渡来人と「原木椎茸せいろ」

 少し前、愛読している東京新聞で「渡来人伝説・日高市」を特集していた。面白かった。

日本人のルーツには謎が多いが、日本人が単一民族でないことは、人類学者や考古学者の間では異論がない。埼玉県の南西部にある人口5万6000人弱の日高市にある高麗神社(こまじんじゃ)へポンコツ車を飛ばすことにした。

その地名が示すように、このあたりはかつて高麗郡と呼ばれ、紀元前7世紀後半に超大国・唐と新羅の連合軍に敗れた高句麗の王族や臣下が集団で落ちのびてきた場所らしい。渡来人は紀元前からいくつかの波があり、それが古代日本に大きな影響を与えたという。
          高麗神社① 
          高麗神社
          聖光院② 
          こちらは聖天院

村長の遠い祖先は、耳垢の状態から見て、ニューギニアあたりが半分以上だと思うが、日本に逃れてきた王族の末えい・高麗若光王を祀っている高麗神社に詣でると、不思議な声が聞こえてきた。

「おまえはどこから来て、どこへ行く?」

そう来たか。で、ひとまず昼食を取ることにした。腹が減っては探索もできぬ。
          高麗川駅 
          高麗川駅

だが、この街は不思議な街で、歩いても歩いてもいわゆる商店街や飲食街が見当たらない。JR高麗川駅に行っても、ピンとくる店がない。人も驚くほど少ない。仕方なく、市立図書館に行って、そこの女性スタッフに「どこか美味いもん食べるとこありませんかねえ」と窮状を訴えた。

「ないですねえ。商店街というのも特にはないんです。コンビニはいかがですか?」
「はあ、渡来人の街に来てコンビニとは」

5~6分ほど糠に釘のような問答をしていると、別の女性スタッフが「あっ、ちょっと高いですけど、一軒だけいいそば屋があります」。
          遊蕎① 
          砂漠のオアシス?

教えてくれたのが、「そば茶房 遊蕎(ゆうきょう)」だった。蔵造りの一軒家で、いい店構え。「新そば」の文字が食欲をそそった。ウッディーなそば処で、砂漠にオアシスの気分。ここで食べたのが「原木しいたけせいろ」(税込み 1100円)。日高産の肉厚椎茸(しいたけ)を使った温かいツユに打ちたての冷たい新そば(北海道産)をくぐらせてたぐる。
          遊蕎② 
          メニューの一部
          遊蕎⑤ 
        原木しいたけせいろ
          遊蕎⑥ 
          上空より
          遊蕎2 
          新そば!

細打ちの二八そばで、期待したほどの風味はなかったが、コシがほどよくあり、肉厚椎茸の風味と昆布出汁の効いたツユとの相性は悪くない。途中で持って来てくれたそば湯がこってりしていて美味。
          遊蕎3 
          この肉厚しいたけ
       
少し物足りなかったので、デザート代わりに自家製「そばがき団子」(1ケ 350円)を頼んだ。もっちりしたそばがきでつぶあんを包んでいた。きな粉がまぶしてある。そば湯を飲みながらこれを賞味すると、ようやく落ち着いてきた。
          遊蕎⑨ 
        そば湯とそばがき団子
          遊蕎11 
          当たりか?
          遊蕎10 
          店でしか食えない

若い店主と雑談。店は創業して14年になるそう。あの伝説の店「足利 一茶庵」で5年半ほど修業、地場の野菜を使ったオリジナルメニューやそばスイーツも作っている。人も食事処も少ない、殺風景な(失礼)渡来人伝説の街で、やや値段は高めながら、14年も店を続けているのは凄いことでもある。

八割の満足感。食べ終えてから、ふと隣に「渡来人」の気配がした。「そばだって我らが持ってきたもんですぞ」そんなつぶやきが聞こえた気がした。まさか?

本日の大金言。

日本人のルーツはさまざまなルートがあり、近年はDNA分析なども取り入れられ、北から南から様々な人種がやって来たようだ。縄文人も弥生人も長友顔も槙野顔もいつしか日本という器の中に収まって行った。日高市はその意味で面白い存在だと思う。排除ではなく共存の可能性。





                  遊蕎12 





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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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