下町おにぎりカフェの満足度

 猫も歩けば絶妙おにぎりに当たる。友人のお見舞いで、日本医科大学病院へ行く。炎天下、東京・千駄木駅で降りて、不忍通りを数十歩ほど歩いたら、町家風の渋い目立たない店から美女が出てくるのが見えた。つい立ち止まる。「おにぎりカフェ 利さく」というさり気ない店名が見えた。ワビさびの世界・・・。当たりかハズレか?
              利さく1 
              いい景色やのう

お見舞いを終えて、その「おにぎりカフェ 利さく」で遅いランチを取ることにした。おにぎりについてはこのところハズレばかりで連戦連敗。ネットで人気の八丁堀のおむすび屋も埼玉・大宮のエキナカもにぎり方が弱すぎて、村長の好みではない。それ以上に今どきの羊頭狗肉ビジネスの匂いがしたりする。
              利さく① 
              「おにぎりカフェ 利さく」

ここも今どきの匂いがしないわけではない。ダメもとで入ることにした。まだランチタイムギリギリだったので、「ランチセット」(700円)を頼むことにした。おにぎり2個に、手羽元のカレー、青葉と揚げのおひたし、出し巻き玉子、自家製ぬか漬けが付く。おにぎりは「もっちり玄米」1個とお好きなもの1個を選べるという仕組み。村長は「鮭みそ」を選んだ。手ごろな値段も好感。
              利さく② 
              狙い目のランチセット 

「お味噌汁はいかがですか? プラス200円で具沢山みそ汁をお付けできますが」
感じのいい女性スタッフに問われたので、つい見栄を張って「お願いします」と答えてしまった。

店は5年前に喫茶店をリニューアルしてオープンしたそう。カウンター席とテーブル席、木の床がダークブラウンでまとめ上げられていて、店主の趣味の良さがわかる。注文を受けてから手でおにぎりを握るので、待ち時間は長め。おにぎりを握っているのはどうやら店主のよう。12~3分ほどで、木枠の器に盛られたランチセットがやってきた。
              利さく④ 
              おおお~
              利さく⑤ 
              職人の気配

手羽元のカレーがいい匂いを放っていた。おにぎり屋とは思えない本格的なカレーで、手羽元肉が柔らかく煮込まれていて、美味。ジャガイモも悪くない。濃厚なトロミとほのかな酸味、スパイスも効いている。みそ汁はエノキダケや油揚げなど確かに具だくさんだが、これは別料金で頼むほどではなかった。出来れば豚汁にでもしてほしかったが。
              利さく⑦ 
              手羽元のカレー

青葉と揚げのおひたしは出汁の効いた京風の薄味で旨い。ぬか漬けもいいレベル。本命のおにぎりに手をのばした。まずは玄米おにぎり。かなり小ぶりだが、口に入れた途端、もっちり感と玄米の風味が広がった。これだけ柔らかくふっくらと炊くのはそうはない。にぎり方も絶妙で、強すぎず弱すぎず、職人の技と感心。
              利さく⑧ 
              青葉と揚げのおひたし
              利さく⑨ 
              玄米のおにぎり
              利さく11 
              絶妙な握り方

さらに海苔で包んだ「鮭みそ」へ。米は群馬県板倉産コシヒカリで、米へのこだわりがよくわかる。羽釜で炊いているそうで、絶妙なにぎり方といい米の旨さといい、これまで食べたおにぎりとはレベルが一段上。だが、少々残念なのは鮭みそ。量が少ないのと、甘みそが強すぎて鮭の存在が出ていない気がした。
              利さく14 
              鮭みそのおにぎり
              利さく15  
              ごはんの美味

とはいえ、いい店であるのは確か。素材へのこだわりも評価できる。食べている途中で、テレビの予備取材が入っていた。実力以上にメディアに露出しすぎて、勘違いに走った店を多く見ているだけに、やや心配になった。余計なお世話だよ。

本日の大金言。

おにぎりやおむすびがカフェという形で静かなブームになりつつある。新しい流れだが、玉石混交でもある。小ぶりになっているのも気になる。


                          利さく18 




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またも本柚子豆腐に遭遇(後編)

 「とようけ屋山本」の本柚子豆腐とにがり絹ごしをすっかり堪能したウマズイめんくい村一行約2人は、その2日後、京都を発つ際に、京洛グルメ先生と南座前で待ち合わせた。多忙で鳴るグルメ先生なので、今回はお会いできないかも、とあきらめていたが、いつもの手提げ紙袋姿で飄々と現れた。昼飯を食べながら近況などを歓談し、村長は持参した手土産を渡してから「では次回はお江戸でお会いしましょう」と別れようとした。

ほとんど同時に、グルメ先生が「はい、これ」と紙袋を村民2号に手渡していた。グルメ先生の気遣いとさり気ない配慮にはいつも驚かされる。
「豆腐なので重いけど、これは美味いですよ。専用の醤油だれも一緒に入れてあります」
まさか・・・。何という神様のイタズラか。そのまさかの「とようけ屋山本」の柚子豆腐だった。

「ありゃあ、これ、おととい食べましたよ。京洛グルメ先生がイチオシしていると、赤坂放送局から勧められたので」
村長は慌てて、事の経由を話した。グルメ先生の動揺がわかった。し、しまった、言わなきゃよかった。好意を無にしてしまいかねない。
「でも、生姜(しょうが)はなかったでしょ?専用のものを付けてあるから、村に帰ってからよーく味わってください。この生姜がないと本柚子豆腐の本当の味はわからしまへんで」
ヒッヒッヒがなかった。寂しい。
               本柚子豆腐①
               ぜい沢な再試合(右下が黄金生姜)

その夜、ウマズイめんくい村に戻ってから、二度目の賞味となった。暑いので缶ビール。にがり絹ごしではなく、本柚子豆腐が二丁赤坂放送局が言っていたように、「グルメ先生のイチオシが本柚子豆腐」であることを確認できた。

ホテルで食べたときと違うのは、生姜の存在。よく見たら奄美大島の黄金生姜で、生姜界の最高峰に位置する逸品。まな板で本柚子豆腐を切り分けてから、器に盛り、すりおろした黄金生姜をのせ、「豆腐のたれ」をさらりとかける。
               本柚子豆腐② 
               本柚子豆腐の肌
               本柚子豆腐③ 
               たまらん
               本柚子豆腐⑤ 
               三位一体の美味

「やっぱり美味いわ。まろやかさが違う。ホテルで食べたときも美味かったけど、さらに格別になった感じ。この生姜を加えただけで、1+1が3から4になった感じ。さすが京洛グルメ先生だわ。村長はやっぱりダメね。本柚子のほのかな香りが何だか殿上人の世界に私を誘ってるみたい」
「ありゃりゃ、黄金生姜が秘密の扉を開けてしまったかな。確かにホテルで食べたときよりもさらに美味くなっている。でも、村長はやっぱりにがり絹ごしの方が好きだな。大豆本来の美味さが完璧に近い。にがり絹ごしで食べたら、村長も卒倒していたかもな」
「早く卒倒してほしいわ」
「・・・・・・」
               本柚子豆腐⑦ 
               舌触りが別次元
               本柚子豆腐⑧ 
               あーん

