「肉寿司」にかぶりついてみた

 本日テーブルに乗せるのは肉寿司、である。

それもただの肉ではない。生に近い馬肉が中心の肉寿司、であります。

最近、ちょっとしたブームになっているが、寿司と言えば「魚介類に決まっている」という人にはあり合えない世界だと思う。「そんなの、寿司じゃない!」と言いたくもなる。村長もその一人だった。だが・・・。
          肉寿司 
          肉寿司だって?

夕暮れ時、東京・人形町をブラ歩き中に、「肉寿司」の看板が極太明朝で目に飛び込んできた。メディア仲間との晩餐会(ただの飲み会だが)までに少々時間があったので、好奇心剥き出しで入ってみることにした。恋愛も食べ物も食べてみなければわからない、こともある。
          肉寿司③ 
          メニューの一部

一階が10席ほどのカウンター席で、二階もあるようだが、レトロな雰囲気が、どこかドラマのセットのようでもあり、フードプロデューサーが隠れていそうな気もする。若い人にウケそうな店の造りと雰囲気。

そこにややコワモテそうな白衣姿の店主。メニューを見ながら、迷った末に、「炙(あぶ)り盛り合わせ」(一人前4貫 税込み1000円)を頼むことにした。ビールを飲みたいところだが、ここは夜に備えて我慢・・・。
          肉寿司② 
          どれにすっべか

10分ほどの待ち時間で「炙り盛り合わせ」がやって来た。目の前で握った肉寿司をバーナーで豪快に炙った。ポエム。
          肉寿司⑤ 
          来たあ~

店主がていねいに説明してくれる。
「一番左がハラミ、次がヒレ、それからエンガワです。ここまでが馬肉で、最後が昆布〆鶏肉となります」
「エンガワ? 平目じゃないの?」
「ここは肉寿司ですよ。エンガワというのは馬肉の背脂の部分です」
          肉寿司1 
          ごめんね、馬くん
          肉寿司⑦ 
          美味の予感
          肉寿司⑧ 
          特製醤油ダレ

店主は一見コワモテだが、出身が会津だとわかった途端、話がつながり愛想がよくなった。会津は熊本と並んで馬肉の産地で、この店が馬肉にかなりのこだわりを持っていることがわかった。ここは熊本の馬肉が中心で、会津や青森の馬肉も使っているとか。
          肉寿司⑨ 
          たら~り

特製醤油ダレをツツツとかけて、まずはハラミ。マグロでいうと、中トロのような味わい。赤身と甘い脂のきれいな旨さ。シャリは普通の寿司の酢飯と変わらない。口の中で化学反応が起きる。美味、という他はない。
          ハラミ① 
          ハラミでごわす

続いてヒレ肉。柔らかさと炙った表面の旨みがマッチしていて、黒毛和牛のよう。だが、こってり感はなく、きれいな旨味。
          赤身① 
          ヒレどす

問題のエンガワへ。これが予想よりも美味かった。脂身がきれいで、ほのかな甘みがにじみ出てくる。表面を焼くことによって旨味が増している? 
          エンガワ① 
          エンガワだべ

生でも食べれるものなんですよ」と店長がキン肉マンの微笑返し。うむむ。

最後の昆布〆鶏は鶏の淡泊さと昆布〆めが旨味を深めていた。醤油ダレは甘さを抑えていて、それがネタと酢飯の旨みを押し上げてくるよう。
          昆布〆鶏① 
          あたしトリってこと?

生姜ではなく、セロリのガリも気が利いている。かような肉寿司が人形町にあったとは。オープンしたのは約一年前とか。舌代がそう安くはないが、安全性を考えると、普通の寿司屋よりやや高めでも仕方がないかもしれない。
          肉寿司11 
          セロリのガリとは

舌に残るいい余韻のまま、飲み会に行って、自慢げに肉寿司初体験の話をしたら、肉好きの元女性キャスターが「あら、肉寿司って、今、あちこちにあるわよ。知らなかったの?」。

ひえ~、し、知らなかった(汗)。隣りの敏腕編集者も「そんなことも知らないんだ」と一瞥をくれたのだった。穴があったら入りたい・・・。井の中の蛙、大海を知らずの巻、おしゅまいでちゅ(尼神インター風に)。

本日の大金言。

賢者の前で知ったかぶりは禁物。愚者は語り、賢者は静かにほほ笑む。馬はただ沈黙する。



                  肉寿司12
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醤油蔵カフェのハヤシライス

 知人の画家・鈴木るり子さんの作品を見がてらランチへ、埼玉・幸手市までポンコツ車を飛ばした。

絵画好きの村民2号も「るり子さんの抽象画は好き。彼女の陶器も愛用してるわ」鼻歌気分。旧日光街道沿いに江戸時代末期の醤油蔵を改装した「上庄(うえしょう)かふぇ」が見えてきた。岸本家の登録有形文化財でもある。
          上庄かふぇ  
      鈴木るり子の世界(一部)
          上庄かふぇ① 
          上庄かふぇ

るり子さんの世界を少しだけ堪能してから、同じ建物にある「上庄かふぇ」で遅いランチを取ることにした。途中からシバの女王も同席。その後、一段落ついたるり子さんがさらに遅いランチを取るために席に加わった。

正面が切妻造で奥が寄木造の珍しい醤油蔵カフェ。何よりも建物が素晴らしい。幸手の中でも往年の面影を残す、数少ないスポットである。
          上庄かふぇ1 
        醤油蔵のランチタイム

