隠れ名店の絶妙ちらし丼

 久しぶりにシバの女王の案内で、食い道楽5人がそろい踏み、北埼玉の寿司屋へポンコツ車を飛ばした。

正午少し前、空はどこまでも青い。ピーチクパーチク楽しい会話が続く。おけさ嬢、アッキー姫、ドラゴンアッシュ・・・それぞれに特技を持っている。

加須市騎西町にある騎西城を越えたあたりで、シバの女王が「そこそこ、その角のとこよ」。それが「鮨 ごん太」だった。
          ごんた鮨 
       店構えはイマイチだが・・・

「ここ意外に美味いのよ」

シバの女王がアニメ声で明るく言った。一軒家の寿司屋だが、建物は古く、見た目はイマイチ。これはハズレかもな」という予感が走った。
          ごんた鮨② 
        ハズレか、当たりか

入り口にメニューボードが置いてあり、「ちらし」(小鉢・みそ汁付き 950円=税込み)、「にぎり1.5人前」(同930円)の手書き文字が見えた。ちらしが20円高い。なぜだ?

中は古民家の造りで、酒好きにはたまらないメニュー札がずらりと下がっている。中央がテーブル席、右側が小上がり。小上がりに腰を下ろすと同時に、おけさ嬢が「ビール、頼も」。アッキー姫、シバの女王、むろん村長も「さんせー!」。
          ごんた鮨3  
          飲みたくなる?

あわや真昼の宴会となりかかったが、ドラゴンアッシュ君が冷静で、「ダメですよ、クルマの運転はどうすんの?」。で、エア生ビールとなった。全員、ノンアルコールビールで「カンパーイ!」、ぐすん。
          ごんた鮨1  
          ビールではありません

正面奥が板場で、そこにトレーナー姿の店主と女性スタッフ。店がどんどん混んできた。村長とおけさ嬢、アッキー姫は「ちらし」を頼み、シバの女王とドラゴンアッシュは「にぎり1.5人前」を頼んだ。
          ごんた鮨③ 
          1.5人前、登場
          ごんた鮨④ 
          こちらはちらし

これがシバの女王が言った通りの味わいだった。予想は覆されるためにある? 「ちらし」は見るからに鮮度のいい魚介類が約10種類ほど。マグロの大トロと赤身、甘エビ、鯛、ネギトロ、いくら、だし巻き卵、イカ、サーモン、板わさ、タクワン、ヒラメ・・・それにエンガワまで潜んでいた。軽い驚き。
          ごんた鮨⑤ 
          予想越え
          ごんた鮨⑥ 
      ワサビ醤油をかけていく

醤油にワサビを溶いて、ゆるゆるとかける。すべてが事前の予想より旨い。店主に聞いてみたら、マグロは本マグロで、イカは「赤イカです」。うむ。これだけの素材をふんだんに使っていて、しかも手抜きがほとんど見られない。店主はかなりの腕前、と見た。
          ごんた鮨⑦ 
          本マグロ
          ごんた鮨⑧ 
          鯛の旨さ
          ごんた鮨⑨ 
        ネギトロとエンガワ
          ごんた鮨12  
          大トロ
 
唯一、ケチをつけるとしたら、酢めし。ほんの少しゆるいように思える。アッキー姫が「いい店だけど、店主のトレーナー姿ってどうかなあ」と鋭いひと言。村長もそこは同感。とはいえ、全員、内容には大満足。コスパのよさも光る。

「今度は夜来ましょ。飲んで、食べて、しゃべって、空を飛ぶ」
「佐渡おけさ嬢の踊りも見たいなあ」
「やっぱし酒は冷やに限る。つまみはあん肝がいい」
 
ノンアルコールビールの余韻を残して、二軒目へとポンコツ車を走らせたのだった。空はまだ高いというのに。

本日の大金言。

意外な場所にいい寿司屋が隠れている。多分、知らないだけ。外見で人を判断してはいけないように、店も外側から中身を見ると間違うこともある。




                 ごんた鮨14 








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フグ料理屋の「本まぐろ丼」

 忙しい一日だった。東京・兜町ペンクラブで根詰め作業をしっかりしてから、夕方から軽く打ち上げ。その後は新橋の秘密クラブでメディア仲間のO氏快気祝い。このところ体力と知力にやや不安がでてきたが、まだ大丈夫・・・と思うことにした。

胃袋はしっかり動いている。天動説でもなく、地動説でもなく、胃動説信者としては、食べることが何よりも優先される。今回取り上げるのは、その間を縫って賞味した「本まぐろ丼」である。
          翠幸 
          ちょっと高そう

早めのランチを取るために、茅場町から新大橋通りを八丁堀方面へ。この界隈は渋くて美味い店が多い。一本裏通りに入ったあたりに「ふぐ旬菜 翠幸(すいこう)」の看板が見えた。
          翠幸①  
          ランチは狙い目

ランチタイムは「すきやき」(税込み800円)が名物で、あっという間に満員になる。ふぐ料理屋なのに、すき焼きとはこれいかに。店は27年ほどの歴史だが、店主は和食料理人として半世紀近いキャリアがある。

夜は安くはないが、ランチは狙い目。敷居が高そうな入り口だが、地下への階段を下りていくと、生成りの暖簾が下がり、その先にいい世界がある。
          翠幸3 
          おおおの世界

L字のカウンター席とテーブル席が三つほど、それに小上がりもある。いい小料理屋の雰囲気が隅々からにじみ出ている。白木のカウンター席に案内されて、「本まぐろ丼」(税込み900円)を頼むことにした。「すきやき」も考えたが、本まぐろの誘惑には勝てなかった。