翌日、豆腐のあまりの美味さが気になって、「とようけ屋山本」まで電話してしまった。
「何でこんなに美味いんですか?」
「おおきに。大豆は中国の最高級の大豆と国産の最高級大豆をブレンドしてます。水が違う? はい、京都は元々地下水がいいのんどす。最近は保健所がうるさいので、それをさらにきれいに浄水して使ってます」
明るい女性の声。それだけで豆腐の美味さが伝わってくるような。

「にがり絹ごしの方により感動したのですが、にがりは特別なもの?
「天然のにがりを使ってます。海水から作ったもので、にがり絹ごしは100%それを使ってるんですえ。天然にがりは固まりにくいので、その分、固めるために豆乳の濃度を濃くしてるんどす。そやから、にがり絹ごしの方が大豆の風味が強く出ていると思います。他の豆腐は普通のマグネシウムを使ってますよってに」
               本柚子豆腐1 
               幸せは続かない

しばし京都で別れてきた京洛先生と赤坂放送局の顔を思い浮かべた。柚子豆腐は殿上人(てんじょうびと)、にがり絹ごしは地下人(じげびと)と言えるのではないか。その分類で行くと、グルメ先生と村民2号はたぶん殿上人、村長はたぶん地下人。赤坂放送局もその後の経由をかんがみると、地下人に近い。豆腐を巡る戦いは固まりきれない結末になってしまった。豆腐の角に頭をぶつけなければならない。

本日の大金言。

本柚子豆腐もにがり絹ごしも絶品であることは間違いない。だが、グルメ先生によると、京豆腐の中にも人気だけでダメなものもあるそう。真っ先に観光客がダマされるとも。





                           今西軒⑦ 



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「京豆腐の傑作」巡る戦い(前編)

 今回の京都の旅ではいくつか不思議な体験をした。その一つが、四条烏丸地下街で赤坂放送局と偶然出会ったこと。彼は祇園祭フリークでもある。神社仏閣研究にハマっていて、その流れで毎年この時期には祇園祭を楽しむことを常としている。ちょうど会いたいと思っていたので、びっくりした。偶然とはいえ、会う確率は奇跡に近い。八坂神社の神様のイタズラか? そのてん末について書くのが本題ではない。

その時彼が熱心に話したのが「とようけ屋山本」の本柚子(ほんゆず)豆腐だった。
「京洛グルメ先生お勧めの豆腐で、これが実に美味い。大丸の地下食品売り場で売ってるから、村長も絶対に行かなきゃダメですよ」
それだけ話すと、リュック姿で又三郎のごとく去って行った。

毒舌が売り物の赤坂放送局がこれほど入れ込む豆腐とは? 「とようけ屋 山本」は明治30年創業、北野天満宮門前に暖簾を下げ、豆腐の美味い京都の中でも指折りの豆腐を作る店として、地元でも知る人ぞ知る存在であることがわかった。あの京洛グルメ先生がイチオシの豆腐ということも村長の好奇心をくすぐった。どちらかというとへそ曲がりの二人が入れ込んでいること自体が奇跡に近い。
              とようけ屋山本2 
              急ぎ「京のとうふ屋」コーナーへ

大丸地下食品売り場には京豆腐の店がいくつかある。「とようけ屋 山本」のコーナーは確かに客が多く、村長は「本柚子豆腐」(340g 税込み226円)と「にがり絹ごし」(370g 同226円)を買い込んだ。大きさを考えるとそう高くもない。専用の醤油ダレ「豆腐のたれ」(150ml 同216円)も買った。
              とようけ屋山本 
              頂点か? とようけ屋山本
              にがり絹ごし① 
              にがり絹ごし
              柚子豆腐① 
              本柚子豆腐
               
その晩、ホテルで賞味することにした。薬味はないが、我慢がまん。村民2号は「ホントに美味いのかしら?」とやや疑っている。暑かったので缶ビールを用意して、まずは「にがり絹ごし」から賞味した。これが当たりだった。本にがり100%を使って固めているので、絹ごしとはいえ、食感がしっかりしていて、口に入れた途端、濃い大豆の風味と甘みが絶妙に広がった。
              豆腐対決① 
              ぜい沢な対決

専用の「豆腐たれ」をかけると、その旨味がさらに引き立ってきた。タレは甘めで、好き嫌いがあるかもしれない。村長は絶妙と思ったが、赤坂放送局はタレについては、「甘すぎて、普通の醤油の方が好みですよ」と話していた。
              にがり絹ごし 
              赤コーナー、にがり絹ごしィ~
              にがり絹ごし③ 
              この光沢、只者でない
              にがり絹ごし④ 
              本にがり100%
              にがり絹ごし⑥ 
              豆腐たれ、かけすぎか?

村長はこれまでにもいろんな豆腐を食べてきたが、「これは格が違う」と言わざるを得ない美味さ。京洛グルメ先生の「ほう、会津足軽のお方に、この味がわかりますのん?」イッヒッヒ顔が浮かんだ。しかし、京洛先生も赤坂放送局も勧めたのは本柚子豆腐のほうである。「にがり絹ごし」に感動した村長は、次に本命の「本柚子豆腐」の賞味に移った。
              本柚子豆腐① 
              青コーナー、本柚子豆腐ゥ~
              本柚子① 
              うっふん
              本柚子④ 
              芳香、た、たまらん

「にがり絹ごし」よりもいくらか柔らかい。その分、本柚子の香りがほのかに漂う。大豆の風味と甘みはそう変わらない。かぐわしい気品のある味わい。こっちを先に食べたら、評価も違っていたかもしれないが、村長の好みは「にがり絹ごし」である。どちらかを選べと言われたら、ストレート勝負の「にがり絹ごし」に軍配を上げる。

京洛先生も赤坂放送局も「にがり絹ごし」を食べていないのではないか? クックック。だが、村民2号はなぜか本柚子豆腐に軍配を上げた。内紛勃発か・・・この後、意外な展開が待ち受けていた。(明日に続く)

本日の大金言。

京都は豆腐とお揚げ文化の頂点だと思う。その中でも指折りの豆腐を巡って、四つどもえの闘いが始まる。あまりにくだらない、あまりに馬鹿げた味覚戦争こそ、ウマズイめんくい村の真骨頂なのである。




                      豆腐対決④ 





魯山人後の仰天カルボナーラ

台風の中、 京都国立近代美術館で開催中の「北大路魯山人の美~和食の天才」を観に行く。小料理屋の女将も「行きたいわあ」と言っていたが、陶器好きの村民2号の意志でもある。魯山人の山師的な(?)天才ぶりに改めて驚かされる。
              京都国立近代美術館 
              いざ魯山人の世界へ

白洲正子は魯山人について上げたり下げたり、あれこれ書いているが、その巧みな言葉も魯山人の作品の前ではほとんど無意味だと思った。白洲の師匠・青山二郎の「電車の車掌みたいな奴」という痛烈な言葉も届かない。「あれこれ言っても、生で見るとやっぱりいいわねえ」と村民2号。制作者と評論家の間にはどうやら深い河がある。

その1階ロビーに「自家製生パスタのお店」という文字が見えた。「和食の天才」を観た後に、生パスタも悪くはない。パスタ好きの村民2号が「ここにしましょ」。「カフェド505」というカフェレストラン。「イタリア製パスタマシンを使った自家製生パスタ」という表記とともに、小麦粉までイタリアから取り寄せていることなどが書いてあった。かなりのこだわりぶり。
              カフェデ505 
              いざ生パスタの世界へ
              カフェデ505③ 
              人気の店

