桐生で見つけた安納芋カフェ

 上州に住むゴッドマザーの病気見舞いへ。その帰り、桐生に立ち寄った。メーンストリートの末広町周辺をウロウロしていると、「やきいも茶房 いもっ娘」という看板が見えた。あの幻のさつまいも「安納芋(あんのういも)」のスイーツ専門店だった。手づくりのスイートポテトやロールケーキが美味そうに並んでいた。テイクアウトとカフェコーナー。安納芋をメーンに据えたカフェというのは珍しい。それだけで村長が足を踏み入れるのに十分な理由となった。

           やきいも茶房① 
           やきいも茶房

奥のテーブル席に腰を下ろして、安納芋のスイーツポテト「蜜姫ゴールド」と紅茶(セットで580円)を頼んだ。単品だと380円。安くはない。さらに焼き立ての「安納芋」を1本(120グラム240円)だけ追加注文した。スタッフは女性2人。その女主人としばし雑談。

           やきいも茶房④ 
           安納芋スイーツがずらり
           やきいも茶房② 
           これが安納芋(こがね)

「この店をオープンしたのは約2年前です。ずっと安納芋に惚れこんで、実は10年前から焼いてるんですよ。ジョイフル本田でも焼いてるし、有名百貨店にも出店して修業を積んで、ようやくこの桐生に念願の店をオープンしたんです」

           やきいも茶房⑤ 
           蜜姫ゴールド(手前)と安納芋(奥)
           やきいも茶房⑥ 
           安納芋のスイートポテト

安納芋はここ数年スーパーでも売られるようになったが、ほとんどが鹿児島種子島産ではないそう。種子島の土壌で作られた本物はまだまだ値段が高く、そのねっとりとした蜜のような味は一度食べたら病み付きになるといわれる。村長も以前本場のものを食べて、あまりの甘さに驚いた記憶がある。その記憶が鮮烈だったために、桐生で「安納芋カフェ」に遭遇したことに軽く驚いたというわけである。まさかのスイーツ。

「蜜姫ゴールド」は安納芋に北海道産生クリーム、砂糖、バターなどを加えたもの。ねっとりした自然な甘みで、普通のスイートポテトのような過剰なクリーム感は少ない。むしろ安納芋の自然な甘みを生かした味わい。黒ごまとテカり。底の部分は皮を生かしていて、かなり凝った作り。あとひと声安くしてくれると、ウマズイめんくい村の評価が上がるのだが。

もう一品、安納芋のやきいもを二つに割って、賞味することに。外側の皮はじゃがいものように白っぽい。だが、中からオレンジ色がかった黄金色の世界が現れた。透明な蜜が滴っている。これが本場の安納芋の特徴。おおおと思いながら、じっくりと焼き上げられた黄金のいもをスプーンですくい取る。きれいな甘みとしっとり感が口中に広がる。何も加えていない安納芋そのものの美味。

           やきいも茶房10 
           安納こがねの世界
           やきいも茶房11 
           素材の美味

これは安納こがねといって、安納芋の中でも高級なものなんですよ。収穫してから熟成させ、それを私がじっくり焼いたものです。種子島から船便で運んでくるので値段が高くなってしまいますが、この美味さは格別です」
全体的にやや高めの設定だが、桐生市は昔から進取の気性に富んだ街。その街なかに誕生した全国でも珍しい安納芋スイーツの専門店、これからの工夫次第で大化けする可能性だってある。


本日の大金言。

安納芋はそれだけで一つの完結したスイーツだと思う。それをさらに発展させるという試み。コロンブスの卵になるか?



                       やきいも茶房12 


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「ねぎチャーハン100円」の驚き

 東京・上野に所用があり、その帰りに久しぶりに大宮駅で途中下車。西口のソニックシティビルの裏手、「大宮ラーメン激戦区」をウロウロしていると、「焦がしねぎラーメン 葱次郎」という看板が目に入った。午後3時過ぎ。新聞チラシみたいな野暮ったいラーメン屋。すぐ近くには人気店「らーめん102」や「麵処ほん田」がある。それらの洗練とはほど遠い、統制のとれていない、その外観が気になった。このラーメン激戦区で、これだけの野暮ったさ。何かあるに違いない。

           葱次郎14 
           ラーメン激戦区の「葱次郎」
           葱次郎③ 
           むむむ100円?

入り口のタテ看板の一番下に「ねぎチャーハン100円 お一人様1点限定」と書かれていた。うーむ。店内はL字のカウンター席のみで、12人ほどで満員になるほどのスペース。時間が時間なので客は3人ほど。券売機で「煮魚つけめん」(並盛730円)と問題の「ねぎチャーハン」(100円)を選んだ。「煮魚つけめん」は豚骨ベースに魚を加えて煮込んだこってり系のつけ汁で、この店の人気ナンバーワンと表記されていた。麺は中太で山芋を練り込んでいるそう。スタッフは男性一人と女性一人。その女性がなかなかの美人だった。

           葱次郎② 
           無秩序のバランス

カウンターの前が厨房になっていて、注文と同時に、店長らしき男性が驚くべきスピードで中華鍋を操り、チャーハンを作り始めた。作り置きではなく、注文してから作ることに軽く驚いた。100円でまさかの展開。そのチャーハンが美味だった。量は半チャーハンだが、自家製チャーシュー、卵、長ネギがふんだんに入っていて、しっかりと焼かれたライスのパラパラ感がとてもいい。味付けはやや濃いめだが、村長がこれまで食べた半チャーハンの中ではベスト3に入るレベル。有楽町ガード下の「谷ラーメン」の半チャーハンも美味だが、400円もする。これは一つの発見だった。

           葱次郎④ 
           チャーハンと温野菜
           葱次郎15  
           まさかのチャーハン

さらに驚いたのは、まるで前菜のように「温野菜」が出てきたこと。サービスだとか。ほうれん草ともやしのあっさり味だが、この意表を突く展開自体がここがラーメン激戦区であることを物語っていると認識。その2~3分後、「煮魚つけめん」がやってきた。麺は中太でやや黄色みが強い。コシがしっかりしていて、エッジも立っている。モチモチ感もある。

           葱次郎⑦ 
           よくある構成だが
           葱次郎10 
           チャーシューとつけ汁

つけ汁は脂の透明な膜が表面に横たわり、熱い泥沼のようなこげ茶の奥から、湯気とともに複雑な魚介の匂いが立ち上がってきた。点々と何かが浮いている。ざらざら感のある恐るべき濃厚。レンゲですくってみると、焦がしネギや刻みネギとともに、チャーシューがゴロゴロ潜んでいた。うーむ。旨そうだが、身体によくないかも。そんな思いがチラと走る。

           葱次郎12 
           豚骨と魚介の濃厚

麺をつけてズズズとすする。むむむ、濃い! 魚介と豚骨の出汁がじわじわと口内に広がる。焦がしネギだけではない、たぶんタマネギの甘さが味覚に侵入してくる。山芋麺の歯ごたえは悪くない。15分ほどかけて並盛で400グラムというつけ麺を何とか制覇する。あちこちに戦闘の跡。無秩序の満足感にしばし浸る。この店をどう評価していいのだろう? 混乱する頭の中で、100円チャーハンが燦然と輝いてくるのだった。


本日の大金言。

整然と混沌。日本とアジア。アポロンとデュオニソス。ラーメンの世界にもこの二つの流れがはっきりしてきているようだ。両方を愛することもむろん可能だと思う。



                        葱次郎13 

和製スコーン「桐生の花ぱん」

 坂口安吾も通った料理屋「芭蕉」を出て、春空の下、桐生市内の糸谷通りを散策していたら、「さくら餅」とか「うぐいす餅」とか「花ぱん」の文字が目に入った。グイと引っ張られるように、ウマズイめんくい村村長の足が勝手にその店に飛び込んだ。「梅月(ばいげつ)」という如何にもディープな和菓子屋さんだった。敷居は低いが、創業80年になる生菓子屋だった。お世辞にもきれいとは言えないその風情に、村長の好奇心がむくむくと湧いてきた。ところで「花ぱん」って何だ?

           梅月2 
           おいでおいで

「花ぱんも知らないの? 桐生に昔からある焼き菓子よ。昔よく食べたわ。食感はスコーンに似ている」
桐生生まれの村民2号が花ぱんのような表情になった。鼻が上を向いている。
一袋12個入り300円。安いのでゲット。さらに「さくら餅」(1個110円)もゲット。その他「焼き大福」などいくつかの生菓子も包んでもらって、ウマズイめんくい村に持ち帰った。全体的に安いのが好感。

           梅月5 
           さくら餅と焼き大福

添加物を使用していないので、生菓子はその日のうちに賞味しなければならない。だが、餅の表面が焼かれた焼き大福は少々期待外れ。餅の伸びがなく、しかも粒あんもそれほどの風味がなかった。福岡・大宰府天満宮の「梅が枝餅」を期待したのだが・・・。
「田舎の大福ってこんなものよ。東京とか京都の大福を基準にしているから、そうなるのよ。これはこれでいいの」
村民2号にたしなめられて、次の「さくら餅」に移った。

           梅月② 
           この圧倒感

こちらは手づくり感十分でなかなかのもの。薄いピンク色の皮とこしあんのボリュームが110円とは思えない。北海道十勝産の小豆を使用、甘さは控えめで塩の加減がちょうどいい。塩漬けの桜の葉も渋い。素朴な美味。

