涙の「巨大ホットサンド」

今回テーブルに載せるのは福島・いわき市で食べた巨大ホットサンド。これが驚き桃の木涙の木だった。

3.11後、いわき市には二度来ている。今回が三度目。安ホテルにチェックインし、駅周辺の美味い店を探すことにした。めひかりを食べようと目当ての縄のれんに行ってみたら、予約客で入れず。時計を見たら午後7時過ぎ。路地裏に入ったり、飲食街を上下したり、センサーをフル回転させて「手頃な店」を探したが、これはという店に出会わない。いわきの夜は復興需要で変わってしまったのか? あるいはセンサーが錆びてしまったのか?
          ブレイク 
          ようやく出会えた

歩き疲れたところで、よさそうな店構えの喫茶店が目に入った。老舗の匂い。フトコロ事情もあり、アルコール類はあきらめて、ここでサンドイッチでも食べようかと方針を切り替えた。

これが当たりだった。時間が7時半近くだったので、客は少ない。調べてみたら、地元では有名なコーヒーとサンドイッチの美味い店だった。その名も「BREAK(ブレイク)」。イッツ、ブレイクタイム。カウンター席とテーブル席がウッディーに広がっていた。コーヒーはサイフォンコーヒー。村民2号がいたら大喜びしそうな店。BGMがセリーヌ・ディオンというのが泣かせる。
          ブレイク2 
         名物喫茶店

デカ盛りの巨大ホットサンドがここの名物で、切り盛りしている女性店主はニッチェの江上を美人にしたような魅力的な雰囲気。男性スタッフも一人。いいコーヒーの香りが店内に流れている。
          ブレイク① 
      ハーフセットが狙い目

メニューから「グリルサンドセット(ホットサンド)」(税込み 850円)を頼もうと思ったが「ボリュームが凄いですよ。食パンだけで1.5斤あります。フツーのものの3倍はあるかな」とニッチェさんが教えてくれた。「高校生なら平気で食べる子もいますよ(笑)」とも。慌てて撤退。
          ブレイク3 
        これでハーフとは

すすめてくれたのが「ハーフセット」で、コーヒーとデザートが付いて840円(税込み)。当たりの予感。待てば海路の日和あり。待つこと約10分ほど。まずブレンドコーヒーが来て、それから主役のグリルサンドセット(ハーフ)がやって来た。
          ブレイク③ 
      パンだけで半斤以上

驚き桃の木。デカい! ホットサンドメーカーで圧縮して焼いているのに、その分厚さにため息が出かかった。耳付き。具は卵焼き、ハム、トマト、キュウリ。それもかなりのボリューム。
          ブレイク⑤ 
          どないでっか?
          ブレイク⑦ 
        卵焼きどっか
          ブレイク⑥ 
          トマトと具材

マヨネーズがたっぷり塗られていて、ガブリと行くと、パンの美味さと香ばしい焼き加減、それに具が絶妙に絡んできた。マスタードがあるともっといいと思うが、それはない。お願いすれば付けてくれたかもしれない。

東銀座のデカ盛りサンドの有名店「アメリカン」に勝るとも劣らない巨大サンドの名店を発見した気分。ハーフで食パン「半斤以上ある」そう。冗談みたいな世界。卵は関西型の玉子焼きで、トマトとキュウリの鮮度も旨みもレベルが高い。
          ブレイク⑧  
          ワンダー×2

サイフォンで淹れてくれたコーヒーの美味さも指摘しておきたい。デザートの自家製ゼリーも手抜きがない。これほどの喫茶店がいわきの駅前近くにあり、地元客に愛されていること。たまたまいたフィリピーナの3人組客と女性店主とやりとりもどこか微笑ましい。いい店、めっけの気分。

ニッチェさんによると、店はここで11年になるそう。お母さんの代から入れると、「41年になります」とか。創業は1977年。植田にももう一店舗あり、そちらにも巨大サンドイッチがあるそう。
          ブレイク4 
          絶妙な美味さ
          ブレイク10 
          冷たいデザート

3.11から1年半後、約6年前の夏、ポンコツ車でいわきを訪れたときのこと。駅のターミナルからぼんやり遠くを眺める町の消防団員らしきオッサンの後ろ姿にしばし目が釘付けになった。消防団の半纏を着込んだ長靴姿の小太りの背中。どこか何とも言えないやるせなさのようなものが漂っていた。その場所にも行ってみたが、オッサンの姿はもちろんない。
          いわき駅前① 
      オッサンの後姿はない

あれから6年の歳月が流れた。3.11からは7年4か月。巨大ホットサンドを食べながら、風化しそうな歳月を思い出そうとする。苦い涙のホットサンド、という言葉が浮かんだが、届かない。空も海も同じはずだが、届かない。隔靴掻痒のまま空になった皿をただ見つめるのだった(バッカじゃないの?)。

本日の大金言。

東銀座の「アメリカン」の創業は1982年。「ブレイク」の創業は1978年。巨大サンドイッチの歴史はどちらに軍配が上がるか? つい忘れがちだが、世界は東京が中心ではない。



                    ブレイク12
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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