「いもや」変じて絶品メンチカツ
東京・神田神保町の名物「いもや」(1958年創業)が今月いっぱいで暖簾を畳む。秋葉原の「かんだ食堂」も明日24日で約60年の歴史にピリオドを打つ。何ということだ。京都のグルメ先生も嘆いていたが、時代の流れとはいえ、寂しさが募る。
どちらも昭和を代表するB級の名店で、通い続けたファンの惜しむ声が聞こえてくる。所用で御茶ノ水に行ったついでに、足を延ばして「いもや」を覗いてみた。神保町には「いもや」が三軒ある。「天ぷら いもや」「天丼 いもや」「とんかつ いもや」。北千住にも暖簾分けした「いもや」があるが、中心はこの三軒。
閉店を惜しむ行列(天丼いもや)
こちらも長い行列(天ぷらいもや)
「とんかついもや」も長い行列
すべて閉店を惜しむファンで長い行列ができていた。老若男女。男性の方が多い。店はいずれもカウンター席だけの狭いもので、中に入るまで1時間以上はかかりそう。「天丼 いもや」でしばらく並んでみたが、なかなか動かない。次の約束があるので、匂いだけ嗅いで、お別れの天丼をあきらめることにした。
行列の隣り(キッチングラン)
ふと隣の洋食屋が比較的空いていることに気づいた。それが「キッチン グラン」だった。こちらも1960年(昭和35年)創業のカウンター席だけの小さな洋食屋で、ガラス越しにりゅうとしたコック姿の店主の姿が見えた。調べてみたら二代目の店主で、ご高齢の女将(お母さんだろう)と二人で切り盛りしていた。
昭和の洋食屋
メニューはメンチカツや豚しょうが焼きなど揚げ物中心で品数は多くない。使い込んだきれいな一枚板のL字カウンターが歴史を感じさせ、席はざっと見たところ15席ほどしかない。2席ほど空いていた。厨房は広め。ポエム。
一番人気
頭の中を天丼からメンチカツに切り替えた。一番人気だという「メンチカツ・しょうが焼盛合せ」(ライス・みそ汁付 税込み800円)。隣の席を見ると、ボリュームがかなりある。「ライスを少な目に」とお願いしたら、「小盛りにもできますよ。50円安くなります」と女将さん。この気配り。涙が一滴ほど出かかった。
待ち時間は13分ほど。メンチを揚げる軽やかな音とラードのいい匂いが食欲をそそる。
この盛り合わせが昭和の洋食屋のものだった。しょうが焼きは甘めで、色がやや赤い。赤味噌かトマトソースを加えているのかもしれない。フツーに旨い。
この迫力
すぐれもの
何よりも揚げたてのメンチカツのボリュームと旨さに感心した。豚ひき肉と玉ネギのバランスがいい。噛んだ瞬間、肉汁がじゅわりと口中に広がった。サクサクしたパン粉の感触。上質のメンチ。
メンチカツの旨さ
しょうが焼き
スパゲティー
添えのキャベツとスパゲティーもいいレベル。みそ汁は豆腐が沈んでいて、シジミの出汁が効いている。
シンプルなみそ汁
ライスを小盛りにしたのをやや後悔した。このライスが学生食堂のライスのようで、ブランド米ではないと思う。妙に高級化していないのがいい。昭和のよき洋食屋。
B級のライス
食べ終えて外に出ると、隣の「天丼 いもや」の行列はまだ収まりそうになかった。路地の奥には半ちゃんラーメンで有名な「さぶちゃん」もある。さぶちゃんも去年閉店している。神保町の奥行きと去りゆく昭和・・・京都のグルメ先生ならずとも「ゆく川の流れは絶えずして」の一説が頭をよぎった。だが、まだ「キッチングラン」もある。
本日の大金言。
「いもや」の閉店の理由は不明だが、店主の女将さんのご高齢が一つありそうだ。ひょっとして客層の変化もあるかもしれない。いずれにせよ神保町「いもや」の暖簾はもうすぐ消える。そして記憶の中に残る。
どちらも昭和を代表するB級の名店で、通い続けたファンの惜しむ声が聞こえてくる。所用で御茶ノ水に行ったついでに、足を延ばして「いもや」を覗いてみた。神保町には「いもや」が三軒ある。「天ぷら いもや」「天丼 いもや」「とんかつ いもや」。北千住にも暖簾分けした「いもや」があるが、中心はこの三軒。
閉店を惜しむ行列(天丼いもや)
こちらも長い行列(天ぷらいもや)
「とんかついもや」も長い行列
すべて閉店を惜しむファンで長い行列ができていた。老若男女。男性の方が多い。店はいずれもカウンター席だけの狭いもので、中に入るまで1時間以上はかかりそう。「天丼 いもや」でしばらく並んでみたが、なかなか動かない。次の約束があるので、匂いだけ嗅いで、お別れの天丼をあきらめることにした。
行列の隣り(キッチングラン)
ふと隣の洋食屋が比較的空いていることに気づいた。それが「キッチン グラン」だった。こちらも1960年(昭和35年)創業のカウンター席だけの小さな洋食屋で、ガラス越しにりゅうとしたコック姿の店主の姿が見えた。調べてみたら二代目の店主で、ご高齢の女将(お母さんだろう)と二人で切り盛りしていた。
昭和の洋食屋
メニューはメンチカツや豚しょうが焼きなど揚げ物中心で品数は多くない。使い込んだきれいな一枚板のL字カウンターが歴史を感じさせ、席はざっと見たところ15席ほどしかない。2席ほど空いていた。厨房は広め。ポエム。
一番人気
頭の中を天丼からメンチカツに切り替えた。一番人気だという「メンチカツ・しょうが焼盛合せ」(ライス・みそ汁付 税込み800円)。隣の席を見ると、ボリュームがかなりある。「ライスを少な目に」とお願いしたら、「小盛りにもできますよ。50円安くなります」と女将さん。この気配り。涙が一滴ほど出かかった。
待ち時間は13分ほど。メンチを揚げる軽やかな音とラードのいい匂いが食欲をそそる。
この盛り合わせが昭和の洋食屋のものだった。しょうが焼きは甘めで、色がやや赤い。赤味噌かトマトソースを加えているのかもしれない。フツーに旨い。
この迫力
すぐれもの
何よりも揚げたてのメンチカツのボリュームと旨さに感心した。豚ひき肉と玉ネギのバランスがいい。噛んだ瞬間、肉汁がじゅわりと口中に広がった。サクサクしたパン粉の感触。上質のメンチ。
メンチカツの旨さ
しょうが焼き
スパゲティー
添えのキャベツとスパゲティーもいいレベル。みそ汁は豆腐が沈んでいて、シジミの出汁が効いている。
シンプルなみそ汁
ライスを小盛りにしたのをやや後悔した。このライスが学生食堂のライスのようで、ブランド米ではないと思う。妙に高級化していないのがいい。昭和のよき洋食屋。
B級のライス
食べ終えて外に出ると、隣の「天丼 いもや」の行列はまだ収まりそうになかった。路地の奥には半ちゃんラーメンで有名な「さぶちゃん」もある。さぶちゃんも去年閉店している。神保町の奥行きと去りゆく昭和・・・京都のグルメ先生ならずとも「ゆく川の流れは絶えずして」の一説が頭をよぎった。だが、まだ「キッチングラン」もある。
本日の大金言。
「いもや」の閉店の理由は不明だが、店主の女将さんのご高齢が一つありそうだ。ひょっとして客層の変化もあるかもしれない。いずれにせよ神保町「いもや」の暖簾はもうすぐ消える。そして記憶の中に残る。
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