意外な穴場、湯島のタレカツ丼

 東京・上野の不忍池は彦作村長にとって懐かしい場所である。パンダを見た後にこのあたりをデートした記憶もある。下宿していたこともある。少々小銭を稼いだので、洋食の「黒船亭」でメンチカツかハヤシライスでも食べようとエレベーターに乗って4階で降りた。平日の午後1時だというのに行列がずらっと椅子に座っていた。アカン。「黒船亭」はメディアでの露出も多い老舗の洋食屋だが、いくらなんでもこの人出は異常である。食べる前にヘトヘトになったら何の意味もない。

          タレカツ丼② 
          湯島の越後へ

村長は頭を切り替えて、自分の足で「美味い店」を探すことにした。最近、テレビや食べログなどの情報で実際行ってみるとガッカリさせられることも多い。参考にはなるが、頼り切ってはいけない。自分の足で自分の舌で「美味い店」を見つける。発掘する。これが「ウマズイめんくい村」の原点でもある。で、湯島周辺まで足を延ばした。ふと「越後」の看板と「へぎそば」「タレカツ丼」の文字が目に飛び込んできた。「こんごう庵」という越後料理の店だった。村長は人を見るのと同じように店構えを見る。まずは合格。「新潟名物 タレカツ丼」というメニューが謙虚である。先日新潟でオムライスにハマってしまい、タレカツ丼を食べ損なった恨みもある。

          タレカツ丼③  
          こんなところにタレカツ丼!

「黒船亭」と違って店内は2組ほどの客のみ。小上がりとテーブル席、奥には座敷もある。小ぎれいな気配がこの店の客に対する気配りを漂わせていた。テーブル席で、「タレカツ丼とへぎそばセット」(950円)をすすめられたが、「タレカツ丼」(730円)1本勝負で行くことにした。へぎそばは普通は2人前以上という店が多いが、この店は1人前でも出してくれるようだ。

          タレカツ丼④ 
          あちきでよござんす?
          タレカツ丼⑤ 
          シンプルな豊饒

「タレカツ丼」は量的には少なめだった。最近、なぜか少食になってしまった村長にとってはこれぐらいがちょうどいい。キツネ色の大きいタレカツが3枚、どんぶり一杯に乗っかっていた。タレカツ丼は会津や桐生や長野のソースカツ丼と違って、醤油ベースの甘辛ダレをくぐらせている。キャベツを敷くこともない。薄切りの豚肉をカラッと揚げて、それを炊き立てのご飯の上に乗っけるだけ。そのシンプルに味覚の醍醐味が詰まっている。

          タレカツ丼⑥ 
          肉は薄いが・・・
          タレカツ丼⑦ 
          立ってるご飯

何よりもカツがカラリと揚げられていて、この店のタレカツ丼が本格的なものであることがすぐにわかった。カラッとした食感の後に、肉の柔らかいジューシーが押し寄せてくる。多分ヒレだろう。新潟名産のもち豚を使用しているという。パン粉のきめの細かさと醤油ベースの甘辛ダレが自然な味わいで、時々チェーン店などで見かけられる化学調味料の匂いはしない。ご飯も新潟のコシヒカリを使っていて、一粒一粒がふくよかに立っている。タレのかかり具合もちょうどいい。なめこ汁とお新香もかなりのレベル。自分の足で歩いていると、こういう発見がある。道端で50円玉でも発見したような気分。ここは日本海の魚と日本酒も売りのようで、今度は夜、こっそり来たくなった。



本日の大金言。

情報は自分の足と目と舌で確認すること。情報過多のメディア社会においては、特にこの原点を忘れないこと。自戒を込めて。



                      タレカツ丼⑨ 
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黒船亭は土日は特に混んでいる。確かに老舗の高級な洋食屋さんで、サラリーマンの私でも年に一回行けるかどうか。正直に言うと、そんな人気店はあまりマスコミには取り上げてほしくない。確かにマスコミが作り上げるブームも困るが、それに乗って押し寄せる人にも責任の一端はあるはず。ちゃんと吟味して行け、と声を大にして言いたい。タレカツの店は大丈夫か、そっちも気になる。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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