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北千住「豚肉バインミー」の夜

 今が旬の美人女性記者を囲んでペン会報誌の仕事をした後、いつものように北千住で途中下車となった。すでに夜9時を過ぎていた。知人と待ち合わせ。場所はルミネ8階のベトナム料理店「フォーハノイ」。本格的なベトナムレストラン、である。
          フォーハノイ 
          北千住のベトナム

だが、「30分ほど遅れる」とのメールが入り、時間つぶしで軽く腹ごしらえをすることにした。「豚肉と野菜のバインミー」(税別 600円)と生ビール(同 500円)を頼むことにした。
          フォーハノイ② 
        バインミーとの再会

約2年前、ホーチミン市食べまくりの旅で、バインミーは二度食べている。旧サイゴン。開高健も泊まったかの「マジェスティックホテル」ではなく、すぐ近くの「ルネッサンスリバーサイドホテルサイゴン」の一階にあったカフェで食べたバインミーが印象深かった。
          バインミー① 
  2年前のバインミー(ホーチミン市)
          バインミー② 
     本場のボリューム(ホーチミン市)

柔らかなフランスパンに具を挟んだベトナム風サンドだが、そのボリュームとパクチー、それにヌクマム(魚醤=小魚と塩を漬け込み発酵させて作った醤油)の複雑な味わいが意外によかった。絶品ではないが、ベトナムとフランスが融合した味わい。フランスの植民地だった時代の情念も隠し味に潜んでいると思う。
          フォーハノイ④ 
  北千住も負けていない(フォーハノイ)
          フォーハノイ⑥ 
          パクチー満載

北千住のバインミーは少しボリュームに欠けるが、本場にかなり近い。豚肉というよりチャーシューが下にあり、その上に人参と大根のなます、トマト、キュウリ、さらにパクチーが盛大に挟んであった。野菜は国産。フランスパンにはバターかパテのようなものが塗られていて、まずは手に持ってガブリと行く。一瞬、ホーおじさんのお顔とアオザイ美女が頭をよぎった。開高健の背中も見えた気がした。輝ける闇・・・。
          フォーハノイ⑦ 
          チャーシューは?
          フォーハノイ⑨ 
          ほどのよさ

フランスパンの表面のパリパリ感と小麦の柔らかな風味。続いてパクチー独特の匂い。なますのせいか、甘酸っぱい郷愁のようなものがじんわりと口中に広がった。薄い塩味。ヌクマムの隠し味もあるかもしれない。バインミー独特の旨み。

残念なのはチャーシューの存在感がやや薄いこと。ここはもう少し盛大に行ってほしい。ホーチミンで食べたバインミーには豚肉の他にチキンやビーフンも入っていた。とはいえ、北千住バインミーもそう悪くはない。フォーが売りの店なので、ひょっとして女性客を意識しているのかもしれない。
         フォーハノイ10 
         いい味付け

この店はコックもスタッフもベトナム人のようで、アオザイ女性が料理を運んでいた。日本で食べるベトナム料理店としては本場にかなり近いことがわかる。ホーチミン市で見たように彼らはよく働く。
          フォーハノイ⑤ 
       本場と同じ調味料

ベトナムの調味料がいろいろ置いてあり、サテ(レモングラスと唐辛子などで作ったラー油みたいなもの)を垂らすと、独特の辛みが強烈に口の中に広がった。そう悪くない感触。生ビールを押し込むと、遠いベトナムが近くなった。
          フォーハノイ3 
          ああベトナム!

さらにヌクマムを3滴、4滴と垂らす。味わいに深みが加わり、ベトナムの熱い夜が寄り添ってくるようだった。2年前に行ったホーチミン市内の活気が頭の中で回り始める。たった2年前なのに懐かしい。

「おーい、そこのニッポン人、背骨を伸ばしなさいよ。戦争からちゃんと教訓を得ているか?」

どこからかそんな声が聞こえた気がして、思わず後ろを振り返った。知人はまだ来ない。アオザイの女性スタッフが請求書を持ってやって来た。ありゃりゃ。

本日の大金言。

日本も敗戦から立ち直り、今や危うい平和ボケの国。ベトナムはアメリカを追い出したが、その犠牲は想像に余りある。アメリカも深い傷を負った。人は何故戦争を起こすのか、DNAの中に答えが潜んでいるのは間違いないが、それを止める手立てはあるのか? バインミーをかじりながら、まずは自分の手をじっと見るのもたまには必要かもしれない。手違いにご用心。



                   フォーハノイ11 



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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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