           梅月④ 
           花ぱんどすえ

いよいよ問題の「花ぱん」を賞味することに。表面がガサッとした砂糖で覆われている。それがまだら状で、一つ一つバラバラなのが、手作り感を高めている。素材は卵と小麦粉、ハチミツ、重曹しか使っていない。たまごパンに近いのかな、と思いながら食べてみる。だが、甘さは似ているが、歯触りはウエット感が少なく、むしろスコーンに近い。いわば和製のスコーン。白く固まった糖蜜がいい食感となって、生地のボソボソ感を引き立てている。どこか懐かしい焼き菓子。駄菓子屋の匂いもする。

           梅月② 
           絶景かな
           梅月③ 
           齧ることから始まる

「どう、今回の旅で桐生の実力がわかったでしょ? 花ぱんは他の店も美味いはずよ。この周辺には花ぱんの店がいくつかあって、シソ味や味噌味もあるはずよ」
「桐生は織物で栄えた往年の活気はなくなったけど、至るところに文化の名残りがあるね。村民2号にも名残りがあるよ」
「名残り? 会津生まれの村長には言われたくないわ。エイズ~バンザイサン・・・」
「またも出ましたァ~、三角オンナァ~」
犬も食わない無意味な県民ショーがしばらく続くのだった。


本日の大金言。

東京や京都を日本の中心と考えるのは間違いだと気づく。立ち位置をどこに置くか。文化の多様性を見ようともしないのは、自分を馬鹿と言っているのとそう変わらない。




                  梅月⑤ 




安吾も通った料理屋の「印度カレー」

 群馬・桐生市は彦作村長の好きな街の一つだ。かつては織物の街として栄え、「西の西陣、東の桐生」と称された時代もあった。坂口安吾が晩年、この桐生が気に入り、脳溢血で亡くなるまで約3年ほどこの街に住んだ。その坂口安吾が通った洋食料理屋「芭蕉(ばしょう)」のカレーライスが食べてくなって、ポンコツ車を飛ばした。言い忘れたが、桐生は村民2号の故郷でもある。

           芭蕉 - コピー 
           文化財的な店構え

桐生の中心地・本町通りから、風情のある糸屋通りに入ると、今にも倒れそうな古い木造の二階建てが見えてくる。昭和12年創業の洋食料理屋「芭蕉」である。一歩足を踏み入れると、その内部の、凝りに凝った古民家造りと棟方志功の壁画に圧倒される。昼めし時を少し過ぎていたが、ぎりぎりランチタイムに間に合った。この店の昔からの名物「印度カリーセット」(サラダ、飲み物付き1000円)を頼んだ。

           芭蕉③ - コピー 
           安吾も棟方志功も通った

10分ほどでサラダがやってきた。ポテトサラダと新鮮な野菜。これが絶妙な美味さだった。さいの目切りにしたジャガイモとタマネギ、ニンジン、それにゆで卵を潰してから特製マヨネーズで合えたポテトサラダの秀逸。トマトは湯ムキされていて、辛口の村民2号が「ここまで丁寧に作っているのは珍しいわねえ」と感心したほど。品のいい旨味で、この最初の一撃で、この店のコックの実力がある程度把握できた。

           芭蕉④ - コピー 
           サラダの実力
           芭蕉14 - コピー 
           ポテトの美味

「印度カリー」はその3分ほど後からやってきた。益子焼の皿に盛られたつやつやと輝く半透明のライス、凝った器に入った褐色のルーは湯気を立てながら、少しずつ濃厚な膜を張ろうとしていた。真ん中にウズラのゆで卵が浮いていた。香辛料のいい匂い。その黄金のルーをライスにかけて、まずはひと口。最初のアタックは予想以上の甘さだった。複雑で厚みのある甘さ。ライスはいわゆる「立って」いるライスで、村長の好きなやや固めに炊かれていた。

           芭蕉⑤ 
           印度カリーでござる
           芭蕉2  
           ルーの深み
           芭蕉⑧ 
           年季が違う?

「確かに甘いわね。この甘さはタマネギをじっくり煮込んだ甘さだと思うわ。でも、その後からスパイスが来る。あっ、辛さがジュワジュワ来た~。スパイスの効いたほどよい辛さ」
「いろんな素材が形が無くなるまで煮込んでいるのがわかるよ。もう少し甘さを抑えた方が村長の好みだなあ。牛肉はすね肉かな? 形の崩れたのが二つ三つある」
「やっぱりコックの腕がいい。ここはカレーが何種類かあって、馬小屋カリーも人気らしいけど、やっぱり創業当時からあるこの印度カリーが一番うまいと思う。食後のコーヒーが楽しみ。村長は紅茶にしたのね」

           芭蕉10 
           ま、ひと口
           芭蕉12 
           締めの紅茶

「これで1000円は高くはないか?」
「これだけの建物の中でサラダとカレー、それに飲み物。すべて一流の味だと思うわ。東京だと1500円から2000円の味わい」
坂口安吾もここが気に入っていたようで、この印度カリーも賞味したはずだよ。もちろん大酒を飲みながら、ね」
「村長とは稼ぎが違うわよ。もっと稼いだら、ワインでも何でも飲みましょ」
「・・・・・」


本日の大金言。

「人間は堕落する。義士も聖女も堕落する」と坂口安吾は「堕落論」で書いた。堕落から何が見えてくるか?


                      芭蕉11 

「100%玄米トースト」の味

 東京・北千住をブラ歩きしすぎて、ふと「珈琲物語」で休憩したくなった。腕時計を見ると、午後3時過ぎ。ここでコーヒーを飲みながらトーストを食べる、というのが北千住ツウの楽しみの一つでもある。「ゲット・ラッキー」を懲りずに口ずさみながら、サンロード商店街を「珈琲物語」のある横道に入ると、「玄米トースト 400円」という黒いスタンド看板が視界に飛び込んできた。前面がガラス張りになっていて、オーガニックムード満点のカフェ「フェニックス」という店名が見えた。比較的新しい店のようだ。方針転換、ゲット・ラッキーか?

           フェニクス① 
           ふむふむ
           フェニックス③  
           カフェフェニックス

店内はクラシックが流れ、油絵がポイントポイントに飾られ、ゆったりとした空間と時間が流れていた。心が休まる気配。コーヒーのマイスターがいて、飲み物から食事までかなりオーガニックなこだわりを持っていることがわかる。せかせかした村長にはやや苦手な世界。メニューの中から「玄米トースト」(400円)と「からだにやさしいポタージュ」(250円)を選んだ。セットにすると50円引き。合計600円なり。

           フェニックス①  
           100%玄米トーストとは?

「玄米トースト」は小麦粉、砂糖、卵、牛乳、バターを使用していない100%玄米で作った食パンをトーストしたもの。ここまで徹底した玄米トーストを賞味するのは初めて。村長はかつて「スローヘルス研究会」に所属していたことがあり、玄米中心のマクロビオティック料理はかじったことがある。マズくはないが、ウマくもない。要は体にいい、というポリシーで、値段もやや高め。この店もどうやらその延長線の、今どきの最先端カフェのようだ。

           フェニックス⑤  
           こんがりのいい匂い

10分ほどで、「玄米トースト」とスープがやってきた。トーストは小ぶりが2枚。「オリーブオイル+岩塩」か「ハンガリー産アカシアはちみつ」どちらかを選ぶことができ、村長は迷うことなく「はちみつ」の方を選んだ。よく考えてみると、これで400円というのは安くはない。ブツブツ言いながら、まずはひと口。表面のこんがりと焼けたカリッとした歯触りが悪くない。100%玄米を証明するかのように、ところどころヒビが入っている。そこからいい匂いと風味が漏れてくる。意外にも中がもちもちしていた。玄米はご飯よりもパンの方が美味いかもしれない。ただ一点、これが3枚だったら文句なしなのだが・・・。

           フェニックス⑧ 
           この地割れ具合がいい
           フェニックス⑨ 
           中は意外やもっちり
           フェニックス⑦ 
           マクロビな味?

ハンガリー産アカシアはちみつはきれいな甘さ。もう少し量を増やすか、別の容器に入れて欲しい気もするが、玄米トーストは思っていたほど悪くはない。「からだにやさしいポタージュ」は国産の雑穀類で作られていて、化学調味料も不使用と説明書きしてあった。フツーのうまさ。やさしい味で、やや物足りなく感じるのはこの手のポタージュでは仕方ないところ。全体的に七分の満足度。「今度はぜひこだわりのコーヒーを飲んでくださいね」感じのいい店の女性スタッフの声が耳に残った。ゲット・小ラッキーも悪くはない。


本日の大金言。

添加物や化学調味料を全否定するのはどうかと思うが、それを基本ポリシーにして、よりよい味を追求することはいいことに違いない。もともと日本食は素材の味を生かすことからスタートしているのだから。




                       フェニックス10 



桃娘のち隠れ名店のカレスパ

 天候に恵まれた3連休が終わった。彦作村長は初日は音楽と読書三昧、2日目はメディア関係の友人らと北千住居酒屋ツアーを実施、「天七」や「やすらぎ」などを巡り歩き、途中で酔っぱらい過ぎて銭湯には入りそびれたものの楽しいツアーとなった。3日目は茨城・古河市の「桃まつり」にポンコツ車を飛ばした。その古河市で、「七福カレー海鮮スパゲティ」なる逸品と出会った。本日、まな板に乗っけるのはその「カレスパ」である。

           古河② 
           二分咲き
           古河① 
           ムムム・・・桃むすめ(茨城・古河公園)

「桃まつり」で、2分咲きの桃の花を観賞した足で、ウマズイめんくい村の怪しい一行は、古河で売り出し中の「七福カレーめん」を賞味しようと思った。市内には23店が古河市の唐辛子を使ったラーメン、そば、うどん、スパゲティをオリジナルメニューにしている。村長はどこにしようか迷った。駅の案内所のパンフレットを穴の開くほど見つめ、その中の一軒「陶板料理 若草」に絞った。店構えの良さと、「七福カレー海鮮スパゲティ」にビビビとくるものがあったからである。直感は当たるか?

