マックもしぼむ下町の仰天ハンバーガー

 三島由紀夫が自決した翌年の1971年、東京・銀座に日本マクドナルドが第1号店を出した。それから早42年の歳月が流れてしまった。ハンバーガーは日本の食文化にすっかり溶け込んでしまったが、赤羽彦作村長はいまだにハンバーガーが苦手である。ポパイにもブルータスにもなれそうもない。それでもたまに美味い店に出会うことがある。

          蜂の巣② 
          ここからバーガー劇場の始まりィ~

その極めつけが、居酒屋の街・北千住で起きてしまった。噂には聞いていたが、夕刻、ふと立ち寄ってみた。北千住らしからぬカフェバー「HACHI no SU(蜂の巣)」のハンバーガーである。意外に思われるかもしれないが、北千住には美味いハンバーガー屋が多い。その頂点に位置していると言われているのがこの店のハンバーガーだった。

         蜂の巣③ 
         まだ客のいないカウンターに座って・・・

カフェバーというより、店内の雰囲気は英国風のパブと言った方が近いと思う。世界の主なビールが取り揃えられていて、ウイスキー類も豊富。料理やツマミ類も揃っている。だが、ここの名物は何と言ってもハンバーガーである。村長はロンドンの下町にでもいるような気分で、カウンターに座ると、定番の「ハンバーガー」(880円)を注文した。むろんビールを頼むことも忘れない。ウェイターのイケメン君に「ギネス!」と渋くく叫んだ。1/2pint 600円なり。

         蜂の巣④ 
         ムムムの世界

注文してから作り始めるようで、カウンターの奥でハンバーグを焼いているいい匂いが村長の鼻腔をくすぐる。ギネスを飲みながら10分ほど待つ。イケメンウェイター君が見事なハンバーガーを運んできた。高さは10センチは優にある。マックのハンバーガーに慣れてしまった村長の目が点になる。手づくりの5階建ての宮大工ハンバーガー! いい焼き色のバンズ(丸いパン)の間には分厚いレディ・ガガのようなビーフハンバーグがトマトとピクルスとレタスを従えて「アーユーレディー?」と微笑んでいるではないか。オニオンソースと肉汁がじゅわりと滴っている。こんなのってアリか?「オールライト!レッツ、エンジョイ!」夕方5時過ぎたばかりで、まだ客がいない中で、村長の一人芝居が始まる。

         蜂の巣⑥ 
         アーユーレディ?

肉汁がこぼれないようにハンバーガーをペーパーの中に入れて、かぶりつく。自家製ハンバーグは国産ではなくオーストラリア産ビーフだそう。味付けはよほど自信があるのだろう、塩と黒コショウのみ。それを前面に打ち出したハンバーガーである。マヨネーズも使っているが、いい焼き具合のビーフの味が肉本来の甘みとともに口中に広がっていく。素材の味を生かした実にシンプルな美味さ。特筆したいのはバンズだ。特注の酒種バンズを使っていて、そのこだわりぶりがすぐに理解できる。テッペンにはケシの実が乗っかっている。村長はこのケシの実に弱い。銀座木村家のアンパンもこのケシの実がなかったら、香りのない吟醸酒のようなものになってしまうと思うほど。このバンズが只者ではなく美味い。

          蜂の巣⑦ 
          ちょいと失礼いたします
          蜂の巣⑨ 
          あら乱れてしまって・・・

レタスの量が村長にはちょっと多すぎるが、見た目も含めて、これだけの見事なハンバーガーに出会ったことはあまりない。ポテトフライを合いの手にギネスを飲み飲み、ハンバーガーにかじりつく。村長が好きなジミ・ヘンドリックスは子供の頃「ハンバーガーを腹いっぱい食べることが夢だった」とインタビューで答えている。そのジミヘンも今はいない。北千住の特製ハンバーガーを最近出始めた腹に収めて、村長は空になった皿を見つめた。夢から覚めた皿、それも悪くはない。



本日の大金言。

アメリカはハンバーガー、日本は焼きおにぎり。日米軍事同盟ではなく日米B級グルメ同盟というのもアリだと思う。




                    蜂の巣10
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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