行列のメンチカツよりコロッケ!

 東京・吉祥寺は彦作村長にとっては懐かしい街である。ウマズイめんくい村に引っ越す前に住んでいた街で、ハーモニカ横丁の迷路や井の頭公園、さらにはファンキーやサムタイムなどのジャズ屋、しゃれた店・・・すべてが気に入っていた。この街で行列のできる店といえば、「吉祥寺さとう」と「小ざさ」が双璧だろう。

         メンチカツ 
         行列の彼方

この2軒はほとんど隣り合っていて、今では吉祥寺の名物となっている。「吉祥寺さとう」はメンチカツ、「小ざさ」はようかん。それを買うために朝早くから行列ができる。「小ざさ」のようかんは一度食べたことがあるが、「吉祥寺さとう」のメンチカツは食べたことがない。日と時間によっては2時間以上も待つことがあるという伝説のメンチカツだ。

「ねえねえ、並んでみない? 今日は50~60人くらいしか並んでいないわよ。どんな味か試してみたい」
「B級グルメを名乗るからにはここは避けては通れないなあ。並ぶとするか」

村長と村民2号は寒風の中、行列の最後尾に並んだ。

         メンチカツ② 
         もう少しだ

「メンチカツ1コ 180円  5コ以上は1コ140円 メンチ以外はすぐにお買い求めいただけます」
そう書かれた黄色いボードを手渡される。
「メディアでもメンチばかりが取り上げられているけど、実はコロッケがうまいという情報があるよ」
へそ曲がりの村長は、メンチ2個とコロッケ(120円)を2個買い求めることにした。

          さとう⑤ 
          メンチカツとご対め~ん

30分ほどの待ち時間でゲット。ここは松坂牛など国産黒毛和牛を看板にした肉屋さんで、1階は肉屋で2階はステーキ屋になっている。最高級の松坂牛を安く買える、安く食べれるというのが昔からのウリで、その国産黒毛和牛を使ったメンチカツが大人気となっているのだ。「メンチカツ界の最高峰」とまで言われる。

ウマズイめんくい村に持ち帰って、さっそく賞味することに。電子レンジで30秒ほど温めてからオーブントースターで2~3分温める。こうすれば、揚げたてに近い状態になる。メンチはテニスボール大の球状で、いいラードでカラッと揚がっている。コロッケは一見して同じような球状だが、下の部分が平らになっている。村長の狙いはこちらの方。

         さとう⑧ 
         テニスボール大の圧倒
         さとう⑨  
        メンチカツ界のキング

まずはメンチカツ。二つに割ると、黒毛和牛のひき肉とタマネギのいい匂いがぐわんと立ち上がってきた。強烈な匂いで、それが旨さと表裏一体となって肉の進撃を開始してくる。口に入れただけで肉汁がじゅわりと広がってくる。絶妙な甘みと旨味。コロモのサクサク感もいい感触。ソースを付けなくても塩加減がちょうどいい具合に味付られている。
「メンチカツの最高峰と言われるだけのことはあるわね。180円というのは安くないけど、納得せざるを得ない。私が食べた中では一番うまい。揚げたてを食べたら、もっとうまかったわね、きっと」
村民2号が甘口の品評。

         コロッケ① 
         こちらがコロッケ
         コロッケ② 
         シンデレラ姫

お次はコロッケ。真ん中を割る。粗めにマッシュされた男爵イモと和牛の肉片が混じった見事な世界が現れた。メンチに比べて人気がないが、見た瞬間、「これは当たり!」というひらめきが走った。

「これはうまいよ。サクサクのコロモとレベルの高い男爵イモ。その間に間に柔らかい肉の塊。これで1個120円というのはチョー納得。これが待ち時間なく買えるんだから不思議だよ。客はどこを見てるんだろう? 総合点でメンチより上ではないか。メンチがキングならコロッケはシンデレラだと思うよ。競馬でいうと穴馬」
「客がその魅力に気づいていないというのは確かに。でも、着実にコロッケファンが増えているようよ。コロッケの行列ができる前にまた行きましょ。今度はその場で揚げたてを食べたいわ」
村長にメンチを切る村民2号。その顔がコロッケに見えてきた。



本日の大金言。

新しいスターは最初は見えにくい。シンデレラの教訓は示唆的である。すぐ足元に小さなスターがいるというのに。



                コロッケ③ 



 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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