赤羽人気居酒屋のスーパーな夜

東京・赤羽と言えば、北千住と並び都内有数の居酒屋地帯。台風並みの低気圧が西から押し寄せる中、かの有名な「まるます家」目指して7人の粋人が集まった。「まるます家」は昨年の12月、夕方5時に入ろうとしたのに、「満員です」と断られた居酒屋。「夕方5時からこんなに混んでいるなんて日本はおかしい」「今度は朝の9時から並ぶしかないぜよ」想像だにしなかった事態に、自分たちのことを棚上げにして罵詈雑言を浴びせたものだった。

         まるます家② 
         リベンジなるか?

あれから4か月、今回はそのリベンジ。スウェーデンから北欧瘋癲(ふうてん)先生が一時帰国したので、その慰労を兼ねて、その時のメンバーだったブログ界のキング・渓流斎日乗先生、情報工学の権威・山石博士、テレビ界のシーラカンス・梅谷プロデューサー、それに赤羽彦作村長が赤羽に集合した。今回は新たに、商社ガール・谷川姐御、出版社の愛田編集長も加わった。総勢7人。さらにとんでもないお方がビッグサプライズで現れる、いう情報も飛び交っていた。あのオリバー君を日本に呼んだ伝説上の大物プロデューサーも参加する、というのである。まさか?

前回の失敗があったので、今回は呼びかけ人の渓流斎先生が2階の座敷を予約していてくれた。できるお方なのである。

          まるます家⑤ 
          いい雰囲気である

「まるます家」は「鯉とうなぎ」が看板だが、メニューが豊富で、居酒屋の範疇に入れた方がいいB級の老舗。昭和25年創業。マスコミなどで居酒屋特集をすると必ずと言っていいほど大きく取り上げられる。朝の9時から営業しているというのが仰天ものだが、夜9時半には店を閉めてしまう。

ビールで乾杯の後、村長は「鯉のあらい」(400円)と「牛すじ煮込み」(450円)を注文した。2階の大広間は年季の入った造りで東京下町の料理屋の風情が色濃く漂っていて、実にいい雰囲気である。午後5時前だというのに客で満杯状態だった。窓がガタガタ揺れ始めていた。外は雨と風が次第に強くなってきているのがわかる。伝説の大物プロデューサーはまだ来ない。

         まるます家 
         目玉の鯉のあらい
         まるます家⑦ 
         牛すじ煮込みのお成り~

代わりにオリバー君がやってきた。目の錯覚だった。無表情なおばさん店員が、「鯉のあらい」と「牛すじ煮込み」を運んできた。愛想がないところが村長の気に入った。これは人気居酒屋の本道の一つである。だが、料理は期待していたほどではなかった。「鯉のあらい」は作り置きだと思う。まずくはないが、期待していたほどの味ではない。「牛すじ煮込み」も見た目は実に美味そうだが、煮込みの深みが感じられない。北千住「大はし」の「肉とうふ」と比べると、横綱と小結くらいの違いがあると思う。もちろん、これは村長にとっての味覚である。

気を取り直して、この店の隠れた名物「自家製ジャンボメンチカツ」(550円)を注文した。来た。デカい!まずはそのデカさと多分注文してから揚げているのだろう見事なジュウジュウ色に見とれてしまった。新鮮なキャベツの千切りとトマトソース、マスタード、生レモンの配置も唸りたくなるほど。

         まるます家⑧ 
      隠れ名物ジャンボメンチカツ    

期待を込めてかぶりついた。ん?一瞬、無重量状態に置かれたような錯覚に陥った。肉の旨味が伝わってこない。
半透明のタマネギとひき肉が実に美味そうなのに、見た目の美味さが口中の粘膜に愛をささやいてこない。期待していた肉汁がじゅわじゅわ来ない。これはどうしたことか?村長の味覚がおかしくなってしまったのか? ソースをかけて再びがぶり。それでも見た目の美味さの半分くらい。

「ジューシーじゃない。こんなメンチカツはスウェーデンにもないぞ。ガッカリだ」と北欧瘋癲先生が叫ぶ。
「スウェーデンにメンチカツってあったっけ?」と彦作村長。
「期待が大きすぎるからよ。私はこんなもんだと思うわよ。十分美味いわよ」と谷川姐御。

         まるます家⑨ 
         生つばゴクリ

村長は脇に添えられているトマトソースを付けて、三度目のがぶり。今度はうまい! うーむ。これはかなりの高等テクニックではないだろうか。トマトソースも自家製だと思う。肉とタマネギの旨味の物足りなさをこのトマトソースを加えることによって、魔法のごとく、ジューシーさが出てくる。まるが増していく。まるますや。

         まるます家11 
         トマトソースの魔法

伝説の大物プロデューサーはついに現れなかった。代わりにオリバー・・・じゃなかった無表情のおばさん店員がやってきて「次のお客が待ってます。お勘定をお願いします」。「えっ?」。「皆さん、2時間半でお帰りになります」。2時間半がこの店のルールだったのである。ルールには黙って従う。7人の粋人はすっくと立ち上がり、次の店へ向かって、嵐の中へと降りていくのだった。金はないが、傘はある。



本日の大金言。

メディアで超人気の居酒屋と爆弾低気圧。伝説の人は現れなくても、こんな素晴らしい夜になるのである。



                      まるます家14
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お疲れさまでした

ブログ界のダンシング・クイーンこと渓流斎です。先日はお疲れさまでした。さすが、青羽村長、いや、白羽村長、また、違った黒羽村長でしたか?ま、いっか(笑)。村長さんのブログを見ていつも関心するのは、写真が綺麗ですね。実に旨そう!実際安くて旨かった。北欧先生に評判の悪かったメンチカツも、あの値段なら、タマネギメンチだと思えば、旨かったと思いまする(笑)。ちょっと離れた銀座ならあの二倍取られたのでは?
いずれにせよ、今度は、誰にも知られていない「隠れ家」にでも行きましょう!健筆を期待してます。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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