           若草①  
           「若草」の佇まい
           若草⑤ 
           いい雰囲気である

市内旭町の通り沿いに「七福カレーめん」の幟と若草色の暖簾が下がった「陶板料理 若草」が見えた。創業41年。店主は西洋料理のコック修業をしてから、和のテイストも加えたこの店を開いたという。カレーとスパゲティを融合させたのは古河でもここだけである。店内はカウンターとテーブル席、それに座敷もある。「串かつ定食」(720円)、「かつ重」(620円)「ハンバーグ定食」(880円)などなど年季の入った木札のメニュ-が、この店の実力を物語っていた。

           若草⑥  
           逸品登場

こげ茶の木のカウンター席に腰を下ろしてから、村長は「七福カレー海鮮スパゲティ」(630円)を注文、村民2号は「定食 鮪のフライとマカロニハンガーグ」(600円)を頼んだ。まず、値段の安さに軽く驚く。注文してから作り始めるようで、奥の厨房からいい匂いが流れてくる。待つこと12~3分ほど、白い磁器皿に盛られた「カレスパ」が登場した。村長はこれまで町おこしのカレー焼きそばやその類を何度か賞味しているが、ここの「カレスパ」は「修業した年季が違うぜよ」光線を放っていた。当たりかハズレか?

まずはひと口。スパゲティは特注で、やや太め。その上のカレーは、鶏ガラをじっくり煮込んだ出汁で作られたもの。イカ、エビ、ホタテ、タマネギ、ピーマン、人参、シイタケ、レンコン・・・合計7~8種の具がドカドカと煮込まれていた。辛さは「普通」をお願いしたため、最初のアタックは濃厚な、やや甘め印象だった。その4~5秒後にスパイスが立ち上がってきた。スパゲティはもっちりしていて、鶏ガラの隠し味の効いたルーがよく絡む。「洋食41年」の店主の腕はダテではなかった。魚介類も野菜も鮮度の良さがわかる。美味。

          若草⑦   
          コック暦41年の腕
           若草⑧ 
          海鮮と地場野菜がドカドカ
          若草12 
           ルーがよく絡む

「野菜は実家で作ったものを使ってるんですよ」
と明るい女将さん。夜も来たくなった。

「この値段でこの味はちょっと驚きね。カレスパもいいけど、私のマグロのフライとマカロニハンバーグも美味しい。東京だったら倍の値段は取れる内容だわ
と村民2号。
「こういう安くて美味い、隠れた本物を発見するのがウマズイめんくい村の役目でもある。今日は桃娘とも会えたし、いい一日だったよ」
と村長。
「一生分のツキを使い果たしたかもよ」
「ももヒザ三年、尻八年だな」
「なにそれ?桃栗三年柿八年じゃないの?」
「銀座でも浮名を流した吉行淳之介の言葉だよ。さり気なく触るにもそのくらいの年季がいる。何事にも修業が必要、という意味だよ」
「・・・・・・」


本日の大金言。

桃栗三年柿八年。ももヒザ三年尻八年。もも胸三年腹八年。結婚してから体形が崩れるまでの時間・・・おおっと危ない。





                      若草⑨ 


信州小布施の「純栗かの子」様

先日のこと、村民2号の妹が「信州旅行のお土産です」と小さな四角い箱を持ってきてくれた。小布施の「栗かの子」だった。村長は跳び上がって喜んだ。小布施の「栗かの子」は大好物で、値段が安くないために、ここ7~8年ほど口にしていなかったからだ。フランス菓子のモンブランやマロングラッセに負けない和のスイーツの傑作だと思う。それが目の前にある。村民2号は外出している。しめしめ。

           栗かの子① 
           桜井甘精堂の栗かの子

長野・小布施は人口が1万人ちょっとの小さな町だが、栗かの子を作る店は大小合わせて12~13軒ほどある。大店は竹風堂、小布施堂、桜井幹甘精堂、風味堂など。目の前にあるのは桜井甘精堂の「純栗かの子」(270グラム1113円)だった。「栗菓子二百年」という老舗のもの。

鬼の居ぬ間の命の洗濯。お茶を用意してから、紙包みを解いて、箱を開けると、丸い缶が現れた。これこれ・・・村長は舌なめずりをする。アルミの蓋を開ける。中から茶グレー色の栗かの子が「ようおいでなさった」と微笑んだ。女神の甘い微笑。栗も栗あんも添加物を一切使用していない。そのため、見た目はきれいではない。点々と滲みのようなものも見える。それが小布施の栗かの子の凄みでもある。

          栗かの子② 
          たまらない瞬間

村長は小皿に取って、まずは栗あんをひとナメ。栗の風味がふわりと立ち上がる。その品のいい、ピュアで素朴な甘み。村長の脳天にそよ風が通って行く。蜜煮した大栗も意図的に漂白していないので、きれいな黄色ではない。ほっこりしていて、栗あんとともに食べると、食感がピークに達し、自分で言うのもなんだが、目がトロンとしてくるのがわかる。美味としか言いようがない。

            1栗かの子 
           丹波系の大栗
           栗かの子⑥ 
           モンブランにも負けへんで~
           栗かの子⑤  
           栗あんの凄味

感動のあまり、小布施町の桜井甘精堂まで電話してしまった。 
「決して怪しいものではありません。この栗は小布施産の栗ですか?」
「栗あんは小布施のものを使ってますが、大栗は熊本と韓国のものを使ってます。もちろん選び抜いた栗です」
「へえ。砂糖は上白ですか?」
「うちは白ザラメです。これが一番栗かの子に合うと思います」
「原材料は他には?」
「栗と白ザラメだけしか使っていません。栗あん作りから缶に入れる作業まですべて手作業なんですよ。微妙な作業は機械ではできません。職人さんの長年の勘が大事なんですよ」

           栗かの子3 
           ま、ひと口

小布施の栗かの子を世界遺産に推奨したくなってしまった。ついでに信州出身のスイーツ好きの友人に電話したら、「そりゃオーバーだよ(笑)。桜井甘精堂も美味いけど、オレは風味堂が一番だと思うよ。あと値段だな。もう少し安くしないと、一般受けしないよ。世界遺産ではなく、ウマズイめんくい村遺産にしたらどうだ(笑)」。冷やかに笑われてしまった。ぐやじい。


本日の大金言。

栗かの子の価値はわかる人にしかわからない。モンブランもマロングラッセも小さい小さい。




                        栗かの子⑨ 


焼きたてアップルパイと遭遇

 老夫婦が作る不思議なチャーハンを賞味した後、美味いスイーツを求めて、春日部駅西口周辺をブラブラ。クレヨンしんちゃんはいなかった。ララガーデン内を散策したが、村長のセンサーにビビビとくる店はなかった。今日はこれであきらめよう。そう思いながら、駅方面に向かった時、ビルの2階のガラス窓に「おうちごはんと手づくりスイーツの店 花ちる里」という文字が見えた。ビビビ。野原みさえがいるかもしれない。

           花ちる里② 
           ドアの向こう

階段を上って、ドアを開けると、アットホームなカフェの世界が広がっていた。正面左手に7人ほど座れるカウンター、右手がテーブル席になっていて、6人用と4人用に別れていた。ゆったりした空間で、カウンターには常連らしい主婦が2人、店主の女性と会話に夢中のようだった。テーブル席には中高年の男性が新聞を読んでいる。BGMはヘレン・メリル。

           花ちる里① 
           これに決めた

6人用の大きなテーブルに腰を下ろして、メニューの中から、「焼きたてアップルパイ バニラアイス添え」(ドリンク付き800円)を選んだ。女性店主が「焼くのに15分ほどかかりますが、よろしいですか?」と確認を取る。みさえではなかった。「はい」と村長。これは期待できそうである。ドリンクは「紅茶」にした。

           花ちる里③ 
           水が基本

焼き上がったばかりのアップルパイは、ピザの形のパイ生地で、キツネ色の焦げ目が美味そうだった。アップルの量は多くない。中央にバニラアイスがドンと乗っかっている。それが少しずつ溶け出して、蜜色のアップルとパイ生地のふもとに流れ込み、甘いいい匂いを放っていた。シナモンの香りがそれに絡まっている。

          花ちる里④ 
          至福の時間

まずはひと口。パイ生地の外側のカリッとしたサクサク感は悪くない。さすが焼きたて。蜜煮したりんごと溶け出したバニラアイスがパイ生地と一体となって、村長の口内に攻め上がってきた。むむむむ。リンゴは紅玉だろう、そのさわやかな酸味がシナモンの香りとバニラアイスの濃厚な甘みの中で「忘れないで。私が主役よ」と控えめにささやくよう。見た目はボリュームがありそうだが、ぺろっとイケた。八分の満足感。

          花ちる里⑥ 
          焼きたてとバニラアイス
          花ちる里⑨ 
          まずはひと口
           花ちる里11 
           飛び込みたい

レモンを絞って紅茶を飲む。皿の上の戦いの跡をじっと見る。エロティックな甘い戦い。りんごがもっとあった方が村長の好みだが、「バニラアイス以外はすべて自家製です」という女性店主のひと言の前ではほとんど無力だった。今度はランチタイムに来てみたい、そう思うのだった。


本日の大金言。

アップルパイには不思議な魅力がある。レボリューションを起こしたビートルズもスティーブ・ジョブスもアップルをシンボルにしていた。アダムが楽園で食べたのもアップルだった。アップルの謎は深い。




