あの伝説のラーメン屋の流れは汲めるか?

 赤羽彦作が食べた醤油ラーメンの中でもベスト10に入った熊谷「よか楼」。その謎の閉店はショックだった。閉店の理由が不明のまま1年半以上たった。もう埼玉・熊谷でラーメンを食べることはないだろう。そう思っていた。

だが、少々気になる新しい店の情報を仕入れた。美熟女の村民2号が知り合いラーメン通から「熊谷ですっごく面白いラーメン屋さんを見つけたわよ。店を開いて10年くらいたつらしいけど、土曜に行ったら行列だった」という情報。これは行くっきゃない。久しぶりにポンコツの愛車を飛ばして、その「きくちひろき」というおよそラーメン屋らしからぬ名前のラーメン屋に出向いた。

         きくちひろき① 
         がんこ流の骨っぽい外観

調べてみると、この店は東京・高田馬場で伝説のラーメン屋となったあの「元祖一条流 がんこ総本家」直系の店のようだ。「よか楼」しか眼中になかった彦作村長にとっては痛恨の極みかもしれない。たかが熊谷、されど熊谷。平日の午後1時半過ぎ。時間帯もあってか、行列はなかった。黒い建物に巨大な牛骨のマーク。それはこの店が「元祖一条流」の流れを汲んでいることを物語っている。入り口に「今日も又 咲くか咲かぬか我がスープ 咲かせて見せよう がんこ花」という大きなノレンが。店主の心意気だろうが、何やら演歌の世界のよう。村長の苦手な世界でもある。

店内は照明を落としていて、それが独特の味わいをかもし出している。14~5人ほど座れる長いカウンターだけの世界。目の前が厨房になっていて、若いハンサムな男性が一人、黙々と麺づくりに励んでいた。村長の他お客は2人。雰囲気としては好感が持てる。メニューはこってり系とあっさり系があり、背脂が苦手な村長は「醤油味あっさり(ネギ油入り)」(730円)を注文した。ネギ油は焦がしたネギと油を煮たてたもの。最近、このネギ油を使う店が増えてきている。

          きくちひろき② 
          シンプルな中の奥行き

「醤油味あっさりらーめん」が登場した。透き通ったスープと黄色みの強いストレート細麺。それに大きなチャーシューが目に飛び込んできた。シナチクと白身の多い刻みネギが見事に彩りを添えている。白いドンブリの隅には大きな海苔が。実にシンプルな構成の中に只者ではない雰囲気が漂っている。赤羽で賞味した「麺屋 伊藤」と共通するものを感じる。

         きくちひろき④ 
         あっさり目のスープ

まずスープ。仕上げにネギ油を入れているので、ぷんといい匂いが鼻腔をくすぐる。スープは塩分が強いという触れ込みだが、むしろさっぱりしたシンプルな味わい。ベースには牛骨や鶏ガラ、魚介類など数種類の出汁が潜んでいて、それがシンプルの中に奥行きを与えているようだ。店主がこのスープに賭けているのがわかる。だが、と彦作村長は思う。このさっぱりは村長にはやや物足りなさを覚えた。余韻が足りない。背脂をいっぱい使った「こってり」との対比でさっぱり感を前面に打ち出したと思うが、その後味はネギ油がやや強めに残る。ここが微妙に難しいところだが、この味の評価が別れる所ではないか。

         きくちひろき③ 
         歯ごたえのあるストレート細麺
         きくちひろき⑥  
         チャーシューは特筆もの

ストレートな黄色い細麵はコシがあり、シャキッとしたいい食感だ。何よりもスープとの色合いと味の相性がいい。自家製のチャーシューは箸で摘まもうとすると崩れるほど柔らかい。これほどの柔らかさまで煮込んだチャーシューはそうはない。シナチクも自家製でチャーシューとは反対で、コリッとした固めの食感。このあたりの絶妙なバランスは相当研究していることが読み取れる。あえて彦作村長の好みを言うと、チャーシューは柔らかすぎで、もう少し豚バラの食感があったほうがいいと思う。

スープを一滴も残さず飲む。高田馬場の伝説の店の流れを汲む「きくちひろき」。「よか楼」なき後、埼玉のラーメン戦国時代を生き残る有力店を発見した幸せな気分で、彦作村長はポンコツ車に戻ることにした。波乱の2012年も残すところ後わずかである。



本日の大金言。

ラーメン界のバトンタッチは心配には及ばないのかもしれない。永田町のバトンタッチの方が心配だ。


                    きくちひろき⑧ 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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