「会津名物」有名わっぱ飯の微妙

 NHK大河ドラマ「八重の桜」で、綾瀬はるか演じる山本八重がついにスペンサー銃を持って立ち上がる前半のクライマックスシーンが放送された。会津のビジネスホテルでそのシーンを見た彦作村長は、久しぶりに半分アルコールの血が騒いでしまった。先祖が会津藩足軽で火縄係だった彦作村長ゆえに、八重の姿にはオッたまげてしまった。実際の史実に忠実に従ったドラマ作りには敬意を表するが、見ていてつらくなるシーンが多く、正直なところ視聴率の低下も気になっていた。だが、このシーンには、鳥肌が立ってしまった。ひょっとしてNHKの大河ドラマスタッフはこのシーンのために、「八重の桜」を作ったのではないか。悲しいかな、彦作村長にはスペンサー銃はないが。

        田季野12 
        この雰囲気

翌日、その綾瀬はるかや西郷頼母役の西田敏行らが食事をしていったという「元祖輪箱飯 田季野」(元祖わっぱめし たきの)で夕食を取ることにした。会津西街道にあった江戸時代の陣屋を移築した重厚な店構えは一見の価値があると思う。テレビや雑誌などでも会津の老舗の名料理店としてたびたび取り上げられるが、店自体は昭和47年(1972年)創業で、それほどの歴史はない。この店の目玉はわっぱ飯で、もともとは奥会津の木こりが食べていた弁当である。それを重厚な店構えとその他の会津郷土料理をそろえて、高級な会津料理として売り出したというところがクールである。

        田季野② 
        綾瀬はるかも来た

入り口の提灯に灯りがともる時刻、ウマズイめんくい村の一行約2名は、いい雰囲気の暖簾をくぐった。敷居は低くない。江戸の昔にタイムスリップしたような黒光りした重層な造りは、入った瞬間に少々値段が高くても「しょうがねえべ」と思わせる。江戸時代そのままの帳場まである。大広間に通されて、歴史がしみ込んだような和テーブルの前に腰を下ろす。土日は観光客などで満席だそうだが、平日の夕方ということもあり、客の入りもそれほどではない。

        田季野③ 
        安くはない

メニューから一番安いわっぱ飯「けっとばし 輪箱飯」(1000円)を注文。少々ぜい沢だと思いながら、会津の郷土料理「鯉のうま煮」(780円)と日本酒「会津娘」(一合530円)も頼むことにした。村民2号はしっかり「五種輪箱飯」(1840円)を選んだ。いずれもみそ汁と小鉢が2品付き。

        田季野⑤ 
        けっとばしの登場

「けっとばし輪箱飯」は会津名物でもある馬肉のわっぱ飯。桐で作った丸い曲げわっぱにご飯と具を詰めて蒸すのがわっぱ飯。待つこと10分ほどでパカラッパカラッとやってきた(ン?)。作務衣姿の若い女性スタッフはとても感じがいい。だが、「けっとばし輪箱飯」は想像と違った。ゴボウの千切りがほとんどで、馬肉は少ない。まるで体のいいキンピラごぼうのよう。そこに紅ショウガと青菜とだし巻き卵が一切れ乗っているだけ。ゴマ油で炒めたのだろうゴマの香りがする。ラー油の辛味も感じる。味付けは薄味の甘辛じょうゆ。優しいが、薄っぺらい味。さすがに会津産のコシヒカリはつややかで旨い。全体としてはやや拍子抜けのする味わいだった。

        田季野⑥ 
        ゴボウが多い
        田季野⑦ 
        ご飯はさすが

鯉のうま煮は一般的には甘露煮と呼ばれるが、会津ではうま煮。完成度は高く、旨いには旨いが、砂糖の分量がかなり多く、煮込み汁がトロリとしている。鯉の内臓が絶品だが、村長には少々甘すぎる。そこは評価の別れるところだが、昔食べた鯉のうま煮は骨まで軟らかく煮込んであり、もっと旨かった。本当のうま煮だったと思う。

        田季野⑨ 
        鯉のうま煮
        田季野④ 
        こちらは五種輪箱飯

「私の五種わっぱ飯は旨かったわよ。鮭とぜんまい、きのこ、カニ、卵の味は素朴でやさしい味。満足したけど、値段を考えるとちょっと高いかな」
「村長は小鉢の昆布の煮ものが気に入った。自然な薄味で感心した。でも、それ以外はコストパフォーマンス的にはよくないと思う。あと200円~300円は安くして提供してほしいよ。綾瀬はるかや西田敏行はどう思ったのかな。さすけねえ、とでも言ったのかな?」
「ここは店の雰囲気代込みの値段なのよ。そう考えれば、この全体的な高さも納得よ。入場料を払って食事をする。そう思えばいいのよ。その価値もあるわ。じゃないと、腹の虫が騒ぎ出す」
村民2号がスペンサー銃を構えそうだった。



本日の大金言。

店構えと老舗とはひょっとしてイコールではないのかもしれない。身なりの立派な人が中身も立派な人とは限らないように。




                    田季野10 
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意外です

確かに建物に圧倒されました。私は鮭の輪箱飯を食べましたが、結構うまかった。それ以上に観光客が団体で次々と押し寄せて来たのに驚かされました。値段が安くないのに物凄い人気でした。三年ほど前の話です。私は輪箱飯を会津の高級な伝統料理だとばかり思っておりました。彦作村長のグルメレポート、面白いです。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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