きりっとしたご高齢の店主が一人で切り盛りしていた。女将さんか、女性が二人。運び役と客対応という役割。正午前なのに客がどんどん入ってくる。一人前ずつ丁寧にすき焼きを焼くいい匂いが店主の手さばきの合間から漂ってくる。
          翠幸② 
          期待が高まる

10分ほどで、「本まぐろ丼」が置かれた。漆器のいい器。ワカメと豆腐と油揚げの味噌汁付き。

蓋を取ると、そぎ造りの見事な本マグロがドンブリを覆っていた。ポエム。その上に白ゴマと刻み海苔がかかっている。
          翠幸③ 
          蓋を取ると・・・
          翠幸⑤ 
          圧巻の世界か

本マグロは赤身だが、明るい色で、むしろメジまぐろ(本マグロの幼魚)に近い印象。ご飯に乗せる前に醤油ダレにくぐらせているようで、その醤油ダレがほどよくかけられている。

まん中にイクラが多めに乗っかっていて、構成としてはかなりぜい沢なまぐろ丼。コスパ的にも上クラス。
          翠幸⑥ 
          イクラもあるでよ
          翠幸⑦ 
          柔らかな鮮度

本まぐろは柔らかい歯ごたえがいい。醤油ダレがきつめで、江戸前の直球勝負のよう。関西のような出汁の旨みではなく、素材勝負のまぐろ丼と言える。ご飯も柔らかめに炊かれていて、酢飯ではない。
          翠幸⑧ 
          このボリューム
          翠幸⑨ 
          あーん

ワサビが欲しいところだが、余分なものを置かないのが店主のポリシーかもしれない。本まぐろのボリュームと旨さがその他の物足りなさを十分に補っている。

ワサビがあれば文句なしだがなあ。
          翠幸11 
          脇役の存在

イクラが味わいにいいアクセントを付けている。キュウリ漬けの旨さもいい箸休めになっている。

江戸前のいい料理人、をそれなりに堪能した。このあたりがかつて江戸の中心地だったことを考えると、ここに関西の匂いがしないことも納得。器のこだわりもどこか粋で、夜にまた来たくなった。

本日の大金言。

いい店には余分なものがない。いい素材を使うのは当たり前で、それをこれ見よがしに書いたりはしない。江戸前の粋の世界。そういう店を探す楽しみ。むろん、ハズレもある。




                  翠幸13 

「牛肉どまん中」を超える?駅弁

 東京駅の「駅弁屋 祭」で駅弁を買うつもりが、予定が狂ってしまい、埼玉・大宮駅構内にある「駅弁屋」へ駆け込んだ。
          駅弁屋① 
          人気駅弁がズラリ

目的は「村上牛しぐれ」(税込み1200円)。駅弁好きの間でも「あの山形・米沢の『牛肉どまん中』に引けを取らない旨さ」と囁かれている隠れ駅弁である。新潟の黒毛和牛・村上牛をしぐれ煮して、新潟産コシヒカリの上に乗っけたもの。それを想像しただけで、よだれが3滴ほど出てくる。
          駅弁屋④ 
        あった、村上牛しぐれ

不動の人気駅弁「牛肉どまん中」が実は米沢牛を使っていないことを考えると、村上牛を使用していることはそれなりに評価できる。もっともブランド牛がすべてとは限らないが。

時刻が午後6時を過ぎていたが、「村上牛しぐれ」はわずかに残っていた。「牛肉どまん中」より50円安い。店員が「これはホント旨いですよ。おすすめです」と妙な太鼓判を押した。ホンマかいな。期待は裏切られるためにある。
          駅弁屋⑤ 
          テーブルの上の旅

ウマズイめんくい村に持ち帰ってから、清水酒造の純米原酒「花菱」を用意、駅弁晩さん会となった。テーブルの上の新潟の旅。
          駅弁屋⑥ 
          おおおの登場

基本的には「牛肉どまん中」と同じ牛丼系駅弁だが、村上牛のバラ肉を醤油と砂糖、日本酒、みりんで煮込み、生姜(しょうが)も加えている。白ゴマがほどよくかかり、脂身と赤身のバランスがいい。十分なボリューム。脇役は玉子焼き、ゴボウ煮、塩ワカメ、紅ショウガ。ビジュアル的にも上々。
          駅弁屋⑦ 
          牛肉のボリューム

まずはひと口。ほどよい甘辛のしぐれ煮の旨みが口中に広がった。脂身の甘みと赤身の柔らかさ。生姜が効いていて、それが新潟産コシヒカリとよく合っている。

冷たいのに旨い。駅弁は添加物が多いが、それを感じさせない。玉子焼き、ゴボウ煮、塩ワカメのレベルも高い。
          駅弁屋10 
          この旨さは何だ?
          駅弁屋11 
               脂身と赤身
          駅弁屋13 
          新潟産コシヒカリと
          駅弁屋⑨ 
          甘めの玉子焼き

「これはイケるわ。単に『牛肉どまん中』の二番煎じかと思っていたけど、全然負けていない。牛肉系の駅弁は数が多くて、それなりに旨いものが多いけど、これはホントに旨いわ。また買ってきてね」

「駅弁屋の店員の話はウソじゃなかった。今度は牛タン弁当を買ってこようかな」

「明日でもいいわよ。旅行しないで、駅弁で日本一周というのも案外安上がりでいいかもね。ポンコツ車ももう飽きてきたし、ちょうどいい頃合いかな」

「ギョッ、ひょっとしてポンコツ車ってオレのこと?」

「誰だと思ってたの? ガソリン代もバカにならないしね」

「・・・・・・」


本日の大金言。

期待は裏切られるためにある。幸せは不幸せの裏に潜んでいる。その逆もある。駅弁の旅情は一刻だけだが、そうした現実を洗い流してくれる。困ったら駅弁に訊け。






                  駅弁屋5 

究極か、荻窪の酒まんじゅう

 大事な情報を忘れるところだった。

東京・荻窪に立ち寄った目的の一つが、「高橋の酒まんじゅう」である。これには曰くがある。去年夏、ある会合で食べそびれてしまった。元TV局アナの才女が持ってきてくれたもの。うかつにも椅子取りゲームで負けてしまった。

