下町「石窯カレーパン」の問いかけ

 カレーパンの美味いパン屋さんはどこの街にも一軒くらいはあるが、ピロシキのように油で揚げるというのが共通している。カレーパンの元祖といわれる東京・森下「カトレア(旧名花堂)」のカレーパンがそのルーツとも言われている。彦作村長は、浅草から入谷を散策中に「石窯パン工房 グーテ・ルブレ」という看板を見つけた。東京の下町も下町。人通りは少なく、すぐ近くには入谷市場もあるが、「とにかく客がいない。もうここらでは商売ができないよ」(文具店店主)という嘆きも聞かれるほどの閑散とした通り。

          グーテ・ルプレ① 
          下町の本物めっけ!

だが、その「石窯パン工房 グーテ・ルブレ」は買い物客でにぎわっていた。地元では大人気のパン屋さんだ。ヨーロッパの古いパン屋さんのような佇まいに、村長の錆びれつつあるセンサーがビビビと反応した。入ると大きなスペイン製の石窯が目に入った。フランスパンや食パンからメロンパンなどの菓子パンまで実にざまざまなパンが「焼き立て」という表示とともに美味そうに並べられている。すべて天然酵母で発酵したパン生地を使用しているという。それを石窯で焼く。値段が安めというのも、高いパン屋が多い中で、これだけの客を集めている大きな要因だとすぐに理解できる。

          グーテ・ルプレ③ 
          知る人ぞ知る

村長はパンの種類の多さに驚いたが、この店の人気の一品に目が行った。「石窯カレーパン」(180円)。このカレーパンは知る人ぞ知るカレーパンだ。油で揚げずに石窯で焼くというのも珍しいが、カレーのルーがカレーの名店「デリー」のカシミールカレー(激辛で有名)を参考にして作ったという点も目を見張らされる。まずはこれをゲット。

          グーテ・ルプレ② 
          爆発だあ

村長はさらにもう一つのカレーパン「カリーボンバ」(250円)にも目を付けた。「半熟たまごが丸ごと入ったカレー爆弾」というキャッチフレーズが気に入った。「かぶりつくと玉子の黄身が飛び出ることがあります。ご注意ください」という注意書きもシャレている。残りは1個。これもゲット。こちらは油で揚げられていて、見た目は普通のカレーパンだった。

ウマズイめんくい村に持ち帰って、少々時間が経ってからの賞味となった。レンジでチンしてみた。「石窯カレーパン」は表面がパイ生地のようだが、中は天然酵母で発酵しているからだろう、伸びやかでもっちり感が半端ではない。かなり苦労して手で割ると、牛肉と豚肉のひき肉とタマネギ、それに強烈な香辛料の混じったこげ茶色のルーがどっかと鎮座していた。「ナマステ(こんにちわ)」とインド美女が微笑んだ気がした。下町のインド美女と出会えるとは・・・。

          グーテ・ルプレ① 
          パン生地が違う石窯カレーパン
          グーテ・ルプレ④ 
          ルーも違う

ガブリと行くと、かなりの辛さ。ジワジワくる辛さ。デリーのカシミールカレーほどではないが、強烈な香辛料ではある。だが、その強烈さがパン生地のもっちりした甘さと溶け合うと、厚みのある複層的な旨味へと変身していく。しばしシビレるような快感に酔い痴れる。パン生地に干しブドウが練り込められているのに気が付いた。この干しブドウは不要かもしれない。村長は違和感を感じたが、これがいいというファンも多い。

続いて賞味した「カリーボンバ」もビックリもの。カレーのルーは普通の甘めのルーで、「石窯カレーパン」ほどのインパクトはない。だが、半熟卵がホントに丸ごと1個入っていたのはちょっとした驚き。ムニュッと溶岩のように流れ出てきそう。これはアイデアものだと思う。こちらもパン生地の旨さがひと味違う。1個250円というのはこの店にしては高めの設定だが、内容を考えると、これはこれでありだと思う。

         グーテ・ルプレ⑤ 
         こちらはカリーボンバ
         グーテ・ルプレ⑥ 
         半熟卵がとろ~り

パン好きの村民2号がため息をつきながら言った。
「カレーパンより私は天然酵母の田舎パンが気に入ったわ。ハーフサイズで190円というのも安い。こういう本物のパン屋さんが下町にあって、地元に愛されている。そこがすごいと思う。青山とか渋谷とかじゃない。本物は場所を選ばないということね。村長も埼玉のへき地でへこんでちゃダメよ」
恐れ入谷の村民2号、である。



本日の大金言。

グーテ・ルブレに行くと、パンについていろいろと考えさせられる。パンの美味さと値段の関係とか。パンと街の文化についてとか。本物とモドキの差についてとか。人はパンのみにて生きるにあらず。パンは人のみにて生きるにあらず。





                     グーテ・ルプレ⑥ 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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