動物園と安曇野そばのミスマッチ

 突発的に動物園に行きたくなることがある。上野動物園へ行くか東武動物公園へ行こうか、迷っていると、村民2号がツツと近寄ってきて言った。
「お金がもったいないわよ。無料の動物園があるのよ。ライオン、キリン、象もいるわよ。村長そっくりの猿だっているわよ」
「タダ?まさか?」
「何でもお金を払えばいいってもんじゃないのよ。私も久しぶり。象やペンギンちゃんに会いに行こうかしら」

           桐ヶ丘動物園① 
           ライオンだって寝たい
           利平② 
           象の孤独

ポンコツ車をふっとばして、村民2号の故郷・上州、桐生郊外の「桐生が岡動物園」へと向かった。無料は本当だった。遊園地と併設していて、チケット売り場がない。首都圏からあまり離れていない場所にこんな立派な動物園があったことに驚いた。市営の動物園だった。市の財政は大丈夫だろうか、心配になるほど。ライオンは寝ている。象はデッカいウンチをしていた。ペンギンはタキシードを着たままだった。

          利平③ 
          めっけ!

ランチタイムを過ぎていた。動物園にはレストランがなかったので、仕方なく、桐生市街へと出ることにした。長崎屋近くで、いい雰囲気のそば屋を見つけた。「そば利平」という看板。「信州安曇野蕎麦」とも書かれていた。入り口が小さいので、きっと中も狭いだろうと思って入った。だが、広かった。古民家を移築して新しくデザインしたような見事な設計で、一枚板のテーブル席と板張りの座敷がゆったりと広がっている。壁には大谷石が配置されていて、和とモダンが融合したような、何やら建築雑誌のグラビアにでも出てくるような造りだった。

         利平12  
         メニューは少ない

ここは昼のみ営業(11時半~14時)というそば屋さん。ギリギリ間に合った。メニューは多くない。「とりそば」(750円)を注文した。ちなみに「もりそば」は500円とそう高くはない。店の造りから見て、むしろ良心的な価格設定。スタッフは3~4人ほど。奥に店主らしき人がいて、かなりご高齢に見えた。余計なことは言わないよ、そばだけを楽しんでってください、背中がそう言っているようだった。悪い感じではない。

          利平⑦ 
          そろい踏み

10分ほど待つと、きんぴらの小皿とネギ・わさび・ほうれん草の小皿がやってきた。きんぴらとは珍しい。続いて、いい海苔(のり)が多めにかかったもりそばととり汁が登場。そばの量はむしろ少なめだが、見事な細切りの信州そば。多分二八か。一番粉に全粒粉を少々入れたような、白くてきれいなそばだった。香りはあまり感じなかったが、コシのあるそば。店主のこだわりが伝わってきた。

         利平⑧ 
         見事な細切り
         利平⑨ 
         普通に美味い

付け汁の温かいとり汁には長ネギとシイタケ、それに鶏肉が3~4個。出汁は弱めで、返しも薄め。それが品のいい味というより、村長にはやや物足りなく感じた。
「建物も店内も雰囲気も素晴らしいけど、このとりそばはまあ、普通の美味さかな。動物園の動物たちを見てから、この小ぎれいなそばを賞味する。ちょっとミスマッチだったかもね」
「どういう意味?」

「たまには野生に帰れ、ということよ。それができっこない。だから悲しくなる」
「意味がわからん・・・」



本日の大金言。

動物園の動物だけではない。人間だって見えない檻の中にいるのかもしれない。象のウンチの真実。

  

                     利平11 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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