湯島「みつばち」の大納言氷あずき

 ジリジリと暑い日が続く。先日、作家の浅田次郎さんがパーティーの席上で、「7月にこんなに暑い日が連続して続くことは日本の歴史の中でも珍しいこと」と話していたが、何か人知の及ばないところで大きな異変が起きているのかもしれない。3.11をきっかけに、何かが変わった気がする。そんなことを考えながら、彦作村長は「猛暑はかき氷に限る」と、東京・湯島の甘味どころ「みつばち」に足を運ぶことにした。「みつばち」は創業が明治42年(1909年)の老舗で、小倉アイスを初めて作って売りだした伝説の甘味屋でもある。

          みつばち① 
          湯島みつばち

村長はこの店の「豆かん」や「あんみつ」が大好きで、思い出しては立ち寄ったりしていた。夏は「小倉アイス」や「氷あずき」」を無性に食べたくなる。北海道十勝産の大納言小豆を使った絶妙な甘さと美味さは、例えば「虎屋」などよりもはるかに手ごろな値段で、敷居が高くないところも村長の好みだった。

          みつばち② 
          ま、入っておくんなさい

午後3時。気温は30度を優に超えていた。体感温度は38~9度あたり。人気店なので店は混み合っていた。6つほどのテーブルにはカップルが2組、それに女性だけのグループ。そこに怪しい姿の彦作村長が汗をぬぐいながら滑り込む。すぐに「氷あずき」(600円)を注文した。

          みつばち③ 
          言葉も凍る?

10分ほどで見事な錫(すず)めっきの器に盛られた氷あずきがやってきた。元々が氷屋だったこともあり、ここのかき氷の氷はきめが細かくて氷自体に艶(つや)がある。銀色の冷たい器に富士山のように盛られたかき氷。そのふもとの部分に北海道十勝産の大納言小豆がどっかりと横たわっていた。大納言小豆は一つ一つが煮崩れしていなく、まるで濡れ甘納豆のよう。

          みつばち④ 
          この大納言!
          みつばち⑤ 
          たまらん!

銀色のスプーンで崩すと、下から糖蜜がにじみ出てきて、ひとすくい口に運ぶと、冷たい甘味が口中に至福の世界を作る。うむ、これだこれだ。夏はこれに限る。大納言小豆はほどよい甘さで、潰していない分、風味がストレートに伝わってくる。たまたま向かい側に座っていた品のいい初老の婦人が話しかけてきた。
「お好きなんですねえ。氷に黒蜜をかけても美味しいですよ」
「ここの小豆はいいですね。黒蜜をサービスで置いているのも気が利いている。東京下町の粋なんでしょうね」
婦人としばし甘味談義。こういうシチュエーションが成立するのも湯島という場所柄かもしれない。

          みつばち⑥ 
          黒蜜をかける

食べ終えると、体全体が氷窟(ひょうくつ)になったようだった。自然のクーラー。外に出ると太陽がガハハと照りつけていた。うむ。日本の夏はこうでなければいけない。そう思いつつ、村長には引っかかるものがあった。大納言の量が以前より少なくなった気がしたからである。単なる思い違いかもしれないが、はてさて。



本日の大金言。

湯島みつばちの器のファンも多い。氷あずきを錫めっきの器で出す。ガラスもいいが、金属のキーンとした冷たさと雫(しずく)の世界のぜい沢。下町の老舗ゆえのさり気ないこだわりを楽しむのもたまにはいい。




                     みつばち⑧ 


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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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