                      花ちる里10

神様が作る謎の薄味チャーハン

不思議としか言いようのない中華屋があります。仏様と観音様の化身のような老夫婦2人でやっている店で、メチャ薄味なのに、地元の人に愛されている。チャーハンはフツーの中華屋の味とはまるで違う。正直言って、ウマいのかマズイのかわからない。彦作村長の世界に通じるかもしれないと思い、ご一報しました」

埼玉・春日部に住むウマズイめんくい村の諜報員から、久しぶりにメールがあった。ウマいのかマズイのかわからない? その一言に興味を覚えて、村長はポンコツ車をぷかぷか飛ばした。「中華 ふじや」というその店は、春日部駅西口の市役所通りに存在していた。「ラーメン」の赤い幟(のぼり)が春を含んだ風にはためいていた。古い、田舎町のよくありそうな外観。セピア色の昭和レトロ。

           ふじや① 
           昭和のまま

昼めしどきを過ぎていたためか、たまたまなのか客は村長一人だった。4人用のテーブルが10個ほど。テレビが流れ、手書きのメニューが侘びしげに並んでいた。ラーメン470円、チャーハン570円、カレーライス570円、かつ丼900円・・・メニューは豊富で定食類もある。店内は古いが、よく見ると隅々まできれいに保たれていた。日本から失われつつある世界・・・。

           ふじや③ 
           いい雰囲気
           ふじや② 
           メチャ安くはない

白衣の小柄な老婦人が奥からトコトコやってきて、「何になさいますか?」と聞いてきた。陽だまりのような雑味のない笑顔に引き込まれた。「チャーハン、お願いします」と村長。奥が厨房になっているらしく、しばらくすると、中華鍋を動かすリズミカルな音が聞こえ、チャーハンのいい匂いが漂ってきた。 

やってきたチャーハンは拍子抜けするものだった。白っぽい。ナルト、卵、チャーシューが意外なほど少ない。スープ、サラダ、漬け物・・・脇役陣が充実していた。スープは優しい味で、それをひと口すすってから、チャーハンをひと口。調味料は塩しか使っていないのでは?というほどシンプルでかなりの薄味だった。ご飯は一粒一粒が柔らかく独立している。チャーハン好きの村長にとって初めての食感。でも、もっと具が欲しい、もっと味が欲しい。うむむ、うむむ。

           ふじや1 
           不思議なチャーハン
           ふじや⑧ 
           ライスが優しい
           ふじや 
           焦げ目がない

想像外のチャーハンとしか言いようがない。ライスに焦げ目がない。それでいて一粒一粒が愛のようなものに包まれている。もっともっと、が次第に小さくなり、同時に物足りなさが消えて、ライスの甘みがにじみ出てきた。確かにウマいのかマズイのかわからない。境界線がぼやけてくる。脳の変換。なぜかユーミンの「やさしさに包まれて」が頭の中で流れてきた。サラダのちょこんと乗っかったスマッシュポテトがきれいな味わい。すべてに雑味がない。

          ふじや11 
          サラダのマッシュポテト

食べ終えると、高齢の店主の姿が見えたので、話しかけてみた。ニコニコしている。まるで七福神の福禄寿。村長のくだらない質問に嫌な顔一つしない。
「油はラードを使えば美味くなるんでしょうけど、身体によくないから普通のサラダ油を使ってます。お客さんは味が薄すぎるって言うんですよ。でも、これでいいんです。これで50年近く夫婦で何とかやってきました。いつまでやれるかわかりませんがねえ・・・」

           ふじや13 
           隅々までキチンとしている

村長は、この店主と奥さんの人柄の味わいが隠し味だったと確信した。店を出てから、振り返る。福禄寿と弁財天に手を合わせたくなった。汚れ多き彦作めをどうぞお救いください・・・などと。


本日の大金言。

美味いの陰には落とし穴もある。ウマいマズイを超えた味わいというのは確かにある。




                       ふじや12 


銀座の春のいちご大福

 東京・銀座コリドー街周辺は彦作村長のエリアの一つ。シャレた料理屋やレストランが密集しているイメージが強いが、ここに銀座の夜の蝶にも人気の和菓子屋さんがある。老舗の多い銀座の中では新しい店で、9年ほどの歴史しかない。その名も「銀座 甘楽(かんら)」。行きつけのバーで、ここの「いちご大福」と「豆大福」がイケるという評判を耳にして、村長は、夜がやってくる前に足を踏み入れた。

           甘楽③ 
           コリドー街の和菓屋

前面ガラス張りの明るい店内。そこに「いちご大福」(1個230円)と「豆大福」(1個200円)が並んでいた。どちらも村長がこれまで賞味した老舗の大福より小ぶりで、値段は強気の設定。家賃が高いのかもしれないな、などと考えながら、感じのいい女性スタッフとあれこれ雑談。
           甘楽①  
           人気のいちご大福
           甘楽⑥ 
          こちらは豆大福

「いちご大福が白あんというのは珍しいね」
「それがうちの売りなんです。この季節だけの限定品なんですよ。その日採れたいちごの中からいいものだけを選んで使ってるんですよ」
「へえー、白あんは北海道の白いんげん豆?」
「そうです。餅は宮城県産のもち米を使って、毎日ここで搗(つ)いているんですよ。豆大福もいかがですか? 美味しいですよ」
「では、いちご大福と豆大福を3個ずつください」

           甘楽10  
           小ぶりの逸品

女性スタッフの笑顔につられて、ついつい見栄を張ってしまい、賞味期限が本日中なのに、余分に買ってしまった。途中省略。終電の一本前の電車に何とか滑り込んで、ウマズイめんくい村に持ち帰り、ほろ酔いのまま「いちご大福」だけ賞味してみた。真ん中から切ってみると、新鮮で見事ないちごが丸ごと納まっていた。その周りの白あんは量は少なめ。最初の印象は餅の柔らかさといちごの鮮やかな存在感だった。

           甘楽⑦ 
           白あんのいちご大福

白あんはほんのりとした甘さで、計算ずくなのだろう、いちごを引き立たせるための潤滑油のよう。見た目もきれいだし、品のいい美味さで女性に人気なのもうなずける。だが、村長好みとしてはもっと白あんを多くした方がいいと思う。感心したのはむしろ「豆大福」のほう。翌朝の賞味となってしまったが、それほど固くはなっていなかった。

           甘楽⑥ 
           なめたらアカン
           甘楽② 
           絶妙な粒あん

群林堂や瑞穂、花月堂のものと比べて小ぶりなのが村長の世界とは少しズレるが、餅の柔らかさ、赤えんどう豆のしゃきっとした味わい、何より北海道の契約農家の小豆を炊いたつぶしあんが美味。小豆の風味がとてもいい。塩気も効いている。「銀座甘楽」は調べてみたら、武蔵製菓の子会社だった。武蔵製菓の高級ブランド、といった位置づけか。ちょっと値段が高いので、コスパ的には70点の満足度だが、銀座に楽しみが一つ増えたような気分になった。


本日の大金言。

和菓子界にも新しい波が来ている。めでたいことだが、値段が強気なのが気になる。下町の老舗の長年の技と哲学が逆にいぶし銀となって光っている。




                    甘楽⑧ 





「鬼平江戸処PA」のきじ金丼

 ついに、とうとう・・・ウマズイめんくい村の怪しい一行は東北自動車道上り車線・羽生PA[鬼平江戸処」に立ち寄った。おったまげた。ここは埼玉・寄居の「星の王子様PA]に続く国内二つ目のテーマ型パーキングエリアとして、昨年12月19日にオープン。すべての施設が完成したのは今年3月に入ってからである。何度か立ち寄ろうとしたが、クルマと人でごった返ししていたので、へそ曲がりの村長は事態が落ち着くまで模様眺めしていたのである。

           羽生PA 
           ワンダーな世界

池波正太郎「鬼平犯科帳」の世界を再現したものという触れ込みで、江戸の料理屋が5軒、屋台が数軒ほどある。村長は「どうせチャチなもんだろうよ」とタカをくくっていたが、完成まで1年近くかけたというだけあって、一瞬江戸の昔にタイムスリップしたような錯覚に陥ったほど。よくできた鬼平の世界。軍鶏(しゃも)鍋屋、そば屋、うなぎ屋などが鬼平というより池波正太郎ゆかりの味を再現しようとしている。

           羽生PA④ 
           日本橋、両国あたりを再現?

あれこれ迷った末、彦作村長は「うなぎ 忠八」を選んだ。ここは明治30年(1897年)創業の川魚問屋「鯉平」の直営店。数人の職人さんが鮮やかな手つきで国産うなぎを備長炭で焼いている。いい匂い。ここまで凝るなら、職人さんの髪形もちょんまげにしてほしい。券売機の行列に並ぶ。「うな丼」(1350円)、「うな重」(1980円)と視線が映った先に、「きじ金丼」(吸い物付き 780円)が「ようこそいらっしゃいました」とささやいた。うなぎ屋でうなぎを食べるのは当たり前、うなぎ屋でキジ焼き丼を食うことこそが、B級うまずい道というものである。決まり、村民2号も「780円」という値段にもろ手を上げて追随した。

           羽生PA15 
           うなぎ屋の逸品?

