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百年料理屋の「キジつくね弁当」

東京・日本橋茅場町周辺にはいい店が多い。ホントに多い。

兜町ペンクラブに野良仕事に行ったときなど、時間があるときは、このあたりをぶら歩きするのが楽しい。今回テーブルの上に乗せるのは昨日午後1時過ぎ、氷雨の中を飛び込んだ「鳥徳(とりとく)」のランチ弁当である。
          鳥徳 
          いい店構え

以前から目を付けていた老舗の鳥料理屋で、うなぎも名物。創業は記録が残っていないのではっきりしないが、明治30年(1897年)前後のようだ。すぐ近くには同じ鳥料理の名店「やきとり 宮川」もある。こちらはすでにこのブログでご紹介している。
           鳥徳① 
          二階は座敷

海老茶の暖簾がいい風情で、中に入ると、外から見るよりもかなり広い。年季の入った下駄箱と階段があり、大正・昭和の面影がある。一階は奥がガラス張りの板場になっていて、こちらも驚くほど広い。そこで料理人が鮮やかな手さばきでうなぎとキジ(鶏)を焼いている。明治・大正の板場を見ているような気分。
          鳥徳1 
          一階の世界
          鳥徳2 
          板場の別世界
          
カウンター席に座って、メニューを物色する。3種類の弁当が気になった。一番安い「A弁当」(税込み 850円)に目が行くのは仕方がない。
          鳥徳6 
          メニューは多くない

「A弁当って何?」
「キジ焼きとつくねです」(女性スタッフ)
「それ、お願いします」

ちなみにB弁当は焼き鳥中心、C弁当はうなぎ。値段が上がっていく。どうやらこの店では鳥をキジと呼んでいる。江戸から続く言葉遊び(シャレ)が今も生きているのが、さすが日本橋界わいの老舗と感心。
           
14~5分ほどで鳥スープがサッと置かれた。あっさりした塩味で、ま、普通の味わい。それから2~3分で、A弁当がやってきた。漆塗りのドシリしたお重で、「A弁当」というあまりに軽い言葉と違和感があると思う。
          鳥徳③ 
          A弁当、登場

ゆっくり(こういう店では急いではならない)蓋を取ると、見事な世界が広がっていた。濃いタレをくぐらせたキジ(多分胸肉)が全体の三分の二を覆っていた。そのボリューム。焼き加減がプロフェッショナル。残りの三分の一は大きめのつくねが6個。こちらは塩ダレで、箸を付けると、鳥つくね自体の旨みが口中に広がった。かすかににんにくの匂い。グリーンピースがポエム。
          鳥徳④ 
          このボリューム感
          鳥徳7  
          つくねの実力
          鳥徳⑧ 
          キジの実力

キジは厚めで7~8枚はありそう。濃いめの甘辛ダレで、鳥の鮮度がかじった瞬間にわかった。ブランド名などは書かれていないが、比内地鶏のような食感で、おそらくいい鳥を朝締めしたものではないか。老舗は野暮な表示はしない。
          鳥徳10 
          七味をパラリ

最も感心したのは絶妙にタレのかかったご飯で、やや固めの炊き加減と、透明感のあるテカり。どこの米かはわからないが、一粒が小さいのでおそらくコシヒカリ系だと思う。量は少なめ。
          鳥徳11 
          タレのかかり具合
          鳥徳12 
        食べ終えたくない

途中で七味をかけ、さらに食べ進むと、つややかな海苔が出てきた。ポエム。あまりに美味いので、食べ終えるのが惜しくなるほど。白菜の漬け物(食べ放題)はそれなりだが、このA弁当、850円という舌代を考えると、かなりのお値打ちだと思う。

本日の大金言。

茅場町、兜町、八丁堀周辺はランチの激戦区でもある。裏通りに入ってもいい店が多い。バブル華やかなりし時代には近くの証券マンが爪楊枝(つまようじ)を加え、肩で風切って歩いていた。その爪楊枝姿も今はあまり見かけなくなった。


                 鳥徳14 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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