浅草セキネ、シューマイの肉汁

 以前、赤羽セキネの肉まんを書いたところ、その記事を読んだ知人から「セキネは肉まんも旨いけど、シューマイも旨いんですよ。崎陽軒のシウマイにも負けませんよ。普通サイズと特大サイズがあるけど、特大の方がおすすめ。今度は浅草の本店に行ってみてくださいよ」とアドバイスを受けた。崎陽軒が「シウマイ」なのに対して、セキネは「シューマイ」。この表現のこだわりに敬意を表したい。

         セキネ1 
         浅草本店

浅草本店は横浜崎陽軒とほぼ同じ頃創業したようだ(崎陽軒は1928年=昭和3年創業)。店に確認したところ「詳しいことはわからないんだよ。おそらく大正末期じゃないかな」というお答え。最初は大衆食堂としてスタートしたようだ。当時の浅草はモダンで流行の最先端の街でもあった。浅草オペラやコメディー一座が人気を呼び、そこからエノケンが生まれ、無声映画トーキー(昭和4年に日本初登場)へとつながっていく。大正ロマンの香りが残る「よき時代」の浅草。「エロ・グロ・ナンセンス」の時代でもある。セキネはそのモダンなごった煮の鍋の底で誕生した。

江戸に出たついでにセキネ浅草本店に足を延ばす。大正ロマンの香りを残す店構え(約6年前に改装)。中に入ると持ち帰り専門(赤羽店も同じ)のため奥行きはない。やや無愛想な女性店員が2人、来客の応対をしていた。特大はすでに売り切れていて、「普通サイズしか残っていません。味は同じですよ」。仕方ないので、10個入り(460円)を買い求めることにした。

         セキネ2 
         特大は売り切れていた

ウマズイめんくい村に帰ってから、賞味となった。包装を解くと、経木(きょうぎ)のフタがしてある。懐かしい経木!木の匂いとともにシューマイの匂いが漂ってきた。シューマイの大きさは崎陽軒の「昔ながらのシウマイ」(15個入り550円)より気持ち大きい。特製醤油だれと練り辛子が付いている。肉まんの時は蒸かしたが、今度は「レンジでチン」することにした。約1分。

          セキネ② 
          包みを解くと・・・
          セキネ⑤ 
          湯上り美女

ポークの甘い匂いがさらに広がる。半透明の薄い皮から透ける肉の塊は湯上り美女のようにほんのりとピンクがかっている。いい雰囲気である。口に運ぶ。豚肉とタマネギしか使っていないという具は甘い食感と歯ごたえで肉汁をじゅわじゅわと押し出してくる。同時に臭みと紙一重の豚肉のいい匂いが鼻腔へと抜けていく。肉まんにも感じた圧倒的な豚肉の存在感。タマネギの甘さが豚肉を盛り立てている。崎陽軒のような干しホタテの風味はない。シューマイのために作られた特製醤油だれは甘めで、練り辛子を付けて食べると、さらにうまさが広がってくるようだ。

         セキネ⑧ 
         肉汁がしたたるよう

驚くほどのうまさではないが、質と価格でも「ホタテの崎陽軒」に対抗できる「肉汁のセキネ」という構図。崎陽軒ほど手広く展開しない分、彦作村長のシンパシーはこちらにある。
「村長の判官びいきね。私は崎陽軒の方が好きだけど、セキネも悪くない。次は特大を買ってきてね」
村民2号が最近肉まんのようになってきたお腹周りをポンポンと叩いて言った。「肉まんも」と言わない分、まだ救いはあるようだ。


本日の大金言。

シューマイとシウマイと焼売。大した違いはない、と言ったら、もうオシュマイである。


                    セキネ① 

 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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