呼び出しベルを持たされて、共用スペースで待つこと約10分。村民2号が黒いお盆で持ってきた。どうせなら看板娘が「お待ち―」と来てほしいのだが・・・。言えない言えない。黒塗りの幅広いドンブリに入った「きじ金丼」は鳥もも肉の甘辛焼きが4~5切れほど。一切れが結構大きい。さらに大葉で仕切られた横にはキンピラごぼうがどっかと盛られ、全体の真ん中には半熟卵が鎮座していた。その横にはニンニク辛味噌がちょこんと控えている。白ゴマもパラパラかかっている。よく考えられた構成で、見た目はマル。

           羽生PA⑥ 
           来たあ~

備長炭で焼いた鳥もも肉は、甘辛醤油だれでしっかりと味が付いていた。キンピラごぼうはやや甘めでやさしい味。

           羽生PA⑧ 
           うむむむ
           羽生PA11 
           キンピラの存在感
           羽生PA16  
           寄らば斬るぞ

「全体的に味が濃いめね。半熟玉子に絡めて食べると旨いわ」
鶏肉は青森産の地鶏を使っているそうで、これだけしっかり味が付いてるのは悪くない。でもキンピラはもっと辛い方がいいと思うな。辛味噌を付けると、ご飯がどんどん進む。全体的に上手くまとめたドンブリだな」
「ご飯は埼玉のブランド米・彩のかがやきよ。柔らかく炊いている。でも、ご飯の量は微妙ね。もう少し欲しい。私はキンピラはこのくらいの優しい味がいいわ」
「金丼の金はキンピラのキンかな」

           羽生PA10 
           ご飯の美味

「何よりもこの雰囲気がすごいわ。池波正太郎が生きていたら何というかしら
「シャイで本物しか認めない人だったから、チッと舌打ちするんじゃないか。呼び出しベルを持たされてじっと待っている池波正太郎を想像するのは難しい」
「そこがいい加減な村長とは違うところね。月とすっぽん、真珠と豚、龍とカナヘビ・・・それから・・・」
「もういいよ」
「福山雅治と猫ひろし、フォアグラとアン肝、ゴッホとゴホン、グッチとグッチ裕三・・・」
「・・・・・・」

本日の大金言。

パーキングエリアの進化には目を見張らされる。問題は価格。中身と価格の満足度が反比例してきたら、途端にそっぽを向かれる。



                      羽生PA14 

ここはどこ?本格洋食ランチ680円の驚き

 3.11後、双葉町から役場ごと移転(現在は福島県いわき市に再移転)した埼玉・加須市旧騎西高校に久しぶりに行ってきた。最盛期には1423人がここで避難生活をしていたが、昨年暮れで全員退去、誰もいなくなった、ガランとした体育館や食堂に佇んで、村長は複雑な気持ちになった。現在も進行中の原発事故とは何だったのか、検証もないままに再稼働を進めようとしている国家権力とは何者なのか、一体自分は何ができたのか、さまざまな思いが波打つ。

           加須・細井① 
           まさかこんな場所に

合掌後、ポンコツ車で旧騎西高校を後にする。その帰りの道々、「レストラン細井」という古い洋食屋が視界に入った。加須はうどんの街だが、そのやや古ぼけた店の佇まいに村長のセンサーが反応した。時刻は午後1時半。腹の虫が少し前から騒いでいた。こんな田舎町に旨い洋食屋があるとはとても思えない。いい洋食屋は浅草とか銀座とかせいぜい大宮など古い都会にあるものと相場が決まっている。

          加須・細井② 
          コスパの奇跡?

入り口にランチメニューが数種類書かれていた。生姜焼き、ハンバーグなどがセットで「680円」。しかもコーヒー付き。都会の洋食屋では考えられない安さ。ダメもとでドアを開けた。店内はカウンター席とテーブル席、奥は小上がりになっていた。どこか懐かしいいい洋食屋の世界が広がっていた。客は村長の他に一組だけ。ご夫婦でやっているらしく、カウンター奥の厨房には店主の姿が。

           加須・細井③ 
           洋食屋のランチ

メニューから何から本格的な洋食レストランだった。メニューの中から、「シェフのミックスランチ」(680円)を選んだ。大車海老のフライ、クリームコロッケ、特製オムレツ、サラダ添え、ライスと説明してある。スープとお新香、それにコーヒー付き。注文してから、店主がフライを揚げる軽やかな音が村長の耳に入ってきた。村長はもう一度メニューの値段を確認した。間違いない。うーむ。

ナイフとフォークと箸、それに水の入ったコップが置かれ、15分ほど待っていると、「シェフのミックスフライ」がやってきた。これが驚くべきものだった。揚げ立ての見事な大海老はカラリとしていて、中の肉は旨みが詰まっていた。タルタルソースはやや少なめだが本格的なもの。クリームコロッケも隠し味にチーズを入れていて美味。自家製ケチャップのかかった特製オムレツは中がふわふしていて柔らかい。

          加須・細井⑤ 
          揚げ立て作り立て
          加須・細井⑦ 
          言葉はいらない
          加須・細井⑧ 
          うーむ(汗)
          加須・細井⑨ 
          クリームコロッケ

スープはみそ汁。ライスは普通の旨さだが、「北川辺のコシヒカリ」を使っているという。食べながら、店主とあれこれおしゃべりする。店主はもともと東京の有名レストランで修業し、25年前にこの地で店を開いたという。シャイな店主だが、ただのコックではなかった。昭和53年にあの偉大なコック、高橋鍈之助から「荒井賞」をもらっている筋金入りのコックだった。まさかこんなド田舎(失礼)にかような洋食屋が存在していたとは。

大海老のフライは開業した時から同じ味です。夜はもう少し高くはなりますが、もう子供2人も大学まで出したし、儲けはほとんど考えていません。無理せず残りの人生を楽しく過ごすこと、それが一番ですよ」
コーヒーもドリップで入れた本格的なものだった。脱帽。


本日の大金言。

職人がいる限り、日本もまだまだ捨てたものではない。上を見るな。上から見るな。中央より辺境。案外そこに未来が潜んでいるかもしれない。




                       加須・細井11 



和牛ともち豚の恋愛カルビ丼

 「何か美味いものはないかいな」
鼻をひくひくさせて、東京・上野御徒町界隈をブラ歩きしていると、派手という言葉を通り越して、あきれるほどの異次元感を漂わせる店が村長の視界に飛び込んできた。りそな銀行を横に入ったところ。赤を基調にして、何やら昭和レトロ風の、巨大な赤ちゃんの人形が入り口にドンと置いてある。「北海道マルハ酒場」という店名。「カルビ丼」のメニューが満艦飾風に置いてある。どこか山上たつひこの「がきデカ」の世界のよう。

           マルハ酒場① 
           不思議な店構え

今どきのウケ狙いであることは明らかだが、東京の感覚とはどこか違うその外観に惹かれて、オモロイもの好きの村長は足を踏み入れた。時刻は午後3時過ぎ。調べてみたら、この店は北海道・札幌に本店があり、行列のできる店として、地元では有名な店だった。この御徒町店は東京進出の第1号店だった。食材はすべて北海道から直送、和牛ともち豚、それに米も北海道産米を使うという徹底ぶりで、B級の雰囲気ながら、かなりのこだわりぶりが見て取れた。

           マルハ酒場11 
           カルビ丼メニュー

村長はメニューの中から、和牛のカルビともち豚の両方を味わえる「合盛カルビ丼」(並650円)を選んだ。サッポロ生ビール(300円)、ホッピーセット(300円)などアルコール類や魚介類のメニューもそれなりに充実していて、村長に流し目を送ってきたが、夜は宴会が控えているので、ここはガマンガマン。

テーブルが8つほどあり、奥が厨房になっていた。そこから肉を焼くいい匂いが漂ってきた。待ち時間は10分ほど。黒いどんぶりに乗った「合盛カルビ丼」は網焼きした焦げめ周辺からジュワジュワとうまそう光線を発していた。牛カルビともち豚カルビが半々で、ドンブリを覆い尽くしていた。村長は新橋の「豚大学」を思い出した。だが、ここは北海道産和牛が中心。万能ねぎと白ゴマが点々としていて、その下のご飯は見えない。自家製キムチとみそ汁が控えている。

          マルハ酒場③ 
          おおっ、来た来た

タレは甘だれで、牛カルビはやや薄切りだが、いい噛みごたえがある。ご飯はかなり固めに炊かれていて、それがほどよくかかったタレとよく合っている。牛カルビの方が人気のようだが、村長はもち豚の柔らかさが気に入った。もっちりした歯ごたえと甘い肉汁感。もち豚とはよく命名したものだ。牛カルビともち豚カルビの恋愛は順調のようだ。

           マルハ酒場④ 
           カルビ恋愛の行方
           マルハ酒場⑤ 
           牛カルビ
           マルハ酒場⑥ 
           もち豚カルビ
           マルハ酒場⑦ 
           キムチの横恋慕

途中でキムチを乗せると、これがさらにパワーアップした。キムチはやや甘めながら果物の風味が漂う本格的なもの。二つの味プラスもう一つの味を楽しめるのは悪いことではない。ご飯の量はそれほど多くない。食欲の旺盛な人は並より大を頼んだ方がいいかもしれない。

上野界隈にB級ムード全開の、こだわりのドンブリ店が誕生したことをひそかに喜びながら、村長は上野動物園のパンダが交尾するかどうかが気になった。もし赤ちゃんが誕生すれば、上野界隈はさらに盛り上がる。シンシン、リーリー、合盛カルビ丼のように頑張れ! 動物園に向かって、村長は訳のわからない念を送るのだった。


本日の大金言。

マルハニチロとは無関係のマルハ酒場。店主がサーフィン好きでマル波→マルハとなったそう。スープカレーに続く新しい波となれるか、カルビ丼の未来はパンダの交尾にかかっているかもしれない。




                       マルハ酒場⑨ 





うなぎ屋の絶妙焼きおにぎり

 彦作村長の止まり木、東京・北千住丸井のデパ地下に以前から気になる店がある。「鰻ひとすじ百八十余年」の「うなぎ ての字」だ。創業が文政10年(1827年)。北千住店はテイクアウト専門だが、その前を通るたびに、かば焼きのいい匂いが鼻腔をくすぐる。うなぎは値段が高くなり、財政事情がひっ迫しつつある村長にとっては「長屋の花見」みたいなもの。匂いだけで食べた気分になる・・・。

           ての字② 
           めっけ!

