目からウロコ「魚沼産こしひかり目刺し弁当」

「京都の台所」錦市場をうろつきながら、彦作村長は、京都は一つの循環する宇宙だという思いを強くした。ここでは時間が他の地域のように流れていない。「先の戦争」が太平洋戦争ではなく応仁の乱だったり、未来についても「そんな先のこと、かなんなァ」だったり。「いま」が何よりも大切で、その「いま」は累々たる死者の上の成り立っている。ここでは死者も生きている。「ご先祖さまから預からせてもろうてます」という言葉が自然に出てくる街。本能寺にある織田信長の墓所や六波羅蜜寺近くの老舗みなとやの「幽霊子育飴」で感じた実感としての時間と空間感覚。何という街だろう。京都はホンマになんぎやなァ。

          錦市場① 
          京都の台所錦市場

「村長ったら、カランカランの頭でそんなこと考えてたの?」
京都並みになんぎな美熟女の村民2号が、帰りの新幹線こだまの中でチクリ。
「ホント頭がくらくらしてきたよ。迷路があまり深すぎて、京都の奥座敷を見るのは不可能だと知ったよ」
「今ごろわかったの? 京都の尻尾を摑もうなんて、1万年早いわよ。それより早く弁当あけましょ」

         目刺し弁当② 
         かような弁当が存在していたとは

京都にお住まいの調布先生から教えてもらった「魚沼産こしひかり目刺し弁当」(380円)が目の前にある。
「ボクはいつもこれですよ。これが一番うまい。高い駅弁なんか買ったらあきませんよ、ひっひっひ」
包みを解くと、白ごまがちょこんと乗っかった塩おにぎり2個と小さな目刺しが2匹。それに沢庵2切れ。それ以外には何もない。実にシンプルな構成。こんな弁当見たことない。
「魚沼産のコシヒカリというのがいい。このシンプルさ、まるで禅の世界みたい。隣にお坊さんもいるし」
「お坊さんは余計」
「大阪の菊太屋というお米屋さんが作った弁当で、こだわりがすごい。店頭で一個一個手で握ってるのよ。目からウロコのお弁当だわね」

         目刺し弁当③ 
         結びはシンプル!

塩おにぎりは小さめ。まずはひと口、がぶりと行くと、いいコシヒカリの甘みが軽く振られた塩加減に伴奏されて、主メロディーとなって口中に広がってくる。目刺しをかじる。濃いめの味が絶妙なアクセントになる。突然、土光敏夫のいかつい顔とともに遠くから琵琶の音が聞こえてくる。味覚が研ぎ澄まされてくるようだ。あまりにシンプルなうまさについつい感動してしまいそうになる。あわてて沢庵もかじる。涙が出てきそうになる。

            目刺し弁当④ 
            コシヒカリの甘みが・・・

気を静めるように、駅の売店で買った「玉乃光 純米吟醸」(310円)で、ノドの中を洗う。あー極楽ごくらく、線路の上の極楽。

「大丈夫?村長、さっきからおかしいわよ。上向いたり、下向いたり。挙動不審で通報されちゃうかもしれないわよ」
「おにぎりと目刺し・・・。これはきっと、おにぎりを目指せという暗示があるかもなあ」
「おにぎりみたいな頭で、何言ってんのよ」
「おにぎりは日本人の原点でもある。つまり、原点を目指せという意味・・・」
「それ、ダジャレのつもり? でも、この弁当、気に入った。量が少ないのもいい。ぜいたく言うと、あと100円安くしてもいいと思う。ニッパチ。花のニッパチ・・・280円」
「・・・・・・」

          目刺し弁当⑤ 
          ワイをなめんなよ


本日の大金言。

日本人はもう一度シンプルの奥深さに気が付いてほしい。3.11がそのきっかけになるはずだったのに、いまだに迷走は続いている。目刺し弁当が身を持って教えてくれる。



                   幽霊飴① 
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

もっと美味いものを伝授しましょう(笑い)

グルメの勉強をするなら、子母沢寛著「味覚極楽」(中公文庫)は必読ですよ。昭和初期、朝野の名士に、新聞記者時代の著者が取材、聞き書きしたものです。この中に、安政生まれの増上寺大僧正の道重(みちしげ)信教和尚の「冷や飯に沢庵」という一文があります。是非、実践してみてください。村民2号の愛妻が「お金がかからないから素敵ね!良いわ!」と夫婦和合のもとですよ(笑い)。愚生は、この中で、道重和尚が実践していた「海苔巻き寿司」を作ってみました。実に美味い!和尚が「ワシの一番の贅沢じゃ」と言われるだけのことがあります。ご飯は旅にでる前夜のうちに炊いておき、酢もすっかり煮込んで、冷やしておく。それを、翌朝、飯に混ぜる。沢庵は中身の美味いところを細く切り、海苔を焼いて、これを粉のようにしてふりかけ混ぜる、そして、これを大きな握り飯にして、竹の皮に包んで、旅に持って出る、と言うことです。海苔はふりかけず、ご飯に巻くなり、包むのも、個人の好みでしょう。コツは、ご飯を前夜に炊き、煮込んだ酢を冷やし、ご飯にまぶすことです。愚生もそれを作り、食して満足しました。是非、この本も読んで、やってとくやりゃす!。おいしいどすえ(笑い)。以上
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR