元祖清水屋の不思議なB級グルメ

 会津若松から猪苗代湖へと抜ける途中に、知る人ぞ知る「強清水(こわしみず)」がある。800年近い歴史を持つ名水で、親が飲むとおいしい酒になり、子が飲むとただの水という伝説もある。ここには茶屋が4軒ほどあり、地粉のそばや独特の天ぷらなどを看板にして、観光客などの人気を集めている。中でも一番古いのが「元祖清水屋」である。100年以上の歴史を持つ。

        元祖清水屋① 
        元祖清水屋

ここの名物でもある天ぷらが少々変わっている。イカの天ぷらは生イカを使わずに乾燥したするめを使う。海のない山国ゆえの昔からの食材の知恵だが、彦作村長は幼少(ガキ)のころに、何度もこの固いイカの天ぷらを食べている。するめを水に浸して少々柔らかくしてからコロモを付けて揚げるのだが、それでもまだ固い。固くて噛みきれない。コロモだけ食べて、するめを捨ててしまったこともある。「秘密のケンミンSHOW」などで少々有名になってしまった「まんじゅうの天ぷら」も昔からある。さらには「ニシンの天ぷら」も名物である。

ウマズイめんくい村一行約2人は、会津からの帰途、この「元祖清水屋」に立ち寄ることにした。昼時は混むので、午前11時20分と早めに到着した。彦作村長にとっては約25年ぶりの強清水である。まずは水場に行って清らかな湧水を飲む。無料なのでペットボトルに汲む人が順番待ちの状態。相変わらず冷たくて美味い。酒には変化しなかったが。

        元祖清水屋② 
        こちらは裏側

それから「元祖清水屋」の暖簾をくぐる。広くて開放的で雑然としている。おばちゃん店員が7~8人ほど忙しく動き回っている。昔からそうだったが、庶民的なそば屋でもあるので、洗練とか優雅とは無縁な世界で、会津のがさつがそのまま目の前に広がっている。人気スポットになってしまったために、そのがさつがさらにパワーアップしていた。客が来るたびに、おばちゃん店員が走り回っている。

        元祖清水屋③ 
        開放的な雰囲気

メニューの中から「名物 天ぷら」を単品(1個80円)で頼むことにした。ニシン2個、イカ1個、まんじゅう2個。合計5個(400円)。村長はさらにこの店の隠れ逸品「おろしあげもち」(2個320円)を注文。村民2号は「地粉10割ざるそば」(500円)。天ぷらは注文してから揚げる。7~8分ほどでいかにもそば屋の天ぷらというコロモの多いお姿でやってきた。昔のままだ。ある種の感動を覚えながら、まずはニシンにかぶりつく。醤油を付ける。天つゆなどはない。身欠きニシンは昔より柔らかくなっていて、意外に旨い。厚めのコロモとの相性がいい。

        元祖清水屋④ 
        〆て400円ナリ
        元祖清水屋⑨ 
        ニシンの天ぷら
        元祖清水屋⑤ 
        イカの天ぷら
        元祖清水屋13 
        まんじゅうの天ぷら

するめは昔よりも大幅に柔らかくなっていた。ソフトするめを使っているのだろうか。それでも切れない人のためにハサミが置いてある。食べやすい。問題はまんじゅう。自家製のまんじゅうにコロモをたっぷり付けて揚げているのだが、ちょっと油っこいのとまんじゅう自体が甘すぎて、確かに昔のままの田舎の味だが、会津若松市内で食べたものと比べると、あまりに野暮ったい。このドヤ顔のもっさり感は村長の好みではない。醤油を付けてもその印象は変わらなかった。

        元祖清水屋10 
        おろしあげもち
        元祖清水屋16 
        うーむ

「おろしあげもち」は美味だった。餅にうっすらとコロモを付けて油で揚げたものに大根おろしときざみ海苔をかけただけのシンプルなB級グルメだが、醤油を垂らしてから口中に運ぶと、絶妙な旨味を奏でる。餅の表面のかりっとした食感も心地いい。みずみずしい大根おろしとの相性もいい。これは一つの発見だった。320円という安い価格設定も好感が持てる。おばちゃん店員が走り回っても腹が立たない。

「このざるそば、意外に旨いわよ。湧水と猪苗代の地粉を使ってるんだから、旨いのは当たり前と言えば当たり前なんだけど、店の雰囲気からあまり期待してなかったのよ。つけ汁も鰹節の出汁がよく効いていて、返しも甘すぎず辛すぎず。まんじゅうの天ぷらにはがっかりだけど。市内で食べた方が洗練されていて旨かったわ」
強清水のB級グルメについて、村民2号が締めっくくった。ペットボトルにはしっかりと湧水が入っていた。



本日の大金言。

強清水の伝説には意味がある。真面目に働く親と大なまけものの息子。その親が飲むと酒になり、息子が飲むとただの水。なぜだと訝(いぶか)る息子の枕元に弁財天が現れて、息子の行いをたしなめるというもの。息子はそれで自らの行いを悔い改めるのだが、今の日本には弁財天もいなければ、反省という言葉さえ色あせている。





                     元祖清水屋14
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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