蔵戸の奥のテーブル席で、村長は「ハヤシライス」(サラダ・コーヒー付き 税込み1000円)を頼むことにした。村民2号は「ベーコンとブロッコリーのクリームパスタ」(同1000円)。

「いつも崖っぷちよ」
るり子さんの話が面白すぎて、あっという間に2時間が過ぎてしまった。

おっと、ハヤシライスを書くことを忘れてしまうところだった。
          上庄かふぇ⑤ 
          ハヤシライス、登場
          上庄かふぇ④ 
   ベーコンとブロッコリーのクリームパスタ

陶器の白皿に、いい匂いを放ちながら、ハヤシライスの海が広がっていた。その上に半熟の目玉焼きが乗っかっていた。デミグラスソースが濃厚で、やや甘め。多分玉ネギの甘み。それにたっぷりのシメジと豚肉が二かけらほど。ボリュームは多くもなく少なくもなく。
          上庄かふぇ⑦ 
          おっ目玉焼き!

フツーに旨い。ハヤシライスと半熟の目玉焼きという組み合わせはどうかと思ったが、スプーンで一緒に食べると、これが意外においしい。半熟というよりトロトロの目玉焼きが、こってりしたデミグラスソースとマッチングしている。
          上庄かふぇ⑧ 
        シメジの煮込み具合
          上庄かふぇ11 
       豚肉とデミグラスソース
          上庄かふぇ13 
          組み合わせの妙
          上庄かふぇ14 
          ライスがマル

何よりライスがいい。特別な栽培米かと思ったら、「いえ杉戸の米屋さんから仕入れている普通のコシヒカリです(笑)」(スタッフ)とか。杉戸の米というだけで、その美味さがわかる。固めにふっくらと炊かれていて、米自体から甘味がにじみ出ているよう。

サラダの鮮度と玉ネギの自家製ドレッシングも悪くない。コーヒーは普通の味だが、この建物の中で味わうと旨みが加味されるような気がする。190年の隠し味ということ?
          上庄かふぇ⑥ 
          サラダ

「パスタもいいわよ。生パスタを使っているのも好感。自家製スイーツも充実しているようね。でも、今日は我慢よ。ランチは1000円以内に収めなくっちゃ。最近使い過ぎだから」

「確かに。お金がどんどん出る。文句もどんどん出る。冷や汗もどんどん出る。出口問題もどんどん出る、あははは」

「ストップ! それ以上言うと、せっかくのいい時間が台無しになるわ。体の出口より支払いの出口が大事なのよ」

「で、どんどん赤字が膨らむ。村も崖っぷち・・・」

犬も食わない会話がいつまでも続くのだった。

本日の大金言。

現代アートと醤油蔵とハヤシライス。すべて茶色がベースになっている。「毎日が崖っぷち」という言葉にはある種の決意のようなものがあると思う。踏みとどまるか、飛び降りるか。いや待てよ、ぴょこんと跳び上がる選択肢だってある。



                   上庄かふぇ15 










老舗洋食屋の「和風ハンバーグ丼」

 東京・新川の「津々井」と言えば、昭和25年(1950年)創業の、この界隈では知る人ぞ知る老舗洋食屋。赤坂「津々井」からの暖簾分けである。

ここの名物は「トロトロオムライス」と「ハンバーグ丼」。特にハンバーグ丼は20食限定で、正午とともに売れ切れてしまうことも多い。以前から狙っていたが、なかなかチャンスがなかった。

兜町ペンクラブでロングランの仕事の前に、急ぎ立ち寄ることにした。時計を見ると、午前11時半過ぎ。これを逃すとまたしばらく来れない。
          津々井① 
          いい店構え

茅場町で降りて、霊岸橋を超えてから、右へ入ると、サーモンピンク色の建物が見えてきた。「にっぽんの洋食」の文字がポエム。「新川 津々井」の店名が老舗洋食屋の渋い存在感を放っている。ガラス越しに厨房が見え、隙のないコック姿の料理人が二人ほど調理に励んでいた。

正午前だったので、ほとんど待たずに2階テーブル席へと案内された。すでにほとんどの席が埋まっていた。兜町が近いためか、いいスーツを着たサラリーマンやOLが多い。
          津々井② 
          限定20食の世界

メニューを見ると、ハンバーグ丼は2種類あり、デミグラスソースと和風がある。どちらもランチタイム20食限定。迷ったが、「和風ハンバーグ丼」(税抜1000円)を選んだ。根詰め作業⇒夜の打ち上げ宴会に向けて、体力をつける必要がある。
          津々井③ 
          わお~

待ち時間は約12分ほど、お膳に乗って、湯気を放ちながら「和風ハンバーグ丼」がやってきた。おおと声を上げたくなった。

大きめの朱塗りの漆器ドンブリに薄切りの玉ネギが山のようにそびえていた。醤油ダレがかかっていて、分葱がパラパラと降り注いでいる。大葉の鮮度。すぐ横には麩とワカメのみそ汁と青菜の漬け物。いい匂いを放っている。
          津々井⑤ 
          絶景のドンブリ

いい洋食屋はご飯とみそ汁、漬け物がいい。出汁のよく効いたみそ汁をズズとすすると、すぐに店の実力がわかった。
          津々井④ 
          隙がない

玉ネギの下に牛肉のハンバーグが王様のようにズシンと控えていた。厚さは優に3センチはある。女性スタッフが「つくねのようなハンバーグです」と言ったとおりの挽き肉の塊だった。味付けは塩と胡椒だけ。しかもかなりの薄味。フライパンでラードをたっぷりと使ったウェルダンで、甘めの醤油ダレがまろやかな味わいを演出している。
          津々井⑨ 
        牛肉の巨大なつくね?

