極上?富山の駅弁「ますとぶり」

 「極上の孤独」(下重暁子著 幻冬舎新書)が売れているらしい。読者の多くはリタイア世代かそれに以上の世代のようだ。孤独というと、どこか寂しい、マイナスのイメージに取られがちだが、「極上の」という形容詞を付けただけで、意味ががらりと変わる。「素敵な人はみな孤独」とかくすぐり方も上手い。「孤独を味わえるのは選ばれし人」に至ってはへえー、そんなもんですか? と茶々を入れたくなるが、これで救われる人もいるかもしれないと考えると、めでたいことではある。「極上の孤独」ではなく「ご不浄の孤独」を噛みしめている人にとっては、「極上の」は「極下の」の間違いではないか、と悪態をついているかもしれない(勝手な想像だが)。
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          極上の孤独だって?

村長のエンタメ新聞社時代の上司だった川北義則さんが5年前に書いた「『孤独』が一流の男をつくる」(アスコム刊)の方が、現役世代も含めて面白いのでは、と思うのは身びいき過ぎるか? この方もベストセラーの仕掛け人で当時ミリオンセラーの「天中殺」や「脳内革命」をプロデュースしている。業界ではちょっとは知られた人。「孤独」を同じようにプラスのステップと考えている点や「幸福になろうとする者は、まず孤独であれ」というハンガリーの詩人の言葉を底流に置いていて、男性、特に若い世代に対して示唆に富んでいる。村長から見れば「極上の孤独」はこの老年版としか見えない。ちなみに幻冬舎の見城徹さんは角川書店に入る前に川北さんの薫陶も受けている(ご本人は否定するかもしれないが)。
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        富山に来たらここ

と書いたところで、本日テーブルに乗せるのは、「極中の孤独」を感じた北陸旅行で食べた駅弁である。富山駅構内の「ますのすし本舗 源(みなもと)」で見つけた「ますとぶり」(税込み 850円)。ます寿司は高いし、これまで何度も食べているので、ぶり寿司にしようかと迷った。だが、ぶり寿司は特に人気があり、売り切れ。すると、店員さんが勧めてくれたのが、両方楽しめる「ますとぶり」だった。
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          二つを楽しむ

しかも850円と手ごろ。これを買い込んで、「あいの風とやま号」に飛び乗った。相方はサントリー「金麦」。合計1000円以内で、車窓から日本海を眺めながら、富山の粋を味わう。考えようによっては最高のぜい沢だと思う。
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       車窓から日本海
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          これで極上になる?

ます寿司が3切れ、ぶり寿司も3切れ。しかも押し寿司の素朴な形を整えていて、孟宗竹の笹の葉まで付いている。「ますのすし本舗 源」は元々が料理屋で、駅弁屋を始めたのが明治41年(1908年)という老舗。その4年後に「ますのすし」を売り出している。「ぶりのすし」を売り出したのは昭和32年(1957)。
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          この丁寧さ
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          わおー
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          ます寿司
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          極中の味わい
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          醤油も大事

ます寿司はほんのりといい脂が乗っていて、身は薄いが、酢飯のふっくら感との相性がいい。醤油を垂らすと旨味がさらに引き立ってきた。ますは昔は地場のものを使っていたようだが、現在は北海道産を使っているようだ。
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          ぶり寿司
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          醤油を垂らせ

期待していたぶり寿司はぶりの存在感が薄い。金沢のかぶら寿司のようで、薄いかぶらと人参、それに厚さ1ミリほどの酢締めしたぶり。昆布と生姜の隠し味が効いている。こちらも醤油を垂らすと旨味が増した。もう少しメーンのぶりを厚くしてほしい気がする。

車窓から見える日本海がなければ、味わいが一ランク下がるが、安い金麦で咽喉を洗うと、ほどよいアルコールと泡がじんわりと体中に滲み込んでくる。「極中の孤独」が黄金の時間になってくる。糸魚川に近づくあたりで、トイレに行きたくなった。「ご不浄の孤独」も考え方一つでそう悪くはない。考え方一つで世界が変わる・・・はずだが、果たしてそううまくいくか? オムツの愛犬なぐは何を思うや?

本日の大金言。

孤独と孤高は紙一重。孤立は論外。思い込みは足元を見間違える。極上も極下も要は楽しめるか、ということだと思う。悩み深いYさん、Tさん、Sさん、Hさん、Kさんも。ニ、ニ、ニーチェかサルトルか、みーんな悩んで大きくなったァ。か、軽すぎるゥ。


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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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