どん底からの出発「和風まぜそば」って何だ?

赤羽彦作村長は、以前から気になっていた「まぜそば」を賞味すべく、福島県郡山駅で下車した。頭の中には約1年半前の8月の出来事があった。まだ宮仕えだった彦作村長は早めの夏休みを取って、3.11大震災後の東北を旅した。その途中で郡山駅周辺を歩き回ったときのこと。一軒の赤ちょうちんに入った。10人ほど入れる小さな店だったが、客はいなかった。

和服姿の瀬川瑛子似の女将が「もう郡山はダメよ。私も40年続けたこの店をたたまなきゃ。まさかこんな事故が起きるなんて」淡々と話していた。
途中で常連客の高齢男性が入ってきて、飲むほどに酔いが早まり、「もう郡山も福島も終わりだよ」「日本の終わりだ、世界の終りだ」の合唱になり、どうしたわけか最後は肩を組み、涙を流し、握手をして別れた。

          まぜそば② 
          負けないまぜそば

どうしようもない空虚が押し寄せてきて、この怒りをどこにぶつけたらいいのか、しばらく周辺を歩き回っているときに、「まぜそば凛々亭」の看板が目に入った。まぜそばってなんだ? 店はまだオープンしたてらしく入り口には花輪が飾られていた。こんな時期にオープンするとは・・・かなり酩酊していたので、店には入らなかったが、暗闇の底に一輪の花・・・そんなイメージの光景が脳裏に焼きついた。

郡山は福島県の心臓部で商業の中心地。西田敏行の出身地でもある。3.11後も「安積魂(あさかだましい)」を発揮して、少しずつ以前の活気が戻りつつある。彦作村長はアーケード街を歩いて、「まぜそば 凛々亭」を探した。あった! 時計を見ると午後1時半過ぎ。今では郡山有数の人気店になっていて、埼玉・越谷にも分店をオープンさせた。

引き手を開けて店内に入ると、10人ほど座れる木のカウンターが。さらに小さなテーブル席と5、6人ほど座れるカウンターが背中合わせになっている。ジャズが流れ、都会的な小じゃれた店内には6~7人ほどの若いサラリーマン客が「まぜそば」を食べていた。

         まぜそば④ 
         進化系油そば?

黒いTシャツに黒のキャップ。お決まりのファッションの若い女性が注文を取りに来た。まぜそばのメニューは豊富で、塩味、味噌味、和風など数種類。その中から「イチオシの定番」の「和風まぜそば」(並盛700円)を選んだ。
「よくかき混ぜて、3分の1ほど食べたら、お酢とラー油を入れて、またかき混ぜますと、別の味が楽しめます」
丁寧にまぜそばの食べ方を教えてくれる。悪い感じはしない。

         まぜそば⑥ 
         混ぜるのがもったいない

10分ほど待って、「和風まぜそば」がやってきた。美濃焼(?)の器に刻み海苔と大きい煮豚のチャーシュー、大きめのメンマ、多めの刻みネギ。極太の茹でめんがその下に控えている。見事と言っていいレイアウト。まぜそばは油そばの一種で、タレと麺の相性が重要な要素。魚介系の秘伝の醤油ダレと極太の麺を思い切ってかき混ぜる。タレにゴマ油も入っているのか、何とも言えない混じり合ったいい匂いが立ち上がってきた。

          まぜそば⑧ 
          混ぜ混ぜ後

まずはひと口。自家製の極太麵にやや甘めの醤油ダレが絡みついて、そのもっちり感がいい歯ごたえとなって、口中の粘膜に愛をささやき始める。「郡山は負けませんよ」愛の卍固め。カツオの風味がグワンと広がる。結構イケる。メンマはシャキッとしたいい歯ごたえ。チャーシューは脂身の少ないもも肉。ネギは白身と青味の2種類でそれが刻み海苔とともにいい脇役で絡んでくる。よく考えられた構成。

          まぜそば11 
          酢とラー油を加えると・・・
          まぜそば⑨ 
          あらら味が二度楽しめる
          まぜそば10 
          むふむふむふ

途中で酢と特製ラー油をかけてまた混ぜ混ぜ。確かに味がキュッと締まった。ほんわか美女からきつめの美女へ。長澤まさみから沢尻エリカへ。これはこれで美味い。ところで、沢尻エリカはどうしているんだろう? 郡山の復活を確信しながら、彦作村長は「まぜそばの豊饒(ほうじょう)」に身を任せるのだった。



本日の大金言。

絶望からの復活はどん底から始まる。ドンブリの底にある希望。それが見えるか見えないか。


                     まぜそば13 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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