食べ進むうちに、口中が牛の匂いで充満してきた。玉ネギなどのつなぎがない。牛肉好きにはいいかもしれないが、次第にその単調に飽きが忍び寄ってきた。ボリュームがあり過ぎるのも考えものかもしれない。
          津々井11  
          このボリューム
          津々井13  
        タレがまろやか
          津々井⑥ 
          みそ汁と漬け物

炊き立てのご飯は固めだが立っていて、そこにタレが多めにかかっていて、実に美味い。みそ汁、青菜の漬け物が脇役ながらとてもいい。これがなかったら、途中でギブアップしていたかもしれない。

牛肉好きには素晴らしい、と思う。山のような薄切り玉ネギのみずみずしい美味さもマル。だが、最近飲み過ぎ気味の胃袋に、このハンバーグは少々つらい。美味いとは思うがつらい、ということだってある。

とはいえ、しっかりと箸と木匙を使って、きれいに平らげた。外に出ると、行列ができていた。次は「トロトロオムライス」に挑戦することにしよう。

本日の大金言。

兜町界隈は肉食の世界。それ故にこうした老舗洋食屋の存在感がある。ステーキ丼などもかなりのボリュームのようだ。強い胃袋こそが弱肉強食の世界で勝ち残れる? だが、弱い胃袋にも知恵がある。





                        津々井14 


築地穴場の「さば味噌煮定食」

 備前焼の新進陶芸家・曽我尭(たかし)氏から案内をもらっていたので、東京・銀座「ギャラリー夢幻庵」に顔を出す。ご本人は岡山に戻ったようで不在だったが、鶴首徳利とぐい呑が気に入った。とはいえ悲しいかな持ち合わせが不足していたので、エア購入となってしまった。
          曽我尭展② 
       残念、手が出ず(曽我尭個展で)

夜の部まで時間があるので、その足で今話題の築地市場をぶら歩き。平日なのに場外は観光客や外国人などで猫も入れないほど混み合っていた。昔からこのあたりはよく知っているが、この人気、異常としか言いようがない。海鮮どんぶり屋の乱立と呼び込みも、かつての築地ではない。
          場外市場   
       場外市場は大混雑

昼めし時でもあったので、混雑を抜けることにした。新大橋通りを挟んで、すぐ向かい側にある共栄ビル地下へ。

100メートルも離れていないのに、ここは喧騒とは無縁で、築地の意外な穴場だと思う。
          はなれ① 
          向かい側の穴場

目的はさば味噌煮が評判の「千秋 はなれ」。午後1時近かったので、それでも待ち客は4人ほど。これは範囲内。夜は高めだが、ランチは狙い目。
          はなれ③ 
          名物さば味噌煮

15分ほどの待ち時間で、カウンター席に案内され、「さば味噌煮定食」(税込み850園円)を頼んだ。和のいい雰囲気だが、どこか今どきの匂いがする。後ろにプロデューサーでも隠れていそう。

「千秋 はなれ」という店名は、村長の知っている銀座の有名蕎麦屋の女将を連想させる。ひょっとして彼女の経営なのか? まさか?
          はなれ④ 
          来たァ~
          はなれ⑤ 
          いい構成

女性スタッフは忙しそうで、取りつく島もない。5~6分で「さば味噌煮定食」がお膳に乗ってやって来た。思わず目を見張る。さば味噌煮の味噌がほとんど真っ黒! さばは尻尾の部分だが、かなり大きい。いい匂いが立ち上がっている。ちりめんじゃこのつくだ煮の小鉢と青海苔のみそ汁、それに漬け物、ご飯。
          はなれ3 
          青海苔のみそ汁

青海苔のみそ汁をズズとすする。みそ汁は普通に美味い。それからおもむろに味噌煮に箸を伸ばす。
          はなれ⑥ 
          真っ黒さば味噌煮
          はなれ⑦ 
          骨まで軟らかい

真っ黒な味噌は、見た目は味がかなり濃そうだが、実際に口に運ぶと、さほどではない。甘めの濃厚な味わいで、じっくりと煮込まれていることがわかる。

さばは「北大西洋のさばです。日本の近海物よりも丸々と太ってます」(スタッフ)とか。だが、尻尾のため、その実感はあまりない。骨まで軟らかく煮込まれているが、身にさば本来の脂の乗りが少ない。胴の部分を食べたかったなあ。
          はなれ⑨ 
          ご飯が進む

黒い味噌は、鹿児島の黒味噌かと思ったら、「赤味噌と信州味噌のブレンドです」とか。うむ。

ご飯が固めに炊かれていて、つややか。好みのご飯。それにちりめんじゃこのつくだ煮を乗っけて食べると、ポエム。さばの味噌煮が尻尾の部分だったこと以外は、全体的には上質の美味さだと思う。9割の満足感。
         はなれ10  
         ちりめんじゃこ

最後の疑問、支払いの際にこの店と有名蕎麦屋との関係を聞いてみた。

「全然、関係ありません」

またも取りつく島のない反応が返ってきた。店はすぐ裏手にある本店(2004年創業)の2年後にオープンしているようだ。まさかさばを読んではないと思うのだが。村長の中では謎の店名となったまま、頭の中で味噌漬け状態・・・。


