「十割霧下そば」の満足度

 3年前の夏、戸隠そばで人気の行列店でぼっち盛りを堪能したときに、「あんな遠くまでわざわざ行列をしに行くより、長野市内にいいそば屋が一杯ありますよ」と妙な忠告を受けた。忠告は素直に受けるのが村の流儀でもある。

で、今回。長野市内で「お代官様、美味いそば屋を教えてくだせえ」と5人ほどに聞いてみた。観光案内所、ホテルのフロント、それに品のよさそうな眼鏡のおばはん3人組。その結果、駅前の「ぼっち」と「大善」がよさそうだった。

だが、「ぼっち」はその日は貸し切り。で、大通りを善光寺に向かってトボトボ歩くことにした。牛ではなく、蕎麦(そば)に引かれて。汗が毛穴から吹きだしている。炎天下は歩くに限る。時刻は午前11時すぎ。
          大善① 
          霧下そば十割!

その途中、右手に「十割そば 大善(だいぜん)」の看板が見えた。レトロな店構え。信濃町産「霧下そば」の文字も見えた。そばの中でも最高峰に位置する「霧下そば」。時間が早いせいか、行列はない。すぐに暖簾をくぐることにした。
          大善② 
          いい雰囲気

店内は暗めで、清涼な活気に満ちていた。善光寺の参道で、観光客も多そう。客がどんどん増えてきた。普通なら期待できそうもない場所だが、これが高レベルの十割そばだった。
          大善6 
          メニューの一部

並盛が600円(税込み)とかなり安め。少し迷ったが、数量限定の「二色盛り」(同850円)を選んだ。待ち時間は10分ほど。板そばのような木の器がいい。そこに十割そばと更科そばが小さな山を作っていた。つゆと薬味のネギ、それに漬け物が添えられていた。蕎麦はかなりの細打ち。シンプルでいい景色。
          大善1 
          限定二色そば
          大善⑤ 
          そばの香り

まずは十割霧下そば。つゆを付けずに口中に運ぶと、冷たい素朴な風味が風を作った。寒暖の差の激しい黒姫山山麓で育った霧下そば。十割なのでコシというより、凝縮した歯切れ。少しの間その風味を楽しんでから、つゆにスッと付ける。
          大善⑦ 
          十割そば
          大善4 
          絶妙な調和

甘すぎず辛すぎず。つゆの美味さに舌鼓。聞くと、三か月熟成させたかえしだそうで、鰹の出汁がじわりと効いている。

一番粉を使った白い更科そばは、きれいな風味が清流を思わせる。個人的には挽きぐるみが好みだが、この更科の洗練はこれはこれで悪くない。
          大善11 
          更科そば
          大善5 
          清流の一番粉

見た目は量が少なく見えるが、山となっている分、見た目以上にボリュームがある。そば処信州には美味しいそば屋が数多くあるが、この信濃町の霧下そばもかなりのレベルだと思う。戸隠のぼっちそばとはまた違う静かな感動。
          大善12 
          そば湯の旨み

帰り際、若い店主と雑談したら、店は平成14年創業で「まだ15年ほどです」とか。「大善」という店名は「父が大相撲の大善と関係があったことと、善光寺と大門から二文字を取って付けた」そう。すがすがしい気分で外に出る。頭上の炎天。もう一軒行こうか、ソフトクリームでも食べようか、大いに迷う。善光寺に詣でてから、考えようっと。

本日の大金言。

信濃町は小林一茶の出身地。青梅に手をかけて寝る蛙かな。腹に手をかけて昼寝の迷い猫(豚児)。





                  大善13 


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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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