店内はほとんど満席で、ゆったりとしたテラス席まである。ちょうど2人席が空いたので、そこへと案内される。メニューの中から村長は定番の「カルボナーラ~京卵添え~」(税込み980円)を選んだ。麺が3種類あり、その中から一つ選ぶシステム。幅の太い平麺「パッパルデッレ」(イタリア語で食いしん坊の意味)にした。
              カフェデ505② 
              定番でおます
              カフェデ505① 
              3種類の麺

村民2号は「京トマトとオリーブのあさりだしトマトパスタ~ハーブの香り」(同1250円)を選んだ。麺は「抹茶と豆乳の練り込み麺(フィットチーネ)」。この長ったらしいネーミングと過剰な説明、どうにかならないものか。

15~8分ほどの長めの待ち時間。本物の予感。いい匂いと盛大な湯気とともにカルボナーラがやってきた。「熱いですからお気をつけてください」と女性スタッフ。かわゆい。トマトパスタもほとんど同時に到着。
              カフェデ505⑦ 
              カルボナーラさま
              カフェデ505⑤ 
              トマトパスタさま

そのボリュームに圧倒される。イタリア人サイズか? 生卵の黄身が別になっていて、それを乗せてからかき混ぜる。チーズと生クリームと牛乳、卵、それにニンニクの匂いが混然一体となって、テーブルの上で濃密に踊り始める。鼻腔が開きっぱなしになる。「あちちちー」村民2号が声を上げた。慌てる何とかはもらいが少ない? 
              カフェデ505⑥ 
              京卵の黄身を・・・
              カフェデ505⑧ 
              かき混ぜる
              カフェデ505⑨ 
              いい匂い

麺の太さがまるで川幅うどんのよう。デュラムモリナ粉100%だそうで、意味を調べてみたら、デュラムとは小麦粉の種類で、モリナとは粗挽きの意味。そばの世界でいう挽きくるみと解釈することにした。ただそれが驚くほどの幅広麺。カルボナーラソースを絡めてから口中に運ぶ。粗挽きのせいか実によく絡む。ぼたぼたとソースがしたたる。
              カフェデ50512 
              食いしん坊の麺
              カフェデ50510 
              言葉はいらない

素朴なもっちり感といい歯ごたえ。小麦の風味がかなりある。濃厚とこってり感。黒胡椒がいいアクセントになっている。ベーコンはもう少し多い方がいいと思うが、カルボナーラの恐るべき時間がゆっくりと回り始める。次第に腹がふくれてくる。二度ほどため息をついて、ようやく完食に辿り着いた。満足満足・・・。

「わたしのほうはハズレ。スープが多すぎて、パスタも柔らかすぎ。村長の方が当たり。悔しいわ。コーヒーを飲もうかと思ったけど、400円はもったいない。節約節約・・・」
「どうしちゃったの? 魯山人のいい余韻はいずこへ?」
「和食にすればよかったわ。口直しにもう一軒、行きましょ」
「・・・・・・」

本日の大金言。

幸せは摑んだと思った瞬間、するりと手から抜ける。だが、美は永遠になるかもしれない。一瞬の美がずっと心に残ることもある。




                           カフェデ50514 

同志社学食の「鶏そぼろ冷麺」

 台風の中を大阪から駆けつけてくれた大出フィクサー、辻山教授と合流、大出フィクサー行きつけの小料理屋で旧交を温める。そこで食べたおばんざい料理はすべて女将の手作りで、これが美味だった。村長にとっては二度目の訪問となり、このブログでご紹介しようと思ったが、女将の「常連さんを大事にしたいんどす」のやんわりひと言で断念となった。京都にはこうしたいい店が隠れている。
              山鉾巡行 
              山鉾巡行

翌日、二日酔いの頭で、山鉾巡行を見る。昨晩、辻本教授が面白いことを言っていた。「村長、山鉾巡行の引き手はどういう人がやってるかわかりまっか?」「町衆でしょう?」と村長。「いえいえ、実はほとんど大学生なんですよ。力仕事なので、学生にとってもいいバイトなんです。縁の下で引っ張っているだけやけど(笑)」「うちの学生も来てるかもね」そんな会話で盛り上がったりした。
              同志社① 
            同志社大学今出川キャンパス

雨が激しくなったので、ランチの予定は変更せざるを得なくなってしまった。地下鉄四条烏丸駅から今出川駅へ。目的の承天閣美術館までが遠い。ふと、同志社大学今出川キャンパスの学食がひらめいた。外に出なくても行けるかも。遡れば同志社は旧会津藩士・山本覚馬が新島襄を支援してつくった大学でもある。新島襄夫人・八重は山本覚馬の妹でもある。祖先が会津藩足軽の村長にとっては遠い親戚みたいな大学・・・無理やりこじつけて、予期せぬ学食ランチとなった。
               
「良心館食堂カフェテリア」まで走る。途中で学生に「学食は何が旨いの?」と取材することも忘れない。「ドンブリがお勧めです」とか。日本最古の大学生協でもある同志社生活協同組合が運営している学食で、480席もある。同志社はマンモス大学でもある。
              同志社② 
              良心的な良心館食堂
              同志社14 
              若さと胃袋

入り口でメニューを見る。安くて種類が豊富。学生諸君がうようよいる。村長は迷った末に「店長のイチオシ」と表記されていた「鶏そぼろ冷麺」(390円)と「昨年度超人気メニュー」という「大分名物 とり天」(単品298円)を選んだ。村民2号は「きつねうどん」(216円)。
              同志社④ 
              鶏そぼろ冷麺どす
              同志社⑤ 
              とり天どす
              同志社③ 
             きつねうどんどすえ

これが意外な旨さだった。「鶏そぼろ冷麺」は鶏そぼろの味付けがかなり濃い目で、ツユもかなり甘酸っぱい。温泉卵と千切り野菜がそれを中和する。学食なので味付けが濃い目なのだろう。麺はストレート細麺だが、韓国冷麺のようにコシが強い。鶏そぼろはもう少し出汁を利かせて薄味にした方がいいと思う。全体的にはボリュームもあり、まずまずの満足度。
              同志社⑨ 
              店長イチオシ
              同志社11 
              親子同志?
              同志社12 
              ま、ひと口

「大分名物 とり天」がどこかの居酒屋のような味わいで、意外な旨さ。コロモのサクサク感がいい。これでビールが付いていれば文句なしだが、学食でビールを飲んでる輩はいない。ウイーッ、おばはん、ビールくれ~。小声で叫んでみる。
「不謹慎よ。会津の名が泣くわよ。こんなに若い学生と一緒に安くて旨いランチを食べれただけでも幸せと思わなきゃね」
              同志社10 
              コロモの美味

「きつねうどんはどう?」
「これは当たり。出汁がしっかり効いていてとっても旨いわ。お揚げと九条ネギがまさに本場って感じ。うどんもツルッとしていて、柔らかさとコシが十分にある。これで216円とは学食とはいえ驚きだわ」
              同志社⑥ 
              当たり―ィ

「雨はやみそうもない。承天閣美術館までタクシーで行こうか」
「祖先が足軽とは思えない暴言。そんな根性だから戊辰戦争で敗れるのよ」
「ひえーっ」

本日の大金言。

同志社は旧薩摩藩邸があった場所。維新後、薩摩ー会津ー安中という意外な繋がりが同志社を生んだともいえる。歴史はどう転ぶかわからない。



                            同志社13

祇園よりまずは虎屋のかき氷

 台風直撃ニモマケズ、懐不具合ニモマケズ、ミンナニデクノボートヨバレ、食欲バカリの旅が始まった。祇園祭の真っ最中の京都へ。ちょうど宵山で山鉾の建つ四条烏丸周辺をぶらりぶらり。祇園囃子が流れ、ウマズイめんくい村の怪しすぎる一行は完全お上りさん気分。米旅行誌で2年連続世界の観光都市人気1位に選ばれただけあって、外人観光客がやたらに目立つ。
              祇園祭宵山② 
              祇園祭宵山

「虎屋一条店のかき氷は外せないですよ。それも宇治金時にしないとダメですよ。何、高すぎる? そんなアホな。夕飯を抜いてでも行かなきゃ、あんこ好きとは言えませんよ」
京洛グルメ先生は密命で東下りの真っ最中。多忙なのに、なぜか「虎屋のかき氷」を糸電話で勧めてきた。最近、イッヒヒヒが付かないのが寂しい。悩みが深いのかもしれない。
              虎屋2 
         ここから虎屋の歴史が始まった

虎屋は説明するまでもなく、日本の和菓子界の頂点に位置する老舗で、創業は室町時代。明治維新で天皇の東京遷都に伴って、明治12年に本店を赤坂御所そばに移転したが、もともとは京都御所近くに暖簾を構えていた。その元々の場所が一条店である。その石碑の前に立って、しばし遠い室町の世から信長・秀吉の時代へと思いを致そうとする。だが、カスカスの頭には「かき氷」がプカプカ浮いているだけ。暑さも影響している。
              虎屋1 
              京都の虎屋!

その裏手にある「虎屋菓寮」の暖簾をくぐる。5年前にリニューアルしたという室内は見事な庭園とゆったりした空間が素晴らしい。メニューを一通り見てから、村長は「氷あずき」(小倉餡入り 税込み1188円)を頼むことにした。数年前に、東京・銀座の虎屋で「宇治金時」は賞味している。村民2号は京洛先生お勧めの「宇治金時」(小サイズ 864円)を選んだ。
              虎屋③ 
              かき氷のメニュー

待ち時間は15分ほど。台風の影響で雨がぽつぽつ降り始めている。庭園の緑が素晴らしい。冷たいほうじ茶もひと味違う。待つ時間も舌代に入っている。シンプルなガラスの器に見事なかき氷が富士山となっていた。普通のかき氷の優に2倍のボリューム。和三盆を使った茶色い蜜が頂上からいい具合に流れ込んでいる。氷あずきに和三盆蜜を使うのは珍しい。一瞬にして、虎屋の凄味を感じた。
              虎屋④ 
              ええのう
              虎屋氷あずき  
              氷あずき、デカいのう
              虎屋宇治金時 
              宇治金時小サイズ
           
かき氷はどこかの人気店のように「〇〇の天然氷」などという表記は見当たらない。だが、スプーンでひとすくいして口中に入れた途端、その柔らかな歯触りと舌触りに改めて驚く。きめ細やかさと和三盆の奥深い甘み。このところ日光の天然水を使ったかき氷屋が急増しているが、そのふわふわ感とも違う。絶妙な柔らかさと表現するしかない。
              虎屋⑥ 
              氷の絶妙さ
              虎屋6 
              和三盆の蜜
              虎屋8 
              エロティックな小倉餡

その下に鎮座している小倉餡は、ねっとりとしていて、一粒一粒の皮の柔らかさとこしあんのバランスがとてもいい。甘さはかなり濃い。まるで虎屋の羊羹そのものの味わい。分量もかなり多めで、あんこ好きには申し分がない。 
              虎屋9  
              ねっとり感
              虎屋7 
              うむむ

「この氷はひょっとして日光の天然ものですか?」
感じのいい女性スタッフに尋ねてみた。
「近くの氷屋さんから毎日仕入れてるものです。関東の氷とは少し違うようですよ。冷凍庫から出して少し置いて、表面が溶けてきてから、削っているんです。昔からそうしてます」
              虎屋10 
              美味の海

小豆も丹波物を使っているようだ。冷たいほうじ茶を入れ替えてくれるタイミングも絶妙。
「宇治金時は小サイズで普通の盛り。宇治抹茶の蜜もひと味違う。京洛先生が勧めてくれたのがよくわかったわ。確かに安くはないけど、この雰囲気と味わいなら納得よ。さすが京洛先生、村長とは格が違うわ。これでしばらく晩飯は抜き」
「冗談じゃない。これから宵山を楽しんで、友人と『火の車』で宴会だァ。台風なんてどうってことないぞォ。エイエイオー!」
「この先が心配になってきたわ・・・」

本日の大金言。

祇園祭より虎屋のかき氷。京都の凄味。こういうぜい沢もたまにはいいかもしれない。



                           虎屋11 












冷たい「あん豆かん」で考えたこと

 江戸への出張の帰り、久しぶりに浅草にぶらりと出てみた。夕暮れ時だというのに、異常猛暑で毛穴から汗が噴き出ている。安倍自民党は国民が賛成していないのに、安保法案を強行採決しようとしている。民主国家が、法治国家が崩壊しようとしている。一人の苦労知らずオタクとその取り巻きを誰も抑えられない。素朴な質問。安保法案は本当は誰のためのものなの? 
              浅草③ 
              これや、日本の夏
              浅草② 
              猛暑に負けぬ

「皆さん、平和を守るために戦争しようじゃありませんか。それに反対するのは非国民です。もちろん、戦場に行くのは皆さんです。私たちはしっかりと皆さんの知らない場所で後方支援いたします」。このロジック、危ないアブナイ、危な過ぎる。妙な空気が作られつつある。山本七平著「空気の研究」を読むと、最近の日本の危うさが見えてくる。空気ほど恐ろしいものはない。すべてを空気のせいにして、誰も責任を取らないからだ。

おおっと、いけない。浅草雷門通りを歩いているうちに、怒りで話がそれてしまった。頭を冷やさなければ敵の思うつぼになる。すると、いい店構えの甘味屋が視界に入った。かき氷でも有名な「甘味処 いづ美」で、「あん豆かん」でも知られつつある。一見老舗のようだが、歴史は15年ほどで、浅草の新興勢力とも言える。
              いづ美 
              オアシスか?(いづ美)
              いづ美② 
              涼しい誘惑

迷った末に、「あん豆かん」(税込み730円)を頼むことにした。「あんはこしあんとつぶあん、どちらに致しますか?」と女性スタッフ。「では、こしあんで」と村長。琴の音が流れ、村長の頭が落ち着いてきた頃、お盆に乗って「あん豆かん」がやってきた。大きめの陶製の器がキンと冷やされている。うむ。この日本文化は守りたい。
              いづ美③ 
              お待ちィ~

豆かんは北海道十勝産の赤えんどう豆を使用、寒天もテングサから煮立てた自家製。それがいい手づくり感でたっぷりと二層の海となっていた。抹茶の寒天も二個ほど。中央にはこれも自家製のこしあんがどっかと鎮座していた。別の容器に入った黒蜜をしずしずとかける。ささやかな幸せの予感。
              いづ美④ 
              うむむ

赤えんどうは粒が茶褐色で、大きさにややバラツキがある。塩気がほどよく、思ったよりも固めだが、ホックり感もある。ボリュームも風味もいい。寒天がスグレモノ。天草の香りとシャキシャキ感がとてもいい。こしあんは見た目よりもねっとり感が強い。水あめを多めに加えているようだ。悪くはないが、門前仲町「いり江」ほどの洗練はない。 
              いづ美⑥ 
              自家製赤えんどう
              いづ美⑧ 
              黒蜜をたら~り
              いづ美2 
              高いレベル
              いづ美⑨ 
              あ~ん

浅草には「梅むら」という豆かんの名店がある。ついそこと比べてしまう。「梅むら」の黒ダイヤのような豆かんが見事過ぎるので、比較するのもヘンだが、横綱と関脇くらいの差か。とはいえ、この店の実力もかなり高いと思う。黒蜜の多さなども好感。接客も悪くない。
              いづ美10 
              秀逸な寒天

きれいに平らげると、器の底から不思議な声が聞こえてきた。
「日々の平和が大事なんどすえ。今ならまだ間に合う。永田町に水を差しなはれ。ダマされてはいけませんよ。ほな、頑張っておくれやす」
何故か妙な京都弁だった。

本日の大金言。

時代の空気から抜け出すのは容易ではない。水を差すか、笑い飛ばすか。裸の王様は油断すると、どこにでも生まれる。



                        いづ美12 







謎の隠れ家「巨大石窯ピザ」

 村長が敬愛するシバの女王はウマズイめんくい村のキーマンの一人。エンターテインメント新聞社を退職してからというもの、ポンコツ車で東奔西走の日々だが、こと埼玉県内のオモシロ情報にかけてはシバの女王には敵わない。これまでも村長の知らない旨い店や人物を紹介してもらったりしている。それが意外と楽しい。村長以上のやり手かもしれない。

そのシバの女王から久しぶりに「旨い店があるのよ。隠れ家みたいなレストランで、予約しないと入れないのよ」とお声掛け。大宮の予定をキャンセルして、隠れ家レストランに行くことにした。集まったのは、村長の他に食べることに人生の半分をかけているグルメおばさん二人組。総勢4人。意気揚々とシバの女王のキャデラックに乗って久喜市南栗橋の隠れ家レストラン「キッチン青山」へと向かった。
              キッチン青山 
              まさかの場所

まさかの場所に「キッチン青山」があった。栗橋幼稚園近く、住宅街の一角。自宅1階をイタリアンレストランに改装、石窯ピザのテイクアウトもしていた。シバの女王でなければ、かような店は知らないだろう。正午前に到着。赤いレザーのソファ席やテーブル席がゆったりとあり、BGMはエンヤ。
              キッチン青山1 
              ゴージャスな隠れ家

「すごい店ねえ。料理も楽しみだわ」
グルメおばさん二人組もいい店であることを確信した様子。
              キッチン青山③ 
              ランチは狙い目

テーブル席に腰を下ろして、ランチセットの中から村長は目玉の「ピザセット」(前菜、サラダ、ポタージュスープ付き1000円)を頼むことにした。4種類の中からマルゲリータを選んだ。コーヒー、ヨーグルトまで付いている。シバの女王、グルメおばさん二人組は「ハンバーグセット」(同1000円)を頼んだ。さらにマルゲリータをそれぞれお土産用に頼んでいる。脱帽。

10分ほどでサラダが置かれ、続いて前菜、ポタージュスープ、その後にメーンの石窯焼きピザ(マルゲリータ)がやってきた。ギョギョ。デカい。優に直径30センチはある。2人分の間違いではないか? だが、店の女主人は「皆さん驚きます(笑)。でも、お一人分です」とさらりと答える。
              キッチン青山④ 
              前菜とサラダ
              キッチン青山⑤ 
              仰天の石窯ピザ

サラダ、ポタージュスープはそれなりの旨さ。前菜はミニグラタン、だし巻き玉子、キンピラが小さく盛られていた。ややミスマッチの様相で、味は濃い目。ビールか白ワインが飲みたくなったが、財布が寂しいので我慢がまん。

メーンの石窯ピザが当たりだった。生地からトマトソースまで自家製で、石窯で焼かれた本格的なパイ生地はもっちり感がいい具合で、実に香ばしい。トマトソース、バジル、モッツァレラチーズのバランスと量がほどよい。コックの腕がいいレベル。モッツァレラチーズの伸びが食欲をそそる。
              キッチン青山⑥ 
              マルゲリータ!
              キッチン青山⑦ 
              すべて自家製

途中でタバスコを少し振りかけると、その刺激が絶妙に絡んでくる。ナポリの風が脳天へ突き抜ける。南栗橋の住宅街の地中海も悪くない。コーヒを飲みながら、歓談と余韻を楽しむ。夜も来てみたくなった。

帰り際、「キッチン青山」という店名が気になり、女主人に「あのう、東京・青山のご出身ですか?」とおバカな質問。「いえいえ、苗字なんですよ。単にそれだけです」笑われてしまった。

本日の大金言。

人間至る処青山あり。知人の出版社社長がこの言葉をモットーにしている。青山、あおやま、セイザン・・・その覚悟はありや。




                         キッチン青山10 

猛暑の中の「アサイーボウル」

 暑い。この4日間は30度を超える真夏日と猛暑日が続いている。南方の海上には大型台風11号が北上しつつあるし、九州の大分では震度5強の地震。北海道はまさかの猛暑日。どうやら日本列島に大きな異変が起きつつある。こういう時はかき氷に限る。

埼玉・大宮に出たついでに、かき氷の店を探したが、村長のセンサーにビビとくる店が見当たらない。仕方なくルミネの4階に戻ると、女性客がわさわさの人気店が視界に入った。そこだけハワイ! 「ラナイ」というカフェレストランだった。次の瞬間、「アサイーボウル」のメニュー写真が火照った目を捕らえた。フローズンのアサイーボウル・・・これだ、本日のランチはこれに決まりィ!
              ラナイ1 
              泳げるか?

日本を脱出してハワイ、というのも悪くない。店内に一歩足を踏み入れると、そこはほとんどが女性客というほぼパラダイスだった。店内は広く、テラス席まである。ラナイとはハワイ語でバルコニーという意味だとか。天井扇がゆったりと回っていて、アロハシャツを着たスタッフが「いいか、ここは日本じゃないぞ。わかってるな」光線を放っていた。
              ラナイ2 
              夏はハワイだ?