本日の大金言。

さばの味噌煮は和食の定番の一つ。名店も多く、当たりハズレも少ない。ただ尻尾に当たるとその美味さは半減すると思う。「尻尾になりますが」と聞いてほしいくらい。



                     はなれ11 









涙の絶品「鬼ひも川うどん」

 先週末は東京・神楽坂「日本出版クラブ会館」へ。今年2月7日に急逝した翻訳家・ライター・画家の片岡みい子さんの「お別れの会」に村民2号と出席、170人もの友人知人がその早すぎる死を悼んだ。

みい子さんの活躍の舞台は日本とロシアを中心に米国からインドにまで及び、折々に描いた個性的な作品も会場に並べられていて、村民2号も遺作となったそれらの絵画や写真をしんみりと見つめていた。

ご本人はシャイで、能ある鷹は爪隠すという人柄だった。それ故に170人もの人が参列し、その人数の多さに参列者が改めて脱帽したものだった。なくなってわかる親とお金とみい子さん・・・日が経つにつれてそんな存在になるのではないか。
          県立館林美術館① 
      清宮質文の世界(館林美術館)

その後、二軒ほどハシゴしてしまったために、昨日は二日酔い状態。三連休なので、キオも誘って、群馬県立館林美術館へポンコツ車を走らせた。

版画家の清宮質文(せいみや のぶふみ)生誕百年コレクションを見に行くため。村長の好きな世界で、ビッグネームではないが、村民2号とキオもその透明な世界に見入っていた。
          花山うどん 
          五代目花山うどん

その後、ランチは館林駅前にある「五代目花山うどん」で。1894年(明治27年)創業の老舗うどん屋で、館林うどんの中心的な店。東京・銀座にも支店を出している。

午後1時半過ぎだったが、店の前には7~8人が並んでいた。外人カップルの姿も。
          花山うどん① 
          いい暖簾だのう

テーブル席に案内されて、村長は「鬼ひも川」(麦豚、冷 税込み950円)を頼むことにした。村民2号とキオは「鬼ひも川」(しいたけ、温)を選んだ。「鬼」とは地元では「すごい」という意味だとか。つまり「すごいひも川うどん」となる。
          花やま① 
          鬼ひも川って?

これが実に美味かった。鬼ひも川うどんとは、幅4~5センチほどの幅広うどんで、この店の名物。乾麺も売っているが、店では讃岐うどんのように足踏み⇒一晩熟成の、手間ひまをかけた手打ちうどん。「うどん天下一決定戦」で三連覇したといううどんでもある。
          花山うどん③ 
          これが麦豚・冷
          花山うどん④ 
       こちらはシイタケ・温

じっくりと茹で上げるために待ち時間は17~8分ほどかかった。たぬきの器にブランド豚「上州麦豚」のロース肉と温玉、それに小ネギ、海苔、かまぼこが乗っていた。その下には「鬼ひも川」が鎮座していた。
          花山うどん⑤ 
          つゆの風味

鰹出汁の効いた、甘めのつゆをゆっくりとかけ、ワサビを乗せ、鬼ひも川を手繰り寄せながら食べると、そのもっちり感と伸びやかなコシがいいうどんの風味とともに口中に広がる。鴻巣の川幅うどんよりも美味だと思う。
          花山うどん⑧ 
          鬼ひも川!
          花山うどん⑦ 
          麦豚の旨み
          花山うどん1 
          温玉とワサビ

ワサビがいいワサビで、そのツンとした辛さとつゆ(かなり返しがきつめ)がうどんの美味さを引き立てている。つゆのかけ過ぎには注意が必要だが、実に上質な奥行きのある美味さ。小麦粉は地場の小麦を使い、麦豚の量も申し分ない。
          花山うどん5 
          たまらん
          花山うどん2 
      かまぼこもあるでよ

「こっちはシイタケが分厚くて本当に美味い。うどんは温かい方がいいわ」(キオ)
「もう少し安いともっといいけど、ボリュームも結構ある。腹八分の満足感がいいわ」(村民2号)

村民3人はすっかり満足。空は高く、どこまでも青い。みい子さんは遺言通りに、きっと精霊になって天国で170人(それ以上)を見守っているに違いない。空が目に染みる・・・。

風の鳴る枯野の奥に梅一輪


本日の大金言。

誠に人生一瞬の夢。だが、その一瞬には人知れぬ思いが一杯詰まっている。図書館一つ分の思い。しょっちゅうは不可能だが、折に触れて思い出すことが供養になるのかもしれない。




                                             花山うどん10 


玉子焼き名店のサンドウィッチ

 本日は二日酔い。昨日は兜町ペンクラブの合同会議⇒飲み会で走ってしまった。じっと手を見る

朝飯を抜こうと思ったが、昨日の会議の合間を縫って、築地に足を延ばして、わざわざ買ってきた「松露サンド」(税込み500円)が冷蔵庫にある。それだけはしっかり頭に残っているのだから、我ながら自分の食い意地にあきれる。
          築地松露2 
       築地新店のいい店構え

本日テーブルに乗せるのは、その「玉子焼屋のサンドウィッチ」である。

「松露(しょうろ)」は大正13年(1924年)創業の築地場外市場で最も古い玉子焼き専門店の一つ。テリー伊藤の実家「丸武」や「大定」も同時期に創業している。その中で一番の好みが「松露」だった。卵の鮮度、出汁の効き方、ほどよい甘み、それに種類の多さ。何より奥の板場で玉子焼き職人がズラリと並んで焼き上げる光景が好きだった。