椅子取りゲームのチャンピオン、天空にお住いのグルメ先生が「美味かったァ。あんなまんじゅうはめったに食えまへんで。ぐひひ」とおっしゃった(まさか)。その甘い恨みが後頭部に残ったまま。このままでは死んでも死にきれない(まさかのまさか)。
          高橋の酒まんじゅう② 
          かような佇まい

で、ラーメンを堪能した後、荻窪駅北口八幡通りにある「高橋の酒まんじゅう」(これが店名)へ。一日に作る量が限られていて、午前中で売り切れてしまうという情報を聞いていたので、朝出がけに電話して予約をしておいた。これが功を奏した。
          高橋の酒まんじゅう⑤ 
          わお、早すぎる

午後2時ぴったりに到着すると、何と店は閉まっていた。紺地の暖簾がなければ、ここが和菓子屋とは思えない。「本日は終了致しました」の木札。こんなのアリ? で、恐るおそるドアを開けると、イケメンの店主(二代目)が出てきた。作業中のようで、酵母のいい匂いが白衣から立ち上ってくるよう。メニューは酒まんじゅうのみ。
          高橋の酒まんじゅう⑥ 
        シンプルすぎる?店内

予約していたことを告げると、さり気なく「はい」と言って、5個分を手渡してくれた。1個108円(税込み)。5個で540円ナリ。この庶民価格を維持していることに酒まんじゅうひと筋の矜持を感じる。
          高橋の酒まんじゅう① 
          これこれ

ウマズイめんくい村に持ち帰って、お茶を入れ、賞味となった。村総出(?)の品評会。

これが驚きの味わいだった。オーバーではなく、これまで村長が食べた酒まんじゅうの中でもベスト3に入る逸品だと思う。
          高橋の酒まんじゅう1 
          貴重な5個
          高橋の酒まんじゅう③ 
          外見と中身

平べったい形で、中のこしあんが薄っすらと透けて見える。何よりも皮が素晴らしい。噛んだ瞬間、そのもっちり感と凝縮したねっとり感に「うむ」となり、続いて押し寄せてくる酒種の香りに「うむむ」となる。こしあんはピュアで品のいい甘さ。風味もしっかりある。
          高橋の酒まんじゅう④ 
          逸品の予感
          高橋の酒まんじゅう⑤ 
          もっちりねっとり
          高橋の酒まんじゅう⑥ 
          平べったさの奥

「こしあんとのバランスがいいわ。十万石の饅頭と似ているけど、こっちの方が手作り感がある。職人の手の匂いがするわ」

「正直、一見貧弱に見えるけど、予想以上の味わいとしか言いようがない。店主としゃべったら、昔ながらの製法で、手間ひまをかけて米麹を使って皮を作り、あんこを作り、それを一つ一つ手包みして、蒸しているそうだよ。今の場所では19年になるらしいけど、おじいちゃんの代には姫路で酒まんじゅうを作っていたそうだよ。荻窪では二代目って言ってたけど、年季が入ってるんだ」
          高橋の酒まんじゅう⑦ 
          あーん

気がついたら、5個きれいになくなっていた。口の中で溶けていく感覚と余韻・・・いい酒まんじゅうに出会ったことに感謝せねばなるまい。

本日の大金言。

饅頭(まんじゅう)の歴史は古い。鎌倉時代に中国から日本に入り、それが日本独自の発展を遂げた。虎屋、塩瀬などが超老舗だが、酒種を使った饅頭は博多経由で虎屋に引き継がれている。虎屋は今では羊羹が有名だが、ルーツは饅頭屋である。




                   高橋の酒まんじゅう8 






激戦区荻窪の白湯ラーメン

 久しぶりに東京・荻窪へ。懐かしい場所。「春木屋」で中華そばを食べようと思ったが、突如浮気の虫がむっくと起き上がった。

裏通りの教会通りに探索の足を延ばすと、どこか懐かしい、いい雰囲気のラーメン屋が視界に入った。
          鳴神 
          当たりか、それとも

赤と白のモダンな枠と古びた木の佇まいが不思議にマッチしていた。「麺処 鳴神(なるかみ)」。当たりか、ハズレか?
          鳴神7 
          いい店構え

荻窪は都内有数のラーメン激戦区で、村長が三鷹に住んでいたころは、春木屋や丸福、丸信などがその代表格として、行列を作っていた。煮干しなどの魚介スープがベースで、特に春木屋が村長の中ではナンバーワンだった。

「麺処 鳴神」は鶏ガラしょうゆスープが売りのようで、「白湯スープ」と「上湯スープ」の2種類しか作っていない。調べてみたら、店は2010年末にオープン。どうやら古い居酒屋(?)を居ぬきで使っているようだ。
          鳴神④ 
          メニューは少ない

年季の入った木のカウンター席とテーブル席が三つほど。好みの世界。カウンター席に腰を下ろして、「白湯しょうゆらーめん」(税込み680円)を頼むことにした。メニューが汚いのは愛きょうか。

対面が厨房になっていて、店主らしき男性ともう一人が無駄のない動きで調理にかかっていた。常連客が多いようだ。8~10分ほどで、「白湯しょうゆらーめん」がいい匂いと湯気を盛大に放ちながらやって来た。
          鳴神③ 
          うむ、これは・・・
          鳴神⑥ 
          奥へどうぞ

