究極か「あん入り焼きまんじゅう」

GWの真っ最中、法事で 群馬・前橋市までポンコツ車を飛ばす。今年はどうしたわけか法事が多い。

法事の当たり年、そう考えると心が落ち着く。生者必滅の四文字がようやく実感としてわかってきた気がする(遅すぎだよ)。

法事でも舌は止まらない。胃袋も止まらない。止めてはいけない。止めようとしてもそう簡単には止まらない。

前橋からの帰り道、県道桐生・伊勢崎線周辺は「焼きまんじゅう街道」でもある(そう勝手に呼ばせていただきます)。群馬県内でも老舗の名店の一つ「堀田商店」に立ち寄ることにした。
          堀田商店 
          本物の予感

焼きまんじゅうは群馬県民がひそかに誇る郷土食で、県内には専門店だけでも優に100店超はあると思う(数えたわけではないので、単なる実感です)。ていうか、群馬県民にしか通用しない、全国的には珍しいまんじゅう。江戸時代末期には存在していたようだ。「秘密のケンミンショー」などでも笑いのネタにされている代物。伊勢崎市昭和町にある「堀田商店」は、その星の数ほどの焼きまんじゅうの中でも、トップに位置する老舗という噂の店である。
          堀田商店① 
          創業90年
          堀田商店1 
          職人の気配

桐生・伊勢崎線沿いに「やきまんじゅう」の幟(のぼり)が見え、その奥に瓦屋根の古い店構え。隙のない一軒家。年季の入った木枠の出窓のところが板場になっていて、そこにご高齢の店主が白衣姿で精を出していた。炭火が見えた。ポエム。本物の予感。
          堀田商店③ 
          ポエム!

きれいに磨かれた大きな木のテーブルが三つほど。そこに腰を下ろして、「焼きまんじゅう」(1串税込み150円)2串とあん入り焼きまんじゅう」(同250円)を1串頼んだ。あん入りも2串頼もうとしたが、村民2号が「1串4個で1個が大きいから、そんなに食えないわよ」で、3串で妥協した。
          堀田商店② 
          メニューはこれだけ
          堀田商店④ 
          手づくりの世界

女将さんがお茶を持ってきてくれた。持ち帰りの客が多いそうで、ポツリポツリとお客がやってくる。焼き上がるまでの時間、店の創業を聞くと「もう90年になります。主人で3代目です」とか。昭和初期の創業ということになる。
          堀田商店2 
      隅々まで気が届いている

12~3分ほどで、益子焼の大皿に盛られた焼きまんじゅう3串がいい匂いとともに目の前に置かれた。見事な世界。味噌ダレと焦げ目、食欲をそそる甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
          堀田商店⑥ 
          香ばしきシンプル
          堀田商店3 
          大皿と竹串まで

まずは焼きまんじゅう。竹の大串を抜いて、ガブリと行く。1串4個。1個の大きさは7センチ弱ほど。厚みは約2・5センチ。噛んだ瞬間、甘い濃厚な味噌ダレと柔らかな食感と香ばしい小麦の風味が口中に広がった。もちっとした歯ごたえ。美味。甘味が強いが、村長がこれまで食べた焼きまんじゅうの中でもこれは間違いなくトップだと思う。
          堀田商店⑧ 
          焼き立て
          堀田商店10 
          頂点の世界

皮種は地粉を使い、米粉も少し入れているようだ。それを糀(こうじ)で膨らませている。むろん自家製。どこかイタリアのフォカッチャを連想してしまった。

続いて、あん入りにかじりついた。こしあんが入っただけで、ずしりと重みが加わった。こしあんだけは「あんこ屋さんから仕入れてます」(店主)とか。きれいな甘みで、それが焼きまんじゅうの味噌ダレの濃厚な香ばしさに妙に合っている。
          堀田商店12 
          あん入りへ
          堀田商店13 
          ミスマッチではない
          堀田商店14 
          上質な職人芸
          堀田商店16  
          あーん

「あん入りも美味いけど、私は何も入っていない、本来のシンプルな焼きまんじゅうの方が好きだな。焼きまんじゅうはずいぶん食べたけど、これは凄いわ」

「焼きまんじゅう店は駄菓子屋みたいな店が多いけど、ここは庶民的なのに格がある。本物に出会えた感じ。焼きまんじゅうは決してB級ではない。そんな気になる。古い木の温もりと隅々まできれいに雑巾がかけられている感じがとてもいい」

「上州生まれとしては、うれしいわ。焼きまんじゅうはどこか小バカにされてる気がするけど、この店に来てほしいわ。この安さも店の心意気を感じるわ。1串150円は他の老舗より安い。しかも美味い。本当にいい店だわ」

「目がうるんでるね。そうか悔しかったのか(笑)」
「花粉症よ。会津の饅頭の天ぷらより全然いいでしょ?」
「何だか秘密のケンミンショーみたいになって来たね。やめよう、今日は法事帰りだから。平和に平和に・・・」
「生者必滅。饅頭にも平和を・・・」

本日の大金言。

焼きまんじゅうは以前は「あんなもん、どこが美味いのか」と思っていたが、いい焼きまんじゅうに出会ってから、その見方を変えた。ホントに美味いのである。千利休がメニューに出した「麩の焼き」も味噌ダレを付けて焼いたもの。ある意味で、焼きまんじゅうはその伝統の線の上にある、と思う。



                  堀田商店5 



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR