摩訶不思議な山田屋まんじゅう

 「山田屋まんじゅう」なるものを初めて知ったのはごく最近である。約146年前の慶応3年〈1867年)に愛媛県西予市宇和町で創業、以来、一子相伝の秘伝の味を守り続けてきたという触れ込みの、いわば伝説的なこしあんまんじゅうである。

あの経済評論家・森永卓郎が昨年末のTBSの番組で「今年食べたお菓子の中でベストワン」と紹介、森永卓郎はエンターテインメント新聞社時代に少々お世話になった方で、その率直さは好感が持てるが、コンビニのスイーツ好きでも知られる。その人が「今年のベストワン」とベタボメする味とはどんなものなんだろう? 機会があれば食べてみたい。そんな好奇心だった。

          歌舞伎座⑤ 
          いい雰囲気

この4月2日にこけら落とし公演が始まる新歌舞伎座の地下ショッピングセンターをウロウロしていて、その「山田屋まんじゅう」に出会ってしまった。「歌舞伎座限定」と書かれた山田屋まんじゅうはまだ夕方だというのに、残りは1箱という状況。すごい人気なのである。本来なら愛媛の本店まで行きたいところだが、予算がない。すぐに1箱(10個入り1150円)をゲットした。

          山田屋まんじゅう④ 
          ありゃりゃ残り1箱・・・

ウマズイめんくい村に持ち帰って賞味することに。箱はシンプルで伝統を感じさせる和紙に包まれていた。ふたを開けると、まんじゅうのイメージとはずいぶん違う小粒な丸い和菓子が現れた。1個22グラム。直径3.5センチ、厚さは2.2センチほど。薄紫色の可愛らしいまんじゅうだった。何という気品のある色合いだろう。北海道産のこしあんをここまで純化するのは確かに驚きである。

         山田屋②   
         山田屋まんじゅう

このまんじゅう一筋、混じり気なしのこしあん勝負で140年以上にわたってファンを魅了しているのだから、あんこ好きの彦作村長としては、その歴史にまずは敬意を表さざるを得ない。だが、と書かざるを得ない。相当な期待を込めつつ、ひと口、賞味してみた。表面の薄い膜(多分小麦粉)を越えて本命のこしあんの世界に入ったが、風味が立ってこない。こしあんのそよ風のような風味を期待したが、それが感じられない。これはどうしたことか? 

         山田屋④ 
         小粒だが見事なお姿
         山田屋⑤ 
         こしあんの奇跡?

品のいい、さらりとした薄甘い味。それはフツーにうまいが、それ以上のものが感じられない。村長にとっていいこしあんの条件は風味が立ってくること。脳天にまで吹き上がるそよ風のような・・・。これは座ったままの小さくまとまったこしあん。少なくとも好みではない。ひょっとして村長の舌がおかしいのか? あるいはワインのようにビンテージによって味が若干変わってくるのか?

          山田屋まんじゅう 
          冷凍庫に入れてみる

「冷凍庫で凍らせても美味」というので、それも試してみた。小豆バーみたいな、面白い食感で、これから暑くなってきたら、面白い食べ方ではある。だが、ここでもこしあんの風味が立ってこない。期待したほどの感動がない。これが本当に一子相伝の製法で140年以上もファンを魅了してきたとしたら、彦作村長の味覚の完敗である。1個(単品)95円というのもそう安くはない。だが、と再び思う。結論は早すぎる。摩訶不思議な山田屋まんじゅうの世界。ここはやはり折を見て愛媛の本店に行くしかない。そこで作りたてを賞味する。それこそがきっと一子相伝の、本物の味なのだろう。その時改めて続きを書くことにしようと思う。



本日の大金言。

伝説の強調とテレビなどメディアの力。それに惑わされない舌。この時代の困難を思いつつ。



                   山田屋まんじゅう⑧ 




スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR