聖夜に希望のシフォンケーキとマフィン

 本日はクリスマス。昨夜はイブ。街行く人もテレビが伝える情報もどこか浮き足立っている。あれっ、日本にこんなにサンタクロースがいったんだっけ?とあきれるほどの商売先行の日である。クリスマス商戦に乗っかって、ロマンチックなムードになるバカップルも多い。
「日本には正月があるだろ、正月が!」
彦作村長は、越中ふんどしを締め直してから、厳かに立ち上がった。熊谷に行った帰りに美味い店を発見、そこで買ってきたシフォンケーキとマフィンを賞味するためである。

          ころぽっくる③ 
          メリークリスマス!

「村長は節操がなさすぎますッ!おとといは歌舞伎役者のディナーショーを楽しんで、日本人はやっぱり和だ。クリスマスなんて怪しからん、なんて息巻いていたくせに。シフォンケーキとマフィンって日本のものだったっけ?」
「昨日は昨日、今日は今日。あんぱん文化も日本の文化になっている。このシフォンケーキとマフィンは実に繊細で、アメリカ人ごときには作れるものではない。そう考えるとこれはもはや日本のスイーツとも言える」
「苦しいわねえ。ヘンな理屈を付けないで、食べたいなら食べたいって言った方が体にいいわよ。私はもともとシフォンケーキ大好きだから、クリスマスにこれを食べるのは賛成よ」
「うむ」

          ころぽっくる④ 
          犬も歩けば棒に当たる

「ころぽっくる」という小さな店を発見したのは偶然だった。ガイドブックやテレビの情報を信じない彦作村長は、自分の足と嗅覚でいい店を探すことを戒め(モットー)にしている。その嗅覚にビビビと来たのが、まずは店構えだった。いい店は店構えである程度判断がつく。ころぽっくるとはアイヌ語で小人の意味。たぶん、小さな店という志を込めているのだろう。入り口の黒板に「当店のシフォンケーキはベーキングパウダーや保存料などは一切使用せず、メレンゲの力で焼き上げております」と書かれた文字。小さな店なのに「地方発送、承ります」という看板まである。それが嫌味ではなく、むしろパティシエのささやかな誇りを感じる。

午後2時過ぎなのに店に入るとほとんどが売り切れていた。夫婦なのだろうか若い店主と女性が切り盛りしていた。いい匂いが小さな店内に充満している。残り物には福がある。村長は目玉の一つ「プレーンシフォンケーキ」(570円)と「ブラウンシュガーマフィン」(170円)、「ゴママフィン」(150円)を買った。

         ころぽっくる① 
         残り物には福がある?
         ころぽっくる⑤  
         この見事なシフォンケーキ

プレーンシフォンケーキは見事なものだった。カバーを取ると、新鮮な卵とバニラの香りが立ち上がってきた。シフォンケーキにはうるさい村民2号が生クリームを用意、そのまま村長を差し置いてひと口ペロリ。
「これは本当に自然な味。シフォンの意味はシルクという意味だけど、これはシルクを超えているわね。羽毛のようなふわふわ感がかなりのレベルに達してる。ベーキングパウダーでごまかしていないところも好感が持てるわ。口の中にふわーっと広がる感覚が素晴らしいわ」
村長も賞味。「この黄色さが自然な色だとしたら、すごいね。甘さも控えめで、ふわふわと同時にもっちり感もある。食感もマルだ」

          ころぽっくる② 
          まずはひと口
          ころぽっくる⑤ 
          黒糖が練り込んである

マフィンはブラウンシュガーに感心した。黒糖の塊が中に入っていて、それがほどよく溶けだしていて、自然な甘さがマフィンのもちもちした食感とともに口中に一時の幸福感をプレゼントしてくれるよう。「メリークリスマス、ミスター彦作!」そうささやいてくれたような気までする。非戦場のメリークリスマス。
「このマフィンはパンに近いイングリッシュではなく、むしろお菓子に近いアメリカ風ね。とくにブラウンシュガーはそう。ゴマは白ゴマと黒ゴマがいっぱい入っていて、甘くないのがいい。バターを使わないで豆乳を使っているというのもヘルシー。太る心配も少なくて、そこも好感度アップ」
村民2号が太る心配をしていたとは・・・。にわかには信じがたいが、ウマズイめんくい村のクリスマスはこうして平和に過ぎていくのだった。皆々さま、メリー、クリスマス!

          ころぽっくる⑦  
          おまけのツーショット


本日の大金言。

世界にはクリスマスを祝えない人もいっぱいいる。1秒でもその人たちのことを想ってみる。祈り。


                 ころぽっくる④ 


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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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