デパ地下で見つけた不思議な「揚最中」

 いつものように怪しげな姿で大丸東京店のデパ地下「ほっぺタウン」を散策中に面白い和菓子を発見した。ほっぺタウンは「ウマズイめんくい村」の「領土」(勝手にそう思っている)で、東京駅丸の内駅舎復元に伴って昨年の2012年8月22日に大増床している。弁当売り場がそれまでの32店舗から55店舗に増え、和洋菓子売り場も52店舗から72店舗に増えた。日本有数のデパ地下王国といっていい。

         中里・大丸② 
         さり気ない異端

「揚最中(あげもなか)」という文字。最中を揚げたもの? 目をこすってよく見ると、確かにそう書いてある。以前にはなかった店だ。「駒込 御菓子司 中里」。デパ地下で「御菓子司(おんかしつかさ)」を堂々と名乗るくらいだから相当な店に違いない。スマホで調べてみると、創業明治6年(1874年)の老舗だった。し、知らなかった。「南蛮焼」というどら焼きの変形みたいなものも看板商品らしい。そういえば店の作りも格式を感じさせる。

         中里・大丸③ 
         ホントに最中?

「本当に最中を揚げてるの?」
とマヌケ顔で村長。最中というより、つぶあんを真ん中にして上下から薄いせんべいで挟んだように見える。
「本当です。ゴマ油で揚げてるんですよ。皮はパリッとしていてソフトサラダせんべいみたいな食感です。皮は塩味なので、甘いものは苦手な人でも大丈夫です。秋元康さんとか榮倉奈々さんとかファンも多いんですよ」
ときれいな女店員さん。
最後の一言で、揚最中4個(1個180円)と南蛮焼2個(1個240円)の詰め合わせ(1300円ナリ)を買い求めた。

比較的新しいウケ狙いのお菓子だと思ったが、「揚最中」も「南蛮焼」も3代目鈴木嘉吉が昭和の初期に考案した歴史のあるものだった。しかし、現在までポピュラーになっていないところを見ると、あまりに「おかしなお菓子すぎる」ということでもあると思う。浮いてるお菓子。スベってるお菓子。そのズレ具合は彦作村長の好みでもある。

          中里① 
          揚最中(右)と南蛮焼(左)

ウマズイめんくい村で賞味することにした。「揚最中」は直径55ミリほどできれいなキツネ色。ホントにソフトサラダせんべいのような食感と塩味で、パリパリしている。中のつぶあんはかなり甘め。初めての味と食感にいささか戸惑いを覚える。口中で異種格闘技戦が寝技の応酬を始めたよう。奇妙な美味さ。このユニークさにハマるファンもいるということなのか。

         中里② 
         このユニークさがたまらない
         中里④ 
         最中というよりソフトサラダせんべい

「うまいけど、これで180円はちょっと高いわね。つぶあんも十勝産のいい小豆でしっかり作っているけど、風味が立ってこない。ま、村長みたいな珍しいもの好きにはいいかもしれないけど」
元美女・・・じゃなかった美熟女の村民2号が辛口品評。

         中里⑤ 
         中には宇宙人が?
         中里⑦ 
         独特の食感

「南蛮焼は形はまるでUFOみたいだ。黒糖のどら焼きといったところかな。皮は固めの蒸しパンみたいな食感で、ユニークだよ。中のつぶあんは揚最中のつぶあんと同じでかなり甘い。格式の高い味というより実に庶民的な味だね。洗練とは別の野暮ったい味。そう考えると、1個240円という値段も中途半端な気がする。普通にうまいけど、これだけ滑っていると、逆にシンパシーを感じてしまう。村長のファンでもある猫ひろしとかヒロシを連想してしまったよ」
村長はこのユニークなお菓子を考案した3代目鈴木嘉吉に会いたいと思った。タイムマシンを予約することにしよう。



本日の大金言。

正統と異端。和菓子界にもその二つの流れがあると思う。伝統は異端があって初めて輝く。「揚最中」よ、これからも突っ走ってくれー。


                    中里包み
 
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面白うて一言献上

最近このブログを知り、本当におかしな世界ですね。表現力に呆れながらも感心してます。お茶漬けや深川丼についての考察は秀逸。ぶっ掛け飯に高い料金を付けるのはおかしい。テレビや雑誌の紐付き記事は信用できない。同感です。しかし、プロフィールを見ると、赤羽彦作様もそこに所属していた人だったのではないのか? 山形出身うんぬんも余計な一言だと思いませぬか? でもまあ面白いので許してあげましょう。
今回の揚げ最中は私も知らなかった。どんな味か興味があるので、今度東京駅に行ったら買ってみようと思う。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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