村長はテーブル席に腰を下ろして、メニューを見る。パンケーキやハワイ料理がズラリと並んでいた。安くはないが、思ったほど高くもない。その微妙な位置に、「アサイーボウル」がある。Sサイズ690円、Rサイズ980円(どちらも税込み)。村長は少々見栄を張って、アサイーボウルの中でも一番人気だという「ベリーボウルのRサイズ」(980円)を選んだ。コーヒー(プラス250円)も頼んだ。やや予算オーバーだが。
              ラナイ3 
              アサイーボウル
              ラナイ 
              ポエムやのう

10分ほどで、白い大皿に乗ったアサイーボウルがやってきた。大きめの白いどんぶり。ひと目でスグレモノだとわかった。アサイーボウルはブラジルアマゾン原産の果実アサイーを使った一種のスイーツで、ハワイで爆発的人気を呼んだもの。ポリフェノールがブルーベリーの18倍、さらに鉄分、食物繊維、カルシウムの含有量も多く、スーパーフルーツとも言われているもの。
              ラナイ④ 
            アサイーボウル(ベリーボウル)
              ラナイ③ 
              アロハ~

村長はこれまで夏になると何度かアサイーボウルを食べているが、軽井沢で食べたものが一番だった。渋谷・ヒカリエB3も悪くはなかった。去年はレディー・ガガのライブの後に海浜幕張駅で食べている。これは甘すぎてイマイチだった。

中央には鮮度のいいイチゴ、バナナ、ブルーベリーが盛られ、さらにグラノーラの海が広がっている。絵に描いたようなアサイーボウル。その下がアサイーのスムージー(ピューレを半分ほど凍らせたもの)で、ボリューム的には申し分ない。うっすらとハチミツもかかっている。
              ラナイ⑥ 
              グラノーラとアサイー
              ラナイ⑦ 
              冷たい美味

フルーツの質の高さ、グラノーラの素朴な食感と味わい、そこからアサイーのスムージーへとスプーンを入れる。スプーンがプラスチックなのはやや興ざめ。だが、スムージーが層になっていて、半分凍った食感とドロドロ感が悪くない。果実味と酸味が舌に心地よい。軽井沢で食べたアサイーボウルと遜色ない美味さ。

この店はハワイが本店か? アロハを着たスタッフに聞いてみたら、意外なお返事だった。
「いえ、ハワイではありません」
「アメリカ?」
「いえ・・・名古屋のほうです」
              ナライ 
              アサイーの海

声がなぜか小さくなっていた。名古屋発のハワイだっていいじゃないか、福島にだってスパリゾートハワイアンズがあるのだから、名古屋発のハワイアンレストランがあってもおかしくはない。いや、これこそが日本だ。何でも取り込む日本。かき氷もいいが、アサイーボウルも悪くはない。ひょっとして夏の新しい定番になるかもしれない。村長は大いなる満足感でしばらくの間、冷たくなった体をホットコーヒーで温めるのだった。

本日の大金言。

天変地異が起きても生活は続く。かき氷もアサイーボウルもその生活の中の一コマでしかない。心配ばかりしててもしょうがない。



                          ラナイ⑧

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サボテンの花と老舗きんとん饅頭

「すごいことが起きたわよ。サボテンの花が二つ同時に咲いちゃった。こんなの初めて!」
花好きの村民2号が興奮気味に飛び込んできた。
花にはまったく興味のない村長は、東京新聞を読みながら、日本の行く末を案じていた。

首相の想像力の欠如、庶民の力を甘く見てる暗い目つき、取り巻きのひどさも目に余る。彼らは絶対に戦場には行かないし、責任も取らない。だから、声高にわめくんだ。歴史は繰り返すのか? 新国立競技場の問題もひどすぎて、ギャグだと笑ってられない。どこかの独裁国家と変わらない。自己保身が独裁者を作る。一体いつからこうなっちまったんだ? 山本七平「空気の研究」がよみがえる。
              サボテンの花2 
              奇跡か?吉兆か?

そんな悪い連想がサボテンの花にパチンと打ち砕かれた。紅と白の見事なサボテンの花が確かに咲いていた。村長も初めてみる光景。これは吉兆か?

お祝いに珍しい和菓子を食べることにした。埼玉・大宮駅の「うまいもの展」で手に入れた「きんとんまんじゅう」(5個入り440円)である。栃木県宝積寺駅前に本店がある「朝日屋本店」の名物まんじゅうで、大正以来同じ製法で作り続けているもの。白インゲン豆のつぶしあんというのも珍しいし、砂糖が砂糖大根から取った甜菜糖(ビート)しか使っていないというのもレアである。
              きんとんまんじゅう 
              お祝いにきんとんまんじゅう

渋茶を入れてから包みを解く。平べったい白まんじゅうで、皮は薄皮、やや黄色みがかっている。触れただけでそのデリケートな柔らかさが伝わってきた。二つに割ると、白インゲン豆の甘い風味が立ち上がってきた。こしあんではなく、つぶしあんというのは白あんの世界では珍しい。まさにきんとん、である。それがかなり多めに入っていた。
              きんとんまんじゅう③ 
              珍しいまんじゅう
              きんとんまんじゅう④ 
              薄皮の柔らかさ
              きんとんまんじゅう⑤ 
              たまらん裏側

口中に入れた途端、穏やかで柔らかな甘みが広がった。白インゲン豆のきれいな風味が薫風となって鼻腔へと抜けていく。塩が使われていない。皮の存在はほとんどない。白インゲン豆を引き立てるためにだけあるようないぶし銀の薄皮。昔の人のグルメ度を想う。素朴な、柔らかな美味という他はない。
              きんとんまんじゅう⑦ 
              白インゲンのつぶしあん
              きんとんまんじゅう⑧ 
              絶妙なつくり
              きんとんまんじゅう⑨ 
              大正の美味

朝日屋本店は明治30年(1897年)創業の老舗で、栃木県内にいくつか店舗展開もしている。
「サボテンの花のお祝いにきんとんまんじゅうとは、村長らしいわ。私だったらチーズケーキにコーヒーかな」

「このところ心配なことが多すぎる。友人知人にもいろんな災難が降りかかっている。このサボテンの花のニュースを届けたいよ」
「大丈夫、きっとよくなるわよ。サボテンの花言葉には燃える心とか偉大とか枯れない愛とかいろいろあるのよ」
「へえー、詳しいね。物事はいい方に考える。きっと大丈夫だな」

「でも枯れない愛っていうのはどうかな」
「もう枯れちゃってるのに、なあ」
「頭の毛だって、ね」
「・・・・・・」

本日の大金言。

人生はいろいろだが、幸せを願う気持ちはそう変わらない。サボテンの花を眺めながら、72億もの願いと72億人の現実を考える。そのギャップもまた。




                        サボテン2 




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鬼平の「和風冷やし麺」

 ゴッドマザーのお見舞いが長引いたため、東北道で帰ることにした。すでに陽は落ちている。途中の羽生パーキング「鬼平江戸処」で夕飯を取ることにした。久しぶりの寄り道。池波正太郎「鬼平犯科帳」の世界を再現した江戸の街並み。池波正太郎が生きていたら、多分、「勝手なことしやがって・・・おいらには関係ねえよ」と言うのではないか。
              羽生PA 
         タイムスリップ・・・鬼平の世界(羽生PA)

とはいえ、値段がやや高めなことを除けば、エンターテインメントに徹した楽しいパーキングではある。「五鉄」「本所さなだや」「うなぎ忠八」「万七」など鬼平の世界が並ぶ。その中の一軒「弁多津(べんたつ)」が今回のターゲット。鬼平犯科帳の中ではのっぺい汁が旨い小料理屋として登場するが、ここはなぜか中華屋である。
             羽生PA①  
             弁多津

池波正太郎がよく通った洋食屋「日本橋たいめいけん」監修の店で、村長はその日本橋たいめいけんの中華そばを食べ、感動したことがある。特に紅で縁どりされたチャーシューに見入ったことを覚えている。味もひと味違った。

村長は券売機で「和風冷やし麺」(税込み770円)を選んだ。やはりチャーシューの縁が紅で縁どりされていたからでもある。村民2号は「中華そば」(同670円)をしっかり選んでいる。

