冷たい美味、初夏の「さくら饅頭」
今回は村長の取って置きの和菓子をお届けしよう。不思議な和菓子屋の存在を知ったのは、桜の名所、埼玉・幸手「権現堂」の桜祭りでだった。7年ほど前のこと。地場の日本酒や物産の出店の中に、「さくら饅頭」(6個入り)を見つけた。シンプルな包装が村長のセンサーにビビビと来た。これが実に美味だった。「和菓子の早稲田屋」というクレヨンで書いたようなロゴもよかった。
和菓子屋というより工場? (埼玉・幸手市)
以来、折に触れて幸手市内にある「早稲田屋」に足を運んだ。店というより下町の工場のような店構え。お世辞にもきれいとは言えない。ここ数年はご無沙汰だったので、久しぶりに覗いてみた。ここは北条食品という業務用のあんこ製造所で、ささやかに「早稲田屋」という名前で和菓子も作り、ささやかに販売しているというユニークな形態を取っている。冬はたい焼きも売っている。
うーむという店内
当主は二代目で、「和菓子の早稲田屋」でホームページを作っていて、あんこ作りの過程を動画でも公開している。驚くべき動画で、本来秘伝のはずの職人技をここまで公開しているのは、村長の知るところ「早稲田屋」だけである。あんこ好きには堪えられない動画だ。村長が訪ねたときもちょうど二代目が一人で動画の作成中で、これが商売とどういう関係があるのかわからないが、かなりユニークな考え方の持ち主であることがわかる。街の発明家のような雰囲気も村長の好みではある。
ここの小豆羊羹と白小豆羊羹が絶品で、それも買おうかと思ったが、「いまは黒糖羊羹しか作ってない」というお返事。「いい羊羹でも地味だと売れないんですよ」とか。村長は「それは残念。黒糖羊羹はノーサンキューだなあ」と悲しく首を振るばかりだった。で、本命の「さくら饅頭」(6個入り 税込800円)を買い求めた。「冷蔵庫に入れると1週間は大丈夫です。冷やしても美味いですよ」と二代目。
志と夢
冷蔵庫に入れると・・・
ウ マズイめんくい村に持ち帰って、冷蔵庫で冷やして、賞味することにした。包装を取って、白い紙箱を開けると、「さくら饅頭」が現れた。見るからにもっちりした白い皮、その頂上にきれいに塩漬けした桜の花びらが乗っかっている。ひんやりした饅頭の手触り感が心地よい。それを二つに割ると、桜の香りとともに見事な白あん、それも薄紅色の桜あんがどっかと現れた。塩漬けされた桜の葉が点々と混じっていた。ほとんどが白あんで、雪のような半透明の白い皮は羽衣のように薄い。
職人技
もそっと近う・・・
どないどす?
初夏の隠れた美味
口中に含むと、白インゲン豆の風味と桜の風味がフワリと立ち上がってきた。塩加減が絶妙に効いている。相変わらずの美味。手抜きはない。砂糖はザラメを使っていて、「やっぱりザラメが一番だと思う」と二代目。皮はもちっとしていて、ふわふわしていない。それがこの桜あんによく合う。「実は米粉を加えているんですよ」と二代目。「ここまでの味を作るのに随分試行錯誤したんですよ」とも。冷たい「さくら饅頭」を味わいながら、村長は、不思議な発明家のような二代目がどこへ向かっているのか気になった。
本日の大金言。
和菓子の世界に辺境があるとすれば、早稲田屋はその最北端かもしれない。辺境から新しい世界が生まれる可能性だってあるはずだ。
和菓子屋というより工場? (埼玉・幸手市)
以来、折に触れて幸手市内にある「早稲田屋」に足を運んだ。店というより下町の工場のような店構え。お世辞にもきれいとは言えない。ここ数年はご無沙汰だったので、久しぶりに覗いてみた。ここは北条食品という業務用のあんこ製造所で、ささやかに「早稲田屋」という名前で和菓子も作り、ささやかに販売しているというユニークな形態を取っている。冬はたい焼きも売っている。
うーむという店内
当主は二代目で、「和菓子の早稲田屋」でホームページを作っていて、あんこ作りの過程を動画でも公開している。驚くべき動画で、本来秘伝のはずの職人技をここまで公開しているのは、村長の知るところ「早稲田屋」だけである。あんこ好きには堪えられない動画だ。村長が訪ねたときもちょうど二代目が一人で動画の作成中で、これが商売とどういう関係があるのかわからないが、かなりユニークな考え方の持ち主であることがわかる。街の発明家のような雰囲気も村長の好みではある。
ここの小豆羊羹と白小豆羊羹が絶品で、それも買おうかと思ったが、「いまは黒糖羊羹しか作ってない」というお返事。「いい羊羹でも地味だと売れないんですよ」とか。村長は「それは残念。黒糖羊羹はノーサンキューだなあ」と悲しく首を振るばかりだった。で、本命の「さくら饅頭」(6個入り 税込800円)を買い求めた。「冷蔵庫に入れると1週間は大丈夫です。冷やしても美味いですよ」と二代目。
志と夢
冷蔵庫に入れると・・・
ウ マズイめんくい村に持ち帰って、冷蔵庫で冷やして、賞味することにした。包装を取って、白い紙箱を開けると、「さくら饅頭」が現れた。見るからにもっちりした白い皮、その頂上にきれいに塩漬けした桜の花びらが乗っかっている。ひんやりした饅頭の手触り感が心地よい。それを二つに割ると、桜の香りとともに見事な白あん、それも薄紅色の桜あんがどっかと現れた。塩漬けされた桜の葉が点々と混じっていた。ほとんどが白あんで、雪のような半透明の白い皮は羽衣のように薄い。
職人技
もそっと近う・・・
どないどす?
初夏の隠れた美味
口中に含むと、白インゲン豆の風味と桜の風味がフワリと立ち上がってきた。塩加減が絶妙に効いている。相変わらずの美味。手抜きはない。砂糖はザラメを使っていて、「やっぱりザラメが一番だと思う」と二代目。皮はもちっとしていて、ふわふわしていない。それがこの桜あんによく合う。「実は米粉を加えているんですよ」と二代目。「ここまでの味を作るのに随分試行錯誤したんですよ」とも。冷たい「さくら饅頭」を味わいながら、村長は、不思議な発明家のような二代目がどこへ向かっているのか気になった。
本日の大金言。
和菓子の世界に辺境があるとすれば、早稲田屋はその最北端かもしれない。辺境から新しい世界が生まれる可能性だってあるはずだ。
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