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築地路地裏の「まぐろぶつ切り」

 きのうは東京・銀座6丁目「ギャラリー一枚の繪」へ。「加藤力之輔個展」を観に行く。スペイン・マドリードと京都を股にかけて創作活動を続け、今回は小品主体の展示で、京都にお住いの魯山人先生の肝いり。たまたま友人知人もいて、自然の流れで、銀座の夜に繰り出した・・・。

その前にすぐ近くの「ぎんざ空也(くうや)」でしっかりとかの高名な最中を買い込んだこともご報告したい。そちらは近々、別媒体「週刊あんこ」(syukan-anko.hatenablog.jp)で俎上に載せる予定。乞うご期待・・・となるか心配だが。
          空也③ 
          空也、食わず?

という微妙な前振りで、本題に移りたい。築地場外市場で遅いランチを取ろうと思ったが、午後2時を過ぎていたので、ロクな店しか開いていない。こういう時のために取って置きの穴場に行くことにした。晴海通りに出て、しばらく歩く。すぐ勝鬨橋というあたり。ここまで来ると、観光客の姿はほとんどない。右手の細い路地に入る。ディープな築地。
          多け乃食堂① 
          築地の穴場へ

開いていた! 魚を入れていた発泡スチロールの箱が積んである。紺地の古いノレン。「食堂 多け乃(たけの)」である。知る人ぞ知る魚の美味い店で、創業が昭和15年(1940年)。元々は甘味屋だったが、この年に食堂に移行している。築地魚河岸関係者相手の食いもの屋だけに、下手なものは出せない。安くて美味い、が鉄則で、最近急激に増えた「派手で高い」観光客相手の寿司どんぶり屋とは一線を画している。
          多け乃食堂 
        路地裏の天国

ノレンをくぐると、魚料理のいい匂いの出迎えを受ける。左手が5人ほど座れるカウンター席、右側がテーブル席で三つほど。狭い。昭和の匂い。二階もあるようだ。一番大きいテーブルで身なりのいいオッサン連中が一杯機嫌で魚料理をつついていた。会話の内容などから何となく新聞記者の匂いがした。近場にあるA新聞社のOBかもしれない。
          多け乃食堂15 
        昔気質の築地

メニューが壁にべたべた貼ってある。3年ほど前にここで「カキフライ定食」を食べたが、質量ともにレベルが高かった。築地をよく知る人がくる店、だと思う。
          多け乃食堂③  
          メニューの一部

カウンターに腰を下ろして、一番安めの「まぐろぶつ切り定食」(味噌汁、ごはん、お新香付き 税込み 840円)を頼んだ。アルコールは我慢。家族経営らしく、狭い店なのに5~6人が連携していた。この雰囲気、昔の築地のまま。
          多け乃食堂⑥ 
        まぐろぶつ切り定食
          多け乃食堂⑦ 
       見た目はイマイチだが

7~8分待ちで、どんぶり飯、アサリの味噌汁、大根の葉と人参のごま油和え、そしてメーンのまぐろぶつ切りがズイと置かれた。
          多け乃食堂13 
          アサリの味噌汁
          多け乃食堂⑧ 
     840円が信じられない

このぶつ切りがさすが、という代物だった。ただのぶつ切りではない。ミナミマグロ、バチマグロ、クロマグロのぶつ。それも赤身、中トロ、大トロ、中落ちが無造作に盛られていた。きれいな切り身も。ツマは大根の千切りだけで、他には装飾は何もない。

鮮度、脂の乗り。盛りつけが「あまり」だが、それさえ気にしなければ、これほどのマグロをこの値段では味わえない。
          多け乃食堂⑨ 
          即席まぐろ丼
          多け乃食堂10 
          どうです?

ご飯の上にぶつをいくつか盛り、わさびを溶いた醤油を、ささっと回しがけしてかっ込む。即席のまぐろ丼。ご飯は少なめだが、固めに炊かれていて、まぐろと一緒に食べると、これがたまらなく旨い。
          多け乃食堂12 
          残りの時間

アサリの味噌汁、ごま油和えも市場の味わい。これで840円が信じられない。表通りで高いお代を払うのがバカみたいに思えてくる。大いなる満足。その足で銀座方面へと向かうことにした。空はまだ高く、夜は長い。

本日の大金言。

築地の楽しみ方はいろいろだが、最近の築地市場は外国人観光客も多く、派手な店が乱立しているように見える。人の行く裏に道あり花の山。築地の楽しみ方はその格言に尽きると思う。築地を裏通りから見る。今年10月までの楽しみ方だが、ああもったいないよ。


                  多け乃食堂14 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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