新装東京駅で食ったバリ風混ぜごはん

 東京駅丸の内駅舎が完全復元したのはつい先日の10月1日。多くのメディアに取り上げられて、1914年(大正3年)当時そのままの荘厳で華麗な姿を現出した。
テレビで見ていた、華麗というより加齢な美熟女の村民2号が、ため息をついてボソッと言った。
「見たいわー。復元に5年半の月日と約500億円もの工事費をかけたんでしょ。ライトアップした姿を見たいなあ。村長だって、去年まで近くで宮仕えしてたんだから、完成した姿を見たいでしょ?」

         東京駅① 
         ライトアップされた東京駅舎

ウマズイめんくい村から江戸までは早馬で約1時間ほどの距離。彦作村長にとって、東京駅周辺は勝手知ったる場所である。エンターテインメント新聞社時代には「オレの庭」などと吹聴していたこともある。5年半前の工事スタートからようやく完成したその姿を見ないわけにはいかない。

「では行くとするか。ついては東京駅一番街でメシを食べよう。女子がいっぱい群がっている店がいい。B級グルマンとしては女子のうまい物センサーを研究しなければいけないからのう」
「見え見え。理屈は後からついてくる、だわね。でもフンドシだけはずり落とさないでね。恥ずかしいから」

ライトアップされた駅舎を堪能してから、ラーメンストリートもあるグルメスポット一番街にやってきた。その1階であちこちのぞき回るウマズイめんくい村の怪しい一行約2人。村民2号が村長から少し距離を置いているのが気になる。
「うむ、ここにしよう」
そこはほどほどの混み具合。3~4人しか並んでいない。しかも、若い女性客が多い。「CAFE&ごはん スプーンスタイル」という看板のファストフード風の店構え。

          東京駅② 
          女子猫が1匹、2匹・・・いや3人、4人

店内はかなりキツキツで、中央に対面式カウンター席。それに壁際に2人用テーブル席が10個ほど。収容人数はせいぜい30人くらいだろう。お客の7~8割は若い女子。カフェめしがメーンで、紅茶やちょっとしたドリンク類もある。
メニューから「元祖バリごはん」(Mサイズ730円)と「生ビール」Sサイズ(480円)を選んだ。ビールでも飲んでないと、この店の女子力に対抗できない。村民2号は「海老アボバリごはん」(Sサイズ830円)とコーヒーを注文した。 

ヘンな店である。元祖バリごはんって一体何だい?

 店員に聞いてみると、「まあ、インドネシア風と言いますかバリ風と言いますか、そんな感じのカフェめしです。当店のオリジナルです」。うむ。元祖とはこの店だけ、ということらしい。元祖という言葉をそんな簡単に使ってはいかん。いかん、いかん、いかの盲腸。

          東京駅④ 
          元祖バリごはん

待つこと数十秒。ほとんど待ち時間ゼロで、直径30センチほどのデッカイ調理用ボウルがやって来た。サニーレタス、赤キャベツ、ひき肉の肉みそ、細切りのキュウリ、それに海苔が乗っかっている。その下には温かいごはん。スプーンとわかめスープが付いている。ビールをぐびっと飲んでから、スプーンで混ぜ混ぜする。何やらエスニック風のビビンバみたい。ひと口。甘辛だれの肉みそがごはんと具にからまって、それなりにうまい。しかし、どう見ても料理用のボウルにしか見えない器で混ぜごはんを食べている姿は複雑な気分になってくる。何だかノラ猫にでもなった気分。花の東京駅でノラ猫になった村長・・・。

         東京駅⑦ 
         村長に混ぜごはん

「こっちはうまいわよ。アボカドは4~5切れ。それにムキ海老が4つ。これが入っただけで、凄くリッチな気分になる。添加物は少ないんじゃないかな。サニーレタスとか赤キャベツとか野菜が多いのもいい。体にもよさそうで、女性に人気があるのがわかるわ。村長は妙なプライドがあるからいけないのよ。今いる場所を楽しめ、よ」
「ノラ猫に徹することにしよう。そうだ、そうだ。激辛のサンバルソースをかけてみよう。まあ、これはチリソースだな」

         東京駅11 
         こちらは海老アボバリごはん

真っ赤なサンバルソースをドバドバとかけてみる。混ぜる。うーむ。味に深みが出てきた。次第に辛さが口内に広がってくる。バリダンスというよりサルサでも踊り始めたような刺激的な味わい。か、からーい。あわててビールでノドを洗う。

         東京駅⑥ 
         激辛ソースをドバドバ・・・

目をつむったら、脳内にインドネシア風の月が昇ってきた。華麗な東京駅で加齢で辛いフルムーン。何だか昔のCMみたいな気分。目を開けて周辺を眺めると、若い女性客が楽しそうにスプーンで「猫ごはん」を味わっている。一瞬、日本の近未来が見えた気がした。


本日の大金言。

復元された東京駅丸の内駅舎。だが、そこにいるのは2012年の日本人たちである。これはパロディーなのだろうか?


             東京駅⑧ 
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きれいですね

東京駅がとてもきれいですね。バリごはんもおいしそうで、わたしも行って食べてみたくなりました。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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