なぜだ?虎ノ門岡埜栄泉への失望

 アンコ好きの彦作村長の中でも、豆大福は特別な存在である。豆大福ではなく、「豆大福さま」と様付で呼ばなければならない。これまでも東京の豆大福ビッグ3として、一に虎ノ門岡埜栄泉、二に原宿・瑞穂、三に護国寺・群林堂の名前を上げてきた。中でも村長の好みは虎ノ門岡埜栄泉で、あの京都の「出町ふたば」の豆大福(豆餅)に対抗できる存在として、一目も二目も置いてきた。

         岡埜栄泉③  
         この老舗の店構え

だが、悲しいことが起きてしまった。久しぶりに所用で江戸表に出たついでに、「虎ノ門岡埜栄泉」に足を運んだ。あまりの人気に正午には売れ切れてしまうという頭があったので、電話をして予約しておいたのだ。約10年ぶりに訪れた店は、リニューアルしたのか、さらにこぎれいになっていて、さすがと思わせる洗練された店構えになっていた。店員さんの対応もよくて、どら焼きまで追加してしまった。

以前は買ったその日のうちに食べないと、餅が固くなってしまうほどだった。当時、村民2号が虎ノ門の音楽事務所で働いていたので、気が向くとお土産として、買ってきてくれたりした。普通の豆大福の優に2倍はあるかと思われるほどの大きさ。午前中に買ったものが夕方には固くなりはじめる。ワクワクしながら食べると、そのあまりの柔らかさに驚く。さらにぎっしり詰まったこしあんの絶妙な甘さにオーバーではなく脳天が痺れた。ホントにさわやかな高原の春風が口中から脳天へと突き抜ける感じだった。
この脳天がシビレるという感覚は、その後、たまたま仕事でシャトーパルメのビンテージものを試飲した時と同じもので、村長にとっては特別な感覚である。

その強烈な印象がずっと続いていた。村民2号が音楽事務所を辞めてからは、虎ノ門岡埜栄泉から遠ざかっていた。先日、京都で「出町ふたば」の豆大福を初体験したこともあり、今回、約10年ぶりに食べ比べてみようと思ったのだ。ウマズイめんくい村に帰って、村民2号と久しぶりの賞味となった。

         岡埜栄泉⑤ 
         むむむのむ

ワクワクしながら包みを解く。あれっ、小さくなっている。やや大きめではあるが、普通の大きさとさほど変わらない。一個の値段は242円とかなり高い。皮が固くなっていないか、心配したが、その心配は無用だった。それでも昔のあの感動を確認するように、口中に運ぶ。餅は昔と同じ宮城県産の上質なもち米を使っているようで、柔らかさがさすが。出町ふたばの餅と遜色はない。

         岡埜栄泉⑧ 
         縮んだ?

中の北海道産のこしあんはいい色合いで、昔と同じように見えた。それがぎっしりと詰まっていてかなり甘めだが、塩分も感じられる。赤えんどう豆は少なめ。全体として普通の豆大福よりうまいと思う。だが、それ以上の感動はない。出町ふたばのあの豆大福に対抗できるという思いはすでに消えていた。

         岡埜栄泉⑦ 
         見事なこしあん

「悲しい。ひょっとして村長の記憶違いかもしれないと思って、関係者に電話して確認したら、やはり7年ほど前から小さくしたと言ってたよ。デパートに入れるようになって、あまり大きいと消費者に敬遠されるということなのかな。それと生産量が拡大したので、手作業から機械で包むようになったそうだ。経営としては仕方のないことだろうが、出町ふたばのあの凄味とは勝負にならない。赤えんどう豆も横綱と小結くらい差があると思う。ああ悲しい。これ以上の悲しさはない」

「バッカみたい。それは言い過ぎよ。前はデカすぎたし、味だってそう変わっていないと思うわよ。私は今がちょうどいい感じ。ただ、値段はちょっと高いと思う。昔はそうは思わなかった」
ダイエット中の村民2号が、横綱級のお腹をポンポンさせながら、残りの豆大福とどら焼きにパクついた。どら焼きも普通のうまさで特筆すべきものはない。ウマズイめんくい村の青い空にトンビがくるりと輪を描いた。


本日の大金言。

老舗とは何か? 期待は裏切られるためにある。豆大福においても、それは例外ではない。


               岡埜栄泉⑥ 




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はじめまして

たまたま拝見した者です。興味深く拝見しました。虎ノ門岡埜栄泉の豆大福については私も同じ思いを抱いていたので、正しい指摘だと思います。ただ赤羽さんほどはうまく言えませんが、まだかなりレベルの高い味だと思います。もう少し優しい気持ちも必要だと思います。せっかく面白い世界をお持ちなので、今後を心配しながら、また期待をしながら。頑張ってください!

確かに高いまま、小さくなってます。が、美味しさは、変わらないかと、早く食べないと、朝イチに買ったものは、4時過ぎには、固くなりますよ!夏は、もたないから、すずしくなったら、買います!

はじめまして^^

つい、先日デパートで虎ノ門岡埜栄泉の豆大福を買って食べたのですが、ブログに書いてあったのと同じ思いを感じました。

初めて食べた時の衝撃的な感動がなく。
期待しすぎて食べたから?と思いましたが、こちらのブログを読んで納得しましたw

巷では、群林堂・瑞穂・松島屋さんを東京の三大豆大福のお店を言われていますが、
虎ノ門岡埜栄泉が入らないのが不思議でしたが、この間食べた豆大福だと、そうも言えないと思ってしまいました・・・

なにが、出町のふたば だぁ〜ぁ!

あなたは、
本当に
どっちがうまいか
知らない、
味音痴め

同感です

20年ぶりぐらいに虎ノ門岡埜栄泉の大福を買い、同じことを思いました。昔は大福もワッフルも感動もののおいしさだったのに、フツーにおいしい感じしかしなかったです。昼過ぎに売り切れたあの頃が懐かしい。

やはり!

同感です。昨日久々に買ったのですが、昔はもっともっちりもち米の噛みごたえがあり、塩分も絶妙だったのに、餅は変に柔らかく、餡も甘いだけ。昔と違ってお店も空いており消費者は正直だなあと思いました。あ~あ残念。

一番好きなお店。

やはり好き好きでしょうか?いっその事あけぼのとか食べてご覧になったら(笑)美味しいですよ。還暦を過ぎた私にはジャストサイズです。とにかく漉し餡の御大福少なすぎですよね^^;
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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