これぞ異次元?下町の仰天今川焼き

 たい焼きに押されて、このところ影が薄くなりつつある今川焼き。発祥は江戸時代の神田今川橋付近。そこかから「今川焼きという名称になったという。地域によって呼び方が違うが、彦作村長は今川焼きへの思い入れが強い。このブログでも栃木「冨士屋」のじまん焼きや姫路「御座候」の赤あんなど絶品の今川焼きを取り上げたが、とうとうその頂点とも言うべき今川焼きに出会った。

伏線がある。先月、彦作村長は北千住で、町屋に凄い今川焼きがあることを聞きつけた。
「あれっ村長、知らないの? 田舎もんだなあ」
グ、グヤジイ。だが、それは本当だ。
日を改めて、その凄い今川焼き屋「博多屋」に出かけた。東京の下町で「博多屋」とは、ハカラレはしまいか。

         博多屋⑤ 
         客が途切れることはない

駅に隣接したビルの1階に「名物今川焼 博多屋」の看板が見えた。下町のおばはんが3人ほど並んでいた。ひょいとのぞくと、2人の白衣の職人が見事な手さばきで今川焼きを焼いてた。もう一人女性店員が客の注文をテキパキとさばいていた。今川焼きは村長がこれまで見たものとはあきらかに違っていた。まず大きさ。ひと回り大きく見える。だが、それは厚みのせいであることがわかった。分厚いのである。しかも焼き色がまだらで、見るからに手づくり感にあふれていた。

         博多屋③ 
         見事な腕さばき

メニューが「粒あん」一種類というのも驚き。1個120円ナリ。今川焼きにしては高めだが、後でそれは大間違いであることを思い知らされた。3個買って、熱々のうちに食べようと近くの喫茶店に入った。コーヒー皿に置いてしばし眺めた。身を任せたくなるほどの圧倒的なボリューム。フウフウしながら両手でもって割ってみる。皮は予想以上のもっちり感。強力粉を使っているか、あるいは米粉を入れているのではないかと思うほど弾力性があり、びゅんと伸びて、簡単には切れない。この皮だけでも十分に美味い。

         博多屋⑧ 
         今川焼き界の横綱
         博多屋⑨ 
         皮もあんもケタ外れ

驚くべきは中の粒あん。見事な小豆色がギッシリという表現など無意味なほど詰まっていた。粒あんは柔らい。ふくよかな圧倒。村長がこれまで見た粒あんの量をはるかに超えている。糖蜜のテカリ。これはオーバーな表現ではない。気を取り直して、ひと口口に入れる。やや甘めだが甘すぎず。いい小豆特有の風味がふわりと立ち上がってきて、口中の粘膜という粘膜に密着してくる。「わちきのお味はいかがでありんす?」それが鼻腔へ、脳天へと抜けていく。これもオーバーな表現ではなく、感覚的な食感を表現してみた結果なのである。

         博多屋1 
         言葉はいらない

名曲を聴き終えたように、1個を食べ切り、しばし満足感に浸る。これは一度に1個以上食べてはいけない種類のものだと思う。ウマズイめんくい村に帰って、温め直してから残りを賞味したが、美味さはほとんど変わらなかった。

小豆が気になって、電話して聞いてみたら、北海道産富良野産のえりも小豆を使っていると教えてくれた。なるほど、と村長は思った。風味の一端は理解できたが、それ以外は教えてはくれなかった。当然の話だが。ひょっとして黒糖も隠し味として少し加えているのかもしれない。

博多屋の由来は店主の出身地だそう。「50年以上、町屋で今川焼きを作っているんですよ」電話の向こうで、店主なのか、店の人が笑った。村長は50年もこの店の今川焼きを知らなかったことを、ただただ悔やんだ。



本日の大金言。

世の中を知ったつもりが池の中。今川焼きは日本のスイーツの宝だと思う。それもB級の。





                博多屋⑥
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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