池田満寿夫とクリーム栗あんみつ

 何ということだ。信州・松代にある「池田満寿夫美術館」がこの7月いっぱいで閉館してしまうとは。理由は入場者数の激減など経営上の都合のようだ。ファンでもあり、ほんの少しだが、仕事でかかわったことのある村長としては悲しすぎる。

竹風堂松代店の敷地内に開館したのが1997年(平成9年)。この年の3月8日、池田満寿夫は突然のように63年の生涯に終止符を打った。死因は愛犬に飛びつかれて転倒、そのまま天国へと旅立った・・・などと伝わったりもしたが、実際は少し違うようだ。少し前に脳こうそくで倒れて、入院生活を繰り返していたらしい。竹風堂の先代が池田と交友があり、その縁で亡くなったその年に開館している。
          池田満寿夫美術館⑥ 
      閉館する「池田満寿夫美術館」

つまり今年は没後20年。その記念の年に閉館とは。今回の信州の旅の大きな目的の一つが、「池田満寿夫美術館」だった。入り口のポスターには没後20年の企画展が「~12月5日(火)」となっているくらいで、閉館は突然の出来事だったことがわかる。
          池田満寿夫美術館① 
          悲しい入り口

それにしても稀代の才能・池田満寿夫の名前が功績以上にフェードアウトされていくのはなぜか? 遺作となった「美貌の青空」を観ながら、今だ正当に評価されない(と思う)、その無念の思いを想像する。芸大に三度も落ち、最初に認められたのは日本ではなく、海外だったこと(ビエンナーレ展版画部門国際大賞)など。

青空にすら濃厚なエロスを投影するMASUOの視線を想いながら、「竹風堂松代店」の暖簾をくぐる。客は少ない。竹風堂は小布施に本店があり、栗菓子の老舗として知られている。
          竹風堂① 
          竹風堂松代店

暑かったこともあり、「クリーム栗あんみつ」(税込み777円)を頼むことにした。これが予想以上の絶品だった。以前、小布施本店で「栗あんしるこ」を賞味したことがあるが、それよりもこちらの方が気に入った。
          竹風堂② 
          これこれ
          竹風堂③ 
          ええのう
          竹風堂④ 
          向こう側のエーゲ海
          竹風堂⑤ 
          ポエム!

寒天、果物、求肥(ぎゅうひ)はフツーの美味さ(洗練されている)だが、国産栗を使った主役の栗あんと蜜煮した大栗が秀逸。素朴な甘さといい栗の風味といい「小布施堂」といい勝負だと思う。

自家製のアイスクリーム(バニラ)がいい出来で、その冷たい新鮮な風味が鼻腔へと抜けていく。栗あんとの相性もいい。意外だが、小さ目の赤えんどう豆の塩気が、目立たないところで全体を引き締めている。
          竹風堂⑦ 
          秀逸な栗あん
          竹風堂⑧ 
          飛び込みたい
          竹風堂⑨ 
        秀逸なアイスクリーム
          竹風堂10 
          寒天のエロス

突然、池田満寿夫が甘党だったか、気になった。「コロンブスの卵焼き」(目玉焼きに上からソースをかけただけのドンブリ)など、自分でもユニークな料理を楽しんだことは知っているが、甘党だったかどうか。栗あんみつを食べたかどうか。「池田満寿夫美術館」の運営会社でもある竹風堂に聞いてみた。あまりにおバカすぎる展開だが。
          竹風堂13 
        MASUOはいずこへ?

「さあ、そこまでは知りません。特に聞いたこともありません」

何ということだ、池田満寿夫が遠い。青空が目に染みる。だが、村長は確信している。いつかMASUOが再評価される、と。「日本で」を超えて、世界で。

本日の大金言。

今回は「池田満寿夫に捧ぐ。」になってしまったが、書店に行ってもほとんど絶版。版画はもちろん、陶芸、小説、映画とピカソを思わせる世界を切り開いた一人の筋金入りの、多彩な芸術家をどうか忘れないでほしい。一ファンより。



                 竹風堂14
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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