南青山「神戸牛ハンバーグ」の驚き

 友人でもある気鋭の画家・鈴木るり子さんの個展を見に東京・南青山「ギャラリー5610」へ。同じ美大出の村民2号も黒づくめのファッションで決めて付いてきた。だが、悲しいかな村長はどんなに気張っても田吾作スタイル。このアンバランスには付ける薬はない。
          鈴木るり子画展① 
          鈴木るり子個展

るり子さんの娘さんが映画製作に携わっていることもあり、会場はその娘さんがセッティングしたもの。作品は抽象画と陶器。それらがシンプルに展示されていた。買いたくなる絵が2点ほどあったが、村の財政の関係で断念。30分ほど談笑してから、もう一つの目的、昼めし探しへ。
          リマ 
          当たりかハズレか?
 
骨董通りをぶら歩きしながら、味覚センサーがピコピコ鳴るのを待った。この周辺はいい店が多く、しかも隠れた名店があるはず。そのセンサーが5丁目あたりで鳴った。ひっそりとした入り口。地下へと続くアプローチと階段。そのメニューボードに目が吸い付いた。手書きのチョークで「LUNCH 神戸牛ハンバーグ 150グラム1500円」と書かれていた。さらに200グラム1700円、300グラム2500円の文字。うむ。
          リトル・リマ② 
          美味の入り口

余計なものがない店構えからただ者ではない匂いがぷんぷん漂ってきた。1500円は場所柄高いとは言えない。それどころかあの黒毛和牛の頂点、神戸牛。これは当たりかもしれないぞ? それが知る人ぞ知る神戸牛専門のステーキ屋「リトル・リマ」だった。

入り口のドア付近にワインの空ボトルが置いてあり、ふと見ると、オーパスワン、シャトーマルゴー、ドミナス、ラ・ルーチェなどのエチケット(ラベル)! 見方を変えると、ある種のイヤミも感じるが、「安くはないステーキ屋さん」であることがわかる。
          リトル・リマ6 
          すげえ

ゆったりとL字型の見事な鉄板に10席ほどの椅子。テーブル席も二つほど。その対面に品のいい立ち姿のシェフともう一人若いコックさんがいた。時間が午後1時半を過ぎていたせいか、客は他に3人ほど。150グラム(税込み 1500円)を頼んだ。
          リトル・リマ④ 
          1500円だって?

ランチタイムは鉄板は使わないようで、フライパンで焼き始めた。いい匂いが立ち上がり、BGMのモダンジャズが静かに流れている。ある種のポエム。
          リトル・リマ⑦ 
          ただ者じゃない
          リトル・リマ⑥ 
          隠れた逸品

待ち時間は15~7分ほど。ワカメの味噌汁とライスが置かれ、続いて神戸牛のハンバーグがていねいに置かれた。神戸牛のスジ肉と香味野菜を10日間以上煮詰めて仕上げているそう。デミグラスソースがたっぷりとかけられている。15年以上継ぎ足してきたもので、その色合いに肉好きの村民2号が息を飲んでいるのがわかった。
          リトル・リマ⑧ 
          神戸牛の技
          リトル・リマ10 
          ライスは少なめ

人参グラッセ、ポテトサラダ、キュウリのピクルスが添えられていた。すべてがさり気なく本物。デミグラスソースが甘めなのが好みからやや外れるが、肉自体の美味さ、料理の腕、雰囲気、どれをとっても1500円というのは驚きである。店を出てからあれこれ感想。
          リトル・リマ⑨ 
          煮込みに10日

「キュウリのピクルスが美味かったわ。本物のプロは隠れているのね。こんな店があるなんて、やっぱり青山は違うわ。原宿とは違う。村長のセンサーも捨てたものじゃないわね」

「調べてみたら、この店は肉好きの寺門ジモンが『取材禁止の店』と書いていたよ。夜は一人3万円は覚悟しないといけない店らしい。シェフがあまりに渋く格好いいのでそっと聞いてみたら、創業は1975年。43年ほどの歴史で、店名のリマはペルーの首都とは関係ないそうだ。店名の由来は結局よくわからなかった」
          リトル・リマ11 
          プロがいる
          リトル・リマ4 
       柔らかな人参グラッセ

「村長が写真を一杯撮ってたけど、大丈夫だったかしら。方針を変えたのか、村長の哀れな姿に同情したのか黙って見てたわね」

「一応了解は取ったよ。こういういい店はちゃんと紹介しないとね」

「よく言うわよ、今度は夜来ますなんて。一人3万円よ。昔じゃあるまいし、今はそんな余裕ないわよ」

「シェフはちゃんと見抜いているよ。だから凄いんだよ。あのシェフ、やっぱりただ者じゃない

「ま、3万円の店で大満足の1500円、いい時間だったから許してあげるわ。だけど隠れて夜来たら、許さないけど(笑)」

「・・・・・・」

本日の大金言。

面白い話を聞いた。食べログの話になって、この店も出ていた。それを知って、「消してほしい」と頼んだら、応じてくれないとか。食べログの評価もそれなりに高かったので、それはよしとすることにしよう。店はネットの世界と対極にあるのは確かだ。


                  リトル・リマ5 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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