと汗かいた後に、桐生市内境野(さかいの)にある洋食レストラン「ペーペ.」へ。イタリア語で胡椒(こしょう)の意味。時計を見ると、午後1時半を少し超えていた。「西の西陣、東の桐生」と言われた過日ほどの活気はないが、織物の街・桐生には隠れたいい料理屋が多い。
          ペーペ 
          メルヘン風外観

「境野には大伯父が大きな屋敷を構えていたのよ。織物工場で成功していたけど、知人の借金の保証人になったことが原因で破産してしまったのよ。紙切れ一枚で全財産を失ってしまうなんてバカみたい。だから境野に来るとついついそれを思い出しちゃう」

珍しく村民2号がセンチメンタルジャーニーになってしまった。村だって破産寸前(?)かもしれないので、困った。こういう時は黙っているに限る。沈黙は銀なり。あまり関係ないが、貴乃花の沈黙は金なりか。勝敗は場所後にわかると思う。TVの根拠不明なおしゃべりは語るに落ちる。
          ペーペ5 
          落ち着く

「ペーペ.」はサーモンピンク色の一軒家のレストランで、ここが美味いという情報は、村民2号が仕入れて来たもの。「カレー&パスタ」と表記されたドアを開けると、ウッディな床と植物、それに窓から入ってくる柔らかな日差しがゆったりと落ち着く雰囲気をかもし出している。。木のテーブルが6つほど。小さなカウンター席もあり、その対面が厨房になっていて、そこに白いコック服姿の二人(ご夫婦?)が仕事に励んでいた。BGMはなぜか安室奈美恵だった。
          ペーペ② 
          メニューの一部

イタリア料理を中心にメニューは多い。この店の売り物でもある「カレー」だけでも15種類もある。その中から村長は「ソースかつ」(税込み 950円)を、村民2号は「なすとひき肉」(同 800円)を選んだ。ついでにランチタイムサービスの「サラダと飲み物」(プラス250円)も頼むことにした。むろん、コーヒー。
          ペーペ④     
          まずサラダ
     
注文を受けてから作り始めているようで、とんかつを揚げる軽やかな音が厨房から聞こえてきた。待ち時間は15分ほど。サラダが先に来て、「ソースかつ」カレーライスがやって来た。おおおというビジュアル。
          ペーペ⑤ 
          おおおの登場
          ペーペ⑥ 
          海と孤島
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     こちらは「なすとひき肉」

白大皿に焦げ茶色の自家製カレーの海。真ん中に孤島のようにライスが盛られ、千切りキャベツが乗り、さらにその上に一口かつが3個「どうだい」とそびえていた。しっかりとソースにくぐらせてある。紅ショウガがちょこんと乗っている。カレーライスと桐生のソースかつ丼をドッキングさせたアイデアがユニークではある。
          ペーペ⑦ 
          本格的味わい

カレーは本格的な欧風カレーで、深みのあるまろやかな味わい。スパイスもほどほど。仕込みに二日ほどかけているそう。タマネギがすっかり溶け込んでいる。
          ペーペ⑨ 
          ヒレの一口かつ

一口かつは噛んだ瞬間、コロモのサクッとした歯触りがいい。中の肉は国産豚のヒレ肉だそうで、厚みはさほどないが、柔らかくて美味。思ったほどのボリュームはないが、それがお腹にはほどよい。
          ペーペ4 
          かじり愛?
          ペーペ11 
          ソースとカレー

好みもあるが、ちょっと惜しいと思うのが、ソースがライスの下まで浸みていること。つまりソースの量が多すぎると思う。せっかくのカレーの美味さが減少してしまうのではないだろうか。加減の問題。

「私の方は当たり。チーズが添えられていてそれが意外に悪くない。カレーの美味さに尽きるわね。天国の大叔母が私に味方したのね。コーヒーも美味いわ」
すっかりセンチメンタルは消え、うふうふ顔。変わり身は金なり。

店は今年で33年になるそう。「旬の味」カキフライカレーも美味そうだった。また来ることにしよう。

本日の大金言。

ソースかつのカレーは極めて珍しいが、東京・新宿にある大正10年創業「王ろじ」に歴史的な名物があることを思い出した。以前このブログでもご紹介した「とん丼」である。こちらはドンブリだが、あの柴田錬三郎も愛したとんかつ屋である。



                  ペーペ12 





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「桐生ソースカツ丼」の隠れ王者

 かつて「西の西陣、東の桐生」と呼ばれた群馬・桐生市はソースカツ丼のメッカでもある。「志多美屋」や「藤屋食堂」などが有名だが、地元の食通が愛する店は、別のところにある。

不覚にも村長がその存在を知ったのはごく最近。桐生生まれの村民2号の友人からの情報だった。

「美味くて安くて、でっかい。とにかくビックリするわよ。創業が昭和初期というのもすごい。90年以上の歴史があるのに、宣伝もしていない。本物はチャラチャラしてないってことね。ああいう店こそブログに書いてほしいわ」

このブログを見たというその友人おばはんは、そう言って、ガハハと笑った。
          五十番 
      一見、侘びしげな店構え

蜘蛛の巣が張り始めた実家へ掃除に行ったついでに、その店を訪ねることにした。桐生市の中心地の裏通り、糸屋通りにその店はあった。いかにも寂れた古い建物で、外から見たら、ただの古い中華食堂にしか見えない。サンプルケースが昭和そのまま。すぐ近くには坂口安吾も通ったレストラン「芭蕉(ばしょう)」もある。
          五十番② 
          まさかの世界が・・・

過剰な期待はせずに、中に一歩足を踏み入れた。一瞬にして、これは昭和のよき食堂だ、とわかった。テーブルが七つほど。左には木のメニュー札が並んでいて、右の壁には古い映画の下敷きがきれいに張られていた。「ウエストサイドストーリー」「卒業」など昭和の名作がズラリ。
          五十番2 
          ポエム
          五十番6  
       時間が止まったまま?

午後1時半過ぎなのに、常連らしい客がポツリポツリと入ってくる。奥が厨房になっていて、老夫婦が二人だけで切り盛りしていた。ゆったりとした時間が流れている。料理の出るスピードが遅い。だが、お客は文句も言わずにそれが当たり前のように、自分でお茶を持って来たり、注文しに厨房近くまで行ったりしている。ポエム。

村長は「ソースカツ丼」(味噌汁・お新香付き 税込み 670円)、村民2号は「オムライス」(サラダ付き 同620円)を頼んだ。
          五十番⑤ 
          これは何だ?
          五十番④ 
          オムライスもデカ~

待ち時間は約30分ほど。一つ一つ丁寧に作っているのがわかるため、何故かイライラもしない。女将が運んできた「ソースカツ丼」を見て、ウムとなった。ドンブリの蓋がトンカツで閉まっていない。ここまではそう珍しい光景ではない。

蓋を取ると、自家製ソースだれにくぐらせた揚げたての角型のトンカツが5枚、折り重なっていた! 衝撃が走った。これで670円というのは信じられない。もう一度メニュー札を確かめる。間違いない。問題は質と味。
          五十番⑥ 
          何も申しません
          五十番⑧ 
          言葉は不要です
          五十番⑦ 
        何と申しましょうか・・・

取りあえず2枚を蓋に移してから、キメの細かいコロモをガブリとかじると、ヒレ肉のような柔らかな上質の豚肉で、肉自体の厚みは5~7ミリほど。ウースターソースベースの自家製ソースだれはやや甘めで、美味という他はない。桐生ソースかつ丼の特徴で、カツの下にキャベツなどは敷かれていない。直置き。会津や長野・駒ヶ根のソースカツ丼とはそこが違う。
          五十番⑨ 
          こうする他はない
          五十番11 
        驚嘆という他はない

ご飯は炊きたてで、キラキラと見事に立っていた。やや固めに炊かれていて、ソースだれがほどよくかかっている。最初見たとき、トンカツのあまりのボリュームに完食できるか、少々心配にもなったが、あまりの美味さに箸がどんどん進み、10分ほどできれいに平らげてしまった。ワカメの味噌汁、お新香(ぬか漬け)も普通にキチンと作ってある。今年食べた中で、最大の驚き

支払いの時、ご年配の女将に「これで670円とは。かなりビックリしました」と正直に話すと、女将は「自分の家なので家賃がからないから、こうしてやってられるんですよ。ええ現在3代目です。でも、後継者がいないんで、私たちの代でお終いですよ」と寂しげに笑った。
          五十番14 
       プロフェッショナルがいる

