元祖「新潟タレカツ丼」に並ぶ

 旅の醍醐味は出会い系にある。恋の出会いではなく、味な出会いというのも確かにある。下より舌、なんてね。

会津から冬の新潟を楽しもうと、高速バスに飛び乗り、古町通りをぶら歩きとなった。約2年ぶりの古町。センサーをフル回転させながら、歩き回る。場所柄いい鮮魚店が多い。だが、思ったほど安くはない。時計を見ると、午前10時半。疲れもあり、街なかの珈琲店「きらり」に飛び込んだ。コーヒー好きの村民2号が文句ぶつぶつを中断した。
          萬代橋 
      美人と美味の都?(萬代橋)

そこで新潟美人のママさんが教えてくれたのが「食堂  とんかつ太郎」だった。

「ここから歩いても5分くらい。タレカツ丼の元祖の店ですよ。いつ行っても行列なので、すぐわかります」

ソースカツ丼も大好きだが、醤油ベースのタレカツも嫌いではない。東京・水道橋にある「新潟カツ丼 タレカツ神保町本店」などは宮仕え時代から通っている。その元祖の味とはいかなるものか、魚料理を食べる予定が一時的にどこかへ飛んで行った。
          太郎とんかつ 
        開店前からこの行列
          とんかつ太郎4 
         元祖の店

オープンは午前11時半。その20分前に到着したが、すでに7~8人が並んでいた。美人ママの言葉は本当だった。地元では超有名店とわかった。ここは我慢、後ろに並ぶことにした。どんどん行列が長くなっていくのがわかった。寒さと期待感。
          とんかつ太郎2 
          ようやく入れた
          とんかつ太郎① 
       「カツ丼」と言えばこれ

2階もあるようだが、1階はカウンター席のみ。コック姿の店主が手際よくカツを揚げて、特製のタレにくぐらせていく。鼻腔にいい匂いがふわふわと侵入してくる。メニューから「カツ丼」(普通盛りカツ5枚 税込み1050円)を選んだ。村民2号は「ミニカツ丼」(カツ3枚 同750円)。写真で見る限りとてもミニとは思えない。わかめ汁(同100円)も頼んだ。

待ち時間は20分ほどと長い。しっかり作っているのがわかる。店主は3代目で、初代がタレカツを考案したとか。屋台から始まり、創業は昭和初期あたり。ソースカツ丼よりは歴史は浅いが、それでもかなりの歴史ではある。
          とんかつ太郎② 
          主役の登場
          とんかつ太郎④ 
       これで普通盛り5枚!

この元祖タレカツ丼が驚きの代物だった。ドンブリを覆うように、揚げたての黄金色のトンカツが5枚、折り重なっていた。一枚が大きくて、しかも薄い。国産豚を叩いて筋を切り、柔らかく伸ばしている。それをきめ細かなパン粉で包んで、ラード油で揚げているようだ。見た目のインパクト。
          とんかつ太郎3 
          大きくて薄い
          とんかつ太郎⑦ 
     マスタードを付けてみる

醤油ベースのタレの美味さ、穏やかな甘辛具合。炊き立てのやや小粒の新潟産コシヒカリ。それらがカラリと揚がったカツと絶妙に連動している。タレのかかり具合といい、固めに炊かれたご飯といい、ドンピシャ村長の好み。ほぼ完ぺきだと思う。
          とんかつ太郎⑨ 
         ご飯が秀逸

ミニカツ丼でよかったわ。ミニというよりこっちが普通盛りよ。3枚だって多すぎるくらい。キャベツも敷いてないし、ご飯とカツとタレだけ。なのに不思議なくらい美味い。この旨み、私にとっては新しい発見だわ」
          とんかつ太郎⑧ 
         言葉はいらない

「水道橋の名店『タレカツ』がここをそっくり真似していることもわかったよ。元祖でこれだけ人気があるのに、店全体がだれていない。屋台から始めた初代の教えが生きているんだな。ちょっと驚くよ」
          とんかつ太郎10 
        タレのかかり具合

行列でかなり待たされることだけが厄介だが、これでマズかったら腹立ちも二倍になる。だが十二分に満足できる美味さなので、それも致し方ない。

ちらりと新潟好きのメドベージェワがここに来たか、気になった。ザギトワと二人でここで「カツ丼」を食べている姿を想像したら、笑みがこぼれてきた。むろん、そんな情報は入っていない。

本日の大金言。

新潟でカツ丼、といえばタレカツ丼のこと。「とんかつ太郎」の初代は洋食修業もしたようで、昭和初期頃、当時人気のカツレツを甘辛の醤油ダレにくぐらせることを思いついたらしい。それをドンブリにしたところ、評判となった。東京でも新潟タレカツをメニューに加える店が増えている。カツ丼は煮込みだけではない。





                   とんかつ太郎11 

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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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