茶色いどんよりしたスープ、目の前で揚げた皮つき鶏肉、ほうれん草、メンマ、それに白髪ねぎが雲のようにかかっていた。
          鳴神⑦ 
          こだわりのスープ

丸い木のレンゲで、まずはスープをひと口。旨い。濃厚な味わいというよりも、まろやかな鶏の旨味が凝縮した味わい。スープ勝負の店だとわかる。

白湯スープは手間ひまがかかるため、業者からこっそり仕入れる店が増えているが、ここはそうではない。化学調味料の匂いもしない。鶏ガラしか使わず、それを強火で長時間煮込んでいるようだ。好感。
          鳴神2 
          ストレート細麺
          DSCN6240.jpg 
          鶏チャーシュー

麺はストレート細麺で、コシとのど越しがしっかりしている。店主に「これも自家製?」と聞いてみた。すると、「麺だけは製麺所から仕入れています。スープに命かけてますから」というお返事。

揚げた鶏肉は外側がカリッとしていて、中が柔らかい。大きめの一枚を6つほどに切っていて、これが実に旨い。
          鳴神⑨ 
          鶏肉の旨み
          鳴神10  
          メンマとほうれん草

自家製メンマ、ほうれん草も手抜きがない。いわゆる春木屋系荻窪ラーメンとは一線を画すが、こういう店が誕生していることは荻窪ラーメンが新たな段階に入っている証明でもあると思う。

スープを一滴残さずに飲み終えると、もう一軒、寄りたくなった。

本日の大金言。

荻窪にはいいラーメン屋が多いが、ラーメンだけではない。洋食屋、カレー屋、おにぎり屋、居酒屋、和菓子やなど美食のメッカでもある。朝までいても飽きない。



                  鳴神11 



豚肉ジャガイモのホットサンド

 マーティン・スコセッシ監督の「沈黙」(遠藤周作原作)を観た後、重い濡れたコートを着せられたような余韻に襲われた。右往左往するキチジローの姿が日本に重なる。だが、期待していたほどの感動が来ない。

マーティン・スコセッシほどの監督が、何故日本を舞台にこれほど退屈(単調?)な映画を作ったのか、まだ理解できない。イッセー尾形の好演は光ったが。

「とにかく腹が減った。テーマが重すぎる。沈黙してる場合じゃない」
「シャレにならないわよ。頭を切り替えて、近くにいいカフェがあるからそこ行きましょ」
          桜カフェ 
          もうすぐ桜

埼玉・羽生イオン裏手にある「桜カフェ」で遅いランチを取ることにした。山荘風の一軒家カフェで、村民2号お気に入りの店。本日取り上げるのはここで食べた「ホットサンド(豚肉とジャガイモ)」(税込み600円)。プラス500円払って、フルセット(スープ、サラダ、デザート、コーヒー付き)にした。
          桜カフェ③ 
          アットホーム
          桜カフェ② 
          メニューの一部
          桜カフェ① 
          セットにする

薪ストーブがあり、その柔らかな木の温もりが店のポリシーをそのまま反映している。調理に時間をかけているようで、待ち時間は長く20分ほど。だが、女性店主や常連客と雑談していると、時間がゆっくりと進み、長く待っている感じがしない。
          桜カフェ⑤ 
          主役の登場
          桜カフェ⑥ 
       焼き色とボリューム
          桜カフェ5 
          食べられる幸福

白い大皿のプレートにいい焼き色のホットサンドが二つ、それに小松菜のスープ、地場野菜のサラダ、自家製ヨーグルトが付いてきた。アットホームな手づくり感が細かいところまで生きている。店はオープンして3年半ほどになるそう。

「沈黙」の世界からは遠く離れた理想郷かもしれない。

具はジャガイモ、玉ネギ、それにチャーシュー。ジャガイモは量もあり、薄味で美味。バジルの風味と玉ネギもいい調整役。チャーシューは悪くはないが、ここは豚肉をそのまま使った方が村長の好み。
          桜カフェ⑦ 
          ジャガイモと焼き豚
          桜カフェ⑧  
          手づくり感

「パンも美味いわ。ジャガイモが気に入ったわ。素材がいいのね。結構なボリュームだから、これだけでお腹いっぱいになるわ」

「デザートのスイートポテトとジャム入りヨーグルトがいいね。すべて女性店主の手づくりというのも好感。コーヒーはまあ普通かな」
          桜カフェ⑨ 
     自家製ヨーグルトとジャム
          桜カフェ11 
       スイートポテトも自家製

「『沈黙』で重くなった心と体が癒されるわ」

「でも、ある日突然ここが長崎の外海になるかもしれないぞ」

「確かに。村長がキチジローに見えてきたわ(笑)。長崎奉行も近くにいるかもね」

「もうやめよう。消化に悪い。映画も日本もメディアも消化不良、視界不良・・・」

「でも支払いは明瞭、よろしくね」

「・・・・・・」

本日の大金言。

『沈黙』の後に『相棒Ⅳ』も観た。こちらは予想より面白かった。純文学とエンターテインメントの違いはあるが、伏線の引き方、メッセージ性など日本映画の底力は確実に上がっていると思う。ピコ太郎の世界的なヒットは偶然ではない?