最後にぶしつけな質問。元記者のサガ。「あのう豚肉は国産ですか?」「当たり前ですよ。国産のロース肉です。ヒレではありません」笑いながらきっぱり。

店を出ると、村民2号も「オムライスも大きさにも驚いたわ。チキンライスは柔らかめだったけど、美味かったわ。こういう店が隠れていたとは、桐生も奥が深いってことね。見直したでしょ」と鼻をツンとさせたのだった。

本日の大金言。

会津ソースカツ丼も駒ヶ根のソースカツ丼も、あるいは秩父のわらじカツ丼も、この店の前では分が悪いと思う。670円という値付けは今でも信じられない。昭和のよき料理人の心意気がしっかりと桐生に眠っていたとは。


                  五十番15

箱根の「30センチピッツア」

 「ピザ」ではなく、イタリア風に「ピッツァ」。元箱根の人気イタリアンで、40分ほど待たされてようやくたどり着いた、本格的ナポリ風ピッツァをテーブルに乗せるとしよう。

箱根・強羅で同級会宴会の翌日、二日酔いの頭を抱えながら、大涌谷⇒芦ノ湖遊覧の定番コースをまわり、元箱根でちょうどランチタイムとなった。「美味いパスタを食いたいな」という声が上がり、村長は有名な芦ノ湖テラスへと一行約10人を案内することにした。
          芦ノ湖テラス 
          箱根のナポリ?

ここにある「ラ・テラッツァ芦ノ湖」は箱根でも有名な本格的イタリアンレストランで、土日などは1時間以上待たされることもある。オープンテラスもある広いシャレた建物で、どこか日本離れしている。
          芦ノ湖テラス3 
        シャレた店内が見える

パスタ派とピッツァ派に別れたが、村長は少数派のピッツアを頼むことにした。「マルゲリータ」にしようか迷ったが、フトコロ事情の関係で「アッチュガーナ」(税込み 1100円)を選んだ。ピッツァだけで30種類もある。地場の「箱根四季ビール」(同 700円)も抜け目なく頼んだ。合計1800円ナリ。ちと痛いが、やむを得ない。
          芦ノ湖テラス④ 
          メニューの一部
          芦ノ湖テラス⑤ 
          地ビール

ここは本格的なナポリピッツァを出してくれる。東京・広尾の名店「アクアパッツァテラス」から独立、店名も「ラ・テラッツァ芦ノ湖」と変えている。イタリアから取り寄せた巨大窯を使い、手延べした生地を直火で焼き上げる。燃料が薪というのもナポリそのもの。
          芦ノ湖テラス1 
          七湯ビールだって?

注文してからの待ち時間は12~3分ほど。その間に地ビールをゆっくり飲む。ビールをチビチビ飲むのも悪くない。箱根四季ビールを頼んだのになぜか「箱根七湯ビール」が来た。ま、いっか。ハーフ&ハーフのような炒った麦芽の香りが特徴のビールで、半分ほど飲んだところで、「アッチュガーナ」がいい匂いとともにやって来た。
          芦ノ湖テラス⑦ 
          主役の登場
          芦ノ湖テラス⑥ 
          これで一人前
          芦ノ湖テラス⑧ 
          でかー

デ、デカい。2人前と間違えたのではないかと思うほどの大きさ。優に30センチはある。真っ赤なトマトソース(マリナーラ)をベースにアンチョビ、フレッシュトマト、バジリコの葉などの色合いがどぎつい。どこかレディー・ガガのよう。ポーカーフェイスを歌いたくなる。

生地がナポリそのもので、薄くて、縁だけが盛り上がっている。直火のまだら状の焦げ目がポエム。縁のパリパリ感ともっちり感。
          芦ノ湖テラス⑨ 
          本場の味わい
          芦ノ湖テラス11 
          あーん
          芦ノ湖テラス12 
          裏側もチェック

トマトソースの濃い風味とアンチョビの塩辛さ、オリーブオイル、ニンニクの隠し味などが生地の小麦粉の香ばしさとマッチしている。小麦粉はイタリアから取り寄せているそう。黄と赤のイタリアンミニトマトがいいアクセントになっている。
          芦ノ湖テラス13  
          ボーノ、ボーノ
 