だが、この日は違った。「北千住店限定商品 焼きうな丸」(1個250円)が「タイムセール 50円引き」になっていた。焼きおにぎりは村長の大好物の一つで、ここの「焼きうな丸」は醤油ベースのうなぎのタレで焼いたもの。売り切れていることも多い。夕方4時過ぎ。50円引き。1個200円。見るからに旨そうなどっしり感。これは買うっきゃない。

           ての字① 
           お金を拾った気分
           ての字③ 
           ただの焼きおにぎりではない

ウマズイめんくい村に持ち帰って賞味となった。オーブンで温める。お吸い物を作り、皿にのせると、何とも言えない焦げ目といい匂いが周囲1メートルを支配した。いつの間にか村民2号が隣にいた。
「結構デカいわねえ。ウナギのかば焼きのほのかな匂いが食欲をそそるわ」

村長は無言のまま真ん中から割ってみた。一筋の湯気とともに中からうなぎのかば焼きが現れた。縦横2~3センチほどの小さな一片だが、久しぶりのうなぎ! 感慨にふけっている場合ではない。思い切ってガブリと行く。焼きおにぎり特有の外側のバリバリ感がとてもいい。うなぎダレがしみ込んだ飴色のご飯は、やや甘めで、醤油とうなぎダレのバランスがよく、見た目よりも柔らかい味わい。一片のうなぎはかば焼きで出しているものと同じもの。江戸前のかば焼きで、柔らかい。

           ての字③ 
           この焦げ目
           ての字⑦ 
           中からうなぎ様が・・・

「ての字」に取材したら、この「焼きうな丸」は北千住店の職人のオリジナルで、やく3年前から店に出しているそう。評判がいいので他の店にも技術指導しているという。 

           ての字⑨  
           うむむむ

「外側のおこげがいいわ。職人が手づくりしているのがわかる。うなぎを食べたいときはこれで十分よ」
「確かに美味。なかなかの逸品だと思う。でも、あえて言うと、カツオ節も入れてほしい。うなぎと殺し合うことはないし、旨みがさらに村長好みになる」
「微妙なところね。私はこれでいいと思う。値段も手ごろだし、これはての字のヒット商品になるかもね。お茶漬けにしても旨いんでしょ? うなぎを食べたくなったら、また買って来てね。ただし、タイムセールに」
「はじめっから1個200円にならないかな」
「それより村長の飲み代を抑えればいいのよ」
「・・・・・・」


本日の大金言。

焼きおにぎりは日本の味覚文化のもう一つの成果だと思う。醤油、味噌、うなぎ、明太子・・・焼きおにぎりの専門店が出てくる日も近い。ウマズイめんくい村でプロデュースするというのも悪くない。




                  ての字① 



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三ノ輪の豆大福で「生きている」

☆本日の苦い前菜
何ということだ。本日は東日本大震災から3年経った日。被災地、特に福島第一原発を巡る状況はどんどんひどくなっているのではないか。「状況はコントロールされている」は「情報はコントロールされつつある」で、「福島の復興無くして、日本の復興はない」は「福島の復興は無くして、アベノニホンの復興を急ぐ」としか思えない。どうやら安倍首相は3.11をなかったものにしたいようだ。巧言令色鮮なし仁。原発事故を予言していた恐るべき詩人、若松丈太郎の詩集を読む。心が洗われる。目が開かれる。ジーコのキラーパス。しばし瞑目してから、メーンディッシュに移ることにしよう。深呼吸108回。

☆甘いメーンディッシュ
東京・三ノ輪「花月堂本店」の「豆大福」(こしあん 189円)と「黒豆大福」(189円)、それに「あわ大福」(189円)。「花月堂本店」の豆大福は、彦作村長が賞味した中では護国寺「群林堂」や原宿「瑞穂」に匹敵する美味さだと思う。明治4年(1871年)神田で創業。明治44年(1911年)に現在の三ノ輪に移転という老舗和菓子屋。約3年ぶりの訪問。女将さんに「本日中にお召し上がりください」と念押しされ、近くの喫茶店で作りたてを賞味することにした。夜は飲み会なので、「豆大福」(こしあん)だけを賞味して、残りはウマズイめんくい村へ手土産にすることにした。

           花月堂④ 
           花月堂本店(東京・三ノ輪)
           花月堂① 
           これこれ

豆大福(こしあん)は、大ぶりで、片栗粉がたっぷりと付いている。見た目のどっしり感がいい。富山産のもち米を毎日杵でついているというだけあって、餅の柔らかさと力強い伸びが半端ではない。粒あんはこれまで何度か食べているが、村長はこのこしあんが特別に好きである。甘さは抑え目。塩加減が絶妙で、雑味のないきれいな味わい。十勝産小豆のさわやかな風味。それが口中に春の予感のようにふわっと広がる。

           花月堂  
          急いで食べよ
          花月堂⑥ 
          豆大福(こしあん)
          花月堂⑧ 
          この絶妙

赤えんどう豆は固めできりっとしている。喫茶店でこっそり食べると、美味が倍加するような気がする。改めて生きている実感。ただ、無添加だが、トレハロースを使っている。それが何故なのか、これほどの店なのに村長にとっては謎である。

          花月堂② 
          こちらは黒豆大福
          花月堂④ 
          粒あんと丹波黒豆

飲み会ではしご酒となり、帰りが終電になってしまったので、「黒豆大福」と「あわ大福」は翌朝の賞味となった。「あわ大福」はすっかり固くなっていた。涙。「黒豆大福」はちょっぴり固くなっていたが、何とか大丈夫だった。赤えんどうではなく、より大きい丹波産の黒豆を使用。あんは粒あんで、塩気がいい塩梅。固めの黒豆のいい風味が餅と十勝産小豆と絶妙な三角関係を作っている。これはこれで美味。賞味後、ここの豆大福はやはり「本日中」に食べるべきものと反省。

☆デザート
3月15日(土)、日本ペンクラブの共催で「脱原発を考えるペンクラブの集い パート4」が東京・神田神保町の専修大学神田校舎303教室で開かれる。14時~17時。中村敦夫さんの司会で、菅直人元首相が当時の切羽詰まった状況を当事者として話す。巧言令色(?)の元首相の話をどう聞くか。参加無料、500名先着順とのこと。


本日の大金言。

「花月堂本店」が神田で産声を上げた明治4年は廃藩置県があった年。それから約143年。「原発の上の繁栄」に本当に未来はあるのか?福島はすぐ隣にある。




                  花月堂⑦ 




「北本トマトカレー」で疲労回復?

「 B級グルメ」が町おこしの起爆剤として、今や全国至るところで開催されているが、へそ曲がりの彦作村長は少々違和感を感じている。いい味にはある程度の歴史とそれに匹敵する料理人の思いが詰まっていなければ長続きしない。レシピでチンの匂い。
「村長ったら、またそんな屁理屈言ってる。埼玉の北本までトマトカレー食べに行かない?
「トマトカレー? 何それ」
埼玉B級グルメ王にもなったカレーよ。北本はトマトの産地として昔からちょっとは知られたところよ。有機栽培で旨さがひと味違う。そのトマトの良さを生かしたカレーを作って、それが結構定着しているのよ。トマトのリコピンには疲労回復や動脈硬化予防など優れた抗酸化作用があるってこと、知ってるでしょ? 今の疲れ切った村長にはピッタリのカレーよ」

           水織 
           北本トマトカレー限定30食

村長はしぶしぶ埼玉・北本までポンコツ車を飛ばした。「北本トマトカレー」を食べさせてくれる店は市内に12軒ほどあり、村長は迷ったが、当てカンで、17号沿いの「水織(みおり)うどん」に滑り込んだ。ここは「武蔵野うどんと讃岐うどん」を売りにしているうどん屋さん。「ここが一番B級グルメ王のレシピに近い店だと思うわ」と村民2号。

           水織② 
           レジェンドとなるか?

店内は大部屋のように広く、メニューも豊富。「肉ねぎ汁うどん」(並630円)にも惹かれたが、やはり1日30食限定の「北本トマトカレー」(630円)を頼むことにした。店の女性スタッフの応対はきびきびして好感。これもトマト効果なのか? 10分ほどで、「北本トマトカレー」がやってきた。

白い楕円の器に入ったトマトカレーは、ビジュアル的にはマル。まずライスがトマトの炊き込みご飯で、薄いピンク色。カレーは挽き肉とタマネギ、人参、それに多分トマトエキスも入っているとろみの強いカレーで、女性スタッフがなぜか「かなりの甘口ですので、よかったら辛みスパイスを入れてくださいね」と粉状の唐辛子を置いていった。これってアリ?