                   桜カフェ12 




居酒屋の街の「ぼっかけ丼」

 本日テーブルに乗せるのは「ぼっかけ丼」であります。

関西の人にはなじみのドンブリだが、関東の人間には「牛すじ丼」と言った方がわかりやすい。

トロトロに煮込んだ牛すじ肉にコンニャクを加えて、甘辛く煮込んだもの。それを熱々のご飯の上にかける。「ぶっかけ」が関西流に「ぼっかけ」になった。牛丼よりもレアなドンブリメシ。元々は神戸下町発祥のドンブリで、明治の古き時代から食べられていたようだ。
          赤羽① 
          赤羽の行列店
          赤羽② 
          こちらも行列

東京で会合の後に、急にこれを食べたくなり、赤羽に途中下車した。東口をブラ歩き。人気の「まるます家」や「健ちゃんおでん」は相変わらずの大行列。「名物串カツ 田中屋」に入ることにした。チェーン店だが、串カツが旨い。むろん狙いはぼっかけ丼。
          田中 
          こちらは空いてた

串カツを少々と角ハイボール(390円=税別)を頼み、続いて「ぼっかけ丼」(640円=税別)を頼んだ。何やら大阪にいるような気分になった頃、「ぼっかけ丼」がやって来た。おネエちゃん(失礼バイトの女性)が元気で、からかっているだけでこちらも楽しくなる。大阪の下町文化はええのう
          田中① 
         赤羽で大阪名物

このぼっかけ丼、牛すじとコンニャクの上に温玉がお月様のように乗っていて、青ネギが多めにかかっていた。定番の世界で、いい匂いが混沌から立ち上がってくる。浪花の下町のお月様はポエム。
          田中③ 
      串カツでウォームアップ
          田中⑥ 
          ぼっかけ丼!
          田中⑦ 
       どや、ええでっしゃろ?

作法として、箸で温玉をかき崩し、さらにご飯をかき混ぜる。

村長はさらに唐辛子をパラパラかける。で、おもむろにかっ込む。
          田中⑨ 
          この瞬間がポエム
          田中11 
          唐辛子をパラリ
          田中12  
          あーんやで

見た目は濃いが、意外に薄味で、牛すじ肉の柔らかさとコリコリ感がB級の味わい。コンニャクが多いのは愛きょうだと思う。ご飯がおじや状態で、消化にはいいかもしれない。だが、ご飯自体が柔らかすぎで、それなりのレベル。これぞB級の凄味?

サービスの生キャベツをバリバリ食べる。ほどよい満足感。外にはお月様が出ているか? またも懐に寒風。安倍・トランプ会談の行方が気になる。もう一軒ハシゴしようか迷った。

本日の大金言。

食在広州・・・日本では食在関西。和食の文化とは関西の出汁文化で、旨味の文化でもある。あまり関係ないが、織田信長は京料理が苦手で、その薄味が嫌いだったようだ。ぼっかけ丼があったらよかった?




                 田中13 




餃子王国で肉丼と焼き餃子

 戦国武将・蒲生氏郷の足跡を追って、宇都宮へポンコツ車を飛ばした。謎が多すぎて、完成しないライフワーク。

太閤秀吉によって、嫡男の秀行が3年ほど左遷された地でもある。「日野町」が今も残っていることにある種の感慨が胸に迫る。歴史から消えた蒲生家の思いに想像の羽根を広げる。一体何があったんだい? むろん答えは返ってこない。
          宇都宮 
          なぜか日野町

宇都宮は餃子の街としても有名。浜松市と並ぶ餃子王国で、市内には餃子を食べさせてくれる店が約200軒あるとか。遅い餃子ランチを取るために街中をブラ歩き。へそ曲がりの習性として「みんみん」「正嗣(まさし)」「めんめん」など有名店は避けることにした。
          三平食堂 
          三平です

東武宇都宮駅近くで、「三平食堂」の暖簾が見えた。きれいだが、老舗食堂のいい匂いがした。ミックスフライやトンカツなどのメニューの間に、「味自慢 餃子」の文字が踊った。どうやら宇都宮餃子会(約80店が加盟)には入ってないよう。そこも気に入った。入るっきゃない。
          三平食堂① 
          餃子の文字が・・・

店は創業50年になるそうで、女将と店主が二人で切り盛りしているようだ。フライなど揚げ物を頼んでいる客が多く、それがいい揚げ色で、美味そうだった。
          三平食堂② 
          穴場か?
          三平食堂③ 
          メニューの一部

まずは「焼き餃子」(税込み単品350円)を頼む。さらに「肉丼」(同600円)も追加する。フライ類を頼まなかったのはへそ曲がりの虫の仕業。

クルマなのでビールは我慢。10分ほどで餃子がやって来た。小型だがグラマラス。それが6個。すべて手作りの餃子で、皮が厚め。そのモチモチ感が噛んだ瞬間、口中に伝わってきた。ラー油の辛さが悪くない。
          三平食堂④ 
          自慢の焼き餃子
          三平食堂⑤ 
          あんた、グラマー?
          三平食堂12 
          見たい?
          三平食堂⑥ 
          試してみる?

中の具は野菜中心で、白菜と青ネギのようだ。キャベツとニラも入っているかもしれないが、確認できず。肉の姿は見えない。ニンニクの風味が強めで、鼻へと抜けていく。極上の味わいではないが、余計な添加物の匂いがしない。しっかり作られた手作り餃子ではある。
          三平食堂⑦ 
          野菜グラマーでした

続いてやって来た「肉丼」はイメージと違った。豚肉よりもタマネギが多く、しかも酢豚風あんかけ。豚肉がどっかと乗っているイメージだったが、いささか肩すかし。炊き立てのご飯が美味しくて、味わい自体は悪くはないが、肉丼というからにはもう少し豚肉の量が欲しい。漬け物の酢大根はいいとして、味噌汁が付いていないのは寂しい。
          三平食堂⑧ 
          こちらは肉丼
          三平食堂⑨  
       この瞬間がたまらん
          三平食堂10 
          独特の肉丼

