「のぼうの城」とデカ餃子の味わい

 和田竜原作・野村萬斎主演の邦画「のぼうの城」が公開中だが、その舞台となった埼玉県行田市の「忍城」は赤羽彦作村長の好きなお城でもある。映画では石田三成が率いる豊臣軍約2万に対して、たった5百の軍勢と農民で忍城を守り切った「のぼう様」こと成田長親の奇想天外な戦いぶりをドラマチックに描いている。のぼう様とは「でくのぼう」の意味で、天才なのか、ただの「でくのぼう」なのか、わからないという点もいい味付けになっている。

         大勝軒13 
         山岸一雄の大勝軒が・・・   
   
その忍城見学の帰り。行田バイパス沿いにあのラーメン界のカリスマ「山岸一雄」の写真とともに「大勝軒満帆」の看板がすっくと立っていた。前から気になっていた店である。大勝軒といえば、「もりそば」が有名だが、「特製餃子」も評判が高い埼玉餃子ランキングでもかなりの高得点を得ている。

この店は「東池袋大勝軒」で修業した岡氏が群馬で開業した「満帆」の3号店。大勝軒と満帆のいいところをそれぞれメニューに生かした店でもある。店内は広々としていて、長いカウンター席とラーメン屋とは思えない真っ赤なテーブル席が並んでいる。
大勝軒の味を再現したという「もりそば」(700円)と「餃子」(5個350円)を注文した。満帆系の「つけそば」(700円)もあるが、とりあえずは山岸一雄に敬意を表して、「もりそば」にした。

         大勝軒④ 
         ジャンボ餃子の風格

待つこと12~3分。まず餃子がやっきた。デカい!のぼう様のようだ。目測では長さ10センチ、幅3センチほど。 普通の餃子の2倍近くはある。表面がこんがりしていて、いい餃子の焼き方である。餃子は見た目も大事。まずは合格点。アツアツを口中に運ぶ。表面がパリッとしている皮が薄く、具がぎっしり詰まっている。キャベツ、白菜、タマネギ、ニラなど野菜類と多めのひき肉が一体となって、ほのかな甘さを発散させながら舌の上で踊る。香辛料は強め。

          大勝軒③ 
          こんがりの皮と中身

「香辛料がちょっと強すぎるかな。気持ち甘みが足りない。もう少し味に奥行きも欲しい」
村民2号が辛口の評価。
「このデカさと焼き方がいいと思う。期待値が10だとすると、まあ7か8くらいかな。これだけの餃子は埼玉にはあまりないと思うよ」
村長が冷静に分析する。
「まるでのぼう様みたいね。天才なのか大味なのかわからない(笑い)。のぼう餃子と名付けたら面白いんじゃない?」
村民2号の辛口は続く。

         大勝軒⑥ 
         もりそばの登場

「もりそば」が石田三成軍のようにズズズとやってきた。そばはストレートな太麺。つけ汁は大きなチャーシューと半熟の煮卵、それにシナチクとナルトが浮かんでいる。海苔が半分沈んでいる。げんこつ、豚足、鶏、それに鰹などで取った出汁をベースにした醤油スープは半濁していて、きざみネギが浮いた姿はまさに大勝軒そのもの。半熟煮卵がなぜか三成の水攻めにもついに沈まなかった「忍城」に見えてきた。

         大勝軒⑧ 
         大勝軒そのまま

         大勝軒⑦ 
         小麦色の太麺

ツルツルしていて噛むともっちりした太麺はいい歯ごたえである。アツアツのつけ汁は濃厚でコッテリしているのに酸味があり、すっきりとした後味。何とも言えない甘みもある。多分甘酢を入れて味を調整しているのだろう。麵との相性がさすがで、確かにこれは大勝軒そのままの味と言っていい。チャーシューが柔らかくてうまい。煮卵も元祖の味。シナチクもまずまず。

「もりそばは私の好きな味で、以前、山岸一雄製麺所で食べたものより全然うまいわ。山岸一雄製麺所は脂が浮いていて、コッテリしすぎ。こっちの方が体にじんわりと滲みこむようで健康にもいいと思う」
「山岸一雄はやっぱり大勝軒ブランドだよ。彼の弟子や孫弟子、さらにはひ孫弟子が関東を中心に次々と店を開いて、昔のような元祖の味は薄れてきていると思う。山岸一雄はこれだけ増えてしまった自分の分身を本当はどう思っているのかな」

食べ終えて外に出ると、山岸一雄の看板。その姿が秀吉に重なってきた。秀吉かのぼう様か。耳を澄ますと、422年前の忍城をめぐる激しい攻防が遠くから聞こえてくるようだった。



本日の大金言。

「のぼう様」成田長親は武士の意地と気骨を持った天才的なトリックスターだった。小田原城が秀吉の軍門に下った後、忍城も開城。その後は会津の蒲生氏郷に仕え、さらに尾張国で晩年を過ごし、68歳で亡くなった。戦国の隠れた風雲児の生涯を想う。


               大勝軒① 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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