だが、工場を茨城ばかりでなく塩浜にも造り、真空パックで売るようになってからは、離れてしまった。
          築地松露3 
          これこれ

その「松露」が場外市場の向かい側にある「共栄ビル」に新店を出していたことも知らなかった。たまたま食い道楽の友人から、その松露が玉子サンドを売り出していることを知り、今回、ようやくゲットした。

これが旨いのか、そうでないのか、評価し兼ねる味わいだった。

コーヒーをいれ、二日酔いの頭を叩きながら、パッケージを取ると、あの分厚い玉子焼きを挟んだサンドウィッチが現れた。2切れ、2組。ビジュアル的には見事な、重厚な玉子サンドで、これまで食べたフワフワ系の卵サンドとは違う。
          築地松露① 
          期待が高まる
          築地松露② 
          見事なビジュアル

よく見ると、シンプルな、この店の原点の玉子焼き「松露」をそのまま挟んだもの。玉子焼きの厚みは3センチほどはある。驚きの厚み。
          築地松露③ 
          その厚み

食パンにはマヨネーズがストレートにたっぷりと塗られていて、ガブリと行くと、食パンが伸びやかでいい感触。どうやら「ドンク」の食パンを使っているようだ。マーガリンの気配もマスタードの気配もない。直球勝負。

続いて玉子焼きのジューシーな濃い甘さが口中に広がった。その冷たさ。それは悪くないのだが、「松露」のあまりの甘さが好みの別れるところだと思う。正直に言うと、戸惑ってしまった。ハーモニーとしてはどうか。
          築地松露⑤ 
          正座したくなる?
          築地松露⑨ 
          そのまんま
          築地松露⑦ 
          卵が先?

昔の松露より、かなり甘味が強くなったのではないか。出汁も昔ほど効いている感じがしないのはなぜか。こちらの舌がおかしくなったのか、あるいは味自体を少し変えたのか?
          築地松露10 
          パンの美味さ
          築地松露1 
          ワンダー!

食べながらもどかしさがこみ上げてきた。期待が大きすぎたのかもしれない。圧巻だが、感動が来ない。ここはやはり、せめて玉子サンド用の甘さを抑えた玉子焼きを作ってもらいたいところ。それでこそさすが玉子焼屋のサンドウィッチ、となると思うのだが、どうだろう? 

温かいコーヒーでのどを潤しながら、かつて大好きだった「松露」を想う。卵が先かニワトリが先か、いやいやそれ以前に職人の手が先だよなあ、とつぶやきたくなった。二日酔いはまだ収まらない。

本日の大金言。

玉子サンドは関東と関西では異なっている。関東はスクランブル、関西はベイクドが基本的。どちらもあまり砂糖は使わない。その意味でも「松露サンド」はユニークではある。




                                        築地松露13 





老舗デパート「7階のツナサンド」

 今回テーブルに乗せるのは、首都圏にあるローカル都市の老舗デパートのカフェレストランである。

西武やそごうなど一世を風靡したデパートが今、苦境に立っている。閉店や売却のニュースが流れる度に、一抹の寂しさを覚える。

たまたま村民2号の絵画仲間が埼玉・熊谷の老舗デパート「八木橋百貨店」で個展を開いた。それを見に、いつものようにポンコツ車をぷかぷか飛ばした。
          パブリックラウンジ 
       今どきのシャレたカフェ

腹が減っては絵も楽しめぬ。正午前に7階のカフェレストラン「パブリックラウンジ」で早めのランチを取ることにした。ウッディーなシャレたカフェで、開放的なスタイルが熊谷らしからぬ(失礼)。

ローカルデパートの苦境が伝えられているが、ここは老若男女の客層で賑わっていた。
          パブリックラウンジ① 
          迷ってしまう

入り口の手書きのメニューボードを見て、村民2号が「トーストプレート」(税込み800円)に目を近づけた。「素材がこだわりのオーガニックで、これは美味そうだわ」と即決。食パンはもちろんのこと、自家製ハムと野菜のこだわりが見て取れた。
          パブリックラウンジ②  
        トーストサンドのメニュー
          パブリックラウンジ③  
    遠くにウオーホルのモンロー

村長は卵にするかツナにするかで大いに迷ったが、結局「ツナサンド」(同750円)を頼むことにした。卵が先かニワトリが先か、よりもツナが先の心境。森友学園め。背後に見え隠れする首相周辺の影。権力は腐敗する。インチキの大きな構造から目を離してはいけない。
          パブリックラウンジ1   
          トーストプレート登場
          パブリックラウンジ⑥ 
          こちらがツナサンド

コーヒーをセットにすると、プラス350円。全体としては安くはないが、問題は中身。

ツナサンドはツナと玉ネギのペーストがたっぷりと入っていて、有機栽培されたサニーレタスとキュウリの美味さがいい合わせ技になっていた。ツナと大きめに刻んだ玉ネギのバランスが絶妙。
          パブリックラウンジ2 
        ありゃまあ、この圧倒

トーストされたパンの伸びやかな美味さもマル。マヨネーズがしっかり塗られていて、全体のハーモニーがとてもいい。

生に近いピクルス(自家製)と甘いオニオンドレッシングのかかったサラダも悪くない。野菜は地場の有機野菜。
          パブリックラウンジ⑨ 
          ガブリと行け
          パブリックラウンジ⑦ 
          有機野菜サラダ
          パブリックラウンジ⑧ 
          自家製ピクルス

