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「なみえ焼きそば」復活の味

本物の浪江焼きそばを食べたい。

約2年ぶりに東北の傷跡へ。いわき市からポンコツ車で再開通した国道6号線を北上し、途中寄り道をしながら石巻まで。これまで行きたくても近づけなかった場所でもある。極楽とんぼによる鎮魂の細道・・・などと独りよがりな理屈を付けて。
          国道6号線① 
       国道6号線を走る

とはいえテーマが重すぎる。そこで感じたことは整理するにはまだまだ時間がかかると思う。むろん目的はそれだけではない。幻の江戸羊羹をめぐる道行という側面もある。その成果はおいおい書くとして。

本物の浪江焼きそばを何としても食べたい。これまで福島支援のイベントなどでは何度か食べたことがあるが、正直に言うと味は今一つだった。「本物はこんなもんでねー」という浪江出身のおばはんの言葉を信じて、二本松まで足を延ばすことにした。ここに浪江焼きそばのシンボル店「杉乃家(すぎのや)」が新たな旗を立てているというのである。

3.11後、浪江町は苦難の歴史をたどる。昨年3月、全域避難指示は一部で解除されたものの帰還困難区域が多く残っている。つい先月には浪江町の復興に向けて陣頭指揮を執っていた馬場有(たもつ)町長が69歳で亡くなられている。言葉がない。
          杉乃家11  
        忘れない(二本松で)

「杉乃家」は3.11後の浪江町の避難先だった二本松市で再スタートを切る。その味が消えることへのファンの強い後押しがあったという声も聞いた。再開したのは2011年7月。3.11から約4か月後のこと。同じ味を出すのに様々な苦労があったようだ。

何としてもその本物の味を確かめたい。二本松駅からすぐのところ、「市民交流センター」に「なみえ焼そば」の幟(のぼり)が見えた。午後1時過ぎ。
          杉乃家 
          伝説の店

「そば うどん」の白い暖簾が下がっていて、店内には3人ほどのお客さん。2人がけのテーブルが5つ、8人がけが一つ。感じのいい女性スタッフが一人、左奥が厨房になっていて、そこに店主と女将さんらしき女性。中華フライパンを操る音が心地いい。
          杉乃家7 
          期待が高まる
          杉乃家1 
       ようやく出会えた

メニューから最も定番の「なみえ焼きそば」(税込み 並盛650円)を選んだ。待つこと10分ほど。浪江の名産「大堀相馬焼」の深皿に見事な極太麵の焼きそばが山になっていた。焼うどんかと思えるようなぶっとい麺、凛としたモヤシ、上質の豚バラ肉。それらがオリジナルソースの魔法(?)で、独特の世界を作っていた。
          杉乃家② 
          独特の極太麺
          杉乃家④ 
          本物だっぺ
          杉乃家③ 
          皿もお見事

「食べ方があるんです。最初にそのまま味わっていただいて、半分食べたら、にんにく唐辛子をかけて食べてください。二つの味が楽しめますよ」(女性スタッフ)

極太麵はコシともっちり感がただの焼きそばとはまるで違った。その歯ごたえ。やや甘めのソースは数種類をブレンドした店独自のもので、モヤシの量も焼きそばと同じくらいある。それがシャキッとしていて、全体のバランスを邪魔しない。
          杉乃家⑧ 
       焼そばとは思えない
          杉乃家⑦ 
        豚バラ肉の上質

豚バラ肉は大きめのものが5~6枚。柔らかな美味。食べ始めると箸が止まらなくなった。一見濃厚な味に見えるが、それ以上に旨味がじわじわと波のように来る感じ。本来の浪江・・・。
          杉乃家⑨ 
        天国まで百マイル

にんにく唐辛子をパラパラとかける。浪江焼きそばの元祖「縄のれん」が考案した香辛料で、「杉乃家」もそれを踏襲している。にんにくの濃厚と唐辛子のピリ辛が別の魔法をかけ始める。口の中いっぱいに1+1=3の世界が広がる。絶妙としか表現のしようがない。
          杉乃家10 
          にんにく唐辛子

並みでこれだけのボリュームに満足感が広がる。たかが焼きそば、されど焼きそば。

「浪江のときはもっと麺も太かったんですよ。全部手打ちでした。今は打ち場がないので、製麺所に特別に作ってもらってます。浪江のときとほとんど同じ味わいになっています」(女性スタッフ)
          杉乃家5 
          焼きそばの王者?

本物の浪江焼きそばが二本松で再スタートを切っている。浪江町への思いは極楽とんぼなどの及ぶところではない。口中に残るオリジナルソースとにんにく唐辛子の余韻はしばらくの間消えそうもなかった。

本日の大金言。

これまで東北の焼きそばを何度か食べてきた。横手焼きそば、石巻焼きそばも食べた。個人的な感想では浪江焼きそばの存在感が一頭抜けていると思う。とにかく本物を食べてみてほしい。


                   杉乃家6 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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