「カレーうどん」隠れ横綱

 これまでカレーうどんの隠れ名店を随分と書いてきたが、ちょっと驚きの店を見つけてしまった。改めて世界は広い。

群馬・桐生にあるゴッドマザーの実家を大掃除に行く途中で、「あの山本屋に負けないカレーうどんがありますよ」との情報をつかんだ。桐生はうどんの街でもある。

中でも、お隣りのみどり市にある山本屋は、カレーうどんの元祖と言ってもいいくらいの歴史のあるうどん屋さん。東京・早稲田の三朝庵といい勝負だと思う。創業が明治36年(1903年)で、初代が作ったカレーうどん(カレー南蛮)は、個人的に言わせてもらえば、有名な巣鴨の古奈屋など吹っ飛ぶほどの代物。ローカルの隠れ名店の凄味をこの舌で確認したことが思い出される。
          まるたや2 
          カレー南蛮の名店?
          まるたや 
        名店は隠れている

その山本屋に負けないカレーうどんだって? 大掃除を終えたその足で、東4丁目の裏通りにある、その「まるたや」へ。「手打ち石臼挽きそば」の看板。いい店構えの小さな店。外見からはここがカレーうどんの隠れた名店とは思えない。

白い暖簾をくぐると、大きなテーブルがあり、その奥が打ち場になっていた。左手が広い板場。右手には小上がり。蕎麦のメニューに混じって「おこげカレーうどん」とか「夏カレーうどん」「天ぷらカレー南蛮」のメニュー札が見えた。カレーうどんだけで7種類ほど。何じゃこれは? あまりにユニークさにこれはウケ狙いのハズレかも? そんな疑念が浮かんだ。
          まるたや① 
        カレーうどんの可能性

店は30年ほどの歴史で、その前の代も入れると、かなりの歴史とか。これは近所の人の情報。小上がりに上がって、もっとも定番の「カレー南蛮うどん」(税込み 750円)を頼むことにした。村民2号も珍しく同じもの。
          まるたや② 
          地元客が多い?

午後1時ちょい過ぎということもあって、店は常連客らしき人で混み合っていた。
「こりゃあ30分はかかるよ」
そんな声が聞こえてきた。白衣の店主は職人気質にあふれた人のようで、手作りへのこだわりが強いよう。これはいい兆候でもある。
          まるたや③ 
          驚きの登場

25分ほどで、「カレー南蛮うどん」がやって来た。ドンブリがどっしりと広い。そこに満々たるカレーの海が湯気を立てていた。恐るべきビジュアル。絹さやが3枚ほど中央に浮かんでいた。ポエム!

「これはすごいわ。カレーうどんの横綱ってとこね」(村民2号)
          まるたや④ 
          圧倒される
          まるたや⑤ 
       ため息と食欲

その外見だけで、あの「山本屋」を彷彿とさせるに十分だった。まずはレンゲでひと口。ドロリとしたルーはやや甘めで、鰹の出汁がコクと旨味を支えているような、しっかりした味わい。溶け込んだタマネギの甘みがジワリとくる。豚肉(バラ肉)が点々とカレーの海の中に潜んでいる。
          まるたや⑥ 
          戦闘開始
          まるたや3 
          こだわりの重さ

うどんは平打ちで、山本屋よりもやや細め。地粉の手打ちうどん。もっちり感とコシがほどよい。どんよりしたカレーがよく絡む。ボリュームが半端ではない。普通なら残すところだが、予想以上の旨さで、どんどん箸とレンゲが進み、ついには完食してしまった。汗が気持ちよく噴き出している。猛暑のカレーうどんも悪くない。
          まるたや1 
          豚バラ肉
          まるたや⑧ 
          もっちり感

「もう何もいらないって感じ。しばらく動きたくないわ。ハーフも作ってほしいくらいよ」
「驚きのカレーうどんとしか言いようがないよ。浅草の『翁そば』も凄いけど、これはさらにボリュームがある。しかも素朴に旨い。次はおこげカレーうどんを食べてみたいよ」
「一人でどうぞ」

本日の大金言。

ローカルの名店は、東京中心のグルメ情報だけでは捕まえきれない。それを探す楽しみ。むろんカレーうどんだけではない。


                  まるたや⑨ 




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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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