「この店はパン屋も経営しているのね。だからパンが美味いはずだわ。私の方も当たりよ。自家製ハムは彩の自然豚を使っていて、これが厚みもあってかなりのボリューム。100グラムはありそう。コーヒーはまあ普通だけど、全体の満足感は大きいわ。人参ジャムも甘くて好みの味。少々高くても、流行るのがわかるわ」(村民2号)

少々高くても、それを超える満足感があれば、百貨店も生き残れる。「パブリックラウンジ」の母体は熊谷では有名な「加賀家食堂」だった。二代目の代になってから、素材を生かした新しい展開をスタートさせて、それが今のところ上手く行っている。
          paburikuraunnzi.jpg 
          パンの人生

老舗デパートの苦境もこの店の着実な活気を見る限り、遠い世界の出来事のようにさえ思える。むろん、そんなに甘くはない。とはいえデパートの未来の鍵がここにあるような気がする。言うは易し、行うは難しだが。

本日の大金言。

二代目は苦労知らず、とか、先代が築いた暖簾をダメにするとかよく聞くが、そうではない例もある。加賀家食堂と八木橋百貨店のこれからも見守っていきたい。



                                        パブリックラウンジ13 

「豚角ちまき」と谷中ビール

 知人のお見舞いで、美女3人と東大医学部付属病院へ。今回テーブルに乗せるのは、その後の谷中ランチである。

あまりに寒かったので、谷中のぶらり散歩を早めに切り上げ、というよりそれぞれのお腹の虫がわめき出したので、「早く食べよ」となった。すでに午後一時を回っている。食べることに理由はいらない。
          谷中ビアホール 
          昼からビール?

夕やけだんだんのすぐ下の寿司屋に入ろうと思ったが、混んでいたため、すぐ近くにある「アウグス谷中ビアホール」に「入ってみようよ」となった。しゃれた店構えで、入り口に「本日のオススメ 大きな豚まん 豚角ちまき こしあんまん」のメニューボード。
          谷中ビアホール① 
          美味そうな気配

「ちょっとビールも飲んじゃおうか」

寒い日に、谷中で昼からビールというのも案外オツだと思う。どこか青山にでもありそうな、今風のモダンでシンプルな広い店内。寒さのためか客は少ない。カウンター席に座って、村長は「谷中ビール」(大=税込み900円)と「豚角ちまき」(同380円)を頼んだ。女性陣は3種類楽しめる「テイスティングセット」(同900円)とそれぞれ料理を頼んだ。ビールの種類も多い。
          谷中ビアホール② 
          ビールの利き酒?
          谷中ビアホール⑤ 
          ええのう

ふと、この場所が以前来た「甘味処 茶遊亭」だったことを思い出した。女性スタッフに聞いてみると、「聞いたことがあります。ウチは去年の6月にオープンしたんですよ。まだ一年も経ってません。近くにある『谷中ビアホール』の2店目になります」とか。

多分、すぐ近くにあるかき氷の行列店「ひみつ堂」ほどは繁盛しなかったのではないか。谷中の生存競争の凄まじさを思う。
          谷中ビアホール⑥ 
        谷中ビールと豚角ちまき
          谷中ビアホール⑦ 
     こちらはテイスティングセット

「谷中ビール」は御殿場高原ビールと提携しているようで、ピルスナータイプで、ホップの香りとコクがある。7~8分ほどの待ち時間でやってきた「豚角ちまき」は竹皮の本格的なもの。手にくっつくほどもっちりしたもち米と生姜醤油で煮込んだ豚肉がゴロゴロ入っていて、美味い。だが、全体的にボリュームはあまりない。
          谷中ビアホール11 
          ビールと合う
          谷中ビアホール10 
          豚肉の美味さ

女性スタッフに聞いてみると、「築地の近江屋牛肉店」の出来合いものだそう。築地場外にある人気肉屋。

追加で「こしあんまん」(同500円)を頼んだ。こちらはデカい。時間をかけたせいろ蒸しで、手で触れると熱い。テッペンにきれいな桜の花びら漬けがちょこんと乗っている。いいビジュアル。
          谷中ビアホール13 
       こしあんまん、出番どす

皮の弾力と伸びやかさ。悪くない。中のこしあんは黒糖入りのようで、多分中華料理屋のものだろう。ただ桜の花びらが塩気がありすぎて、それはやや興ざめ。ツマミに付いていた塩キャベツも塩気が効きすぎていた。
          谷中ビアホール16 
          本格的な中華まん
          谷中ビアホール17 
          濃いこしあん

谷中を散歩しながら、ちょっと立ち寄るにはいい店だと思う。美女3人はどんな場所でも楽しむことにかけては免許皆伝なので、小ジャレた店でそれなりにおいしい地ビールを楽しみ、ツマミと料理を楽しみ、話題がどんどん広がる。金色のビールのような時間が流れる。

外の寒さがここには入ってこない。夕やけだんだんには猫の姿がなかった。きっと寒さのためだろう。それとも夜に向けて、どこかで元気を蓄えているのか? 今度、猫たちに谷中の現状などを聞いてみることにしよう。


本日の大金言。

谷中は谷中銀座などは観光化され過ぎて、裏通りがいいと思う。昔からある豆屋や和菓子屋、それに料理屋。それを探す楽しみ。



                               谷中ビアホール12 



歌舞伎座でお花見弁当

 壊れかけたジェットコースターのような日々だが、たまにいいこともある。

東京で修業中のキオがどうした風の吹き回しか、三月大歌舞伎(昼の部)のチケットを取ってくれた。6000円の3階席だが、涙が3滴ほど出かかってしまった。村民2号が「バッカみたい」と言う表情でチラ見した。グヤジ~イ。
          歌舞伎座① 
          いざ歌舞伎座へ