パーキングの食堂やレストランはそれなりが多く、「当たり」に当たることは少ない。10分ほどでブザーが鳴り、「和風冷やし麺」が出来上がったことを知らせてくれる。ひと目見ただけで、思ったより手抜きがないことがわかった。中華そばも見た目は悪くない。日本橋たいめいけんとよく似てはいるが、微妙に違う。
              羽生PA③ 
          意外?見事な和風冷やし麺
              羽生PA② 
              中華そば

「和風冷やし麺」は白髪ねぎが山になっていて、糸唐辛子もパラパラとかかっていた。チャーシューは大きめで、紅の色がやや薄いものの、食感は日本橋たいめいけんに近い。まずまずのレベル。シナチクが太くて柔らかい。いい出来。ゆで卵は完熟で、今どき流行の半熟でないことに好感。
              羽生PA⑨ 
              後ろからの眺め
              羽生PA10 
              コシのある細麺
              羽生PA⑥ 
              紅縁どりチャーシュー
               羽生PA⑧ 
              ゆで卵

麺はストレート細麺で、コシが強めなことがとてもいい。日本橋たいめいけんとほとんど同じ。タレは甘めの醤油ダレで、脂が少し浮いている。酢がきつくないのがいい。もう少し甘さを抑えた方が好みだが、まずまずの出来だと思う。

タレの端っこに不思議なものが乗っていた。これは何だろう?味見してみる。白ゴマと鰹節を甘めのコチジャンで固めて揚げたようなもの。これが意外に効いていて、味に変化を付けていた。マスタードが置いていないことなどいくつか不満はあるが、全体として、予想を超える旨さ。白髪ねぎの鮮度もいい。
              羽生Pa11 
              謎の調味料

「中華そばも悪くないわよ。もっとも私は太麺の方が好きだから、この細麺は村長が言うほどではないな」
「東京ラーメンは細麺が定番なの。今度は日本橋たいめいけんに連れてってやるしかないな」

「それじゃあ、池波正太郎のように2階で食べたいわ。ビーフシチューとかカニクリームコロッケとか」
「1階の安めの中華そば。それが通なんだよ、ムフフ」
「説得力がないわよ。お金がないってはっきり言えばいいのに。見栄張っちゃって」
「久栄はいずこぞ・・・」

本日の大金言。

池波正太郎のグルメ話は面白い。藤沢周平もそうだが、時代小説作家の作品の中に登場する料理の見事な描写は、その作家の食歴が反映している。そういえば司馬遼太郎の食事シーンは印象に残らない。その対比も面白い。





                          羽生PA12

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古代蓮後の「茶馬古道カレー」

 テレビのニュースで古代蓮の開花を見た村民2号が「行かなくちゃ」と言い出した。野良仕事中の村長は仕方なく、作業を中断して、顔を洗い、長靴をスニーカーに履き替え、埼玉・行田にある古代蓮の里へポンコツ車を走らせることにした。よく考えてみれば、このところ毎年行っている気がする。花より団子の村長にはいい迷惑だが、そんな顔はおくびにも出さない。

例年よりも開花が早いようで、すでに約12万株の蓮の花が咲き誇り、広い敷地内は観光客でにぎわっていた。ピンク色の古代蓮は、どこか単調で毒々しく、言われなければ、この世を浄化する花だとは思えない。1400~3000年前の古代蓮だそうで、もともとは工事中に発見されたもの。この上にお釈迦様や観音様が乗っていたとは思えない。想像力の貧困か?
               古代蓮① 
           世の中を浄化する?(行田・古代蓮の里)

ランチタイムになって、行田市内へと移動する。村民2号が「あそこにしましょ」と「カフェ茶馬古道(ちゃばこどう)」へと向かった。古い料理屋をそのまま改装したカフェで、入り口に立つと、ちょうど1年前にもここに入ったことを思い出した。その時はナポリタンを食べたが、ここはカレーライスが自慢の店だった。店主が確か彫刻家で、店内はアートに溢れていたことも思い出した。コーヒーも美味かった。本日はどうやら村民2号にしてやられたようだ。
              茶馬古道① 
              おおっ、茶馬古道やん
              茶馬古道② 
              ホンマや

メニューの中から「茶馬古道カレーセット」(サラダ、コーヒー付 850円)を頼むことにした。BGMはジャズ。去年は奥さんしかいなかったが、ことしはたまたまなのか店主(ご主人)もいた。10分ほどで、サラダが届き、その後、有田焼の大皿に乗ったカレーライスがやってきた。来た瞬間、複雑なスパイスが立ち上る。うむ。
              茶馬古道④ 
              今年はこれやで
              茶馬古道1 
              彫刻家の店や
              茶馬古道⑤ 
              ほな、いただきまひょか

サラダはフツーだが、カレーライスは自慢だというだけあって、ゆったりとしながら隙がない。ルーはタマネギなどがすっかり溶け込んでいて、キチンが5~6切れほど茶褐色の海に浮かんでいた。ライスは艶々していて、炊き立て感にあふれていた。福神漬けがいい具合に添えられている。
              茶馬古道⑥ 
              20種のスパイスやて?

まずはスプーンでルーをひとすくい。香辛料が幾重にも重なって、口中を支配するのがわかった。小麦粉は使っていないようで、サラっとした食感と、薬膳のような複雑な匂いが「本物感」をかもし出す。独特の酸味が意外にある。キチンは柔らかい。ライスは固めで、それがカレーと合う。辛さが後から追いかけてくる。ボリュームは多くもなく少なくもない。あっという間に食べ終える。
              茶馬古道⑦  
              チキンやで
              茶馬古道⑨ 
              スパイシーだわ
              茶馬古道5 
              ゆったりやでぇ

「去年のナポリタンも旨かったけど、カレーもいいわね。本場インドのカレーって感じ。コーヒーも相変わらず美味いわ」
「村長は日本のおっかさんカレーの方が好みだけど、このカレーは悪くない」

「彫刻家の店主に聞いたら、20種類のスパイスをわざわざ実のまま買ってきて、ミルで砕いてるんだって。こだわりが凄いわ」
「酸味と甘みはヨーグルトかと思ったら、マンゴーのジャム、チャツネを使ってるらしいよ。店名に茶馬古道と付けているくらいだから、雲南とかインドが好きなんだろうな。凝りすぎだよ」

「アートがわからない村長には無縁の世界よ。茶馬古道ではなく茶々古老だものね」
「あはは、カレー臭だって負けないぞ。ホレホレ」
「バッカみたい・・・」

本日の大金言。

雲南省の茶馬とチベットの馬を交換したところから茶馬古道と呼ばれるようになったとか。1900年代初頭ころが一番盛んだったそうで、もう一つのシルクロードとも言われている。表通りより裏通り。






                        茶馬古道11 

驚異の「岩山バーガー」にかぶりつく

 ハンバーガーは時々食いたくなる。マクドナルドやモス、ロッテリアはお金のないときに行ったりするが、満足度はそれなり。本格的なバーガーは1000円は覚悟しなければならない。中間はないか?いつものように埼玉・大宮駅構内を散策していると、規格外のハンバーガーに出くわした。
              ベッカーズ① 
              ん? これは何だ?
              ベッカーズ 
              飛び込め

それが「ベッカーズ」の「ザ・ロックマウンテンチーズバーガー」だった。直訳すると「岩山のチーズバーガー」。そのビジュアルにぐいと体ごと持って行かれた。巨大なバンズからはみ出るように巨大な粗挽きパテと角切りベーコン、それにサニーレタスなど「これでもか」とテンコ盛り状態。どろりとチーズが溶岩のように流れかかっている。うむ、と唸らされるビジュアル。しかも「夏限定」と表記されていた。

これは入るっきゃない。「ベッカーズ」は首都圏を中心に17店舗。ハンバーガーの専門カフェだが、調べてみると、親会社はJR東日本フードビジネス。バンズ(丸パン)もパテ(牛挽き肉)も店で焼くというのが売りで、「BECK’Sコーヒーショップ」をより専門的にパワーアップしたイメージ。
              ベッカーズ② 
              天国か?

