テンコ盛り「謎のホットケーキ」

 本日テーブルに乗せるのは大雪にも負けないホットケーキ、であります。ホットケーキファンは老若男女問わず根強い。

元々は大正末期から昭和初期にかけて東京で誕生した和製英語らしい(世界的にはパンケーキ)が、昭和32年(1957年)に森永製菓が「ホットケーキミックス」として売り出し、それが爆発的人気になり、一般家庭に入り込み、戦後の国民的スイーツの座に上り詰めた。今ではスイーツ界の演歌みたいなものかもしれない。
          吉祥寺虎屋①  
          吉祥寺の穴場

東京・吉祥寺のサンロードをぶら歩き中に、美味そうなホットケーキのメニューが見えてしまった。しまったからにはパブロフの犬になるしかない。ちょうど午後1時過ぎ。昼飯にホットケーキというのも案外オツだと思う。飲み過ぎでもたれた胃にはやさしいはずだ。
          吉祥寺虎屋② 
          パブロフの犬

吉祥寺虎屋の甘味処「茶寮 吉祥庵(きっしょうあん)」の定番メニューで、ホットケーキだけで6種類もある。入り口は狭いが、暖簾も「おしるこ」の赤い旗も江戸趣味でポエム。階段をトントンと上り、2階にある店内に入ると、老舗の甘味処の世界。BGMの琴の音が渋い。
          吉祥庵 
          甘美な世界へ

「昔ながらのホットケーキ」メニューの中からシンプルなホットケーキにしようかと思ったが、あんこ好きの虫が騒いだ。悪魔と天使の間を揺れ動き、ついに悪魔(?)が勝ってしまった。気がついたら「小倉ケーキ」(税込み830円)を頼んでいた。あんこからの足抜けはできそうもない。
          吉祥庵② 
       ホットケーキがズラリ
          DSCN5890.jpg  
          おおおの登場

待ち時間は15~6分ほど。多分銅板でじっくり焼いているに違いない。お盆に乗った「小倉ケーキ」はワンダーだった。ふくらし粉をしっかり使った昔懐かしい分厚いきつね色のホットケーキが2枚。その上からゆるめのつぶしあんが溶岩のように大量に流れ込んでいた。ホイップクリームが後ろに控え、愛らしいさくらんぼがちょこんと乗っかっていた。何というビジュアル。それにナイフとフォーク。
          吉祥庵④ 
          愛の時間
          吉祥庵⑤ 
          甘い溶岩
          吉祥庵⑥ 
          飛び込みたい

スイーツが苦手な人にとっては地獄絵図かもしれないが、村長にとっては極楽絵図。

ホットケーキはふかふかだが、しっかりとした昭和が太い輪郭を支えている。そんな感じ。流行のふわふわに流れない正統派ホットケーキ。自家製あんこは甘さが控えめで、柔らかく炊かれている。目白の「志むら」で食べたあずき氷のゆるゆるあんこのようなインパクト。皮まで軟らかい。多分北海道産大納言小豆。砂糖はザラメだろう。
          吉祥庵⑦ 
          正統派ホットケーキ

食べ進むうちに少々飽きが来てしまった。マーガリンがないのが残念。蜜もない。あえて言うと、ホイップクリームをやめて、マーガリンにした方が味わいにメリハリがつくと思う。サービスのほうじ茶が美味い。
          吉祥庵⑧ 
          先は長い

何とかきれいに食べ終えると、向こう側にいたおばはん二人組が明るく話しかけて来た。
「あらあなた、面白いことやってるわねえ。左手で写真を取りながら右手て食べるなんて器用ねえ。私も食べたくなっちゃったわ」
「へえー、ブログやってんの? いいわねえ。何ていうブログ、教えて教えて」
          吉祥庵10 
          幸せなチェリー

10分ほど雑談につきあってしまった。気がつくと2時過ぎ。慌てて立ち上がる。会計のとき気になっていたことを女性スタッフに聞いてみた。
「ここは京都の虎屋の支店ですか?」
「いいえ、まったく関係ありません、ウチは昔から吉祥寺です。創業83年になります。現在三代目になるんですよ」

一時閉店した時期があり、数年前に復活したこともわかった。吉祥寺虎屋の謎がようやく半分くらい解けた。

本日の大金言。

ホットケーキのHOTには「ホッとする」の意味もあると思う。温かくてホッとする。スラングではセクシーだが、日本では母性のあるスイーツで、実体として貴重なスイーツだと思う。




                  吉祥庵12 











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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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