「築地にある大阪寿司の名店『ハ竹』でバッテラ寿司を買って、それを持って歌舞伎を見るのがホントの通というもんですよ、ぐひひ」

京都にお住いのグルメ先生がかつてそうおっしゃったことがある。グルメ先生は歌舞伎や文楽の世界にも精通していて、この世界では村長など足元にも及ばない。カメハメ波仙人みたいなお方。

で、築地に立ち寄るつもりが、時間とフトコロ事情の関係で、銀座松屋のデパ地下へ。村長は三越よりも松屋が贔屓(ひいき)。ここで弁当を買って、歌舞伎の幕間に食べようという算段である。
          米八② 
          その前に弁当

なだ万、日本ばし大増などの高級弁当が並んでいるが、村民2号とキオが「美味そう。ここがいいわ」と立ち止まった。「おこわとお弁当の米八」。店で炊く実演販売が売りで、今や全国展開しているおこわの専門店である。比較的安いというのもありがたい。

炊き立てのいい匂いが食欲をそそる。米八の創業地は東京・三鷹で、かつて村長が三鷹に住んでいたころ、たまにここで買っていた。美味い記憶が残っている。三鷹で生まれたキオ、というのも何かの縁かもしれない。即決。

村長とキオは「人気№2 お花見幕の内」(税込み972円)を、村民2号は「人気№1 黒酢チキン野菜和え弁当」(同998円)を頼んだ。

炊き立てのおこわが数種類あり、その中から3種類選べる仕組み。村長はお赤飯、栗おこわ、貝づくしを選んだ。
          米八④ 
          幕間のリッチ
          米八⑤ 
          お花見幕の内

これが結構イケた。「大歌舞伎」の幕間に座席に座ったまま食べる。おかずは焼きさば、キンピラ、だし巻き卵、こごみのごま和え、それに煮物ががんも、竹の子、人参、フキ。コンニャクのさしみと漬け物。デザートに三食だんごという気の利いた構成。
          米八10 
          いい構成
          米八12 
          だし巻きは必須

前回で、人気駅弁「海苔のりべん」にシイタケ煮がないことを書いたが、ここにも何故かシイタケ煮がない。

「この選択は正しかったわ。3種類のおこわがモチモチしていて、すべておいしい」(村民2号)
          米八⑧  
          貝づくし
          米八⑨ 
          絶妙なお赤飯
          米八⑦  
          栗おこわ

「ホントにおいしい。おかずも薄味なのに、しっかり味が滲み込んでいる。歌舞伎初体験だけど、こういう楽しみ方もあるのね」(キオ)
ハ竹には敵わないけど、この美味さは悪くない。炊きたてというのが美味さを引き立てているんじゃないかな」(村長)

肝心の大歌舞伎だが、片岡仁左衛門の力演と坂東巳之助の踊りが素人目にも光っていた。海老蔵は昼の部はほんの顔見せだった。

本日の大金言。

スペシャルデーはあっという間に過ぎていく。考えてみれば、ぜい沢な時間だが、裏方も含めて歌舞伎の凄味と弁当の味わい。これも映画「素晴らしきかな、人生」の中のセリフ「おまけの幸せ」、かもしれない。ちょっと強引かな・・・。




                    米八4 




人気1位駅弁「海苔のりべん」の味

新幹線に乗ったら駅弁と缶ビールは欠かせない。

東北新幹線・郡山駅で人気駅弁「海苔のりべん」(税込み950円)と缶ビールを買い込んだ。それだけで沈んだ気持ちが明るくなるから不思議だ。駅弁は益弁でもある。
          海苔のりべん① 
       すぐに売り切れてしまう

先日、たまたま見ていたテレビで、この「海苔のりべん」が人気ランキング1位になっていた。発売元は郡山市の「福豆屋(ふくまめや)」。創業が1924年(大正13年)の老舗駅弁屋である。
          海苔のりべん③ 
          これこれ

海苔とおかか、それに昆布の佃煮が層になっていて、旨そうだった。牛肉全盛の駅弁界で、最もシンプルな和の駅弁が1位になるのは凄いことだと思う。

新幹線の中で、包みを解き、フタを開けると、いい和の世界が横たわっていた。おかずは焼き鮭、だし巻き卵、海老芋(さといも)、人参、ごぼう、板わさ、赤カブ漬けなど。ひと目で一つ一つにこだわりが詰まっていることがわかった。
          海苔のりべん④ 
          最強のコンビ?
          海苔のりべん⑤ 
          いい構成

メーンのご飯は黒々とした大きな海苔が2枚、その下にはおかかがぎっしり敷いてある。海苔は三陸海岸の寒流海苔を使っている。まん中には小さな梅干し。いい和のビジュアル。

だが、駅弁人気1位になるほどのものなのか、まだわからない。缶ビールをガブッとのどに流し込んでから、割り箸を付ける。海苔の風味が濃い。おかかは甘辛く味付けされていて、ご飯とともにかっ込むと、懐かしい味わいが口中に広がった。
          海苔のりべん⑥ 
          たまらんのう

