渋谷系武蔵野カレー汁うどんの味

 所用で久しぶりに東京・渋谷の街に降り立った赤羽彦作村長。小腹がすいたので、B級グルメハンターの団子鼻をひくひくさせながら、片目でしっかり渋ガールを観察した。ウマズイめんくい村周辺には生息していない小森純やしょこたんタイプのギャルがあっちに一匹、こっちに一匹。生活感のないモデルもどきの外側と多分砂のような孤独な内面。見事な体形。バーチャルとリアルが貼りついた表情に、ある種の戦慄と痛ましさを感じてしまうのだった。妖しい妄想もないわけではないが・・・。うむむむ、汗、バタリ。

        武蔵野うどん① 
        このB級さがたまらない

明治通りを恵比寿方面へと歩いてすぐ、ラーメン屋の並びに、「肉汁うどん」「昭和29年創業 武蔵野うどん」という大きな屋号が目に入った。白地に墨字で「竹國(たけくに)」というノレンが下がっている。いかにも、というB級の雰囲気が奥から漂ってきた。近づくと「カレー汁うどん 580円」という旨そうな立て看板メニュー。さらに目を凝らすと、小さな文字で「数量限定50食 プラス40円で、地粉うどんに変更できます」という文字。「おいでよ、お兄さん。だまされたと思ってさあ」とささやいているよう。

               武蔵野うどん③ 
       ちょいとお兄さん・・・

一見老舗のようで立ち食い屋のようで、テレビドラマのセットのような、この何とも言えない嘘くさい匂いが気に入った。入るとすぐに13~5人くらいしか座れないコの字型のカウンター。左手の自販機で「カレー汁うどん」(580円)と「地粉」(60円)券を買い求めた。合計640円ナリ。外の立て看板には「プラス40円」と書いてあったのに、自販機では「60円」。「20円、違う」というと、黒い作務衣姿の男性スタッフが「あっ、すいません。先日値上げしたんです」。この渋谷的ないいかげんさが彦作村長の心をさらにとらえた。昔の道玄坂周辺の怪しさを思い出させたからである。渋谷はこうでなくちゃいかん。

        武蔵野うどん④ 
        ホントに武蔵野うどん?

ほとんど待たずに地粉の「カレー汁うどん」がカウンターの上に置かれた。武蔵野うどんは無骨でぶっとくて硬くて長い。その武蔵野の大地を思わせる、リアルで素朴な圧倒が魅力のうどんである。だが、目の前の武蔵野うどんは違った。中太で洗練されていた。量も少なめ。カレーのつけ汁はどろりとした本格的なルーで、ヨーグルトが渦巻き状にかかっていて、いい匂いを放っていた。武蔵野うどんの渋谷的しょこたん的変換。薬味は分葱とタマネギのみじん切り。

        武蔵野うどん⑤ 
        地粉で食べやすい
        武蔵野うどん17  
        このカレーつけ汁は予想外

地粉麵はもっちりしていてそこそこコシがあり、しかもつるっとしている。国産小麦のいい香りもかすかにする。驚いたのはカレーのつけ汁。意外やこれが本格的で美味だった。どろりとしていて、インドカレーのスパイスが効いている。塩加減と酸味が絶妙。辛さもジワジワと効いてくる。奥からいい甘みが「どう?あたし、案外イケるでしょ?」と立ち上がってくるよう。豚肉もどっかと2切れほど入っている。期待が低かった分、その落差に軽く驚く。

        武蔵野うどん11 
        豚肉もあるでよ

どろりとしたメコン川のようなカレー汁に地粉うどんを沈ませる。あっという間に平らげてしまった。大満足ではなく、中満足とでもいうべきささやかな幸福に包まれてくる。砂漠の中の数秒の安堵。そば湯ならぬ「釜湯」をもらって、残ったカレー汁に注ぐ。湯気が立ち上る。その向こうに明治通りを歩くサラリーマンや若い女性の姿。バーチャルとリアルの壁が崩れていく・・・。



本日の大金言。

その昔は深い谷だった渋谷は武蔵野うどんでさえ飲み込んでしまう。若い女性を呼ぶために食べやすく、見た目もきれいにする。リアルに引き込むためのバーチャル。近藤勇が佐藤健にどこまで変換できるか?その落とし穴は?





                      武蔵野うどん15 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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