           水織③  
           うまそーな構成

さらに北本のミニトマトを豚肉で巻いてフライにした「肉巻きトマトかつ」が2個、さらに地場野菜のサラダが盛りつけられていた。水をガブッと飲んでから、スプーンでまずひと口。確かにかなりの甘口。トマトだろうか酸味もそこはかとなく漂ってくる。スパイシーさは感じられない。多分、女性と子供を主なターゲットにした味だと思う。

           水織⑥ 
           北本トマトが詰まっている
           水織⑧ 
           かなり甘い

トマトライスはトマト以外に味は付いていない。固めでパサッっとしている。カレーと一緒に食べると、まずまずイケる。「肉巻きトマトかつ」はなかなかのアイデアもので、揚げ立てというのがいい。だが、味が付いていない。トマトの旨味がストレートに伝わってくる。塩を振ると、こちらも意外にイケる。全体的によくできているが、しかし、どこか物足りない。「辛みスパイス」を振ってみた。これが効いた。辛みが全体を締めてくる。やや大人の味になった。

          水織⑨ 
          辛みスパイスをパラパラ

「どう少しは疲れが取れた?私は気に入ったわ。肌にもいいし」
「こんなんじゃ取れないよ。そもそも辛みスパイスが必要なカレーってアリなのかな」
「トマトが怒るわよ」
村民2号が次第にトマトに見えてきた。


本日の大金言。

トマトには抗がん作用や便秘予防効果もあるともいう。「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざもある。





                      水織12

完敗!北千住まさかの刺身盛り

 「あのね、あーた、ご存知とは思いますけど、北千住にいい店がありますよ。例の吉田類がBSで紹介していた居酒屋でね、『やすらぎ』という名前で、オムライスが美味そうでしたよ。えっ、知らない? 北千住のヌシを豪語しているのに知らない? 『大はし』とか『徳多和良』とか有名店ばかり行ってちゃダメですよ、ひっひっひ」
京都にお住いのグルメ亀仙人が、爪切り中の彦作村長に糸電話をかけてきた。村長は平静を装いながら地団駄を踏んだ。京都にいても村長の知らないことまで諜報活動を行っているとは。ぐやじい。
            やすらぎ 
            いい雰囲気だ

ペンギン村からの帰り、北千住に寄ったついでに、いつもの西口ではなく、東口に降りて、「居酒屋 やすらぎ」を探した。「梅の湯」という北千住でも有名な銭湯のちょうど向かい側に寂しげな灯りがぼーっと浮かんでいた。村長の好きな世界だった。紺地の暖簾に「ちょっと一ぱい」という文字。「ちょっと一杯」、これはよーく考えると日本語の名コピーだと思う。「ちょいと一杯」のつもりが「ベンチでごろ寝」ということもある。

           やすらぎ② 
           この流し目


店は入るとすぐのところに6~7人座れるL字のカウンターがあり、奥が小上がりで4人用テーブルが二つ置いてあるだけ。右の壁には手書きメニューの短冊がズラリと並んでいた。村長は「ママ特製 ポテトサラダ」(600円)と「おまかせ刺身盛り」(1000円)を選んだ。アルコールは会津の名酒「榮川純米吟醸生原酒」(小グラス 400円)。しばらく観察すると、シャキッとした小柄な女将が一人と、若い男性が運び屋さんをしていた。聞くと、息子さんで店を手伝っているとか。

           やすらぎ⑧ 
           迷い道くねくね   
           やすらぎ⑨ 
           春は刺身にかぎる
           やすらぎ③ 
           しゃなり

お通しの肉じゃががいい味だった。料理はすべて女将が一人で作っているようだ。「ママ特製 ポテトサラダ」は雑味のないきれいな味で、この女将の料理の腕前がかなりのものであることがすぐに理解できた。驚いたのは「おまかせ刺身盛り」。1000円は安くないな、と内心思いながら注文したのだが、出てきたものを見て、思わず唸った。予想値をはるかに超えていた。本マグロの中トロ、寒ブリ、ホタテ、中落ち、赤貝、からす貝、タコ、カンパチなど数えてみたら11種類。これが一人前?と確かめたくなるほどのボリュームで舞台に勢ぞろいしていた。脳内エンドルフィンが出るのがわかった。

           やすらぎ⑦ 
           ポテトサラダ
           やすらぎ10 
           ギョギョギョのおまかせ刺身盛り
           やすらぎ11 
           至福の瞬間
           やすらぎ12 
           寒ブリも旬

これだけの内容でこの値段というのは村長の中でも、ちょっと記憶にない。本マグロは養殖だと思うが、すべての刺身の鮮度の良さは、写真で判断してほしい。聞いてみると、「毎朝、足立市場で仕入れているんですよ」と女将。何か特別なルートがあるのかもしれない。店は創業26年になるという。

後日、彦作村長以上に北千住ツウの元テレビマンら数人をここに案内したら、「北千住にこんな店があるとは知らなんだ」と軽く驚いていた。そのときオムライス(700円)も賞味したが、そのボリュームといい、昔ながらの作り方といい、B級の新しい森を発見した気分になった。いい気分で勘定を払うと、「営業時間のお知らせ 夕方6時~翌朝ママが眠くなるまで」という張り紙が目に入った。うーむ。


本日の大金言。

世界は確かに広い。隠れた名店はいたるところにあるかもしれない。だからこそ宝探しは面白い。





                 やすらぎ15 

ドトール「ホットサンド」の戦い

「ドトールコーヒー」は彦作村長にとっては今や「ダフ・パンク」のCDと並んで、なくてはならない存在。埼玉でも東京でも、歩き疲れるとドトールの看板を探す。何よりも安くて、雰囲気がいい。皿付きの白い丸みのある磁器製のカップが好きだし、そこに入ったコーヒー200円(Sサイズ)とコップの水をトレーに乗せて、空いてる席を探すときのちょっとしたやすらぎ感。スターバックスやタリーズではこうはいかない。

           ドトール② 
           おおドトール!

面倒な出張野良仕事が一息ついたので、ウマズイめんくい村一行は近くのドトールでホットサンドのランチを取ることにした。村長は季節メニューの「ペッパービーフとチェダーチーズソース」(390円)村民2号は定番の「ツナチェダーチーズ」(320円)。それぞれ紅茶とコーヒーを付ける。どちらも200円。

           ドトール14 
           ツナによろっ

「突然ビンボーになった村長には女神みたいなカフェね」
「そういう村民2号こそすぐドトール行こうって言うじゃないか」
などとあまりにC級な会話をしていると、ホットサンドが出来あがった。一時停戦。

           ドトール③ 
           ペッパービーフチェダーチーズソース
           ドトール⑤  
           こちらはツナチェダーチーズ

「ペッパービーフとチェダーチーズソース」はコッペパンほどの大きさのソフトフランスパンにペッパービーフ(牛モモ肉)の薄切りとレタス、タマネギ、ニンジン、パプリカなどがサンドされている。そこにオレンジ色のチェダーチーズソースがかかっていて、値段を考えると、うまい構成。パンは香ばしい。ガブっとかじりつくと、ビーフと野菜と甘めのチェダーチーズソースが意外に合う。ピリッとくるのは青唐辛子の辛みで、B級のライトなジューシーさは悪くない。

           ドトール④ 
           ちょいとごめんよ
           ドトール⑥   
           あれ~、およしになって

ツナ好きの村長は「ツナチェダーチーズ」が気に入った。ツナとタマネギとマヨネーズで合わせたツナペーストとトロリと溶かしたチェダーチーズがほどよい分量で、かぶりつくと、表面をこんがり焼かれたソフトフランスパンとともに口内で合唱を始める。マグロとチーズのライトな結婚。ツナは薄切りの食パンが一番合うと思うが、ソフトフランスパンも悪くない。

           ドトール11  
           ガブッといっておくんなさい
           ドトール10 
           あちきだって

私はペッパービーフの方が好み。ビーフがもう少しあるといいんだけど、野菜がこれだけ入っていると、満足よ。ドトールのサンドはよく考えられているわ。ボリュームも軽いランチとしてはいい量で、メチャウマではないけど、まずまずの味で、コーヒーとともに味わうと、人生はホドホドがちょうどいい。そんな気分にさせてくれる」
人生はホドホドがいい、か。エンターテインメント新聞社時代に、カイチュウ博士の藤田教授が、よく彦作村長に、そんなアドバイスをしてくれたっけ」
「村長はホドホドではなく、毎晩遊びまくって、ヘドヘドだったくせに。ゲエゲエ」
「・・・・・・」


本日の大金言。

人生は思うようにはならない。人生ほどほど主義。威張らずおごらず見栄張らず。力まず背伸びせずあきらめず。




                       ドトール12  




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立ち食いの美味「ドテ煮丼セット」

 東京下町・三ノ輪の立ち食いそば屋「峠の蕎麦(そば)」は立ち食いそばギョーカイでもディープなファンをつかんでいる。村長は立ち食いそば屋も大好きで、村長にとっての去年のナンバーワンは日本橋の「そばよし」のかけそばとおかか飯で、そのあまりにシンプルな美味さに感銘を受けた。その余韻がまだ頭の隅に残っている。北千住でB級好きの友人から「峠の蕎麦」の評判を聞き、ビックリ腰を持ち上げて、どれどれと乗り込むことにした。

           峠の蕎麦① 
           峠はどこ?

地下鉄三ノ輪駅を出てすぐ横、明治通りと昭和通りが交差するところに「峠の蕎麦」があった。峠がないのに峠の蕎麦。昨年リニューアルしたらしく、店構えも紺地の暖簾も清潔そう。「信州そば」の素朴な幟(のぼり)がパタパタと寒風にひるがえっていた。入ると、せいぜい10人ほどしか入れないL字というよりV字のカウンターが。カウンター越しが広めの厨房になっていて、紺の作務衣姿の店主が一人で茹で上がったソバを冷水で洗っていた。禅の修行僧のような雰囲気。

          峠の蕎麦② 
          ドテ煮丼セット!