ミックスフライかカキフライにすればよかった、とちょっぴり後悔したが、店自体は昭和のよき食堂の延長線上にあり、全体としては好感が持てる。支払いを済ませてから、突如、宇都宮がジャズの街でもあることを思い出した。いいジャズ喫茶を探すことにしよう。空が目に染みる。

本日の大金言。

個人的なことだが、昨朝、翻訳家でライターの片岡みい子さんが亡くなった。素敵な女性だった。燕三条がご実家で、パン切りナイフをもらったことなども忘れられない。それは今もわが村で愛用している。亡くなる前に、「肺転移胸の枯野に風の鳴る」という悲痛な一句をメールで頂いた。ご冥福をお祈りしたい。





                 三平食堂13 



アキバの仰天「牛肉どんぶり」

 所用で東京・秋葉原へ。ランチをどこにしようか、寒風の中をあちらこちらブラ歩き。これが楽しい。

アキバに来ると、なぜか肉が食いたくなる。

UDXビルの裏通りで、牛肉テンコ盛りのドンブリが目に飛び込んできた。「肉めし 岡むら屋」の看板。「牛しゃぶすきめし」の文字とビジュアルについ息を飲んでしまった。これってジャンクドンブリ?
          岡むら屋 
          新アキバ名物?

調べてみたら、新橋に本店があり、牛めしで人気の店だった。ここはその2号店。圧倒的な牛肉の上に卵の黄身がちょこんと乗っている。並がスープ付きで790円(税込み)という安さについ心が動いた。懐には寒風がぴゅうぴゅう吹いている。ここに決めた。

多分マズイだろうな。という予感は半分ハズレ、半分当たった。
          岡むら屋② 
          屋台風の演出
          岡むら屋① 
          ホンマかいな

午後1時半を過ぎているのに客で一杯だった。サラリーマンからオタクまでがここの名物「牛めし」(並490円)などをガツガツ食べていた。女性客は少ない。

村長は「牛しゃぶすきめし」。季節限定だそうで、「いつまでやっているかわかりませんよ」(女性スタッフ)という代物。日本語がやや怪しいので、東南アジア系のバイトかもしれない。

アキバの肉の迷路はポエム。

厨房が奥にあり、その前にカウンター席もある。、メニュー札が上からかかっている。古い下町の居酒屋のイメージを演出しているようだ。映画のセットみたいなバーチャルな居酒屋風。これもアキバらしい。
          岡むら屋③ 
         この牛肉の量

10分ほどで、「牛しゃぶめし」がやって来た。実際に目の前にドンと置かれると、ドンブリからはみ出た牛しゃぶ肉のボリュームに一瞬ひるみそうになる。スープの他に生卵が付いていて、それを割って、牛肉の上にちょこんと乗せる。牛肉の玉乗り?
          岡むら屋⑦ 
          アキバの月見
          岡むら屋2 
          スープはやさしい

やさしい味わいの牛スープをひと口飲んでから、牛肉にかぶりついた。ライオンの気分(まさか)。

すき焼きのような甘みを期待していたが、まるで違った。醤油味が前面に出ていて、かすかに香辛料の匂い。牛肉はアメリカ産かオーストラリア産だろう。意外に柔らかい。バラ肉ではなく、多分もも肉か肩肉だと思う。脂分が少ないが、それも悪くはない。
          岡むら屋4  
          混沌の世界へ
          岡むら屋7 
          何というドンブリ
           
黄身を崩してから、七味唐辛子をパラパラ振って、箸でぐいぐいかっ込む。この手のドンブリはこういう食べ方が作法だと思う。

牛肉の下に豆腐がドテッと横たわっていた。いいアイデア。牛肉の濃い醤油味が幾分和らぎ、タレが流れ落ちた温かいご飯との相性に変化を付けている。
          岡むら屋⑧ 
          豆腐の出現
          岡むら屋5 
          アキバの断層
          岡むら屋8 
          ため息

もう少し砂糖と日本酒を加えて、すき焼きの甘みと深みを出してほしいが、これがアキバ流なのだ、と合点することにした。野菜は皆無だが、肉好きにはたまらない店かもしれない。

15分ほど格闘して、何とかきれいに完食。腹周りが2センチほど広がった気がした。外に出ると、秋葉原がジャングルに見えてきた。ターザンはどこにいる?

本日の大金言。

この店の名物は牛丼とも豚丼とも違う肉めし。明治時代の牛鍋を今風にアレンジしたようだが、肉丼界に小さな旋風を巻き起こすかもしれない。




                   岡むら屋9 




節分の日のきな粉菓子

 昨日は節分。1週間後はジパングの首相が鬼が島メリケン国に鬼退治に行くそうな。

すでに闘いは始まっている。赤鬼の「ファイアー!」攻撃を恐れていると、とろけるような笑顔に騙されて、持参した手土産の数倍のお返しをもらって帰ってきそう。まさかトヨタを人質に出すようなことはしないでしょうな。
          総願寺節分② 
          鬼とタイマツ

さて、その豆まき。成田山新勝寺に行くか、京都・吉田神社に行くか迷ったが、予算の関係で埼玉・加須市の不動尊総願寺(ふどうそんそうがんじ)へポンコツ車を飛ばすことにした。
          総願寺節分③ 
          僧侶と芸妓衆
          総願寺節分④ 
          豆まき開始

ここの節分も有名で、大相撲の横綱クラスが毎年来ている。だが、今年は稀勢の里はむろんのこと、日馬富士も鶴竜も来ない。地元の情報通によると、この地域の大ボスが亡くなり、同時に大相撲とのパイプもなくなってしまったそう。何ということだ。

