賞味期限2日の超レア限定「生ういろう」

 東京駅八重洲にある「おいでませ山口館」(山口県観光物産センター)。祖先が会津藩足軽の赤羽彦作村長にとってはあまりに因縁の深い「長州藩の出城」である。世が世ならば、白刃を交えていたかもしれない。だが、彦作村長は長州にはある種の尊敬の念を抱いている。薩摩と並び幕末にあれだけ優秀な人材を輩出したことは、敗者の美学からいっても、一目置かなければならない。0か1の世界ではなく「ウマズイの世界」である。

         ウイロウ③ 
         いざ長州の出城へ

敵情視察ならぬ美味視察でふらりと立ち寄った。すると、レジのすぐ近くに「限定50個 生外郎(なまういろう)1個105円)」の文字が視野に入った。老舗・御堀堂(みほりどう)の生外郎。限定50個だとお? よく見ると、小さな長方形の外郎が行儀よく並べられていた。10個ほどしか残っていなかった。

          ウイロウ④ 
          希少価値?

「生ういろうって珍しいね。うまいのかな?」
単刀直入におばさん店員に聞いてみた。
「本当においしいですよ。山口の外郎(ういろう)はわらび粉を使っていて、食感が全然違うんです。名古屋とか他の外郎は米粉とか小麦粉を使用してるけど、山口の外郎は毛利の殿様も愛食していたくらいうまいんです」
「へえー、高杉晋作なんかも食ってたのかな。限定50個というのがすごいね」
「東京ではここでしか買えないんですよ。しかも月曜日だけ。50個しか入らない。入ると、すぐ売れちゃうんですよ」
「白外郎と黒外郎と抹茶外郎をそれぞれ2個ずつちょうだい」
「生なので明日までには食べてくださいね。絶対うまいですよ」
長州おばさんと甘いエール交換をしながら、「おいでませ山口館」を後にした。

         外郎① 
         3バカ大将ではない
     
さっそく試食となった。「白外郎」は小豆味、「黒外郎」は黒糖味、「抹茶外郎」は言わずもがな抹茶味。村長は実のところ外郎が苦手である。うすら甘くてボヨヨ~ンとした正体不明の食感がとてもうまいとは思えない。羊羹(ようかん)は大好きだが、外郎(ういろう)に愛を感じたことはない。

          外郎② 
          白外郎の見事なバディー
          外郎④ 
          黒外郎は黒糖入り
          外郎⑦ 
          深い抹茶色

1個の大きさは小さい。長さ65ミリ、巾35ミリ、厚さ15ミリほど。小豆マニアの村長が真っ先に手を伸ばしたのは「白外郎」。竹の子皮模様の包みを開けると、内側は銀紙になっていて、そこにこしあんのうっすら練り込まれた外郎が「おいでませ」と身を横たえていた。きれいで品のある美女の姿態に心が躍った。ひと口。もちもちしていて柔らかい。それでいてつるっとしていて、名古屋などの外郎とは明らかに違う食感。かすかにこしあんの風味。甘さは控えめで品がいい。それが口の中で溶けていく。やや物足りなさも感じるが、これがわらび粉の食感なのか、期待していなかった分、予想以上のうまさ。

         外郎③ 
          食感が独特

「黒外郎」は黒糖が練り込まれていて、これも結構イケる。毛利の殿様はこの黒外郎が特に好きだったそう。「抹茶外郎」も深みのあるいい色と風味で、蒸し菓子のよさを引き出している。幕末だったら、口にしただけで、「会津の恥だ、下郎!」と言われて袈裟懸けに斬られたかもしれない。そう考えると、今こうして生きていることの幸せに感謝しなければなるまい。



本日の大金言。

室町時代に中国から渡ってきたといわれる外郎(ういろう)。外郎の語源は官僚の名称の一つとか。長州出身の安倍首相もこれを食って対中国政策を練るといいかもしれない。


                ういろう 
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負けないで会津

とても面白く拝見しました。長州と会津。会津の歴史について、まったく知りませんでした。私は今毎週NHK「八重の桜」を見てます。大変なことがあったんだと驚いてます。会津は悪役だとばかり思っていました。村長の複雑なお気持ちが微笑ましくてついコメントしました。生ういろうは今度食べたいです。長州に負けないで、がんばってください。応援してます!

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とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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