それにしてはボリュームがあり過ぎる。全部で8カットされていたが、何とか平らげると、口の中がナポリになってしまった。モッツァレラチーズがないのが残念だが、これはこれで満足。レディー・ガガの休養宣言が心配だが、最後に残った箱根七湯ビールをグイッと飲み干すと、胃袋の奥からジローラモが「パスタも食べる?」とささやいてきた・・・気がした。何というオチだ。

本日の大金言。

彼は昔の彼ならず。彼女も昔の彼女ならず。だが、ピッツァはナポリのまま。ピッツァの元祖はローマではなく、むろんアメリカでもなく、ナポリなのである。現在のような「マルゲリータ」が誕生したのは1889年と言われている。



                  芦ノ湖テラス15 





メッツ青木とハンバーグカレー

 本日、テーブルに乗せるのは「ハンバーグカレー」である。ただのカレーではない。

ポンコツ車を飛ばして、ゴッドマザーが住んでいた、群馬・桐生市の留守宅に掃除に行ったついでに、ひょんなことから入った店。これが意外な店だった。

かの日本新聞協会にも加盟しているローカル紙の星「桐生タイムス」が近くにある東五丁目界隈。このあたりは昔ながらのいい店が潜んでいる。織物の町の面影が色濃く残ってもいる。

広い家なので掃除が長引き、午後1時半を回っていた。腹の虫がぴいぴい鳴いている。街なかで生の情報を拾うことにした。

「釜飯もいいけど、カレーがうめえよ。喫茶店というより洋食屋みたいだよ」
          ルポ① 
         一軒家の隠れ家

でっぷり太った地元オバハンの情報で、その「イート喫茶 ルポ」を探す。焦げ茶と白の一軒家。「REPOS」も看板が見えた。日本語で「ルポ」。フランス語で「休憩所」の意味らしい。
          ルポ② 
         カレーだけで9種類
          ルポ③ 
          落ち着く

店内はウッディーで落ち着いた雰囲気。フルートのジャズが流れていた。カウンター席とテーブル席。マスターと女性(奥さん?)2人。時間が時間なので、客は一組だけ。テーブル席に座って、「一番人気」だという「ハンバーグカレー」(税込み 850円)。村民2号は「ベジタブルカレー」(同 750円)。ランチセット(ミニサラダとコーヒー 150円)も付けてもらった。
          ルポ⑤ 
          このボリューム
          ルポ3 
          まずはサラダ
          ルポ⑥ 
          本格的なカレー

この「ハンバーグカレー」がボリューム満点だった。大皿に焦げ茶のカレールーがたっぷりと広がり、隠れるように真っ白いご飯が湯気を立てていた。ハンバーグの姿は見えない。カレーライスだけで9種類あり、「スパイスは10種類ほど使ってます。じっくり煮込んでから、一晩寝かすんですよ」(マスター)とか。
          ルポ⑧ 
          ライスとルー

辛さとタマネギの甘みが濃厚に凝縮していて、悪くない味わい。スパイスが口中に広がる。スプーンでカレールーを分けると、中からかなりデカいハンバーグが姿を現した。自家製のハンバーグで、多分豚挽き肉中心。肉がそのままストレートに伝わってきて、玉ネギなどつなぎの変化球はあまりない。注文を受けてからフライパンでしっかり焼いた気配が漂っている。
          ルポ⑨ 
       ゴジラが隠れていた?
          ルポ12 
          肉の圧倒
          ルポ13 
          直球の肉汁

メチャウマではないが、喫茶店のカレーのレベルは超えていると思う。食べ終えると、ベルトが一つ弛むほどのボリューム。村民2号は「喫茶店のいいカレーって感じかな。ベジタブルは新鮮で、ナスが特に旨かったわ」と中辛の感想。

店は39年になるそう。ふとメジャーリーグの青木宣親(現メッツ)のサインがあることに気づいた。聞いてみると、「オフのときなどここにもよく見えます。奥さんが桐生の出身なんですよ」。
          ルポ15 
          コーヒーは普通

奥さんは確か元テレ東の女子アナ。ほおー、ということは・・・このハンバーグカレーも食べているに違いない。ブルージェーズからメッツに移籍したばかりだが、村長は青木のファンでもある。日本での輝かしい実績と高給を捨て、30歳でメジャーに挑戦、何度も苦難を乗り越えてきた苦労人、青木の頑張る姿が、イチローとは別の感動を与えてくれる。犬も歩けばいい店にぶつかる、である。