で、本題。今回テーブルに乗せるのは、武蔵屋本店の「生 五家宝(ごかぼう)」である。ただの五家宝ではなく「生(なま)」というのは珍しい。
          武蔵屋本店① 
          老舗のきな粉菓子

武蔵屋本店は不動尊総願寺の門前にある老舗で、創業は文久2年(1862年)。五家宝は北埼玉の郷土菓子で、おこし種に水飴を加え、棒状に伸ばしてから、きな粉をまぶしたもの。熊谷と加須が特に有名だが、この店は元祖説もあるほどの歴史を誇る。

節分でにぎわうなか、歴史のある店構えに人だかりができていた。生五家宝の実演販売中だった。柴又帝釈天の飴切りを思い起こさせた。ポエム。
          武蔵屋本店② 
          実演中だった
          武蔵屋本店③ 
          生五家宝だって?

生五家宝は残り10パックほどしか残っていない。1パック税込み540円(5本入りと12本入り)。普通の五家宝は結構数がある。これは買わずばなるまい。

「今日は100パック作って、これしか残っていません。生を始めたのは5年前からです。生なので賞味期限が短いです」(6代目当主)

で、急いで12本入りを1パック買い求め、タイマツを持った鬼や浅草芸妓衆まで登場する儀式を見てから、ウマズイめんくい村に持ち帰り、賞味となった。村民2号がお茶を入れて待っていた。村には鬼はいない?
          武蔵屋本店④ 
          自然な職人技

加須産きな粉を使い、埼玉産もち米を水飴で固めた生五家宝は口に入れた途端、自然なきな粉の風味がとてもいい。おこし種のもっちり感が普通の五家宝よりも1.3倍ほどある。水飴の感触も絶妙だと思う。
          武蔵屋本店⑤ 
          きな粉の風味
          武蔵屋本店⑥ 
          切りたて
          武蔵屋本店⑦ 
          美味の歴史
          武蔵屋本店⑧ 
          柔らかな歯触り

「これは美味い。自然で素朴な風味がどこか遠い江戸の優雅を感じさせるわ。無添加をずっと続けているのも凄いわ」

「すべて手づくりで、加須産のきな粉を使っているのは武蔵屋本店だけらしいよ。着色したものは多いけど、ここは昔ながらの作り方をずっと続けている。店主がそう言ってたから、間違いない」

最近きな粉を使った和スイーツが増え、きな粉の素晴らしさが見直されているが、ここは文久年間からずっときな粉一本。京都・北野天満宮そばの「澤屋」や今宮神社のあぶり餅に通じる世界がかような場所にもあることに驚く。これもクールジャパン、だと思う。

本日の大金言。

「鬼は外、福は内」。誰もがそれを望んでいるのに、現実は逆にいつも足元に横たわっている。悲しいかな「福は外、鬼は内」が現実かもしれない。安倍・トランプ会談の行方が気になる。




                節分 

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小江戸のコッペパンカフェ

 猫好きにとってはかつぶし級の美術展を見に埼玉・川越市立美術館までポンコツ車を飛ばした。タイトルが「猫まみれ展」。うむ。
          猫まみれ展 
          猫にまみれたい

ビアズレーやレオナール・フジタ、横尾忠則などの猫に関する作品200点以上が展示されていた。掘り出し物は池田満寿夫の作品。犬好きとして知られ、「シッポのある天使」などの作品もあるが、猫は珍しい。1965年の版画で、1点だけだったが、エロスとウイットに富んでいた。お見せできないのが残念。
          川越1 
          ユーは何しに?

その足で市役所方面へと歩く。ランチタイムは過ぎていたが、昼飯をどこにしようか考える。小江戸・川越は外国人観光客も多く、浅草や京都のミニ版のような街並みが続く。今どきのそれなりの店が多く、村長のへそ曲がりセンサーにピコピコする店が見当たらない。

仕方なく戻ると、市役所の向かいに「コッペパン」の暖簾(のれん)が見えた。ここも今どきの店で、黒板造りの一軒家カフェ。
          グリンカフェ② 
          コッペパンの暖簾
          グリンカフェ① 
          オシャレな店構え

「glin coffee(グリンコーヒー)」という店名だが、「g」の文字がグーグルのフォントに似ていた。そのあまりの軽さが気に入った。コッペパンは東京・亀有「吉田パン」、東銀座「チョウシ屋」、会津若松「吉田屋」が村長の中ではベスト3だが、ここはどうか。
          グリンカフェ2 
          目がふらふら

この店の人気ランキング1位の「あん&マーガリン」(税込み200円)と2位の「ハム&たまご」(同340円)を買い求めた。「本日のコーヒー」(同420円)も頼んだ。2階がイートインコーナーになっていて、シンプルな白木のテーブルとカウンター席のみ。スマホの匂い。
          グリンカフェ3 
          全部で15種類
          グリンカフェ④ 
          シンプルがいいね

まずは「ハム&たまご」から。コッペパンは小ぶりで、いい焼き色。地元のパン屋から毎朝焼き立てを運んでもらっているそう。
          グリンカフェ⑥ 
          ヨダレが出かかる

ガブッと行くと、パンの香ばしく柔らかな生地が上質。たっぷり塗られたマーガリン、マッシュしたゆで卵と薄いハム、マヨネーズがいい具合に絡み合って美味い。卵のボリューム。
          グリンカフェ⑨  
          失礼します
          グリンカフェ10 
          うんめえ

よく見ると、卵の中に細かな玉ネギのようなものが混じっていて、そのシャキッとした歯触りの感触が悪くない。よく考えられた構成。

続いて左手が「あん&マーガリン」。甘めのこしあんがどっかと入っていて好感。マーガリンの量もたっぷりあり、コッペの美味さとよく合っている。こちらも売れ筋のコッペをよく研究した形跡が見られる。
          グリンカフェ11 
          あんこの誘惑
          グリンカフェ12 
          言葉はいらない
          グリンカフェ13 
          上質の味わい

コーヒーは値段を考えると、普通の美味さ。店は去年7月にオープン、コッペパンは今年に入ってから出し始めたそう。つまり、店もコッペも出来立て、焼き立てということ? 

