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文化財級?甘味喫茶の中華そば

 首都圏のローカルにはいい昭和が残っている。結城紬(ゆうきつむぎ)の街・茨城県結城市もその一つ。ふとした時に行きたくなる街でもある。茹でまんじゅうも名物で、真盛堂などいい老舗和菓子屋がいくつかある。歴史のある町に喫茶店と和菓子屋は欠かせない。それが今、辺境から崩れそうになっていると思う。
          結城市② 
      蔵の街・結城(真盛堂カフェ)

人は減っても歴史は残る。毎年10月初旬の連休に開催される「結いの市」は観光客でにぎわうが、それ以外は閑散としていることが多い。なので、この時期は狙い目でもある。

明治・大正時代に建てられた店蔵があちこちに残っていて、一見、時代に取り残された街のようにも見えるが、しっかりと暖簾を守っている店もある。「甘味喫茶 ちとせ」もその一つ。

たまたま「結城紬郷土館」で、女性スタッフと雑談中に、「面白い店がありますよ。私が子供の時からある甘味喫茶で、やきそばや中華そばもあるんですよ。とっても面白い味です」というディープな情報をゲットした。甘味喫茶の中華そば? これは行かずばなるまい。
          ちとせ12 
          中華そば屋?

ほぼ街の中心地から少し離れたところに渋い一軒家の「甘味喫茶 ちとせ」があった。かき氷の暖簾。以前来たときにこの店の前を通って頭に引っ掛かったことを思い出した。その時はたまたま休みだった。
          ちとせ1 
       いい店構え(ちとせ)

ちょうど昼めし時。今回は暖簾が下がっていた。白地に水色で「ちとせ」の文字。サンプルケースも昭和のまま。ポエム。

一歩中に入ると、立派な造りで、テーブル席の他に小上がり座敷もある。だが、お客がいない。メニューを見ると、あんみつやパフェに混じって、やきそばや中華そば、それにところてんまである。妙なBGMがないのがいい。
          ちとせ① 
          すごいメニュー

カウンターの向こう側が板場になっているようで、そこからぬっと店主が顔を出した。還暦を超えていそうな枯れた風貌。水を持って来てくれ、「ご注文は?」。おしるこも頭によぎったが、すでに真盛堂カフェであんみつを食べていたので、ここは財政事情もあり我慢の一字。面白い味という「中華そば」(税込み 560円)を頼むことにした。
          ちとせ③ 
      どんぶりの向こう側
          ちとせ② 
          東京の中華そば?

これが確かに面白い・・・というよりあまりに素朴な味わいだった。距離的に近い佐野ラーメンともまるで違う、昔の東京の中華そばが結城市まで旅しているうちに、独自に変化してしまったような味わいとでも言う他はない。

醤油色の濃いスープに厚みのあるナルト、三角形の海苔、メンマ、ハムのようなチャーシューが浮いていた。その下の麺は黄色みが強い細麺。一見、正統派の中華そば。
          ちとせ④ 
          見た目は濃い

まずレンゲでスープをひと口。見た目ほど濃くない。意外にまろやかで少し甘味もある。ゴマ油の香りがする。美味いとかマズイを通り越したような、あっさり系の不思議な味わい。店主に「ゲンコツは使ってますか?」と聞いてみた。「鶏ガラと後いろいろです。豚は使ってませんよ」。
          ちとせ⑤ 
          独特のスープ
          ちとせ⑦ 
          独特の細麺

黄色い細麺はコシはそこそこ、もっちり感もほどほど。チャーシューはラーメン店の煮豚ではなく、何というか、ハムチャーシューのよう。店主にさらに聞いてみると、「自家製です」とか。ある種ユニークな、正統派の名残りを残したような中華そばで、昔の味を変えていないそう。旨みに深みは感じない。戦後の素朴過ぎる味わい。
          ちとせ⑥ 
        独特のチャーシュー
          ちとせ3 
          不思議な味わい

創業当時のまま? 聞いてみると、創業は昭和23年(1948年)だそうで、店主は「二代目です」。「街もすっかりさびしくなって、この店も私の代でお終いですよ。後継者? そんなのいませんよ」。笑いながら言う。

八割の満足感。個人的には半切りのゆで卵があれば、満足度九割なのに惜しい。時間が止まったようなやや暗めの店内で、往時を想像してみる。結城紬で賑わっていた時代。客は少ないが、店は古いながらも隅々までよく掃除されていた。こういう店がなくなるとしたら、ある種、日本の損失だと思う。結城紬はユネスコの無形文化遺産に指定されたが、こういう店にも光りを。どこかの首相が大見えを切った「地方創生」はどこへ行った?

本日の大金言。

もりかけよりもローカルの小さな老舗だろうって。口先だけでメディアの注目を浴びようとする。あるいは操作する。ローカルをなめると、後で後悔することになる、と思う。最近思うこと。いつから日本は平気で嘘を突き通すようになってしまったのか? もりかけ安倍川ひと山9文。犬も食わない?


                   ちとせ10
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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