ここは注文してから麺をゆで、天ぷらも揚げるという「茹で立て、揚げ立て」が売りのようだ。村長は券売機で「ドテ煮丼セット」(600円)を選んだ。「げそ天そば」(450円)も人気だが、立ち食いそば屋のドテ煮丼という珍しさがB級ハンターの村長のセンサーにビビビと来たからである。

          峠の蕎麦③ 
          いい雰囲気である
          峠のそば④ 
          かけそばとドテ煮丼

5分ほど待って、カウンター越しに黒いお盆に乗った「ドテ煮丼セット」がぬーっと差し出された。かけそばとドテ煮丼が湯気を立てていた。まずはかけそばを賞味。更科系の白いそばは、どうやら信州から生のまま取り寄せているらしい。ほどよいコシとノド越し。つなぎに卵白ととろろ芋を使っているとか。ツユはかえしがきつくなく、カツオと昆布の出汁がよく効いている。関西風のまろみのある薄味で、「そばよし」ほどではないが、かなりのレベル。ツユが少ないのがちょっと残念。

          峠の蕎麦⑥  
          更科系そば

ドテ煮丼は大阪のドテ煮というより、名古屋のドテ煮で、牛もつ、黒こんにゃく、ゴボウを赤みそと味りんで長時間煮込んだもの。生姜も入っているようだ。熱々のご飯の上にそのドテ煮がどっかと乗り、白い刻みネギも乗っかっている。ドテ煮は味がかなり濃いが、柔らかく煮込んである。ご飯と一緒にかっ込むとどんどん箸が進む。ご飯は普通。途中で一味唐辛子をパラパラ振りかける。さらにイケる。

          峠の蕎麦④ 
          よく煮込んだドテ煮
          峠の蕎麦11 
          一味唐辛子をパラパラ
          峠の蕎麦12 
          B級の美味

ボリューム感はあまりない。全体的にきれいにまとまったB級の美味だと思う。修行僧のようなシンプルな店主の佇まいがすべてを体現しているようで、食べ終わった後、その背中に手を合わせたくなった。外に出ると、下町の古いビル群が何故か山の連なりに見えるのだった。


本日の大金言。

山あり谷ありの人生。どこにでも山があり谷がある。ドテ煮丼とかけそばでひと休みするのも悪くない。




                       峠の蕎麦13 



人形町の絶妙「幻の鳥わさ丼」

 東京・人形町から水天宮あたりはかつて折に触れて通った場所で、老舗の美味い料理屋や居酒屋も多い。蠣殻町(かきがらちょう)の「よね家」もその一つで、ここのランチタイムはメニューが置いてない。それもそのはず、「鳥わさ丼」のみというある種凄みを感じる料理屋さん。それでも、客が押し寄せ、「売れ切れ次第終了」とくる。だが、決して高ビーではない。

彦作村長は宮仕え時代に二度ほどこの店に行こうとしたが、「すいません、お終いです」という言葉とともに、目の前で「鳥わさ丼」は羽根を付けてどこかへと飛んで行った。村長にとってはいわば「幻の鳥わさ丼」で、いつかは食べてやろうとそのチャンスをうかがっていた。そのチャンスが来た。たまたま人形町に用事が出来、時計を見ると、正午前。しめた、近くのサラリーマンやOLが押し寄せてくる前に行けば、何とかなる。

           よね家 
           よね家のランチ

ある程度の行列を覚悟していたが、どうしたわけか、すんなりと入れた。それでも、正午10分前なのに、店内はほぼ満員だった。大きな古い火鉢が置かれた暗い店内。目が慣れてくると、100年ほど前にタイムスリップしたような世界が・・・。年季の入った4席ほどのカウンター席と4人用テーブル席が4つほど。靴を脱いで上がると、カウンター席に案内された。カウンターの前が厨房になっていて、そこで店主だろうか隙のない白衣の料理人が一人で鳥わさ丼作りに励んでいた。手練れの職人技。

           よね家11 
           火鉢と板張り

柔らかい物腰の女性(若女将?)が「小、並、中、大とありますが、どちらになさいますか?」。「並(890円)でお願いします」と村長。目の前には焼酎の瓶が並んでいる。15~18分ほど待たされて、小鉢二つが置かれ、その後に、主役の「鳥わさ丼」と赤だしの味噌汁がやってきた。有田焼のドンブリに湯引きした半生の鳥肉がモンブランのように折り重なっててんこ盛りされていた。頂上には大葉と赤芽じそ、菊の花、それにワサビ。うむむ。村長はそのボリュームとビジュアルに目を見張った。

          よね家② 
          待ってましたァ~
          よね家④ 
           絶景かな~
          よね家⑤ 
          言葉はいらない

湯引きした半生の鳥肉は一枚がかなりの大きさで、村長は思わず肉布団を連想してしまった。それが数えてみたら7枚! 包丁できれいに切り込みが入れられていて、薄っすらとかかった醤油だれが食欲をそそる。その下には黒々とした海苔と白ゴマ、炊き立てのご飯が控えていた。このボリュームで並とは・・・軽い衝撃を覚えながら、まずはひと口。柔らかいのにしっかりとした歯ごたえ。脂がないので胸肉だと思うが、胸肉にしてはパサパサしていない。淡泊さとジューシーさが微妙なバランスを保っている。ダシの効いたほんのり甘めの醤油だれが絶妙で、切り込みが豊潤な世界を後押ししている。プロのワザと言わざるを得ない。

           よね家⑨ 
           おいでやす

ワサビがかなりピリッとくる。「鳥わさ」なのだから当たり前といえば当たり前だが、ややもすると単調な味わいの中で、これがいいアクセントになっている。ご飯はやや固めで、村長の好み。立ってるご飯。いい料理屋はご飯がいいということを改めて実感。味噌汁は普通。あっという間にドンブリの底が見えた。幻から現実をつかみ出し、ようやく胃袋に収めた満足感。待ち時間が長すぎるのもすでに気にならない。お茶を飲んで静かに呼吸を整える。へそのあたりからコケコッコーという鳴き声が聞こえたような気がした。


本日の大金言。

鳥とワサビで鳥わさ丼。どこか江戸っ子の洒落を感じるドンブリだが、美味い鳥わさ丼を食べさせてくれる店は意外に少ない。




                       よね家10 

屋台のもつ煮込みうどんと唐揚げ

本日はJリーグ開幕戦で見つけたもつ煮込みうどんと唐揚げの話である。 エンターテインメント新聞社時代の友人に誘われて、柏レイソルの開幕戦(対FC東京)を観戦することになった。彦作村長は大のサッカーファンだが、いつもテレビの前で叫ぶばかりで、スタジアムには行ったことがない。人生初の生観戦。曇り空の下、熱烈な柏レイソルのサポーターである友人夫妻とにわかレイソルファンの彦作村長と村民2号がスタジアムに入ると、ホーム側には屋台がズラーッと並んでいた。絶景かな。

           侍・屋台① 
           「侍」の前の行列

午後3時のキックオフまでは40分以上時間がある。いい匂いがキックオフ前から漂っている。サポーターの熱気がむんむんと伝わってくる。
「この屋台の中でイチオシが侍の鳥の唐揚げ。これだけは絶品だよ」
と食通でもある友人が、「侍(サムライ)」の屋台を指さした。なるほど、その店だけ早くも15~6人が並んでいた。

           侍・屋台③ 
           特製もつ煮込み
           侍・屋台② 
           人気メニュー

人気の理由がすぐにわかった。大きな鍋でもつがじっくりと煮込まれ、その向こう側では、鳥の唐揚げがどんどん揚げられている。作り立て、揚げ立てを売りにしているようだ。村長は「もつ煮込みうどん」(500円)と「かしわのからあげ」(5ヶ入り500円)、それにビールもしっかりとゲットした。

          侍・屋台⑧ 
          揚げ立て

「かしわのからあげ」ができるまで、先に珍しい「もつ煮込みうどん」を立ち食い。調べてみると、「侍」は柏でも人気の串焼き屋で、焼き鳥、鳥の唐揚げ、もつ煮込みが目玉の店だった。もつ煮込みは5時間は煮込むそう。味付けはやや濃いめだが、じっくり煮込んでいることはもつの柔らかさでわかる。もつ好きにはたまらないあの独特の匂いが口中から鼻へと抜けていく。悪くはない。黒こんにゃくと大根もよく煮込まれている。だが、うどんはブツブツ切れる茹でうどんで、せっかくのもつ煮込みの旨さが台無しになるほど。

          侍・屋台④ 
          もつ煮込みうどん
          侍・唐揚げ①  
          かしわのからあげ
          侍・唐揚げ③ 
          これこれ

「かしわのからあげ」はラード油のいい匂いとコロモの片栗粉のサクサク感がいい。ビールを飲み飲みかぶりつくと、温かい肉汁がじゅわりと口中に広がってくる。鹿児島産地鶏のモモ肉を使っているそうで、旨みが屋台のレベルを超えていると思う。

          侍・唐揚げ④ 
          まずは食らいつけ

「これは美味いわ。味付けもほどよい。唐揚げというより竜田揚げね。サッカー場で生の試合を見ながらの味はまた格別。あっ、工藤がようやくシュートを入れたわ! やったァ、もう一点イケ~! カシワ、レイソル!」
結局、試合は1対1の引き分けで終わってしまったが、「かしわのからあげ」の余韻と村民2号絶叫の余韻は翌日まで残るのだった。


本日の大金言。

サッカースタジアムの屋台はB級の世界でもある。隠し味はサポーターのそれぞれの人生。ここで美味を求めるのはそもそもイエローカードかもしれない。




                      柏レイソル⑤  


プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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