メディアを意識したビジュアルと妙な明るさは西日暮里の人気店「イアコッペ」に通じるものがある。職人の気配もどこかバーチャル風で、数字の匂いがする。会津若松「吉田屋」のコッペを横綱としたら、小結か関脇クラスの味わいだと思う。あんこも多分自家製ではない。

ふと気づいた。これはいいとこ取りで、1+1を5にも6にもした変換の大天才スティーブ・ジョブスのやり方をコッペでやろうとしているのではないか。ま、そこまで行かなくとも、そこそこに楽しめるシャレたコッペカフェが川越に誕生したことを祝福すべきかもしれない。

ただ一つだけ、コーヒーなど飲み物をセットにしたら、もう少し値段を下げてほしい。小ぶりのコッペ2個とコーヒーで計960円はコスパ的にきつい。せめて800円前後に抑えてほしいね。

本日の大金言。

コッペパンがある種のブームになっていて、専門店やメニューに加える店が増えている。コッペパンが日本でできたことを知ってる人は意外に少ない。昔給食、今テイクアウト。戦後も小江戸になりにけり。




                  グリンカフェ15 




即席「天然ブリ刺し丼」の味

 魚が美味い季節は寒い。エアコンから抜け出て、こんな日はマフラーをして外に出よう。

今回テーブルに乗せるのは「天然ブリ刺し定食」であります。

それも日本経済の中心、東京・兜町周辺で見つけた北陸・輪島港直送の魚介類を売り物にする居酒屋のランチ。いつものようにペンクラブで小作作業の合間に、ホッカイロを腰に入れて、周辺をブラ歩き。東京証券取引所も近い。寒すぎる。

氷の中を散歩しているみたい。空の青さが目に染みる。

永代通りの裏通り、茅場町1丁目に差しかかったところに大きな居酒屋が見えた。「北陸 集らく」の看板。このあたりはランチ激戦区で、正午と同時にあちこちで行列ができる。証券マン、ウーマンのささやかな楽しみの時間でもある。
          北陸集らく 
          北陸の居酒屋

入り口に「季節限定 天然ブリ刺し定食」(900円=税込み)のボードが見えた。「輪島港直送」の文字も見えた。「本日入荷分売切れ次第終了」のただし書き。うむ。

最近養殖ハマチしか食べていない身には猫にかつぶし、である。足が勝手に動く。中は仕切りのある個室が並び、ちょっとしたカウンター席もある。そこに案内される。「天然ブリ刺し定食」を頼んだ。
          北陸集らく② 
        天然の文字がキラリ
          北陸集らく③ 
          メニューの一部

隣には女性客。話しかけると、証券会社のOLで、「ほとんど毎日来てる」とか。「ここは美味しいわよ」とも。彼女は焼き魚定食を食べていた。
          北陸集らく⑤ 
          見た目はイマイチ?
          北陸集らく④ 
          北陸が見える?

待ち時間は15分ほどと長かった。メーンの天然ブリ刺しが5切れ、それに甘エビが1匹。かぼちゃの煮物、ブリのアラ汁、漬け物。ご飯は大きめの茶わんに盛られて、つややかにテカっていた。

まずはアラ汁をひと口。薄味でブリの骨の出汁が効いていた。ま、フツーに美味い。
          北陸集らく⑧  
          天然の寒ブリ!
          北陸集らく10 
          ええのう

輪島港から直送された天然の寒ブリを食べるのは数年ぶり。赤身が濃いのは天然の特徴の一つで、ワサビを溶いた醤油に漬けてから食べると、養殖のようなトロンとした妙な甘さがない。柔らかくて歯ごたえのある弾力。脂ものっている。きれいな後味。
          北陸集らく⑨ 
          えびぞる?

甘エビが一匹というのは残念。せめて2匹くらい欲しい。かぼちゃの煮物は形が崩れていた。

天然の寒ブリとご飯がいい。何か物足りなかったので、即席ブリ丼とシャレてみた。温かいご飯の上に天然ブリを乗せ、3種類ある醤油の中からダシ醤油を選んで、ワサビを溶かしてから、ゆるゆるとかけた。我ながらいいアイデア。
          北陸集らく11 
          ブリ丼にしてみた
          北陸集らく12 
          案外イケる
          北陸集らく13 
          クリエイティブ

この即席自家製ブリ丼が当たりだった。

天然ブリの弾力とダシ醤油、それにご飯(多分北陸産コシヒカリ)がいい具合に絡み合った。大葉を敷くと、さらにいいアクセントが付いて、そこが居ながらにして北陸になった。舌の上の北陸3P物語・・・。
          集らく 
          地酒も揃っていた

これがなければ、ただそこそこに美味い店で終わったと思う。福井のソースかつ丼などのメニューもある。いい地酒が並んでいたので、今度は夜に来たくなった。氷の夜に美味い料理を食べる。想像しただけで、桃色のため息が出かかった・・・。

本日の大金言。

ズワイガニやのど黒など北陸の魚は今が旬。安くないのが難点だが、たまには書を捨て・・・じゃなかったコタツを離れて外に出るのもいい。トランプもツイッターを捨てて、外に出ろと言いたい。



                  北陸集らく14 









プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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