ご飯はコシヒカリで、炊き方がいいのか、冷たくてもふっくらしていて旨い。すぐに2段目に昆布の佃煮が敷いてあることがわかった。唾液が多めに出てきた。

味付けが絶妙で、添加物が多いはずだが、それを感じさせない。
          海苔のりべん⑦ 
       二段目は昆布の佃煮

おかずの旨さもいいレベル。焼き鮭は蒸し焼きのような、きれいな甘みのある味付け。だし巻き卵は関西風の味付け。エビイモ、人参も薄味で美味。赤カブ漬けもいい箸休めになっている。
          海苔のりべん⑧ 
          おかずの洗練
          海苔のりべん⑨ 
          焼き鮭
          海苔のりべん10 
          だし巻き卵
          海苔のりべん12 
          シンプルなぜい沢

シイタケ煮がないのが個人的には悲しい。2010年(平成22年)にデビューしている駅弁だが、900円を今年1月から50円値上げしている。

人気沸騰で生産(手作業)が追い付かないようだが、せめて
50円分でシイタケ煮をおかずに加えてほしかった。ほぼ完ぺきな世界だけに、その一点が気になる。シイタケ煮のない和風駅弁なんてありか?  とはいえ肉系の駅弁に飽きたら、この海苔駅弁はおすすめ。

本日の大金言。

コンビニや弁当チェーンののり弁はとにかく安い。一方で、駅弁はどんどん内容も価格も高級化している。せめて700円台の傑作を作ってほしい。缶ビールとセットで1000円以内に納めたい。というのはぜい沢な相談か。










喜多方ラーメン元祖の餃子

急な法事で、 久しぶりに雪の会津へ・・・のはずが、意外に雪が少ない。

昼前に会津若松に到着。夕方までに時間がある。すっかりグルメ親父になったヒロシの案内で、喜多方ラーメンを食べに行く。東京にも暖簾分けで進出している「坂内(ばんない)」ではなく、喜多方ラーメンの元祖「源来軒」へ。
          源来軒 
          ここが元祖

大正末期創業と言われているが、中国から渡ってきた初代が屋台から始めた店。作り方も味もその当時のまま、というのも売り。現在は三代目。会津の人間にとって、この店は外せない。個人的には暖簾を広げないのも好み。

店は赤を基調にしていて、入り口には「元祖」の大文字と「中国料理」の文字がドドと迫ってくる。最近改装したのか、すっかりきれいになっている。一抹の寂しさ。

一階のテーブル席に座って、「ラーメン(醤油)」(税込み650円)と「餃子」(同550円)を頼むことにした。
          源来軒1 
          ポエムなメニュー

ラーメンは豚骨、鶏ガラをベースにした透明な醤油スープが美味。穏やかで深いコク。甘味もある。魚介類などの隠し味も潜んでいる。最初の一口で、「ああ源来軒に帰ってきたなあ」という思いに捉われる。彼は昔の彼ならず、ではなく、髪は昔の髪ならずだが。
          源来軒③ 
          これぞ中華そば
          源来軒2 
          コショウをはらり
          源来軒④ 
          スープのコク

麺は喜多方ラーメンの特徴である手打ちの縮れ太麺で、ほどよいコシともっちり感、それにつるりとした感触が心地いい。以前よりつるっとした感触が増した気がする。
          源来軒⑤ 
          手打ち麺

自家製チャーシューは小さ目のものが3枚。それにメンマが6~7本ほど。ナルトと刻みネギが浮いている。煮豚チャーシューは相変わらず美味いが、小さくなった気がする。メンマのシャキシャキ感も変わらずいい。その素朴。
          源来軒⑦ 
          煮豚チャーシュー
          源来軒⑧ 
          メンマの存在

源来軒のラーメンはほとんどハズレがない。約120軒ほどあると言われる喜多方ラーメンの中でも、頂点周辺に位置する味わいだと思う。

ここまで書いて、今回特に取り上げたいのは、皮まで自家製の「餃子」である。550円は安くはないが、その美味さは特筆ものだと思う。ヒロシもここに来るのは「ラーメンよりも餃子を食べたいから」と放言するほど。
          源来軒⑨ 
          主役はこっち?

一人前は5個だが、1個当たりの大きさがジャンボ餃子と言っていいほど。焼き加減が絶妙で、その羽根付きの焦げ目が素晴らしい。手づくりの皮は薄くて、中の具が薄っすらと見える。
          源来軒10 
          喜多方一か
          源来軒3 
          恍惚3秒前

具は豚ひき肉、キャベツ、白菜、ニラ、それにニンニクが多めに入っている。よく捏(こ)ねられていて、酢とラー油をたっぷり入れた醤油だれに付けて食べると、思わず目を閉じたくなるほど美味い。皮のもちっとした感触、肉と野菜と甘みのバランス。それが絶妙としか言いようがない。
          源来軒12 
          具の詰まり方

村長が好きな佐野ラーメンには、実は餃子の美味い店が多いが、喜多方にそれを感じたことはほとんどない。だが、「源来軒」だけは別格だと思う。ニンニクが強めなので、その後に人と会う時は注意が必要だが、食べ終えたときの満足感には代え難い。

ラーメンと餃子をすっかり腹に収めると、自分が何のためにここに来ているのか、わからなくなった。危ない、危ない・・・。

本日の大金言。

蔵の街・喜多方市も会津が上に付く。会津喜多方。元々商人の町ということもあり、城下町・若松市に対してはライバル意識が強い。蔵の街といい、ラーメンの街といい、その売り出し方は会津若松市よりも上手い。知恵は何物にも代え難い。



                 源来軒13 



プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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