本日の大金言。

青木の凄さはめげないことだと思う。メッツでもヒットを量産し始めている。投手ではなく野手でメジャーで成功することは凄いこと。ハンバーグカレーと青木の粘り強く俊敏なパワーはどこかで繋がっている? まさかね。


                  ルポ14

「冷したぬき」と明治煉瓦窯

 「ちょっといいそば屋があるんですよ。食べに行きましょう」

個展開催中の画家夫妻から誘われて、村民2号ともども茨城・古河市郊外まで便乗した。すぐ近くに国の重要文化財「野木町煉瓦窯」もあり、それも見ようとなった。夫妻の大型車の中で話題が弾む。小さなお孫さんも「ソフトクリームが食べたい」と一緒に助手席に陣取っている。下駄ばきがかわゆい。ちなみに村長は草履。

室町時代末期は古河公方が治め、江戸時代初期は秀忠の知恵袋・土井利勝が君臨し、日光街道・古河宿としても栄えた街でもある。その北の外れ、松並町にその「ちょっといい」そば処「松川屋」が白い暖簾を下げていた。一軒家の古いそば屋。北関東にはいいそば屋が多い。
          松川屋② 
          いい店構え

夫妻もそば好きで、村長がそば好きなことを知っている。たまたまなのか、正午過ぎだがお客はそう多くはない。テーブル席と小上がりの座敷があり、どこかのどかで落ち着く。
          松川屋3 
          客は少ない
          松川屋③ 
          ええのう

夫妻は通らしく「ざるそば」(税込み 630円)を頼み、村長は夏季限定の「冷したぬきそば」(同780円)を頼むことにした。村民2号は「もりそば」(同470円)と天ぷら「野菜天盛り合わせ」(同520円)。

12~3分の待ち時間で、ざるともりが置かれ、「冷したぬきそば」と野菜天盛り合わせが続いてやって来た。このそばが懐かしいそばで、グレー地に黒い星が滲むように光っていた。細打ちではなく、気持ち太めの手打ちそば。洗練というより野暮に近いそば。
          松川屋④ 
          もりそば
          松川屋⑥ 
          冷したぬきそば
          松川屋⑤ 
          野菜天盛り合わせ

「冷したぬき」はキュウリ、かまぼこ、ハム、カニもどき、錦糸卵が色鮮やかにいい世界を作っていた。細かい天かすが星雲のようにたっぷりとばらけていて、ひと目で気に入ってしまった。天かすの少ない「冷したぬき」があまりに多いが、これぞ正統派の冷したぬきそばだと思う。村長にとっては東京・越中島の「宝盛庵」以来のドンピシャ。
          松川屋⑦ 
          こうでなくっちゃ
          松川屋⑨ 
          黄金の時間?

つゆをゆっくりとかける。やや甘めだが、カツオの出汁が効いている。野暮に近いそばをたぐる。コシともっちり感、つるっとした感触、そばの風味が絶妙に田舎のそばを演出している。二八そばか三七くらいのそばだと思う。つなぎは多分小麦粉。それが絶妙に美味い。
          松川屋10 
        絶妙な加減

キュウリの鮮度、かまぼこの鮮度、何よりも天かすのサクッとしたカリカリ感がとてもいい。そばによく絡む。皿が平皿に近いので、最後は少し食べづらいが、ボリュームもちょうどいい。
          松川屋11 
          正統派
          松川屋① 
          素材のよさ

「野菜天もカラッと揚がっていて美味いわ。ナスもかぼちゃも美味い。妙に洗練されていないのがいいわ。こういうそば屋はありそうであまりないかもね」
辛口の村民2号もうなずいている。
          野木町煉瓦窯① 
                                  127年前の世界

そのすぐ後、お隣りの野木町へ。明治23年(1890年)に造られ、昭和46年(1971年)まで、赤レンガを作り続けたホフマン式「野木町煉瓦窯」が青空に向けて屹立していた。日本で現存しているのはここだけ。どこかドイツの風景。乗馬クラブが隣接していた。小さな天使が「早くソフトクリーム食べたい」と下駄を鳴らした。

本日の大金言。

北関東にかような世界があったとは。田舎そばと127年前の「煉瓦窯」を延長線上で楽しめる。東京中心の目から、ローカルの発見へ。まだまだ日本は広く、しかも深いと思う。スマホやテレビの前から離れてみるのもたまには必要だと思う。







                  松川屋12 




プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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