以前、中身のあまりの薄さに失望させられたおむすび専門店も同じ親会社なので、また失望するかもしれない。そう思いながら、「岩山チーズバーガー」を注文し、ホットコーヒー(240円)も頼んだ。愛らしい女性スタッフ(多分バイト)が「8分ほどお時間を頂きますが、よろしいでしょうか?」。よろしい、よろしい、体ごとよろしい。何故かあみんの「待つわ」が頭の中で流れている。

約10分ほどで、「ザ・ロックマウンテンチーズバーガー」(690円=税込み)がやってきた。そのボリュームと迫力が写真とほとんど同じだった。第一関門突破。バンズはひと回りデカいし、そこからはみ出るような、巨大な粗挽きパテ、角切りベーコン、溶岩のようなチーズ、サニーレタス、ソース・・・690円という価格がむしろリーズナブルに感じる。焼きたてのいい匂いが、やや反則気味に立ち上がってくる。
              ベッカーズ③ 
              むむ・・・ド迫力

ギュッと潰してから、ガブリと行く。ブラックペッパーが点々とするパテは厚さが優に1センチほど、多分アメリカ産ビーフ、それに角切りベーコンはゴロッとしたのが4個ほど、ジャガイモ、玉ネギ、サニーレタスなどがどろりとしたチーズとバーベキューソースと混然一体となって、口中に広がった。ホワイトスースも混じっている。濃厚で複雑な旨味。スパイシー。体にいいのかどうか、そんなことを考えさせないほどの圧倒的な高カロリー感。
              ベッカーズ⑥ 
              ロックやでえ
              ベッカーズ⑤ 
              バンズのデカさ
              ベッカーズ⑦ 
              ドヤ顔?

バンズも酒種で発酵させているようで、思ったよりも柔らかいし、ベースのパテもビーフ感がほどよくあり、全体的に素材は80点が着ぶくれして勢ぞろいしている感じ。角切りベーコンも効いている。人生に疲れたときに食べると一瞬だけ元気が出そうな味で、チーズがアメリカのコルビージャックチーズ(2色のチーズ)というのも、ポリシーが一貫している。これは本場アメリカのハンバーガーに近い。TPPの先取りバーガーではないか? 
              ベッカーズ10 
              アメリカ顔?
              ベッカーズ3  
              パテもデカい

直接は関係ないが、なでしこジャパンの決勝戦の相手はまたもアメリカ。なでしこジャパンはこんなロックバーガー娘たちを相手にするのか。そう思うと、パワー勝負ではとてもかなわない。組織プレーと粘りで頑張るしかない。村長は目の前の岩山バーガーをきれいに平らげてから、なでしこが延長戦の末、最後に笑うシーンを思い描くのだった・・・あらら、こんな結末でいいのかしら。

本日の大金言。

ハンバーガーはジャンクフードと紙一重かもしれない。体によくないけど、どうにも止まらない。行き先は体に聞いてくれ、食生活においてはそんなアメリカの日がたまにある。アベの日と置き換えてもいい。




                          ベッカーズ11 





プラットホームのカツカレー

 東武スカイツリーラインと言えば、名前こそモダンになったが、ついこの前までは東武日光線と伊勢崎線というイメージの方が強い。春日部駅はその主要駅でもある。クレヨンしんちゃんが乗り降りしていた駅でもある。その1番線プラットホームに「カフェ と~ぶ春日部店」がある。ここが実に渋い。
              東武カフェ 
              サラリーマンのオアシス?

「カフェと~ぶ」という店名も、どこかのどかで、ローカルの匂いがする。今どき、かような店名を続けているカフェは他にないのではないか。春日部店というのも、今ではここ一軒になってしまったので、さほどの意味があるとも思えない。オープンしたのは18年ほど前。すでに平成になっていたのに、昭和の匂いが沁みついている。
              カフェとーぶ  
           カレーライスがおいでおいで

カレーライスが売りで、サンドウィッチやおにぎりも売っている。村長はこの前を通るたびに遠い親戚のおじさんに出会ったように心が安らぐ。本日のランチはここの「ロースカツカレー」(550円)を取り上げようと思う。ガラス張りになっているので、中から目の前の電車の出入りが見える。入るとすぐ左手が厨房になっていて、そこで2人の中年男性が黙々と調理に取り組んでいた。
              東武カフェ① 
              この安さがいい
              東武カフェ② 
              人生がある

カレーは目玉だけあって、ルーからすべて手づくり。ポークカレー(420円)やハンバーグカレー(540円)など10種類ほどのラインナップ。そのいい匂いが入った瞬間、村長の鼻腔をくすぐった。ええのう。窓沿いと壁沿いがカウンターになっていて、中央には長い立食い席が伸びている。中年サラリーマンが一人カレーライスを食べている。その背中が疲れている。人生のカレーライスというのもある。

7~8分で「カツカレーのお客さま」と呼ばれ、受け渡し口へ。中央の立ち食い席で食べることにした。目の前の「ロースカツカレー」を見る。白い磁器製の大皿にたっぷりと盛られたカレーとライス。その上のロースカツはほどよい大きさで、5つにカットされていた。立ち上がるいい匂い。福神漬けの置き方も悪くない。なつかしい、本格的なカレーライス。
              東武カフェ④ 
              本格的ロースカツカレー
              東武カフェ⑤ 
              上空より

カレーライスは「じっくりと煮込んでいます」(スタッフ)と胸を張るだけあって、タマネギが溶け込み、細かく刻まれた人参もほとんど形がない。豚肉さえポツリポツリとしか見えない。ルーはフライパンで炒めたカレー粉と小麦粉の手作りの風味がベースにある。激辛も選べるが、中辛を選んだので、辛さはあまりない。まろやかな素朴。
              東武カフェ⑦ 
              煮込まれたルー
              東武カフェ⑨ 
              素朴なヒレカツ

ロースカツはコロモが厚めで、肉自体は3~5ミリくらいの厚さ。柔らかい。福神漬けはそれほど甘くなく、ライスは普通のレベル。全体的にメチャウマではないが、ローカルの懐かしい味わい。それが意外におつなものだと実感する。ひと昔前のローカル価格というのも好感。
             東武カフェ10 
             コロモは厚め
             東武カフェ11 
             中濃ソースをたらり

備え付けのロースカツに中濃ソースをかけてみる。これが味わいにいいアクセントをつけた。昔はカレーライスにソースをかける人が多かった。それをつい思い出す。1番線に電車が滑り込んできた。どっと乗客が降りてくる。旅をしている気分になった。

本日の大金言。

東京の中心から電車に乗ると、そう遠くないところにプラットホーム食堂があったりする。疲れたサラリーマンが行き交いするその場所こそ、人生のプラットホームなのである。



                          東武カフェ12
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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