評判の立ち食いそば屋に突入

立ち食いそば好きの彦作村長が最近、気になる店がある。メディアなどで取り上げられる機会も増えている。かき揚げなど天ぷらのスケールといい、そばといい、つゆといいレベル以上で、立ち食いそば屋なのにカレーも本格的で、今や「ここを知らなきゃモグリだよ」という輩さえいる。花のお江戸での出稼ぎ仕事の合間を縫って、怪しい姿でちょいと足を運ぶことにした。

          よもだそば① 
          ここを知らないとモグリだとォ?

東京駅八重洲口から日本橋方面へ歩いて5分ほど。その噂の店の名は「よもだそば」。ここは第一号店だが、銀座店も昨年オープンしている。「よもだ」とはおかしな名前だが、愛媛県松山地方の方言で「いいかげん」とか「悪ふざけ」とかの意味で、「しょうがないねえ、憎めないよ」というニュアンスの言葉だという。しょうがねえだとォ?

ここは立ち食いそばの激戦区で、隣は「蕎麦 一心たすけ」。老舗の「やぶ久」もある。「よもだそば」という看板と同時に、「自家製麵と本格インドカレーの店」というほとんどミスマッチなキャッチフレーズが目に入った。このギャグ感覚は好感が持てる。店の前でしばし観察する。メニューがやたら多い。さすが人気店、客がひっきりなしだが、自販機の前で、「何にしようかな」と迷っている人もいる。迷わせるのもよもだ、ということか。

          よもだそば③ 
          葉にんにく天そばの誘惑

彦作村長も迷いに迷ったが、「葉にんにく天そば 第1弾」という写真入りのおすすめに従うことにした。390円ナリ。「東北牧場直送の天然山菜 完全有機栽培野菜」という説明は悪くない。こういう宣伝上手の店はハズレということもある。まだかすかに残っている記者魂が悪魔のように「ホンマかいな?確かめてみることにしようぜ」とささやいた。一緒に評判の高い「よもだ半カレー」(260円)もセットにしてもらう。合計650円。

         よもだそば④  
         ミスマッチ?

並んでしばし待つ。スタッフは4人ほど。呼ばれてお盆に乗った「葉にんにく天そば」とご対面となった。「葉にんにくの天ぷら」のデカさは想像を超えていた。下のそばが見えない!厚さも4、5センチはあろうかという仰天ぶり。揚げ置きなのが少々残念だが、にんにくになる前の葉にんにくの強烈な匂いが村長を鷲づかみにした。カラッと揚げられた、というよりゴツゴツとした、難攻不落の巨大なかき揚げのよう。その下からは地黒の田舎娘・・・じゃなかった自家製そばが湯気とともにチラチラとうまそうな匂いを放っている。刻みネギがどっかと乗っかっている。さらに「よもだ半カレー」が、見た目もスパイシーさも本当にインドカレーのように控えている。よーく考えればおかしな立ち食いそば屋である。これってアリか?

          よもだそば⑤ 
          葉にんにく天に仰天

おぬし、できるな。正体を見せろ。そう独り言を言いながら、天ぷらを崩しにかかる。下の部分が次第につゆを吸って、柔らかくなり始めている。葉にんにくが野性的で、固めのコロモと強力タッグを組んで、官能的な風味をぐいぐいと押し立ててくる。見た目よりもうまい。いいかげんだが、うまい。そばは田舎そばの細い乾麺を茹でたような食感だが、ぼそっとしていてコシもあり、自家製麵というのもなるほどという味わい。立ち食いそばのレベルは超えていると思う。つゆは鰹節など魚介系の出汁がほんのりと効いていて、返しとのバランスもいい。甘さもほどよくて、自然でやさしい旨味がじんわり滲んでくるようだ。これもレベルを超えている。

         よもだそば⑦ 
         地黒の自家製麵
         よもだそば⑨ 
         香辛料が半端じゃない

見た目のサプライズとは裏腹な、自然で本格的な旨さとのギャップがこの店の人気の秘密だと思った。時間が経ってくると、天ぷらと地黒そばがつゆに浸食されてブヨヨンとなってくる。ここは早めに食べた方が無難だ。「よもだ半カレー」は確かに本格的なインドカレーで、香辛料がかなり効いている。たぶんヨーグルトだろう酸味も強く、むしろ単品で頼んだ方がいいと思う。そばとのセットだと、両方の味を殺し合う。場外乱闘戦が好きな人はいいだろうが。普通ならあり得ない立ち食いそばと本格インドカレー。これもよもだ、ということなのか。
だが、よーく見ると、どちらの味も真面目(まじめ)すぎるくらい真面目な研究の跡が垣間見える。どうやら隠し味は「オオマジメ」。よもだそば、恐るべし。



本日の大金言。

立ち食いそばの世界もどんどん進化する。キーワードは自然な旨味と意外性。世も末だ、世もまだだ、よもだ・・・。




                    よもだそば10 
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埼玉にもぜひ

たまたま拝見、感服しました。こんな立ち食いそば屋が日本橋にあったとは。埼玉に住んでいる身なのですが、今度東京に行った際には食べに行ってみるつもりです。埼玉にこんな店はないのか、ぜひぜひレポートをお願いします。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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