「カレーあえそば」の爆発力

 クレヨンしんちゃんの街、埼玉・春日部市はラーメンの激戦区でもある。「麵や豊」「井之上屋」「会津ラーメン和」など地味だが、いい店が多い。

その一つが、西口から歩いて5分ほどの距離にある「大黒屋本舗 金狼」である。古くからある二郎系のラーメン屋だが、3年ほど前に「狼煙」で修業した店主が引き継ぎ、「金狼」という名前を入れた。このあたりの経由については、よくわからない。
          大黒屋本舗 
          いい店構え

だが、やや煤けたような、質素な外観は相変わらず健在で、久しぶりにここに入ることにした。入り口に「限定10食 カレーあえそば」(税込み750円)の手書き文字が見えたからである。「まぜそば」は多いが、「カレーあえそば」というのは初めて。お世辞にもきれいとは言えないが。
          大黒屋本舗1 
          きれいではない

午前11時半と時間が早かったので、客は一組ほど。コの字型のカウンター席は12席ほどしかない。木のカウンターが歴史を感じさせる。店主が一人、女性スタッフが一人。券売機で「カレーあえそば」を押した。750円という価格設定もくすぐられる。
          大黒屋本舗② 
          いい雰囲気

待ち時間は15分ほどと長め。長めの理由はすぐわかった。十草模様のドンブリに、ドデカい炙りチャーシューと焦がしネギ(油ネギ)の褐色の海! しかも中央にはタマネギのみじん切りと万能ねぎ。タマネギの上には赤唐辛子が一本。シンプルだが、見事な構成で、色彩感覚も悪くない。
          大黒屋本舗④ 
          おおおの登場
          大黒屋本舗③ 
          お見事な構成
          大黒屋本舗⑤ 
          限定の一品

混ぜ混ぜしようと思ったが、まずはその下に潜んでいる麺を引き出すことにした。モワリとした湯気を引き連れて、極太麺が現れた。全粒麺のような褐色で、底に沈んでいる醤油ダレが絡みついてきた。濃厚な魚粉の匂いとカレー粉の匂いが立ち上がってきた。ラードのこってり感も付いている。
          大黒屋本舗⑥ 
          極太麺
          大黒屋本舗⑦ 
          タレの存在

ひと口。極太麺はゴワゴワとした食感で、コシうんぬんを通り越して、かなり硬め。それは悪くはない感触で、着丼まで時間がかかったのはこの麺ゆえとわかった。
          大黒屋本舗10 
          うどんではない

だが、予想以上の味の濃さ。タレのこってり感はジャンクラーメンと言ってもいいくらい。カレーの辛さと花椒のような辛さが口内で爆発する。タマネギがそれをほんの少し中和するが、追い付かない。
          大黒屋本舗⑨ 
          お見事チャーシュー

炙りチャーシューは脂身が十分にあり、柔らかくて旨い。この内容で750円というのは安いと思う。限定10食というのもうなずける。重量級のあえそば。

だが、食べ終えると、爆発後の口内を静めるのが急務となった。水を2杯飲んだ。「カレーあえそば」の余韻がしばらく口内に残った。ガーリックの匂いも。かつて大ヒットした角川映画、松田勇作の金狼が頭をかすめた。店主はひょっとして勇作ファン?

本日の大金言。

ラーメンはもはや一つの宇宙だと思う。これほど短期間で世界に広がった戦後の日本食は、寿司に匹敵する。いや、その多様性は寿司を超えている。無化調からジャンクまで、海・山・大地がドンブリの中で進化し続けているなんて。天国のダーウィンも驚いてる?



                 大黒屋本舗11 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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